自己資金があっても融資を受けておくべき理由

創業手帳

創業手帳アドバイザーの創業講座【融資を受けるべき理由編】

(2018/12/18更新)

こんにちは!創業手帳の創業アドバイザー、山田です。

起業家の方とコンサルティングをする際に、ほとんどの方からご質問いただく事が資金調達についてです。開業となると、設備資金や仕入れの資金など、かなりのお金が必要となります。

ただ、中には「起業のためにかなり貯金して、計画も作ったから、これでお金を借りなくとも事業を始められるぞ!」と極力お金を借りずに開業したいという人もいらっしゃいます。
ですが、自己資金が尽きかけてきた際、いよいよまずいと思って融資を申請しても、手遅れになる可能性が高いです。それを避けるためにも、予め資金調達を行ったほうが安全なのですが、借り入れに対しマイナスイメージを持っている方がいるのも事実です。

そこで今回は、「自己資金が十分にあっても、融資をしておくメリット」について、お話させていただきます。

創業手帳では、起業したての方におすすめの、公的融資チェックシート(無料)を提供しています。公的融資で重要な「事業計画作成」と「面談」の要点を効率的に理解できます。この機会にぜひ利用して、公的融資の準備を整えましょう。

公的融資チェックシート

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山田 将吾(やまだ しょうご)
会社の母子手帳「創業手帳」の創業アドバイザーとして、都内を中心に月間100件以上の起業家相談を行う。
前職では都内金融機関で融資業務を経験。その知見を活かし、起業時の融資制度や有利な事業計画書の書き方など、担当者ならではの実践的なアドバイスを行う。

自己資金があっても融資を受けるメリット

実際に融資が必要になった際は遅い

まず、融資を依頼しようとした際に、申請を出してからすぐにお金が手元に来るものではありません。申請を出してから着金するまでに約1ヶ月∼2ヶ月かかるので、そもそも必要になった際に申請を出す時点で、手遅れになるパターンの方が多いです。

また、創業融資を依頼する際には自己資金が必要となり、借りることができる金額の目安は自己資金の2~3倍といわれています。つまり、自己資金を使ってしまった後では、そもそも上限金額が大幅に減ってしまうため、資金繰りに苦しむことには変わらないのです。

今後融資申請の機会があった場合は、借りやすくなる

ここでいう借りやすくなるというのは、時間がかからない、という点です。なぜなら、一度審査に通っているというのは、「この事業者・法人には、お金を貸しても問題ない」、「必ずお金は返ってくる」という捉え方をされるからです。かかる時間も上記に記載した期間よりも短い期間で借り入れが可能になります。

ただし!業績が極端に悪くなっていたり、毎月の返済の遅延がないことが前提です。

当初予想していた必要分よりも、支出が増えるケースの方が多い

創業手帳が行なったアンケートによると、「起業後、予想してなかった出費が発生した」と答えた起業家は66%もいました。(創業手帳11Pより)
起業する際には事業計画を立てて事業を進めていくと思いますが、実は過半数の起業家は予想していたより多くのお金を使っているのです。

予定外の支払いの際に、そのお金をどこから工面しようか、となった際に、手持ちの余裕がないと運転資金(仕入れ、家賃、光熱費、従業員への給料など、企業の経営を行う上で必要な資金)を削ることになります。それを避けるためにも、ある程度余分な資金を持ち合わせているほうが安全です。

どれくらいのお金を借りたほうが良い?


日本政策金融公庫のホームページによると、創業融資の審査を出す際、自己資金は融資希望額の1/10あれば可能と記載してあります。しかし、実際に希望した金額の満額を融資できる方は、借入希望額の1/2から1/3の自己資金を持ち合わせている方がほとんどです。
自己資金が融資希望額に比べあまりに少ないと、資金繰りがショートしやすいと考えられるからです。
さらに、自己資金のみで事業を回し、手持ちが少なくなった段階で融資を申請しても、そもそも自己資金が尽きかけている状態であれば借入限度額は限られてしまうのです。

では、実際にお金を借りようと考えた際に、どれくらいのお金を借り入れるべきなのでしょうか?

「具体的にいくらです!」とは言い難いですが、基準としては、

「(設備資金+運転資金3~6ヶ月分)-自己資金=資金調達しなければならない金額」

と考えてください。

式で書くと当たり前ですが、この分のお金がなかったら、お店を回していく難易度が高くなります。運転資金を3~6ヶ月分借り入れるのは、自転車操業になることを避けるためです。

新事業を根付かせる、固定客を付かせる、自分の事業を認知させるためにはそれなりの期間を要します。その期間に自己資金が底をついてしまった場合、固定客が根付く前に会社がなくなってしまうかもしれません。それを避けるためにも運転資金を数ヶ月分用意し、何も考えずに会社を回せるようにした方が事業を軌道に乗せやすくなります。

まとめ

創業アドバイザーとして日々創業者のお話を聞くと、資金調達するにあたって、融資を受けることは、勇気のいることだと感じます。
ですが、事業を回していく際に行うお金の工面は、避けては通れません。ご自身の事業を回していくためにも、必要資金が足りない際は、必ず融資の申請を行うべきです。

もし、このような資金調達について詳しく聞いてみたい、などございましたら、私共アドバイザーにお気軽にご相談ください。

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(監修:創業手帳株式会社 山田 将吾)
(編集:創業手帳編集部)

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