「創業補助金」申請の具体的手順とポイント。会社設立時~中小企業にも。

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税理士がアドバイスする補助金・助成金制度の探し方と採択される申請の方法とは?

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(2016/10/06更新)

創業期に一番気がかりなのが資金の問題だという起業家も多いだろう。事業の立ち上げや継続に必要な資金を調達する方法としては、一般的な銀行融資や投資会社からの出資などの方法もあるが、より身近で活用しやすい制度として補助金助成金制度を活用したい。

国や地方公共団体、民間団体が、創業期の企業をサポートする様々な補助金や助成金制度を用意している。しかし、これらの制度が十分に活用されているとは言い難いのが現状だ。

補助金や助成金の活用について、多くのベンチャー企業や中小企業にアドバイスを行っている税理士・中小企業診断士の芳賀氏に、補助金・助成金制度の探し方から申請手順、申請のポイント等について、詳しくお話を伺った。

芳賀税理士プロフィール

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芳賀保則(はが・やすのり)
税理士・中小企業診断士。1970年生まれ。東京大学大学院卒業後、東京ガスを経て、税理士法人Hagax所長。税理士・中小企業診断士、上級システムアドミニストレータ、パソコン財務会計主任技術者1級、弥生会計認定インストラクター。趣味はテニス、ジム、百人一首。

補助金や助成金とは?

― 助成金や補助金とはそもそも何ですか?

芳賀:補助金や助成金制度というのは、会社を設立した法人が、国や地方公共団体、民間団体などからお金をもらうことができるという仕組みのことです。法人が事業を進めるためにお金をもらうには、他にも融資(銀行からの借り入れ)などの方法もありますが、補助金や助成金は融資とは異なり「返済不要」という点が特徴です(ただし以後一定の収益となる場合に返還義務が生じる場合があります)。

ただ、お金は公的な資金から出されるものですので、誰でももらえるわけではありません。申請や審査が必要です。しっかりと申請をすることで、返済不要のお金を受け取ることができる仕組みともいえます。

― 助成金と補助金の違いは何ですか?

芳賀:助成金は、要件が合えばほとんどの場合受給できます。一方で補助金は、要件が合っても受給出来ない可能性があります。その理由は、補助金は採択件数や金額が予め決まっているからだといわれています。また、それぞれの制度を管轄する組織も違います。補助金は大きく「経済産業省系」の制度ですが、助成金は人事など人に関する「厚生労働省系」の制度といえるかもしれません。

創業補助金以外に使える補助金・助成金をまとめたので、そちらも併せて御覧ください。
補助金/助成金を活用しよう。起業家が選べる4種類をご紹介!

― 補助金の種類はどれくらいあって、どのように探せば良いのですか?

芳賀:主な補助金はだいたい5〜10種類ほどあります。その種類は様々で、太陽電池を取り付けたら補助金が支給されるようなものや、耐震補強の補助金などもあります。自分が申請できる補助金があるかどうかはインターネットサイトなどで探すことができます。

創業者が申請できる「創業補助金」とは?

芳賀税理士-創業補助金とは?

― 創業者なら誰でも受給が可能な補助金はありませんか?

芳賀:新たに創業した人が受け取れる可能性がある「創業補助金」という制度があります。これは最近できた新しい補助金でして、ぜひ着目していただきたいです。簡単にいえば創業補助金とは、創業に要する経費の一部を最大200万円までもらうことができる仕組みです。

中小企業でも申請できる「第二創業補助金」とは?

第二創業者を含む創業者が対象であり、新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的としています。

【補足】第二創業補助金の概要と対象者とは

第二創業補助金とは、既に事業を行っている中小企業・小規模事業者で後継者が先代から事業を引き継いだ場合等に使用できる補助金です。
業態転換や新事業・新分野に進出する第二創業を支援することが目的です。

対象者は、中小企業・小規模事業者(会社及び個人)です。
企業組合、協業組合、協同組合、商工組合、有限責任事業組合(LLP)、NPO法人、学校法人、宗教法人、医療法人、任意のグループは対象になりません。

平成28年度からは、この創業補助金の申請をするために事前に認定市区町村からの特定創業支援事業を受ける仕組みとなりました。
国は、市区町村と創業支援者が連携して支援をする取組について認定し、認定を受けた市区町村の創業支援者に対しては補助金や金融面のサポートを行っています。創業者はこの認定創業支援者からの特定創業支援事業を受けることで、創業補助金への応募の他、会社設立の際の登録免許税の減免や軽減措置、金融面のサポートの拡充を受けることができるようになっています。
サポートを受けながら事業をすすめていくことにより、事業の成功率も高まると考えられますので、申請者にとってもメリットになるのではないでしょうか。

創業補助金の概要

平成28年度 創業・第二創業促進補助金

■対象ならびに補助対象経費と補助率
①創業促進補助金:100万円〜最大200万円
②第二創業補助金:100万円〜最大200万円(既存事業を廃止する場合は、廃止費用としてさらに800万円)
ともに、補助率:2/3
■公募期間:平成28年4月1日(金)〜平成28年4月28日(木)(締切日17時必着)(※電子申請は平成28年4月29日(金)17時締切)
■申し込み方法:電子申請または郵送申請

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最新情報は上記URLよりご確認ください。

創業者向けの補助金はこの創業補助金以外にも都道府県や市区町村単位で独自の補助金を設けているものがあります。事務所の賃料の補助、専門家の派遣、ホームページ作成費の補助など目的に応じて様々な補助金が出ています。補助金の情報は、募集をしている中小企業庁や都道府県、各市区町村のホームページに掲示されていますが、中小企業庁がすすめる「ミラサポ」というサイトにおいては一覧で検索できるようになっていますので活用してみてください。

補助金・助成金の受給までの手順

― 補助金や助成金をもらうのは大変ですか?

