NPO法人が法人口座を開設しやすい銀行はどこ?選び方・おすすめの銀行7選

NPO法人でも法人口座を開設できる


NPO法人の立ち上げにともない、口座を開設したいと考える人もいるかもしれません。
NPO法人でも法人口座を開設することは可能ですが、営利法人に比べて審査では慎重に見られることもあります。
そのため、スムーズに法人口座を開設するためには銀行選びと事前の準備が重要です。

本記事では、おすすめの銀行や選び方、口座審査に通りやすくするコツを解説していきます。NPO法人を設立しようと検討されている人は、ぜひ参考にしてください。

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NPO法人が法人口座を開設する銀行を選ぶポイント


NPO法人が法人口座を開設する際は、一般企業とは異なる視点で銀行を選ぶことが重要です。
営利目的ではない団体であることから、金融機関によっては審査の観点や対応が異なる場合もあります。ここでは、銀行選びで特に押さえておきたいポイントを解説します。

審査の通りやすさ

NPO法人の場合、収益性よりも活動内容や社会的意義が重視されるため、銀行によっては事業の理解度に差が出ることがあります。
そのため、NPO法人の口座開設実績が多い銀行や、比較的柔軟に審査を行っている金融機関を選ぶことが重要です。

具体的には、ネット銀行や地方銀行などは比較的柔軟な傾向があり、活動内容を丁寧に説明することでスムーズに審査が進むケースもあります。
一方で、メガバンクは審査が厳格な分、提出資料の充実度がより求められるため、事前準備が重要です。

NPO・非営利団体への対応実績

NPO法人は、株式会社と比べて活動目的や収支の仕組みが異なります。そのため、非営利団体への対応に慣れた銀行を選ぶと安心です。
NPO法人や一般社団法人、任意団体などの口座開設実績がある銀行であれば、必要書類や確認ポイントも比較的明確で、手続きが進めやすい傾向にあります。
公式サイトなどでNPO法人に関する案内があるかチェックしてみてください。

手数料・維持費

NPO法人は限られた資金で運営されることが多いため、口座の維持コストも重要な判断基準です。
銀行によっては、振込手数料や月額利用料が高く設定されている場合もあり、日常的な資金移動の負担が大きくなる可能性もあります。

そのため、振込手数料が安いネット銀行や、一定条件で口座維持費が無料になる銀行などを比較検討することが大切です。
活動規模や利用頻度に応じて、コストと利便性のバランスが取れた銀行を選ぶことで、長期的な運営の負担を軽減することができます。

寄付金・会費の受け取りやすいか

NPO法人は、売上だけでなく寄付金・賛助会員の会費・参加費・助成金など、様々な形で資金を受け取ることがあります。
そのため、法人口座は「開設しやすさ」だけでなく、「入金しやすさ」「管理しやすさ」も重要です。
支援者に案内しやすい知名度や、入出金明細の見やすさ、会計ソフトとの連携のしやすさなども含めて選ぶと、日々の運営負担を減らしやすくなります。

NPO法人が法人口座を開設しやすいおすすめの銀行7選


上記で紹介した選び方を参考に、NPO法人に合った銀行を選ぶことが大切です。ここで、NPO法人におすすめの銀行を7行紹介します。

銀行 振込手数料(同行宛て・他行宛て) 維持手数料 開設スピード アプリの有無
GMOあおぞらネット銀行 同行宛て:無料
他行宛て:一律143円(税込)※振込料金とくとく会員は一律129円(税込)
無料 最短即日 あり
住信SBIネット銀行 同行宛て:無料
他行宛て:145円(税込)
※振込優遇プログラム:最安130円(税込)
無料 5~10営業日 あり
楽天銀行 同行宛て:52円
他行宛て:150円(振込金額3万円未満)、229円(振込金額3万円以上)
無料 1週間程度 あり
PayPay銀行 同行宛て:無料
他行宛て:145円(税込)
無料 最短即日 あり
三井住友銀行Trunk 同行宛て:無料
他行宛て:145円(税込)
無料 最短翌営業日 あり
イオン銀行 同行宛て:無料
他行宛て:220円(5万円未満)、440円(5万円以上)
2,200円 1~2週間程度 なし
ゆうちょ銀行 同行宛て:100円(税込)
他行宛て:165円(税込)
無料 1カ月程度 なし

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行グループとGMOインターネットグループが共同出資し、2018年に誕生したネット銀行です。
振込手数料は同行宛てで無料になるだけでなく、他行宛てもほかの銀行と比べて143円と低コストで利用可能です。
また、設立1年未満の法人は設立月から12カ月間は他行宛ての振込手数料が毎月20回分無料になるため、できるだけコストを抑えたい場合に適しています。

