創業期こそ「日報」で社内共有を円滑に!「gamba!」
株式会社gamba 代表取締役社長 森田昌宏氏 インタビュー
仕事を進める際に欠かせないのが関係部署や上司・部下との情報の共有だ。それらを漏らさず行うために、日々日報や月報という名の報告書の作成に労力と時間を費やしている方も多いのではないだろうか。「日報」という習慣を、メンバー同士のコミュニュケーションツールとしてとらえ、お互いの業務の「見える化」ができるとしたら…仕事の能率とモチベーションの向上に大きく寄与し、社内の生産性を高められるはずだ。NTT研究所、Klab、楽天などを経たご自身のビジネス経験を踏まえ、日報共有システム gamba!を立ち上げた森田社長にお話を伺った。
gamba!誕生のストーリー
森田:サラリーマン時代、お客様とのやり取りの内容をメール等で関係者へ報告していたのですが、社内のコミュニュケーションが意外と通じていないと思うことがよくありました。案外メールを読んでもらっていなかったりするので、報告したのであれば、読んだ側も、どういう風に伝わったのか意思表示をとる必要があるのです。
もう一つヒントになったのは、楽天のやり方です。各自の目標を設定して、皆で達成に向かって頑張っていく。そして、コミュニュケーションが円滑に行われていない場合はその改善がきちんと整備されていて、それらが、彼らの強みになっていると感じました。そこで、「目標設定と実行」・「コミュニュケーションの円滑化」をもっと使いやすい形でお客様に提供するサービスをコンサルティングで届けるのではなく、ツールとして使っていただけないかと思ったのがgamba!の始まりです。
gamba!を利用することにより自然と企業が進化し、組織に浸透していくようなサービスであれば、魅力があると思うのです。
よく見る光景〜喫煙コーナーでのやりとり〜をめざして
森田:楽天を辞める1・2年前から何回か企画を作りながら今の形にしていきました。喫煙コーナーなどで、「お客さんのところに営業に行って、どういうことを言われました、こういう話を聞いてきました、あんな話がありました」と部長さんに普通に話し、部長さんも「じゃあこういうことしたらいいんじゃないの?こんなことやったら?こっち行ったら?」とアドバイスしたりする。そんな日常繰り広げられている社内のごく普通のコミュニュケーションが大事だったりするのです。
でも、最近は喫煙コーナーも減っているし、普通のコミュニュケーションが取りづらくなっているのではないかと感じ、自然に社内の手間にならない形でgamba!を使ってコミュニュケーションをとって頂けることを目指しました。
お客様から評価していただいている点は、朝礼とか終礼という形で従来からやっていたコミュニュケーションを見える形にしたところです。そのようなツールは今まであまりなかったですし、特に外出が多い方や、あちこちに部署が分かれている方や、現場などの方は今までラインやメールといった手段で行っていたことを、gamba!でシンプルに行えているところがお客様に価値を感じて頂いているポイントだと思います。
森田:勤怠とか、名刺のデータ管理、CRMの売上の情報とか、お客さんとのコンタクトの履歴を日報の中に取り込んで行くとか、或いは行った先々の位置情報を取得して貯めとくとかですね。持ってきたものを日報にして出す形で連携する新しい機能を作っていく予定です。
「イイネ!」で双方向のコミュニュケーションが可能に
森田:社長さんを含めて5名以上ならgamba! は機能しますので、そのような会社には使っていただきたいです。導入いただいている企業で多いのは、30~50名前後の会社ですね。革新的な会社でも使われていますし、インターンや新入社員の教育の際にも導入いただいています。細かくグルーピングを設定できるなど機能面でも充実しているので、料金と会社の組織体制に応じて利用していただける内容になっています。
森田:そうですね。スマートフォンでササッと確認する方もいます。例えば、朝礼の前にパーっと見てコメントを返す感じです。「見たよ」という返事をするときも、いちいちコメントをせず「イイネ!」を押せばよいので、簡単です。
「笑顔で働く人を増やす」「チームの一体感」が大切。
森田:私たちの会社ではgamba!というサービスをつくっていくにあたり1つのミッションを掲げています。それは「笑顔で働く人を増やす」ということ。仕事って楽しければ良いわけではないと思うのですが、お客さんからのお礼や目標をクリアした達成感やチームで成し遂げた一体感などの「楽しさ」は必要だと思います。楽しく笑顔で働けば、会社も良くなるし、数値もあがる。
一方で、今の社会にはやる気をなくしたサラリーマンの方々もたくさんいるわけです。実際、1年間で鬱病になる人が100万人くらいいたりします。その人たちが元気に働けて、仮にその生産性が何%かでもよくなったら、社会的な発展にも繋がっていきますよね。僕も長い間大きな会社の「サラリーマンの一員」でした。ですから、会社が良い方向に変わらないことへの不満なども少なからずありました。
では、会社が変わらないのはなぜか?といえば、私は「情報が通じていないから」だと思います。「情報が常にそこでスタックしている」ことが問題の本質だと思います。ですから、gamba! は、そのような「情報の流れ」の悪い所を改善し、笑顔で働く人を増やすサービスでありたいと思います。
株式会社gamba 代表取締役社長。北陸先端科学技術大学院大学にて情報技術を専攻。卒業後、NTT研究所で研究主任として暗号技術の技術開発を経験。その後NTTコミュニケーションズの経営企画部、KLabでプロダクトマーケティング部と新規事業立ち上げを担当し、法人向けソリューションでは1年で年商3億円の事業まで成長させることに成功。楽天トラベル株式会社では事業戦略部において経営管理を担当。2012年12月に一人でgamba!を開発、以降、多くの企業やチームから支持をいただきgamba!の法人化をして現在に至る
(創業手帳編集部)
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