芳賀: 大変というのはそれぞれの感覚ですので一概には言えません。ただ専門家としては、これらの記入すべき内容というのは、ぜひ創業にあたって考えておくべきだと思っています。むしろ、この内容を記入できないで実際に創業すると、事業をまわしはじめても無駄なお金を先に使ってしまい財政破綻に陥ります。専門家などとも相談しながら実現可能性のある計画を立てるとよいと思います。

補助金・助成金をもらう具体的な手順

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創業補助金の申請書類作成の方法とは?

創業補助金の申請にあたり、記入するのは大きく以下4点になります。

  1. 創業形態(個人事業、法人)
  2. 事業計画
  3. 3年間のスケジュール
  4. 収支・資金計画

事業計画の作成のポイント

  1. SWOT分析(強みや機会)
  2. ターゲット顧客の設定、販路設定、価格設定
  3. 4Pの考え方(商品・サービス、価格、プロモーション、販路・場所)
  4. 収支計画と資金計画(設備資金・運転資金)

創業補助金の申請が採択されるには?

― では、どうしたら採択される申請書類が書けますか?

芳賀: 創業補助金の採択のポイントは5つあります。これは各都道府県の創業補助金事務局が配布している創業補助金募集要項にも書いてあるのですが、

  1. 事業の独創性:独創的な新たな商品やサービス・工夫があること
  2. 事業の実現可能性:コンセプトが明確で、人員の確保に目途がたっていること
  3. 事業の収益性:ターゲットが明確で、売上見通しに妥当性と信頼性があること
  4. 事業の継続性:実施スケジュールが明確で、リスク等に適切に対応できること
  5. 資金調達の見込み:金融機関からの資金調達が見込めること

です。個人的には、独創性よりも実現可能性の方が大切ではないかと思っています。熱意があり、本当に成功しそうなものには補助金が受給されると思います。

逆に、「補助金のため」に申請するような書類は採択されるのは難しいかもしれません。実現不可能だと思われてしまうプランや売上の見通しに根拠がない数字の積み上げを書いていたり、今までの経歴と創業してやりたい事業内容の一貫性がみられないようなことは避けた方がよいでしょう。採択のポイントを一言でいえば、これから行う事業が『絵に描いた餅』ではないということが大切だと思います。そのためにはしっかりと計画を考えて記入する必要があると思います。

またこの創業計画書の作成作業を通して、事業のターゲットやコンセプトがより明確になり、やらなければならない課題が見えてきます。もし補助金の応募をしない場合でも、創業計画書の作成はぜひチャレンジしてみてください。
芳賀税理士-創業補助金の申請が採択されるには?

― 採択率はどれくらいですか?

芳賀:一概にはいえません。というのも、平成27年度は応募総数1,170件、採択総数775件という高い採択率でしたが、毎年採択率が異なり、採択確率を予測するのは難しいです。また採択の数なども提示されていません。ただ、先ほども申しました通り、書類を書いて出すこと自体がこれからの事業に役に立ちますから、積極的に出していただきたいと思います。

制度に詳しい専門家のサポートを

芳賀税理士-創業補助金制度に詳しい専門家のサポートを

― 最後になりますが、芳賀さんのこれまでのご経験から何かメッセージをお願いします。

芳賀:実は私も独立した経験があります。ですので、創業者がゼロから独立するハードルの高さがとてもよくわかります。私は元々東京ガスで30歳くらいまで技術職をしていました。税理士になったのはその後で、「第二創業」という形で一個人事務所として開業しました。その間、実際に区の融資制度を使ったり、事業計画も自分なりに作ったり、創業塾などにも通いながら経営をしてきました。現在はスタッフを抱えていますのでローンの人事の問題や採用、資金繰りなどもそうですし、日々様々な問題を乗り越えながら進めています。

だからこそ、このようにお話しをすると営業トークのようになってしまうのですが、やはり私ども専門家にご相談いただけたらと思います。ご自身で経理経験がある方ならばよいのですが、たった一つの制度や仕組みを知らないだけで何百万と損をしてしまうこともあるからです。できれば事業家の方は、事業に集中していただき、私どもはそのサポートができればと思っています。

またもう一つのアドバイスとして、あまり認知されていない様々な制度を活用していただきたいです。社会にはあまり知られていない様々な有益な制度があります。例えば専門家派遣の制度では、2、3回なら無料で専門家への相談ができます。このような時に派遣される専門家は、意外と人気がある弁護士さんだったりします。ですが事業者のみなさんは、敷居が高く感じられるのか、なかなかその情報をキャッチしていないことが見受けられます。私たち専門家はいつでもアドバイス差し上げたいと思っているので、中小企業庁のホームページなどをはじめ、商工会議所などの情報でも結構ですので、まずは検索をしてみてください。
創業補助金以外に使える補助金・助成金をまとめたので、そちらも併せて御覧ください。
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ココ重要!
  • 創業者を資金的に支援する制度として、複数の助成金や補助金制度が複数あり、これらの制度は融資とは異なり返済が不要だ。
  • 助成金や補助金の申請には実現可能性の高い事業計画を提出する必要があるが、これは創業にあたって考えておくべきことなのであり、申請を行うこと自体がより実現可能性の高い事業計画の作成に役立つ。
  • 助成金や補助金の制度を活用するために専門家の協力を仰ぐことも有効だ。

(インタビュー・編集:田中 嘉、創業手帳編集部)

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