GMOあおぞらネット銀行の大きな魅力として、代表口座ひとつにつき、追加で19口座まで開設できる点です。
NPO法人の場合、助成金や複数の事業収入などをひとつの口座で管理すると、資金の出入りが煩雑になり、わかりづらくなってしまいます。
しかし、事業別に資金を管理できる口座を追加で作成すれば、会計処理の負担も軽減されるでしょう。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、住友信託銀行(現:三井住友信託銀行)とSBIホールディングスが共同出資し、2008年から開業しているネット銀行です。
2025年からはNTTドコモの連結子会社となり、三井住友信託銀行とドコモで共同経営しています。
ネット銀行ということもあり、他行宛ての振込手数料は振込金額に関わらず145円です。また、口座維持手数料やインターネットバンキングの利用料もかかりません。

住信SBIネット銀行では法人向けに「ビジネスメンバー管理」というサービスを提供しています。
これは、振込手続きの権限分けを無料で利用できるサービスです。
IDは200個まで作成でき、職員一人ひとりにIDを発行し、照会・振込などの取引権限を細かく設定することも可能です。
これにより、担当者によって必要な権限のみを簡単に付与できることから、内部統制の強化が図れます。

楽天銀行

楽天銀行は、楽天グループが運営するネット銀行です。
振込手数料は同行宛てにも発生しているものの、月額利用料や口座開設手数料、口座維持手数料などはすべて無料となっています。

また、用途に合わせて複数口座の所有が可能であり、20口座までまとめて申し込みすることが可能です。
「口座管理プラス」というサービスを活用すれば、担当者別にIDを発行でき、権限管理もしやすくなります。

さらに、海外への送金もオンライン上で完結でき、送金手数料は1,000円と低コストに抑えられています。
活動として海外への送金も行う可能性がある場合は、楽天銀行での口座開設がおすすめです。

PayPay銀行

PayPay銀行は、日本初のネット銀行として設立された「ジャパンネット銀行」が社名を変更し、現在はPayPay銀行株式会社が運営しています。
振込手数料は同行宛てなら無料、他行宛てでも145円までに抑えられており、さらに新規で口座開設をした人限定で振込手数料の無料特典も利用可能です。

PayPay銀行では、オプションとして無料の「BA-PLUS」というサービスがあります。
BA-PLUSは複数口座を所有する人や複数人で口座を管理したい人向けに、管理機能や利用者ID機能などを利用することが可能です。
特に「WEB総振」は、最大3万件の振り込みをまとめて行えるサービスとなります。
月額利用料は1,100円かかりますが、振込にかかる事務作業を軽減できるので、振込業務の負担が大きい場合におすすめです。

三井住友銀行Trunk

三井住友銀行Trunkは、中小企業や新設法人向けに提供されている、法人向けデジタル総合金融サービスです。
振込手数料は同行宛てが無料、他行宛てが145円と業界でも低水準であり、さらに初期契約料や月額利用料もかかりません。
大手銀行が運営するサービスでありながら、口座開設までがスピーディーなのが特徴です。
申し込みはスマートフォンで最短20分、口座開設も最短翌営業日から入金口座として利用することが可能です。

三井住友銀行Trunkで口座開設をすると、様々な機能を活用できるようになります。
その中でも「補助金サポートチャット」は、入力した内容をもとにAIが最適な補助金を提案してくれます。
また、実際に補助金探しや申請をサポートしてくれる専門家として、株式会社Staywayを紹介することも可能です。

イオン銀行

イオン銀行は、イオングループが運営する金融機関です。
通常の振込手数料は、ほかの金融機関と比べて高めに設定されています。
また、法人向けのインターネットバンキング「イオン銀行ビジネスネットサービス」は、月額2,200円の基本料金が発生するため、コスト面には注意が必要です。

しかし、定額自動振込手数料を安価に抑えられる点や、総合振込の上限処理件数は他行が9,999件や3,000件なのに対して50,000件と圧倒的に多いことから、取引先が多い場合や大量振込が頻繁に発生する場合などに適しています。
振込手数料が高めに設定されていることから、メインではなくサブ口座としての運用がおすすめです。

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、日本郵政グループが運営する銀行です。
ゆうちょ銀行は約24,000店舗の郵便局・ゆうちょ銀行と、約32,000台のATMが全国各地に設置されており、使いやすいだけでなく対面で相談できる安心感もあります。

ネット銀行とは異なり、振込手数料がやや高めに設定されており、またオンラインから口座開設にも対応していません。
しかし、店舗数の多さによって各地域の特性を考慮し、審査やサポートが行われる傾向にあります。
金融機関からの手厚いサポートを受けたい場合には、ゆうちょ銀行での口座開設がおすすめです。

