元スタバCEO・岩田松雄氏登壇!企業と個人の「ミッション」を考えつづける意味

創業手帳

企業は世の中をよくするためにある!「ミッション」に従ったスターバックスの事例とは?


3月3日に完全無料イベント、第6回創業手帳EXPO「ミッション」を開催しました。

初回にご登壇いただき大盛況だった元スターバックスコーヒージャパンCEO、現在は株式会社リーダーシップコンサルティングの代表を務める岩田松雄氏を再びお招きしました。

前半は「ミッション」をテーマに岩田氏にご講演いただき、後半は参加者から選出された3名の方々によるピッチセッションが行われました。岩田氏からそれぞれフィードバックいただき、イベントは締めくくられました。

本記事では、当日のイベントの内容を要約してお届けします。

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混沌の時代の中、仕事や生き方にはしっかりとした「ミッション」や「ビジョン」が必要です。“専門経営者”として成功した岩田氏の著書から「ミッション」の重要性と事業成功のヒントを見つけてください!

岩田 松雄(いわた まつお)
株式会社リーダーシップコンサルティング 代表取締役社長
スターバックスコーヒージャパンCEO(最高経営責任者)を経てリーダーシップコンサルティングを起業。大阪出身。大阪大学経済学部卒業後、日産自動車に入社。工場での生産管理や営業、財務など様々な業務を経験。カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソンマネジメントスクールでMBAを取得。ジェミニ・コンサルティング・ジャパン、日本コカ・コーラなどを経て、コカ・コーラビバレッジサービス常務執行役員、ゲーム会社アトラス社長、タカラ取締役常務執行役員、イオンフォレスト社長などを歴任。その後、スターバックスコーヒージャパンでCEOを務めた。UCLAよりAlumni 100 Points of Impactに選出される(歴代全卒業生37000人から100人選出。日本人は合計4名)著書に『ついていきたいと思われるリーダーになる51の考え方』(37万部)『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』(8万部)はベストセラー、「新しい経営の教科書」その他多数。

モデレーター 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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岩田松雄氏ご講演「ミッション」に気付くまで

創業手帳の大久保とは10年近い交流がある岩田氏。ただレベルアップしたい、稼ぎたいというのではなく、真摯に一生懸命取り組んでいる方を見ると応援し、サポートしたくなるとのこと。

創業手帳が掲げている「会社の母子手帳」というキャッチフレーズが印象に残っていると述べられ、講演会がスタートしました。

岩田氏は、何のために企業は存在するのか、何のために自分は生かされているのか、企業と個人のそれぞれの「ミッション」の重要性についてお話されました。

まずは企業のミッションとは何か、それに気付くまでのストーリーについてのお話です。

岩田氏は、43歳で社長に就任した上場企業の株式会社アトラスで、就任演説している最中に自身の言葉が社員に伝わっていないと実感したそうです。それまで経営学やビジネススクールでは「企業は株式の持ち物である」「利益の最大化は経営者の使命である」と学んできたけれど、実は腑に落ちていなかったとのこと。

そして、ザボディショップジャパン株式会社就任中に「企業というのは、自分たちの商品やサービスを通じて世の中をよくするためにある」と気付きがあり、そのとき初めてスーッと附に落ちる経験をしたと言います。

一般的には「企業の目的は利益の最大化」といわれますが、これは間違いと言う岩田氏。あくまでも企業というのは「世の中をよくするためにある!」と言います。企業の存在理由=ミッションであり、何のために事業をやっているのかが大切とのことです。

続いて、個人のミッションについて話されました。個人のミッションとは「この世に生かされている理由」です。個人のミッションについてわからなければ、好きなことや得意なこと、何か人のためになることをヒントに、ミッションが何かを考え続けることが大切と言われました。

自分の命をどう使うのか、死ぬ間際にこれが自分の生きた証といえることがミッションだと。自分のためにはもちろんのこと、世の中のためにもぜひ自分の命を使ってもらいたいと言われました。

