WAKUWAKU 鎌田 友和|リノベ不動産で暮らしにワクワクを!

創業手帳
※このインタビュー内容は2022年03月に行われた取材時点のものです。

不動産×テクノロジーのリノベプラットフォームで不動産業界に革命を起こす!

中古物件の仲介からリノベーション工事までをワンストップで提供しているのがWAKUWAKUの「リノベ不動産」です。

ライフスタイルや働き方が多様化した現在、住宅に対する顧客のニーズも多様化しています。

デジタル対応が遅れ、労働生産性も低いといわれる不動産業界にメスを入れつつ、顧客の「理想の暮らし」を新築物件よりも低価格で、また多くの選択肢から提供できるプラットフォームを運営し、不動産・建築業界とユーザーの両者に「ワクワク」を提供しています。

不動産業界の現状やプラットフォームの運営について、創業手帳代表の大久保が聞きました。

鎌田 友和(かまた ともかず)
株式会社WAKUWAKU 代表取締役 CEO co-founder

1978年静岡県富士市出身。
国内外にグローバル展開する総合不動産企業にて、13年のキャリアの中で通算5,000件以上の不動産取引に関わる不動産のプロフェッショナル。2013年6月に株式会社WAKUWAKUを創業し、住宅のみならず、くらし・働き方・経営・文化・従来の考え方そのものをリノベーション。「パーソナライズ化された自分らしい豊かな暮らし」の実現のため、産業構造の課題を解決する、業界の枠組みを超えた革命を起こします。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役

大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計100万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。

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WAKUWAKU創業に込めた想い

大久保:まずは、どのようなサービスを提供されているのか教えて頂けますか?

鎌田:WAKUWAKUは2013年に創業した会社で、不動産仲介からリノベーション工事までをワンストップで提供する直営店と、プラットフォームを運営しています。現在の社員数は約120名で、この業界では市場シェアNo1*です。(*デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社調べ)

まず私個人のバックボーンからお伝えすると、学生の頃からぼんやりと将来「起業」すると決めて、不動産ベンチャーからキャリアをスタートさせました。

20代の中盤には起業しようと思っていたのですが、いざ20代中盤になると「なぜ起業するのか?」と考え始めて、そこから派生し「なぜ生きるのか?」「なぜお金が必要なのか?」など、色々なことを深く考える時期がありました。

この問いを解決しないと起業する意味がないと思い、考えを突き詰めた結果、「一生冷めない、子供に負けない好奇心」を持ち続けることが、起業や仕事、さらには生きていくこと自体に意味を持たせてくれると腑に落ちました。

そこから「想像出来る可能な限り多くの人をワクワクさせたい。」を起業の目的に決めたことが、私の原体験になっているので、会社名も「WAKUWAKU」になっています。

創業時は「和久環組」(ワクワク)「和の心を、永久に、社会に循環させる、組織」と表記していましたが、現在は「株式会社WAKUWAKU」に社名変更しています。

不動産業界とユーザーの両者にワクワクを与える「リノベ不動産」

私の専門分野である不動産業界で、どう人々をワクワクさせられるかと考えました。業界特有と言われる「業界ファースト」な考え方ではなく、「顧客ファースト」な事業展開をしながら不動産業界に貢献できる方法で事業を展開しています。

今までの不動産業界では、新築住宅や画一的なマンションの販売などが主流で、顧客は既製の住宅に、暮らしを合わせなければなりませんでした。

「衣・食・住」の中でも特に「住」は一番高い買い物なのにも関わらず、業界都合によるサービス提供をする結果、同じような間取りや内装の部屋が多くなっていることに、当時課題を感じていました。

一方でその頃から、ユーザー側のニーズは多様化しており、画一的な住宅を売りたい不動産業界と、自分にあった暮らしをしたいユーザーの間に、大きな溝が生まれていると気がつきました。

不動産売買に関しては、業界側もユーザー側も、また別の課題を抱えています。

不動産業界の課題としては、高齢化が進み、テクノロジーへの対応が遅れ、労働生産性が低くなりがちな点です。さらに、新築住宅の販売が今までの収益モデルだったのにも関わらず、最近は中古市場が盛り上がっており、変化に対応できなくなった業者が発生しています。

ユーザー側としても、自分の欲しいイメージの部屋を探すのが困難な上に、理想の部屋をリノベーションで作ろうとするので、ユーザーは複数の業者との煩雑なやりとりをしないといけない状態でした。

この両者の課題を解決するために、WAKUWAKUでは「リノベ不動産」というプラットフォームを運営しています。

創業当初より直営店「Beat HOUSE」を運営しており、そこで蓄積したノウハウを加盟店に提供するという流れでプラットフォームの運営を始め、現在は約220社の加盟店と協力し、事業を進めています。

リノベ不動産で具体的に提供しているサービスは、顧客との接点の創出や、マーケティング、業務管理、見積書や契約書の作成、資材の仕入れなどの、全てをデジタル上で行える統合基幹情報システム「リノベ不動産cloud」をSaaS提供しています。

このシステムにより、加盟店はより効率的に業務を進めることができ、顧客としても理想のリノベ物件との出会いを、手間なく多くの選択肢から得られるようになりました。

リノベ不動産を通じて、中古物件の流通をさらに活発化させ、新築物件と比べて環境負荷を少なく、値段もより安く、選択肢もより多い形で、お客様に理想の暮らしを提供したいと考えています。

リノベーション物件の魅力とは?

