【速報】3/9公募開始!販路開拓の経費の2/3を補助してくれる「小規模事業者持続化補助金」
気になるポイントを専門家が解説!
小規模事業者を対象とした「小規模事業者持続化補助金」(平成29年度補正予算事業)の公募が3月9日から始まりました。
使用した経費の2/3が補助金額とされるものですが、審査方法や対象業種など、ポイントとなる部分はどこにあるのでしょうか?
今回は、税理士法人ハガックス 代表社員 芳賀保則さんに、小規模事業者持続化補助金の注目ポイントを伺いました。
税理士・中小企業診断士。1970年生まれ。東京大学大学院卒業後、東京ガスを経て、税理士法人Hagax所長。税理士・中小企業診断士、上級システムアドミニストレータ、パソコン財務会計主任技術者1級、弥生会計認定インストラクター。趣味はテニス、ジム、百人一首。
小規模事業者持続化補助金とは
「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者の事業の発展を後押しするため、小規模事業者が、商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って取り組む販路開拓等の費用の一部(経費の2/3)を補助する、というものです。
今回の公募では、事業承継に向けた取り組み、生産性向上に向けた取り組みを実施する事業者を重点的に支援するとのことです。
補助金額
補助金額は使用した経費の2/3で、上限金額は50万円までとなっています。
また、賃上げや海外展開、買物弱者対策についての取り組みを行う小規模事業者は上限金額は100万円。複数の事業者が連携した共同事業を行う小規模事業者は、上限金額が500万円となっています。
小規模事業者とは
ここで出てくる「小規模事業者」とは、会社(企業組合・協業組合を含む)および個人事業主の方で、常時使用する従業員の数が以下に該当する事業者のことです。
業種 | 常時使用する従業員の数 |
卸売業・小売業 | 5人以下 |
サービス業(宿泊業・娯楽業以外) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
補助対象となりえる事業・経費は
補助対象となり得る事業・経費は、下記のような販路開拓の費用です。
日本国内に限らず海外市場も含むことができ、また消費者向け、企業向け取引のいずれも対象となります。
ただし、早期に市場取引の達成が見込まれる事業活動として、補助事業完了後に概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれる事業活動に限ることとされています。
また、販路開拓とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを行う場合には、その取り組みも補助対象事業となります。
- 販路開拓の費用の例
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- 新商品を陳列するための棚の購入
- 新たな販促用チラシの作成、送付
- 新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)
- 新たな販促品の調達、配布
- ネット販売システムの構築
- 国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加
- 新商品の開発
- 新商品の開発にあたって必要な図書の購入
- 新たな販促用チラシのポスティング
- 国内外での商品PRイベントの実施
- ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言
- (買物弱者対策事業において)移動販売車両の導入による移動販売、出張販売
- 新商品開発に伴う成分分析の依頼
- 店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む。)
業務効率化の費用とは、「サービス提供等プロセスの改善」や「IT活用」があり、例えば次のようなものが挙げられます。
- 業務効率化の費用の例
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- 業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減
- 従業員の作業導線の確保や整理スペースの導入のための店舗改装
- 新たに倉庫管理システムのソフトウェアを購入し、配送業務を効率化する
- 新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する
- 新たにPOSレジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する
- 新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する
採択・審査方法
必ず補助金がもらえるわけでなく、国の予算内の事業に限るために、審査があります。
提出した経営計画等をもとに事業計画の審査がされ、評価が高いものから順に採択されます。
採択率は不明ですが、例年の感触ですと30%~50%程度かなと考えられます。
なお、具体的には以下の4項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択されることになっています。
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- 1.自社の経営状況分析の妥当性
- 2.経営方針・目標と今後のプランの適切性
- 3.補助事業計画の有効性
- 4.積算の透明・適切性
ただし今回は、政策的観点から事業承継に向けた取り組み、生産性向上に向けた取り組み等を実施する事業者に対して重点的に支援をすることになっており、以下に該当する方に審査時に加点されることになっています。
- 該当すると審査時に加点される項目
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- 1.代表者が満 60 歳以上の事業者であって、かつ、後継者候補が中心となって補助事業を実施する事業者
- 2.今後の事業承継に向けた計画(事業承継計画)を作成し、申請時に提出した事業者
- 3.「生産性向上特別措置法」(今国会で成立予定)に基づき固定資産税ゼロの特例を措置する地方自治体に対して「先端設備等導入計画」の認定を申請する意志のある事業者
- 4.「経営力向上計画」の認定を受けている事業者(平成30年2月28日までに認定を受けている必要があります)
- 5.「過疎地域自立促進特別措置法」に定める過疎地域に所在し、地域経済の発展につながる取り組みを行う事業者
公募期間・申し込み方法は?
公募期間は平成30年3月9日(金)~平成30年5月18日(金)となっています。 ※締切日当日消印有効
そして、申し込みは各地の商工会・商工会議所が窓口となっており、また商工会・商工会議所から支援を受ける前提となっています。
申請にあたっては、経営計画書等を作成し、事前に商工会・商工会議所から
・「事業支援計画書」(すべての事業者)
・「事業承継診断票」(代表者が60歳以上のすべての事業者)
の作成交付を受けた上で期限内に申請する必要があります。
よって、まずは地域の管轄の商工会・商工会議所を確認し、お早めにお問い合わせ、相談依頼をしてください。
なお、より詳細については、下記の商工会・商工会議所の案内ページより公募要領を入手して確認ください。
商工会の管轄地域:全国商工会連合会HP
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2018/180309jizoku01.pdf
商工会議所の管轄地域:日本商工会議所小規模事業者持続化補助金事務局HP
http://h29.jizokukahojokin.info/
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https://sogyotecho.jp/consulting/
(監修:税理士・中小企業診断士 税理士法人ハガックス 代表社員 芳賀保則)
(編集:創業手帳編集部)