個人輸入ビジネスの始め方とは?必要な準備・仕入れ方法・注意点までわかりやすく解説
個人輸入ビジネスは小さく始めやすいが、商品選びとルール確認が重要

インターネット環境があれば自宅で始められる個人輸入業は、初期投資を抑えたい起業家にとって非常に魅力的です。
しかし、扱う商品の選定によって利益率は大きく左右されます。
市場のニーズを徹底的にリサーチし、競合が少ないニッチなジャンルで勝負することが成功するためのコツといえます。
海外製品を日本で販売する際には日本の法律や規制が厳格に適用されるので輸入禁止品や許認可が必要な商品を事前に確認し、法令を遵守する姿勢が必要です。
個人輸入ビジネスで知っておきたい情報をまとめました。
この記事の目次
個人輸入ビジネスとは

個人輸入とは、自分自身で使用する目的で海外から商品を取り寄せる形態です。
その仕組みを応用して、海外から仕入れて国内で販売するビジネスを本記事では扱っています。
多くの企業が海外から販売目的で仕入れを行っていますが、商用輸入と個人輸入では関税の計算方法や適用される法律が明確に異なります。
また、輸入代行は海外サイトでの買い付けや配送手続きを専門業者に委託するビジネスです。
自らリスクを取って仕入れ判断を行う個人輸入業とはビジネス上の責任の所在が別物です。
国内の店舗やサイトから商品を仕入れて販売する転売とは異なり、個人輸入業は海外から直接商品を調達するため、国内未発売の希少品を扱いやすく利益率を高めやすいので、この利点をうまく活用してみてください。
個人輸入ビジネスの始め方【6ステップ】

個人輸入業を成功させるためには、場当たり的に進めるのではなく、正しい手順を踏むことが重要です。
ここでは、商品の選定からテスト販売に至るまでの具体的な6つのステップについて、初心者にもわかりやすく詳しく解説していきます。
ステップ1:どのような商品を扱うか決める
個人輸入を始める時に、まず考えなくてはならないのが何を扱うかです。同じ個人輸入であっても、扱う商品でビジネス戦略がまったく違います。
扱う商品が決まっていない時には、市場調査で需要を把握するところから始めます。
日本では手に入りにくい商品や、ニッチなアイテムを海外のサイトも参考にして探してみてください。
ただし、需要が高い商品は多くの業者が扱っているため、競争が激しくなります。品質やバランスも考えてほかの業者と差別化できるかどうかを考えて選定してください。
また、食品や医薬品、コスメ類は輸入規制があるので事前に確認が必要です。
ステップ2:販売先を決める
仕入れた商品を売る販売先も重要な項目です。販売先は大きく分けて実店舗とインターネット上があります。
実店舗であれば自分で店舗を用意するか、商品を販売させてもらう店舗探しが必要です。
ネット販売は、独自でショッピングサイトを立ち上げるか、ECモールやフリマサイトに出品する方法があります。
ショッピングカート機能を利用できるネットショップ開設サービスも普及が進みました。
販売時に手数料がかかるものの、商品ページや決済といった販売に関わるシステムがすでに用意されているので、資金やパソコンの知識に不安がある人でも気軽にネットショップを開設できます。
ステップ3:仕入れ先を探す
海外から商品を輸入するには、いろいろな手段が存在します。
海外の店舗を実際に訪れたり、メーカーと直接契約する方法は海外まで出向かなければいけません。言葉の壁があり、コネクションや交渉力に不安があると難しい方法です。
個人輸入では、海外の通販サイトを利用して既製品を仕入れる方法もあります。翻訳ソフトもあるので国内でネット通販の経験があれば比較的苦労なく商品を仕入れられます。
海外の通販サイトは、単品でも購入できるので初期費用を抑えたスモールビジネスにも適した手段です。
具体的には、中国であればAlibabaやタオバオは種類が豊富で安価に仕入れられます。アメリカであれば、eBay が有名です。
仕入れ先を選定する時には、納期や支払い方法のほか、返品や不良品対応のポリシーも事前に確認してください。
ステップ4:商品の発注をする
商品と仕入れ先が決まったら、いよいよ実際に商品を発注します。
海外通販の場合には、実物を確認できないので、サンプルとして少量発注してから本発注するようにおすすめします。
展示会や現地の代行業者、メーカーを使う場合には必ず発注書を発行して商品の内容や単価に間違いがないようにしてください。
商品発注後には、相手から注文書を発行してもらって内容の確認が重要です。
海外輸入は発注から納入までに時間がかかります。注文してから輸送にどの程度の時間がかかるかも把握し、開業予定日に間に合うようにしてください。
ステップ5:通関の手続きをする
海外から発送された商品を受け取るには通関手続きが必要です。通関の手続きは、税関へ申告してから審査、検査を受けて関税や消費税を納付した後に許可が下ります。
ただし、国際郵便で品物の課税価格が20万円以下の場合と国際宅配便の場合は、手続きが不要もしくは簡易的になります。
税金や代行手数料は日本郵便か宅配業者に支払う流れです。
通関の手続きはわかりにくい部分もあるので、始めのうちは国際郵便、国際宅配便の利用をおすすめします。
ステップ6:販売する
届いた商品は、実店舗やネットショップなどで販売します。事業を経営するにあたって必要な手続きも忘れないようにしてください。
法人を設立するのか、個人として開業するかによって必要な手続きも費用も大きく異なります。
初めての起業であれば、個人事業主としてスタートしたほうが、事業を続けるための費用や手間は抑えやすいでしょう。
個人事業主としてスタートしてから、事業を大きくする段階で法人化するといった方法もあります。
個人輸入ビジネスで主な仕入れ先・仕入れ方法