大久保:新築住宅にはない、リノベーション特有の付加価値などあれば教えて頂けますか?

鎌田:新築住宅は15〜20年をかけて価値が徐々に落ちていき、その後は一定の価値を保つことが多いです。つまり、中古住宅を買う多くの場合は、住宅価値が下がりきったタイミングで購入ができます。

リノベ不動産のお客様は、新築で住宅を建てるよりも約2/3の価格で住宅購入をされるケースが多いです。

また、不動産会社・設計デザイン会社・施工会社と分断されておりますが、リノベ不動産では不動産もリノベーションもワンストップで対応できるのが強みです。

大久保:日本は国土が狭く、人口も減少していることもあり、今後は新築を建てるよりも余っている中古物件に注目が集まりそうですよね。このような時代の流れなど感じていることはありますか?

鎌田:空き家の増加は顕著に感じます。実際に、2033年には日本の物件の30%空き家になるという予測データ*もあります。(*野村総合研究所)

リノベ不動産が提供する価値

大久保:リノベーション物件に対する顧客満足度を上げるために、加盟店に提供しているリノベーションの技術的なノウハウや、オペレーションの支援などについて教えて頂けますか?

鎌田:リノベーション物件の取り扱いは「お客様の要望」と「事業者からの提案」のバランスが難しいと考えています。

お客様の要望を叶えるためとはいえ、価格が高額になりすぎても良くないですし、お客様が望まない提案も良くありません。

このバランスに関しては、リノベ不動産が蓄積してきたノウハウを元に、加盟店としても適正な利益を確保しつつ、お客様に納得や満足としてのワクワクを提供できる基盤を整えています。

また、不動産とリノベーションのワンストップサービスを提供することで、より顧客満足度も上がると考えています。

不動産事業のみを行っている会社であれば、その会社に都合の良い物件のみを紹介しているという現実があり、ユーザーは限られた選択肢の中から選ばざるを得ない状況です。

他方、リノベーション事業のみを行っている会社であれば、出来るだけ古い物件をベースにフルリノベーションの提案が多くなります。ここでもユーザーが選べる選択肢は少なくなってしまいます。

しかし、不動産仲介もリノベーション工事もワンストップで請け負うリノベ不動産であれば、不動産仲介手数料とリノベーション工事費の2つの売り上げが確保できます。

加盟店としても十分な利益の確保ができるため、お客様にもより良い提案ができる仕組みになっています。

不動産とリノベーションをワンストップで提供するメリット

大久保:不動産とリノベーションのワンストップサービスのメリットを詳しく教えて頂けますか?

鎌田:ユーザー側のメリットで言うと、圧倒的に手間が省けて、シームレスに物件の購入からリノベーションの実施までを行えます。

通常であれば、不動産会社に行って物件を選んで、次に設計事務所に行ってリノベーションのデザインを決めて、最後に施工会社とやり取りをすることになります。さらに、不動産の購入とリノベーションの施工を別々の会社に発注する場合は、不動産購入後に考えていた理想のリノベーションイメージを物件の構造により実現できないというケースも見られます。

これら全てをユーザーが行うのは大変で、そういった利便性の良さからリノベ不動産のワンストップサービスが多くのユーザーから価値を感じて頂いているのです。

大久保:ターゲットとしては何社くらいの企業がありますか?

鎌田不動産会社と建築会社を合わせると約20万社ほどあります。

この20万社の多くがデジタルへの対応が遅れていますし、労働生産性が高くなりにくい業界です。これを高める「不動産×テクノロジー」というSaaSサービスの提供が寄与できる伸び代は大きいと思っています。

ワクワクが次のワクワクを生む事業展開を目指す

大久保:起業して苦労したことはありますか?

鎌田:創業した9年前は「リノベーション」という言葉も認知されていなかったので、まずリノベーションを理解して頂くことすら大変でした。

例えばその頃はリノベーションの施工事例もないので、お客様に説明する際は生写真ではなく、全てCGでイメージ図をお見せしていました。さらに、リノベーションの費用を銀行に融資してもらう際にも、CGしかない状態から、物件の解体をして、実際にリノベーションが完成するまでの過程を銀行の担当者に随時説明しながら、説得を続けていました。

資本金の多くをCG作成費に充てるというリスキーな戦略を取りましたが、その選択はお客様をワクワクさせることを突き詰めた結果でした。ワクワクが次のワクワクを生むことに繋がっていきました。

創業当初は、苦労も多い時期でしたが、お客様一人ひとりにワクワクを提供するために、要望を形にしたり、出会う関係者ごとに不動産業界を変えたいという私の想いを伝えたりしていたことで、地道な行動を続ける大切さを学びました。

大久保:最後に今後の展望等についてお伺いできますか?

鎌田:現在はリノベ不動産の事業に集中していますが、弊社の会社名を「WAKUWAKU」としているように、今後はリノベ不動産以外の事業でも、より多くの方々にワクワクして頂けるような事業を展開していきたいと思っています。

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(取材協力: 株式会社WAKUWAKU 代表取締役 CEO co-founder 鎌田 友和
(編集: 創業手帳編集部)



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