なお、オンラインでの口座開設はできないものの、「ゆうちょBizダイレクト」というインターネットバンキングを契約すれば、オンライン上での振込・残高照会が可能です。

NPO法人が法人口座を開設するメリット


NPO法人にとって法人口座の開設は、単なる資金の出入りを管理するためだけでなく、活動の信頼性や運営効率を高める上で重要な役割を果たします。
適切な口座を持つことで、資金調達や日々の運営がスムーズになり、団体としての成長にもつながるでしょう。

補助金・助成金の利用機会を増やせる

多くの補助金や助成金では、法人名義の口座を持っていることが申請条件や受取条件になっています。
個人口座では対応できないケースも多く、法人口座を持つことで申請できる制度の幅が広がります。
また、助成金の入金管理や報告義務においても、法人専用の口座があることで資金の流れを明確にでき、適切な運用がしやすいです。

信頼度が向上し、寄付金を受けやすくなる

寄付を募るNPO法人にとって、信頼性は非常に重要です。法人名義の口座があることで、寄付者に対して「正式な団体である」という安心感を与えられます。
特に個人口座での受け取りは、不信感を持たれる原因になりかねません。
法人口座を用意することで、透明性の高い資金管理体制をアピールでき、寄付のハードルを下げる効果が期待できます。

資金管理がしやすくなる

法人口座を利用することで、団体の収入と支出を明確に分けて管理できるようになります。
これにより、活動ごとの収支や資金の流れが把握しやすくなり、会計処理の効率化にもつながります。

さらに、会計報告や監査が必要な場面でも、記録が整理されていることで対応がスムーズです。
結果として、運営の透明性が高まり、団体全体の信頼性向上にも寄与します。

NPO法人の法人口座開設でよくある質問(Q&A)

NPO法人は株式会社より審査で不利ですか?

一概に「不利」とは言い切れませんが、NPO法人は株式会社に比べて活動内容や収入の仕組みが銀行側に伝わりにくい場合もあります。
特に、寄付金や会費、助成金が中心で、一般的な売上構造が見えにくい団体は慎重に確認されることがあります。
ただし、定款や登記情報、活動実績、ホームページなどが整っていれば、問題なく開設できるケースも多いです。
重要なのは、「法人の実態をわかりやすく示すこと」になります。

設立直後でも法人口座は作れますか?

はい、設立直後のNPO法人でも法人口座を申し込むことは可能です。
ただし、設立直後は活動実績や入出金履歴が少ないため、銀行によっては慎重に審査されることがあります。
特に、活動内容がわかる資料や、今後の資金の流れが見える書類があると安心です。
例えば、定款や履歴事項全部証明書、代表者の本人確認書類に加え、事業計画書や団体案内、ホームページ、イベント案内などを用意しておくと、実態を伝えやすくなります。

ホームページがなくても申し込めますか?

ホームページがなくても、法人口座の申し込み自体は可能です。
ただし、最近は銀行がオンライン上で団体の実態を確認するケースも多く、ホームページがあることで審査上プラスに働きやすい傾向があります。

特にNPO法人は、何を目的にどのような活動をしている団体なのかが重視されやすいため、公式サイトがあると説明しやすいです。
もしホームページがない場合でも、SNSやパンフレット、活動報告書、イベントの告知ページなどで補うこともできます。

ゆうちょ銀行はNPO法人でも作りやすいですか?

ゆうちょ銀行は全国的に利用しやすく、寄付や会費の振込先として案内しやすい点から、NPO法人にとって候補になりやすい銀行のひとつです。
特に、支援者や会員に高齢者が多い場合や、全国から入金を受ける場合は使いやすさを感じやすいでしょう。

ただし、「必ず作りやすい」と断言できるわけではなく、口座開設には所定の審査があります。
必要書類をそろえ、活動内容が伝わる資料を準備した上で申し込むことが大切です。

まとめ・NPO法人「活動実態が伝わる銀行選び」が重要に適した法人口座を開設しよう

NPO法人の法人口座開設では、審査の通りやすさや手数料だけでなく、団体の活動実態を正しく理解してもらえる銀行を選ぶことが重要です。
法人口座を持つことで、補助金や助成金の活用、寄付の受け取り、資金管理の効率化など多くのメリットが得られます。
NPO法人の規模や目的に合った金融機関を選び、信頼性と運営の安定性を高めていってください。

創業手帳(冊子版)では、NPO法人などの非営利団体の立ち上げに役立つ情報も紹介しています。非営利団体の立ち上げを検討されている人も、ぜひお役立てください。

(編集:創業手帳編集部)