
開業手帳2015年10月8日
弁当宅配の開業ガイド|必要な準備・費用・成功のコツまで解説
「高齢者や企業向けに宅配弁当を届けるビジネスを始めたい」——そんな方に向けて、給食業(弁当宅配型)の特徴や開業に必要な準備・費用、成功のポイントをわかりやすく解説します。高齢化や在宅勤務の拡大により、地域密着型のフードデリバリー事業として注目されている分野です。
創業手帳では、飲食開業についてのコツをまとめた「飲食開業手帳」を無料でお配りしています。調理・配達・集客のノウハウまで掲載。ぜひあわせてご活用ください。
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
【1】給食業(弁当宅配型)の特徴とは?
弁当宅配型の給食業は、個人宅や企業・施設に対して調理済みの弁当を届けるサービスです。特に高齢者向けの栄養調整食や、企業の社員向けの日替わり弁当などが主なニーズです。注文単位が小規模でも安定して需要が見込めることや、定期契約を取れれば収益も安定しやすいのが魅力です。
また、厨房設備と配達体制を整えれば、少人数でも運営が可能です。近年はアプリ注文やWEB受注も進んでおり、ITを活用した差別化も進んでいます。
【2】開業のために必要な準備・ステップ
開業に向けた準備は、大きく分けて以下のステップがあります
-
- 厨房確保:自宅の一部を改装するケースや、テイクアウト可の物件を借りて開業するケースもあります。
- 営業許可取得:保健所による飲食店営業許可(弁当製造)+自動車による販売許可などを取得。
- メニュー開発:日替わりメニュー/高齢者向けのやわらか食/アレルギー対応など差別化を検討。
- 配達体制:自家用車・バイク・委託業者など配達方法を整備。
- 販促・営業活動:ポスティング・訪問営業・Web予約フォームの整備など。
高齢者・企業・子育て世帯など、ターゲット層に応じてニーズの把握とメニュー設計が必要です。
【3】開業にかかる費用とその内訳
弁当宅配業の開業には、約100〜300万円の初期費用が目安となります。以下が主な内訳です
-
- 厨房整備・内装費:50〜100万円(シンク・冷蔵庫・作業台など)
- 調理機器・容器:20〜50万円(鍋、炊飯器、弁当箱・保温バッグなど)
- 配達手段:軽自動車/バイクの購入またはリース(10〜100万円)
- 広告・販促費:チラシ印刷/HP開設/LINE公式アカウント活用など
自宅開業や設備の中古活用で費用を抑えつつ、運転資金の確保が事業継続のカギとなります。
【4】どんな人が向いている?成功のポイント
弁当宅配型の給食業は、地域密着・スモールスタート・柔軟な運営体制が特徴です。
-
- 調理と衛生を大切にできる人:食材管理と衛生意識がとても重要です。
- 配達に時間を割ける人:定時配送・再配達への対応力が問われます。
- 人とのやり取りが好きな人:高齢者や地域企業との関係構築が鍵になります。
【5】よくある失敗と注意点
-
- 配達エリアを広げすぎる:無理な範囲設定で時間遅延やガソリン代がかさむ。
- 価格設定のミス:原価・容器費・配達コスト込みで利益が残らないケース。
- 衛生管理の甘さ:夏場の食中毒対策や、日報・記録表の管理が必要。
「少人数・少量で確実に届ける」を徹底することで、信頼とリピートにつながります。
【6】補助金・融資などの支援制度
初めての飲食店開業には、各種支援制度の活用も検討しましょう。
-
- 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金:無担保・無保証人でも利用可能で、最大7,200万円の融資が受けられる制度です。返済期間や利率、自己資金要件も起業家にとって利用しやすく設計されており、初めての開業でも安心して資金調達が目指せます。
- 小規模事業者持続化補助金(創業型):創業後3年以内の小規模事業者を対象に、最大200万円が補助されます。インボイス制度対応事業者であれば+50万円の上乗せが可能で、最大250万円を受け取ることができます。
- 自治体の創業支援:家賃補助や創業スクールなど、地域によって支援内容が異なります。
補助金を利用して容器や厨房設備を整えるケースも増えています。
創業手帳では、起業したいと思っている方や経営者の方がよく使われている補助金・助成金を厳選して解説した「補助金ガイド」を無料でお配りしています。
また、登録いただいた都道府県の補助金や助成金などの情報をメールで月2回配信する「補助金AI」も無料でご利用いただけます。
まとめ|給食業(弁当宅配型)はこういう人におすすめ!
給食業(弁当宅配型)は、自宅や小さな厨房から始められるスモールビジネスとして、多くの人にとって現実的な起業手段です。地域に根ざし、信頼を積み重ねていくことで、着実に顧客を増やしていくことができます。
「調理が好き」「地域に貢献したい」「やりがいのある仕事がしたい」そんな方にぴったりのビジネスです。