法人に固定電話は必要? おすすめや比較をして紹介します!
固定電話のメリットと契約の流れをわかりやすく解説
「創業時、固定電話はあったほうがいい? それとも携帯で大丈夫?」
創業手帳の創業相談で、よくこんな質問が寄せられます。インターネットが普及した現代において、純粋に連絡の手段としてはスマホで事足りる場合も多いでしょう。実際に、連絡先に携帯電話を設定する創業者も少なくありません。
ただ、「連絡には携帯で十分だから」という理由で、安易に各種手続きを携帯の番号で登録してしまうのは尚早です。実は固定電話を引くことには、連絡手段以外でもさまざまなメリットがあるのです。
今回は、創業したてでも、あえて固定電話を契約しておくべき理由と、設置の方法について解説します。メリットとポイントをしっかりチェックした上で、固定電話の要不要を判断する参考にしてみてください。
また、固定電話以外にも社内にあったほうがいい設備がいくつかあります。パソコンや、勤怠管理・就業管理システム、共有サーバーなどです。冊子版の創業手帳(無料)では、業務効率を上げることに役立つ社内システムを表にまとめています。安価なツールも増えてきていますので、導入の参考にしてみてください。
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固定電話があることのメリット
もちろんですが、固定電話を引くには費用がかかります。コストを考えると引かないほうが良いのでは、と判断する方もいるかもしれません。
一方で、固定電話を引くことによって生まれる、事業を進める上での見えないメリットもあります。これらが、費用面以外の部分でコスト削減につながるのなら、固定費を払ってでも固定電話を導入する価値は十分にあります。まずは、主なメリットを5つ紹介します。
社会的信用の向上につながる
まず固定電話を引くことで、社会的信用が向上する、という点が挙げられます。なぜ信用につながるのかというと、固定電話があることで事務所があることを示したり、事業として腰を据えて運営している、という一種の判断基準になるからです。
さらに、ちゃんとした連絡先がある、ということは顧客や取引先にとって一つの安心材料にもなります。銀行融資を受ける時、法人カードを作る時、ビジネス・ローンの審査などでも固定電話のある無しがチェック項目になっている場合もあります。チェック項目に入っていなければ、固定電話を持っていないことがネックになることはほぼないと考えていいでしょう。
手続き変更の手間が少ない
登記や、口座の開設などの手続きには、電話番号が必要です。携帯電話の番号でも法人登記などすることはできますが、携帯電話の番号はしばし変わる可能性があります。もし、番号を変更した場合、電話番号を登録したサービスや機関に、変更のための書類を提出したり、手続きしなおさなくてはならないという負担が増えます。
固定電話の番号ならば、一度取得してしまえば、頻繁にオフィスを引っ越しするなどしない限り、変わる機会はあまりありません。結果として、携帯電話に比べて、余計なコストがかかる可能性が低いと言えるでしょう。
FAXを使える
最近企業のペーパレス化を進める動きが広がっていますが、ビジネスの現場ではまだまだFAXが現役で使われています。
自分たちが使う予定はなくとも、取引先がFAXを利用している場合もあります。
もし創業時にFAX端末を導入せずにFAXを受信しようと考えると、インターネットFAXという、FAXを電子メールで受け取ることができるサービスを利用する必要があります。しかし、インターネットFAXは、固定電話のFAXと比べてランニングコストが高い傾向にあります。
固定電話を設置しておけば、いざというときにより安価な固定電話のFAXが導入できるというのはメリットです。
タウンページに無料掲載できる
タウンページはNTTが発行する、業種別電話帳です。NTTの電話加入者には、地域に対応したタウンページが、必ず1冊配布されます。NTTの電話回線を契約した法人は、このタウンページに無料で掲載されます。
つまり、無料で、その地域のNTT電話加入者のすべてに社名を宣伝できるということです。特に地域密着の業種であれば、思ってもみなかった+アルファの宣伝効果があるかもしれません。
プライベート・仕事用の棲み分けがしやすい
ビジネスを始めると、コスト削減の観点から個人の連絡とビジネス用の連絡を同一の携帯端末で対応する、ケースも多いでしょう。