個人輸入ビジネスの成否は仕入れ先が大きく影響します。効率的な仕入れは、利益率の向上と事業の安定に直結する重要な要素です。
ここでは、初心者がまず活用すべき海外ECサイトから中上級者向けの直接取引まで、代表的な4つの仕入れ方法について解説しています。
自分が仕入れるならどの方法が良いかイメージしてみてください。
海外ECサイトから仕入れる
個人輸入ビジネスの初心者でも始めやすいのが、海外ECサイトを通じた仕入れです。海外のネットショップや越境ECを通じて購入します。
翻訳ソフトを使えば語学力が無くても手軽に海外から仕入れられます。送料はかかるものの比較的費用をかけずに海外から商品を仕入れられる方法です。
ただし、海外ECサイトで購入できる商品は、ほかの業者も仕入れられます。
顧客を獲得するために、どのように違いを作るのかブランディングの戦略について開業前に計画立案が必要です。
日本国内にある海外メーカー・卸業者から仕入れる
日本国内にある海外ブランドの日本支社やメーカーから商品を卸してもらう方法です。
実績や信頼がある相手を選んで取引きができるので、品質のばらつきなどリスクを抑えられます。
国内取引きと同じ感覚で語学の問題が発生しないメリットがある一方で、代理店をはさむことでコストが大きくなり利益率を圧迫することがあります。
また、ほかの業者も同様の商品を扱うので価格競争になって利益が少なくなってしまう点がデメリットです。独自性をアピールできるような販売促進施策が求められます。
展示会・BtoBプラットフォームを活用する
Alibaba.comのようなBtoB向け巨大プラットフォームは、世界中の工場と直接つながるチャンスです。
展示会では、自由に商談できるので自社ブランドのロゴを入れるOEM生産の相談もスムーズに行えます。
海外で開催される見本市や展示会は定期的に足を運ぶとまだ日本に紹介されていない革新的な新製品を直接手に取ることができ、その場でメーカー担当者と直接話して関係を構築することが可能です。
日本国内で開催される国際展示会にも海外サプライヤーが多数出展しています。
渡航費を抑えつつ直接交渉を行いたい場合は、国内で開催される展示会情報を網羅し、収集するようにしてください。
輸入代行サービスを利用する
海外からの仕入れは業者とのやり取りや事務作業が発生します。輸入代行業者を使えば、業者とのやり取りや配送を代行してもらうことが可能です。
日本では購入できないような商品を仕入れられたり、現地で検品してもらえたりと個人輸入の面倒な部分を任せられます。
ただし、輸入代行を使うと、代行手数料が固定費としてかかり続けます。
輸入代行サービスによって料金の形態は異なり、どの程度の費用が発生するのか把握してから契約するようにしてください。
個人輸入ビジネスで注意したい法律・ルール

