インボイスを取りやめたい時はどうすればいい?取り消したい場合のやり方・方法を解説

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インボイスを取りやめたい時の方法・やめ方を解説!インボイス制度の取り下げ件数は?「2年縛り」とは何?

2023年10月1日よりインボイス制度がスタートしましたが、いまだそのメリット・デメリットについて全国民に理解されているとは言い難いです。

免税事業者だった方々の中にも、インボイス制度に登録することで課税事業者になり、2023年度の確定申告において消費税を納税しなければならなくなった方もいるでしょう。

しかし、制度施行からしばらく経って、「やっぱりインボイス制度、取りやめたい」と思われた方もいるのではないでしょうか。本記事では、インボイス制度に一度登録してしまった方が、登録を取りやめる、取り消すための方法などについてご紹介します。

もしインボイスの対応をどのようにしたらいいかわからないために取り消しを考えているような方は、是非「インボイス実務チェックシート」をご活用ください。創業手帳では、インボイス登録をしたけど何を実際にやったらいいかわからないという人向けに、チェックシート形式で対応方法をご説明。無料でご利用いただけます。


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インボイス制度の取り下げ件数はどのくらい?免税事業者に戻る人の数

インボイス制度を取り下げた人はどの程度いるか、気になる方もいるでしょう。

「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)によると、インボイス制度発足直前の9月にインボイス制度の登録を取りやめた人の数は7837件で、累計で21,820件にも及ぶこととなりました。

それだけ多くの人がインボイス制度を取りやめているということです。

インボイス制度を取りやめれば、売上1000万円未満の方々は免税事業者に戻り、消費税を納税する必要がなくなります。そこまでの税負担を負いたくなければ、インボイス制度を取りやめるという選択肢もあるのです。

インボイスを取りやめたい時はどうすればいい?取り消したい場合のやり方・方法

インボイス制度を取りやめたい場合には、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を所轄の税務署長宛に提出すればOKです。e-Taxで提出するか、郵送で提出するかを選べます。

ただし気をつけなければならないのは、インボイス制度を取りやめる効力が発生するのは、提出した日の属する課税期間の次の課税期間になります。

例えば、2023年11月に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出したとしても、その効力が発生するのは2024年度からなので、インボイス制度が始まった2023年10月1日〜12月31日分の消費税は納税しなければならない、ということです。また、仮に2024年5月に取りやめの申請をしたとしても、2024年度分、つまり、2024年1月1日〜12月31日分の消費税を納税しなければならない、ということです。その場合、2025年度分からインボイス制度を取りやめることになります。

もう一つ気をつけなければならないことは、提出期限です。次の課税年度からインボイス制度を取りやめたい場合には、「次の課税期間の初日から起算して15日前の日」までに提出しなければなりません。例えば、2024年度からインボイス制度を取りやめたい場合には、2023年12月17日までに「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出しなければならないことになります。

インボイス制度を取り消して再度登録すると「2年縛り」がある

インボイス制度登録時に、「課税事業者選択届出書」を提出せずに免税事業者から課税事業者になった場合、インボイス制度を一度取り消して、再度登録すると「2年縛り」があります。インボイス登録の際に「適格請求書発行事業者の登録申請書」以外に何も提出していない場合には、これに該当します。

なぜかというと、一旦課税事業者を選択してしまったら、そこから2年間は課税事業者でいなければならない、というルールがあるためです。

そのため、例えば2023年度(1月〜12月)いっぱいでインボイス制度を一度取りやめた人が、もう一度2024年度にインボイス制度に登録すると、2026年度(1月〜12月)までインボイス制度を取りやめることはできません。

より詳細に述べますと、2024年1月3日以降にインボイス制度に登録した人は、2024年1月3日〜12月31日、2025年度、2026年度分の消費税、つまり、2年と11ヶ月29日分の消費税を納税しなければなりません。

ただし、2023年10月のタイミングで免税事業者から課税事業者になった場合のみ2年縛りはありません。そのため、「今後課税事業者に戻ってインボイス制度に登録する必要はない」とお考えの方は、インボイス制度の登録をとりやめてしまっても問題ないでしょう。

もし2023年いっぱいでインボイスを取りやめたいのであれば、2023年12月17日までに上述した「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出してください。

インボイス再登録で課税期間を「2年縛り」の2年ぴったりにしたい場合

上述したように、インボイス制度をやめようと思うと最低でも2年以上の期間がかかってしまうケースもあります。後で「インボイス登録をやめよう」と思ったときでも課税期間を2年間だけで終わらせることができる方法についてご紹介します。

その年度の1月1日に登録する

「登録日から2年を経過する日の属する課税期間」まで納税義務がある、ということは「2年を経過する日=課税期間の末日」になるように登録日を設定すればいいわけです。個人事業主であれば、その年の1月1日に登録日を設定すれば、この条件をクリアすることができます。ただし、登録申請書は、1月1日から起算して15日前、つまり12月17日までに提出しなければならないので要注意です。

新たに開業する場合、登録申請書に一言書く

これから個人事業主として開業する場合には、登録申請書に「課税期間の初日から登録を受けようとする旨」を書き添えることで、課税期間を2年ぴったりにすることができます。開業した課税期間中に提出する必要があるので注意です。

「課税事業者選択届出書」を提出した上でインボイス登録する

この用紙を提出すると2年縛りが「登録日から2年を経過する日の属する課税期間まで」ではなく「課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間」となります。そのため、課税期間を2年ぴったりにすることができるのです。

ただし、「課税事業者選択届出書」を提出した場合、今度インボイス登録を取りやめるときには「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出するだけではなく、「課税事業者選択不適用届出書」も同時に提出する必要があるので要注意です。

インボイス制度を取りやめる・取り消すならお早めに

以上、インボイス制度を取りやめる・取り消す方法についてご紹介しました。

インボイス制度を取りやめる・取り消すなら、提出期間に要注意です。

2024年度から取りやめるのであれば、2023年12月17日までに「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出してみてください。


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(編集:創業手帳編集部)

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