そして、何のために起業して何のために仕事をするのか、改めて考えて欲しいと話されました。

サービスマニュアルのないスターバックスが提供するもの

続いて、スターバックスでのお話です。あるお客様から岩田氏宛てに届いた一通の手紙が紹介されました。

手紙にはパートナー(スタッフ)への感謝の気持ちが綴られており、スターバックスのミッションに基づいて起こしたパートナーのある行動がうかがえる内容でした。岩田氏も非常に感動し、まさしくスターバックスのミッションを実行したものだったそうです。

スターバックスと他のコーヒーショップとの最大の違いは、サービスマニュアルがないこと。マニュアルがなくても、ミッションを共有していればどんな状況においてもお客様が喜んでくれることを第一に対応できると言います。そして、それが他のコーヒーショップとの差別化になっているとのこと。

続いて、スターバックスの歴史やミッションステートメント(旧)、ブランドコンセプト、ミッションやブランドを大切にするために実践していることなどについて話されました。

スターバックスのライバルは、他のコーヒーショップではなくディズニーランドやリッツカールトンと岩田氏は言います。スターバックスはコーヒーを売っているのではなく、感動経験を売っているそうです。

ルールやマニュアルではなく、ミッションに従った行動をすればお客様の期待を超えるものを提供できるとのこと。そして、岩田氏は新しい産業になる第5次産業「感動経験産業」を目指すべきと言われました。

最後に、リーダーに求められる7つのこと、企業やNPOすべての組織の理想的な状態であるために必要な3つのことについて話され、岩田氏の講演が終了しました。

参加者3名によるピッチセッション

後半では、参加者の中から選ばれた3名の方々による3分間のピッチセッション(ショートプレゼン)が実施されました。

ピッチセッション終了後には、岩田氏から3名の方々にそれぞれ感想やアドバイスをしていただきました。3名の参加者からは気付きを得られたとの感想があり、大変貴重な機会になったようです。

以下、参加者の方々のピッチ内容についてご紹介します。

上田 渉氏 株式会社オトバンク

株式会社オトバンクは創業19年、会員数250万人以上の日本最大のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」を運営しています。

2022年からは、社員教育・福利厚生にオーディオブックを活用する法人版も展開しており、現在クライアント数は100社を超えるまでに成長されています。会員数は、この5年間で19万から250万以上に伸びているとのこと。

法人版を展開するに至った理由は、本を読むことが苦手な社員の方向けに、目からではなく耳から学習内容をインプットしてもうらうためだそうです。実際に7割以上の人が、目よりも耳からのインプットのほうが向いているという調査結果もあるそう。

また、耳で本を読むことが認知症予防にも効果があるとのこと。これは上田氏の創業のきっかけにもつながっていると言います。上田氏の祖父は緑内障を患い失明し、本を読むことができなかったそうです。そこで、祖父のように目が不自由な方のために、何かできないかと考えて起業されたとのこと。

まずは、目の不自由な方の周りにいるご家族などに、オーディオブックの存在を知ってもらうことが大切といいます。ご家族に知ってもらえれば、目の不自由な方にオーディオブックが伝わり、さらには高齢者の方にも伝わるとの思いで、会社を運営されています。

青山 沙織氏 SHINKAI

SHINKAIは、深海魚直送便という事業を展開しています。静岡県沼津市戸田漁港から水揚げされる深海魚を扱う、国内初の深海魚のお取り寄せサービスです。

深海魚は鱗が弱く、鮮度を保つことが非常に難しいため、市場に出回ることはほとんどないそう。SHINKAIでは、夕方水揚げされた深海魚をすぐに箱詰めすることで、全国発送を可能にしました。早ければ、翌日午前中にはご自宅へお届けできるそうです。

深海魚のお取り寄せサービスは、食用深海魚を詰め合わせた「お楽しみBOX」と食用に向かない深海魚を詰め合わせた「ヘンテコ深海魚便」の2つがあり、どちらも魚種を選ばないため資源ロスがないとのこと。

「ヘンテコ深海魚便」に入っている深海魚は、以前は釣り上げられても船上で廃棄されていたものですが、大学の研究室や深海魚の標本作家、深海魚好きなお子さんなどから注文があり、リピート率も高いそうです。