海外から商品を仕入れて国内で販売する輸入業には、厳格なルールが存在します。
思わぬトラブルで事業停止に追い込まれないように、輸入時と販売時の両面で注意すべき法規制のポイントを具体的に説明します。
輸入できない商品・規制がある商品に注意
そもそも輸出入が関税法で禁止されている物品があります。
関税法で定められた「輸入禁止品」である麻薬、けん銃、偽造通貨、公序良俗に反する物品などを輸入することは厳格に禁じられており、違反した場合は刑事罰の対象です。
また、規制されていることに気が付かないケースもあります。ワシントン条約で保護されている動植物を使用した製品は、たとえ少量の素材であっても輸入が制限されています。
そのため、規制がないか素材の詳細を事前にメーカーへ確認しておかないといけません。
医薬品や医療機器のように有効性及び安全性の確保等に関する法律や植物防疫法などで輸入が禁止されているものがあるほか、ハーブやバスソルトの中にも指定薬物に該当するものがあるので注意してください。
食品・化粧品・医薬品・電化製品などは特に慎重に確認
食品や食器を輸入販売する際には、食品衛生法に基づき検疫所への届け出が必要です。必要に応じて指定の検査機関で成分分析試験を受け、安全性を証明しなければいけません。
化粧品や医薬品の販売は、薬機法による厳しい規制があります。
製造販売業の許可を持たない個人が安易に輸入して販売することは違法行為となる可能性が極めて高いため、慎重な判断を要します。
ACアダプターなどの家庭用電気製品も、電気用品安全法に基づき技術基準に適合していることを確認して、所定の検査を経てPSEマークを表示します。
取扱商品に応じて適切に許可や資格を取得し、関連法規を理解して遵守するようにしてください。
商標権や意匠権、知的財産権侵害のリスクがある
海外の事業者が模倣品を郵送などで日本国内に持ち込む行為は、2022年施行の改正法により個人使用目的であっても商標権や意匠権の侵害とみなされて税関で没収されるようになりました。
偽ブランド品や模倣品を「本物」と偽って転売したり、反復継続して販売したりする行為は、知的財産権の侵害として差し止めや損害賠償、刑事罰の対象となるリスクがありま
す。
模倣品とは知らずに売っても罪に問われることがあります。犯罪組織が関係しているケースもあるので絶対に関わらないようにしてください。
特定商取引法・古物営業法など販売側のルールも確認
ネットショップを運営する際は特定商取引法に基づき、氏名、住所、電話番号、返品規定などの情報を正確に表示する義務があり、消費者の権利を保護する体制を整える必要があります。
個人情報保護法に従い、顧客の氏名や住所などの個人データを適切に管理し、漏洩防止のためのセキュリティ対策を講じなければいけません。
これらの義務は現代のオンラインビジネスにおいて不可欠な社会的責任です。
また、中古品の売買は古物商許可が必要です。直接海外に足を運んで買い付けをした中古品の販売は古物商許可が不要とされるケースもありますが、国内の業者を経由して輸入中古品を仕入れる場合など、古物商許可の取得が必要な場合があるので販売する時のルールを確認しておいてください。
個人輸入ビジネスで失敗しやすいポイント

個人輸入ビジネスは、想定外の経費が発生します。商品価格だけで利益が取れると判断して、関税や消費税、送料を計算に入れていないケースは決して珍しくありません。
税関のウェブサイトではHSコード別の関税率を確認できます。事前に関税と消費税を試算しておいてください。
海外からの輸入は為替レートの変動も影響します。円安進行によってコストが膨らむことがあるので、為替変動を見越して計算するか、為替予約やドル決済を活用するようにしてください。
また、輸入規制品と知らずに仕入れてしまうケースがあります。化粧品やサプリメント、電気製品などは規制が厳しいので注意が必要です。
事前に税関や所管省庁のサイトで輸入規制を確認してください。不安な場合には、貿易専門のコンサルタントに依頼してみましょう。
個人輸入ビジネスを成功させるコツ

個人輸入業で成功するには、小ロットでテストを繰り返すようにします。実際に販売してみて、そのデータを分析、改善するサイクルを繰り返してください。
商品のニーズや適正価格、顧客の反応を検証して改善サイクルを回すようにします。改善サイクルの中で信頼できる仕入れ先や販売チャネルを最適化してください。
個人輸入業は、関税や法規制の知識が求められ利益率の計算にもノウハウが必要です。経験を積み重ねて販売の仕組みを構築できれば安定した成長が期待できます。
個人輸入ビジネスを始める前に知っておきたい費用の知識

個人輸入業は、一般的な販売業以外の費用が発生します。
輸入ビジネスは安価で仕入れて販売するのが基本と考えがちですが、商品価格の表面上の安さに惑わされるのは危険です。
商品代金のほか、国際送料や関税、消費税といった諸費用を合算した「着地原価」を正確に把握しなければいけません。
総コストをもとに販売価格を決めないと粗利が薄くなって赤字になるリスクがあります。
まとめ|個人輸入ビジネスは「商品選び」と「ルール確認」を押さえて小さく始めるのが成功の近道
個人輸入業は低コストで開業できますが、関税や薬機法などの法的ルールを正しく把握し、法令を遵守することが事業を継続させるための絶対条件です。
市場の需要に基づいた商品選びを行い、まずは小ロットのテスト販売から開始してリスクを抑えることが、着実に収益を伸ばすためには確実な手段です。
個人輸入業は、様々なリスクがありますが、事前に準備し、適切に対策して回避するように心がけてください。
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(編集:創業手帳編集部)
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