起業して初めての複合機選び

創業手帳

複合機の導入方法と業者選びのポイント

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ビジネスをより快適に行うための必須機器としてオフィスでもっともお世話になるのが複合機だ。文書のコピー、印刷、そしてスキャン。これらは起業直後のベンチャー企業であっても、事業をやっていれば必ず必要になる。

複合機は頻繁に交換できる機器ではないので、契約方法や購入業者を慎重に選ばなければいけない。

オフィスで複合機を利用できるようにするには、機器を購入する方法のほかに、リースやレンタルといった導入方法がある。今回は、起業して初めて複合機を導入するベンチャー起業家に向けて、それぞれの導入方法について特長を紹介し、業者の選び方や契約時の注意点についてまとめた。

初期投資と契約期間で導入方法を選ぶ

起業時には「初期投資を抑え、資金は直近の本業の運転資金にまわしたい」「近い将来へも不安がある起業時に長期契約は避けたい」という思いがあるだろう。

ベンチャー企業向けの複合機の一般的な導入方法は下記の3パターンだ。

  • リース契約
  • レンタル契約
  • 中古品の購入

初期投資と契約期間の観点から、それぞれの導入方法の特長やメリット・デメリットをみていこう。

1.リース契約

まずリース契約の場合、初期投資をほとんどゼロに抑えて複合機を導入することが可能だ。また、基本的に顧客が複合機の機種を選択肢の中から選ぶことができるので、最新モデルの複合機を選択することができるのもメリットだ。

一方で、リース契約は、原則的に一度契約をすると途中解約はできない。途中でリースを終了する場合は、残契約期間分のリース料金を一括清算する必要がある。

契約期間は~5年程度と長めに設定されている場合が多い。仮に5年契約でリースを組み、1年後に解約を申し出た場合、月額10,000円のリースであれば、4年×12カ月×10,000円/月 = 48万円 を清算で払うことになる。よって、「月額×契約期間=契約金額」として、将来のリース料も確実に発生するコストとして考慮する必要があるだろう。

複合機の長期の利用を前提とする場合は、リース契約のメリットを上手く活かせるので、リースを検討するとよいだろう。

2.レンタル契約

次にレンタル契約の場合、初期投資を比較的小さく抑えつつ、複合機を導入することが可能だ。また、契約内容によっては中途解約できるプランが用意されているケースが多く、リース契約と比較したときの大きなメリットとなる。

一方で、レンタルできる機種について、基本的に顧客側が選べる機種が限定されていることが多いのがデメリットである。また、それらの機種は中古の機種であることが大半だ。

また、プランによっては、複合機の使用量、使用方法、使用期間によって細かくランニングコストが区分けされている場合も多い。ここに保守サービスをはじめとするオプションサービス等を加えていくと、かなり割高になったという話もよく耳にする。

よって、複合機の使用方法や期間、また必要とする保守サービスなど、かなり具体的な利用計画を立てた上で、初期費用とランニングコストのトータルコストの検討が必要となる。

創業期のスタートアップベンチャーでは、これらの利用状況の見込みは立てにくいと思われるが、もし複合機の最新機能や機種にこだわりがなければ、とりあえず最少のオプションでレンタルを始めてみるというのはアリだろう。

3.中古品の購入

最後は複合機を購入する場合だ。

起業時のスタートアップベンチャーでは、新品を購入するのは割高で現実的ではないが、最近では比較的新しい機種の中古品を10~15万程度で購入することができるので、中古品の購入がオススメである。

リースやレンタルは導入のコストを費用にして後倒しにできるので、キャッシュフロー面でも有利というイメージがあるが、購入する場合でも、交渉次第でカード支払や割賦支払を選択できるケースもある。リースやレンタルほどのキャッシュフローに有利ではないとしても、上手く支払方法を選ぶことができれば、資金繰りに関するデメリットは緩和されるだろう。

一方で、複合機を購入した場合、複合機は会社の所有物(資産)になり、保守や故障対応、メンテナンス等の管理は自社での対応が必要になる。また、購入代金も会計的にもリース料やレンタル料のように費用として処理できなくなり(※購入価格や他の条件による)、資産として減価償却などの会計処理が発生する。

>【関連記事】知らなきゃ損する減価償却:ベンチャーが資産を経費化できる3つの特例

起業時はどうしても長期ではなく短期の資金繰りに注意が向けられるので購入するという選択肢は避けられがちだが、あなたのビジネスにピッタリの機種で、かつ安価な中古品の機種が見つかれば、起業時であったとしても購入という選択肢をとってみるのもよいのではないだろうか?