この場合、プライベートの番号を、ホームページなどに掲載することになったり、個人の携帯電話に仕事の電話が一日中かかってくる、という状態になるケースが多く、プライベートと仕事の線引を意識する必要があります。これが積み重なると精神的な負担になるかもしれません。
一方固定電話を持っていれば、ビジネス用の連絡と個人の連絡の棲み分けがしやすいというメリットがあります。
固定電話を設置するために抑えておきたいポイント
固定電話には、昔ながらの“NTT加入電話”や、“光IP電話(0ABJ-IP電話)”などいくつか種類があります。NTT加入電話は専用の電話回線を使いますが、光IP電話はインターネット回線を利用して通話を行います。
今の時代であれば、ほとんどのオフィスにはインターネット回線を引くと思います。結果として、固定電話を設置するなら光IP電話を契約する場合が多いと思われます。光IP電話の設置について簡単に解説していきます。
また、インターネット回線自体については、冊子版の創業手帳で選び方について解説しています。法人向けのプランでは、ホームページ作成サービスなど、便利なオプションがありますので、自社に必要なものを考えながら検討するとよいでしょう。
光IP電話とは
光IP電話は、インターネット回線を利用する固定電話です。たとえば電話番号は、市外局番(東京03、大阪06)が割り当てられ、通話品質もNTT加入電話と同等か、それ以上となっています。費用の面でも、NTT加入電話より、基本料金や通話料金が安い傾向があります。
さらに、NTT加入電話には、設置費用として3万円超がかかってきますが、光IP電話は、インターネット回線を使うので、このコストをカットすることができます。
法人向け光IP電話にはビジネスに役立つオプションが豊富
光IP電話には法人向けのサービスもあり、ビジネスに役立つ様々なオプションがついてきます。
- 相手の電話番号を表示する機能
- キャッチホン
- 携帯電話への転送サービス
- 非通知の自動音声対応
- 迷惑電話の自動音声対応
また、同時通話数を増やすオプションを安価でつけることができるので、事業の規模が大きくなってきても対応可能です。
契約・設置の流れ
光IP電話はインターネット回線を使用します。
なので、契約・設置は、インターネットの契約・設置と同じプロセスを辿ります。
- Webからインターネットの契約の手続きをする
- 同時に光IP電話の契約の手続きもする
- インターネット回線の開通工事をしてもらう
- 光IP電話用の機器を設置してもらう
- 自身で用意した電話機を接続する
- 機器の設定をする
以上で完了です。設置までの流れも非常にシンプルで使いやすいです。
事前にインターネット回線が引かれていれば、後から契約することも可能です。その場合は、ウェブから光IP電話の追加契約をするだけで利用できます。
固定電話でおすすめの5社を紹介
NTT光電話オフィスエース
フレッツ光ネクストまたはビジネスイーサワイドを契約している法人向けIP電話サービスです。最大で300チャンネルの同時通話が可能で、7,000もの番号を持つことができます。
基本料金が安い
NTT光電話オフィスエースは、法人向け固定電話サービスの中でも、基本料金が低価格です。光回線の契約必須のため別料金がかかりますが、光回線の利用と合わせた固定電話を考えている場合なら、月額の基本料金1,210円からの低価格で固定電話を導入できます。
複数事業所での通話が無料になる
複数の事業所を登録することで、通話が無料になります。事業所間の通話料金が多いなら、お得に活用できるでしょう。支店を多く抱える企業で、連絡頻度が高いケースにおすすめです。
ソフトバンクおとくライン
ソフトバンクおとくラインは、ソフトバンク通信設備を使った直収型電話サービスです。NTTサービスを通す必要がなく、NTTの固定電話と同等のサービスが利用できます。通話先は固定電話・携帯電話・海外通話はもちろん、110や119などの緊急特番へも対応しています。
電話加入権の購入が要らない
新たに固定電話導入する際に、NTTのような電話加入権の購入が要りません。すでにNTT東日本やNTT西日本の固定電話を使っている場合でも、番号が変わらずそのまま使えます。NTTの固定電話と同様のサービスのため、別途光回線の契約は要りません。使用する回線は、アナログ回線またはISDN回線です。