また、駿河湾で水揚げされた深海魚の中には、新品種のものあり、研究に活かされ論文発表されることもあるとのこと。

青山氏は、元々「地域おこし協力隊」として活動されていました。深海魚直送便の事業では、地域おこし協力隊での経験を活かしていきたいとお話されました。

大橋 功氏 株式会社 喋ラボ


株式会社喋ラボは、リモート会議動画DX事業を展開し、リモート会議を見える化して欲しい部分だけを切り取って簡単にシェアできるアプリケーションを開発されています。

ボットを使った録画を可能としていて、これがとてもキャッチーかつ非常に便利とのこと。また、録画やタグ付け、テキスト化など、さらには文章の要約まで自動で行えるそうです。

文字起こしをテキスト化した際に、テキスト選択で切り取りした部分から、動画のダイジェスト版が簡単につくれる機能もあるそう。作成した動画は会議などでのシェアも可能で、すでにビジネスモデルを取得されています。

大橋氏が起業するきっかけとなったのは、シリコンバレーで8年間生活していたときに湧いたある感情といいます。海外生活においては自然と日本を意識する機会が多くなるそうです。そして、外国の方に日本は衰退していると言われることがあり、そのたびごとに苛立ちを覚えたとのこと。

そして、それが原動力となり、日本の発展に貢献したいという思いで起業したそうです。最終的なゴールは「日本人の生産性を爆上げすること」と言います。

現在は、今話題のGPT-3を徹底活用した新機能の開発に日々取り組まれているとのことです。

「創業手帳EXPO」とは?

「創業手帳EXPO」は、創業手帳が今までにインタビューした起業家や専門家の方々をお招きしてご講演いただく完全無料のイベントです。参加者によるピッチセッションもあります。

参加者同士、チャットでコミュニケーションいただけるので、起業家としての新たなネットワークづくりの場としても貴重な機会となるでしょう。

オンラインでのZoom参加なので、全国どこからでも気軽にご参加いただけます。

起業家との豊富なネットワークがある創業手帳だからこそ実現できるイベントです。
ぜひ、奮ってご参加ください。

今後の創業手帳EXPO開催予定

誰でも参加無料、オンライン参加(Zoom)可能の創業手帳EXPO。

今後の開催予定は以下のようになっています。

チーム作りEXPO
【開催日時予定】
 2023年4月5日(水) 17:00-19:00(※受付開始 16:45)

【参加費】
 無料/追加費用無し

【参加対象】
 起業家、経営者、士業、大企業の経営支援・企画・イノベーション関係者
 起業に興味がある方、起業準備中の方

【開催場所】
 オンライン/Zoom

【定員】
 1,000名

【内容】
 ●セミナーセッション
  伊藤 羊一氏 × 創業手帳 大久保のトークセッション
  
次世代リーダーを育成し、さまざまな「チーム」の運営を行ってきた伊藤羊一氏より、チームメンバー一人ひとりに「自分ごと化」を促すチームのつくり方をお話しいただきます。

さらに、創業手帳代表の大久保がチーム作りの妙について鋭く深掘り。当日チャットで寄せられた参加者の皆さまからの質問にも答えていきます。

 ●ピッチセッション
  セミナー参加者によるピッチ登壇セッション

商品創造EXPO
【開催日時予定】
 2023年4月12日(水) 17:00-19:00(※受付開始 16:45)

【参加費】
 無料/追加費用無し

【参加対象】
 起業家、経営者、士業、大企業の経営支援・企画・イノベーション関係者
 起業に興味がある方、起業準備中の方

【開催場所】
 オンライン/Zoom

【定員】
 1,000名

【内容】
 ●セミナーセッション
  中山 亮太郎氏 × 創業手帳 大久保のトークセッション
  
今までになかった資金調達の概念「応援購入」システムを創り出し、多くの起業家のアイデアを実現させて世の中に新たな価値を送り出すきっかけを支援し続ける中山亮太郎氏より、応援購入システムの真価や起業家にとっての活用メリットについてお話しいただきます。

 ●ピッチセッション
  セミナー参加者によるピッチ登壇セッション

ご興味のある方はぜひ、お申し込みください。

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