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複合機の業者選びのポイント

これまで述べてきたどの方法で複合機を導入するにしてもたくさんの業者がある。導入時だけでなく、導入後も安心して複合機を利用していけるように、信頼できる業者を見つけたいところである。

複合機を導入するときの業者選びのポイントを挙げていこう。

メンテナンスの技術者がいる業者を選ぶ

複合機は導入して使い始めた後も、故障して業務がストップするというようなことも起こるかもしれない。導入時の金銭的コストだけでなく、安心してビジネスに取り組むために、メンテナンスなどのアフターフォローも信頼できる業者を選ぶべきである。

商品は安いが技術者がいない業者から複合機を導入すると、キッチリと整備された機器が納品されないリスクがある。また、故障等への対応などメンテナンス面でも不安だ。

もちろん、業者がメーカーと提携して技術者を派遣してくる場合もあるが、故障に関しては、技術もさることながら対応のスピード感も重視したいので、直接依頼できる業者を選ぶのがベターだ。

商品の選択肢のある業者を選ぶ

新品のみ・中古のみの取扱いの業者から導入するときは注意が必要だ。例えば「機種Aの新品のみ」あるいは「機種Bの中古のみ」といった業者である。

これらの業者は、ある限られた条件下で特定の機種を安く仕入れて(例:中古の機種Bをまとめてルートから仕入れる)いたりするので、価格は安いが選べる機種が極端に少ない場合が多い。そのため、あなたのビジネスの用途にあった機器ではなく、業者が売りたいものを提案される可能性が高い。

多種多様な機種を取り揃えることで割高になっている業者をあえて選ぶ必要はないが、選択肢がある程度用意されているような業者を選びたいところだ。

相場に比べ価格は適正か?

あらゆる商品やサービスについて言えることだが、相場に比べて提案されている価格は適正かどうか?は確認しておきたい。

価格だけを重視するのであれば考慮しなくてよいが、一定の品質を求めるのであれば、他社並み(かそれ以上)の価値を安く提供できる理由を営業担当者に聞いてみるのがよいだろう。安価がセールスポイントであるはずが、実は「安かろう・悪かろう」だった、というような可能性もある。

逆に営業担当者から説明を受けて、安く提供できる仕組みが合理的に理解できれば、その業者を積極的に利用すればよいだろう。

訪問販売専門業者は相場感を知った上で検討する

店舗販売と異なり、複合機の訪問販売専業の業者は、顧客によって契約条件が大きく異なることが多いため注意が必要だ。

訪問販売専門業者は、メニューがなく都度見積もりを行う場合も多いので、一見お得に見えても実際は相場よりも割高で契約してしまったということになりかねない。

相場感を押さえておくことは前述した通り一般的に重要なことだが、訪問販売専門の業者と商談するときは、自身で事前に相場感を調べておくことをオススメする。

複合機導入時の契約条件のチェックポイント

リース・レンタル・購入のそれぞれの方法で契約の仕組みが大きく異なるし、同じ方法であっても業者によって契約条件が大きく異なる。最後に、後々「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないための、契約条件を比較検討するときの注意点を挙げていく。

導入後のランニングのサービス・コストを考慮する

複合機の導入の初期コストに大きな違いはなくても、導入後のサービスレベルやオプションサービスが事細かに異なっている。そして、それらは導入を検討する際は、非常に比較しづらいところである。

もし、中古の複合機を購入する場合は必要がないが、リースやレンタルを利用する場合は、「『何を』『どこまで』やってくれるのか?」を業者ごとに比較表にまとめてから検討すると良いだろう。


途中解約の条件をチェックする

もう一つ、複合機のリースやレンタルの条件として注意すべきなのは、途中解約の条件である。

リース契約は固定金利で、いかなる場合も契約年数分の支払いをしなければならないが、原則的にレンタル契約は途中解約可能と述べた。しかし、レンタルであっても期間に縛りがあるケースがある。その場合は、途中解約による違約金が発生するなど、解約条件が設けられている可能性が高い。

確認を怠ったがために「こんなはずじゃなかった?」となった場合に、一番大きなコストが発生するのがこの途中解約のコストである。初期費用やランニングコストの価格条件に目がいきがちであるが、解約時の注意事項までしっかりと確認しておきたい。

(協力:ガーデンオフィス日本橋|OAランド
(創業手帳編集部)

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