電話料金はどこでも一律
電話料金は、どこにかけても一律料金の3分7.9円です。市内や市外はもちろん、県外でも同じ電話料金でかけられます。離れた場所にも電話する回数が多い企業におすすめです。
iPBX Circle
iPBX Circleは、インターネット回線を使用した固定電話サービスです。構内電話交換機の設置は要りません。
交換機のメンテナンスが不要
電話の利用は、インターネット環境とソフトをインストールしたパソコンやスマートフォンだけです。交換機の購入や設置が不要で、メンテナンスの手間がありません。必要に応じて増やしたり減らしたりといった調節が可能です。電話の利用は専用アプリをインストールした機器があればよいため、自宅でのリモートワークにも便利です。チャット、ビデオ会議、タスク管理も備えています。
コールセンターの設置に向いている
固定電話だけでなく、コールセンターに必要なサービスを利用できます。顧客のデータ管理や、チャット機能、トレーニング用サービス監視も可能です。
光電話ビジネス・アルテリアネットワークス
アルテリアネットワークス自社保有の光ファイバーを使った固定電話サービスです。総務省クラスA基準の通話品質を満たしています。
月額料金を抑えられる固定電話
1番号4チャンネル利用した場合は、月額2,000円です。他社では数万円程度かかる費用を、数千円までコストダウンすることができます。チャンネル追加は100まで、番号は1,000まで追加可能です。チャンネル追加は1チャンネルごと100円で、チャンネル数が多くなっても月額料金を抑えたいケースに向いています。
加入者間通側が無料
電話料金は、固定電話・携帯電話やPHS・国際電話で料金が分かれています。固定電話なら2分5.4円の低料金で利用できます。加入者間なら通話料が無料となりお得です。会社内での通話が多い場合にお得でしょう。
オフィスライン
1秒ごとの通話料金で、コールセンターのように大量に電話をかける際のコストダウンにおすすめです。通常の固定電話は、2分や3分ごとですが、オフィスラインなら1秒ごとの料金で利用できます。
コールセンターの通話料削減におすすめ
1秒単位の通話料なら、シンプルな通話料で利用できます。2分や3分ごとの通話料金でかかっている、無駄な料金をカットしたい場合におすすめです。コールセンターのように1日にかける通話量が多い場合に向いているでしょう。
365日24時間体制のサポート付き
カスタマーコントロールによるヘルプデスクが、365日24時間で利用できます。万が一のトラブルにもいち早く対応しやすいでしょう。
固定電話でおすすめの5社一括比較
サービス名 | NTT光電話オフィスエース | ソフトバンクおとくライン | iPBX Circle | 光電話ビジネス・アルテリアネットワークス | オフィスライン |
---|---|---|---|---|---|
基本料 | 1,210円 | アナログ2,050円・2,200円2,350円、ISDN64 3,380円 | 2,500円 | 2,000円 | 8,250円円 |
基本料内ch数 | 1 | 2 | 1 | 4 | 3 |
ch追加料金 | 1,100円 | 200円・400円・1,000円 | 60相当まで無料 | 100円 | 1,320円 |
番号追加料金 | 110円 | ISDN1番号300円、2番号400円 | 300円 | 100円 | 110円 |
固定電話通話料金 | 6.6円/3分・11円/3分・8.8円/3分 | 7.9円/3分 | 5.4円/2分 | 0.06円/1秒 |
まとめ
固定電話を持つことで、会社の信用をアピールするポイントになったり、連絡手段以外の部分で様々な効果を期待できます。携帯電話をそのまま使う場合に比べて導入の初期コストはかかりますが、長期的に見ればそのコストに見合うメリットを享受できることでしょう。特に開業にあたって事務所を構える予定がある人は、開業前に固定電話開通の手続き方法の確認など、しっかりとチェックしておきたいところです。
また、シェア・オフィスや、コワーキング・スペースなどであれば、固定電話を設置しているところもあります。冊子版の創業手帳では、シェア・オフィスとコワーキング・スペースのメリットについて詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
(編集:創業手帳編集部)