人材派遣センターオキナワ×グルーヴス×琉球銀行連携 求人情報流通システム「Crowd Agent」が24日開始!


株式会社グルーヴスは24日、国内初となる中途採用システム「Crowd Agentクラウドエージェント」を人材派遣センターオキナワ、琉球銀行と提携して運用することを発表しました。

「Crowd Agent」とは、株式会社グルーヴスが運営している求人情報流通システムで、人材紹介会社450社、約1,000名のエージェントが登録しています。
今回の提携により、沖縄県内の企業に必要な経営基盤人材を全国規模で募集できるようになりました。

サービス開始を控える株式会社グルーヴスの池見 幸浩氏に、このサービスを立ち上げた背景や自身の起業時のお話を伺いました。

ー新サービスの概要を教えてください。

今回私たちグルーヴスが立ち上げたのは、国内初となる中途採用革命システムと言えるものです。

通常、人材紹介は企業人事と契約をした上で転職候補者を推薦し、入社が決まれば手数料が発生する仕組みですが、Crowd Agentでは企業との個別の契約は必要なく、自由に転職候補者を推薦できるというメリットがあります。つまり取引先企業の開拓が必要ありません。

一方で企業側も、いくつもの人材紹介会社と個別に契約するのは難しいです。
ですが、Crowd Agentに求人票を公開すれば1,000名以上のプロの人材エージェントと一気に契約を結んだことになります。全国の実績豊富な人材エージェントが抱える転職候補者を紹介してくれるわけですから、企業、人材紹介会社双方にとってメリットのあるシステムだと自負しています。

特にスタートアップやベンチャー企業は、採用に苦戦することが多いと思います。そういった状態であれば非常に有効なシステムです。

ーこのサービスを立ち上げた背景を教えて下さい。

人材紹介の仕組みは、この数十年ほとんど変わっておらず、企業と人材紹介会社の間で、限られた転職候補者の情報がやり取りされるわけです。実はここにものすごい機会損失があります。

企業が人材紹介会社に依頼をするということは、何らかのスキルセットのある人材を必要とすることが多いわけですが、例えばA社人事部が人材紹介会社B社に依頼したとします。しかしA社が欲しい人材スキルセットにマッチした転職候補者をB社は見つけられないことが意外に多いわけです。そうなるとA社は採用に時間がかかり、B社は紹介手数料を得られなくなる。これは双方にとって不幸ですね。

今回の提携では株式会社人材派遣センターオキナワ様、つまり例えで言うところのB社が持っている、沖縄県内の企業の求人をCrowd Agentに公開する試みです。
単独では企業にマッチした転職候補者を見つけられないような場合、他の人材紹介会社の力を借りて人材を紹介しようというわけです。

不動産業界には「REINS」という業者間ネットワークがありますが、Crowd Agentは最終的に人材紹介業者版のREINSを目指します。中途採用を行う場合は、Crowd Agentに公開すれば、全ての人材エージェントに知れ渡り、必ず欲しい人材が見つかります。

ー地方創生に力を入れている理由は何でしょうか?

東京都の2016年度のGDPは94兆円だそうです。世界の国別ランキングでも16位相当とのことで経済規模がうかがい知れます。一方で日本のGDPの537兆円という数字から見れば、国内の約17%程度なんです。つまり、東京以外の道府県が80%以上を占めています。

ですが、中小企業の人材不足は長いこと言われ続けており、日本の労働人口減少に加え、地方ではさらに「人口流出」も続いています。実際には地方にも素晴らしい優良企業がたくさんあり、全国レベルで人材エージェントを介し転職候補者を募ればこの課題は解決できるのに。

今回の沖縄での取り組みもそうですが、私たちはこれまで地銀と連携し大分県や広島県でも中途採用支援を行っております。実際に大分のIT企業資本金995万円、従業員7名では2週間で16名もの応募があり、あっという間に採用が決まりました。

私たちグルーヴスには全国規模のプロフェッショナルな人材エージェントネットワークがあります。転職希望者と丁寧に面談をし、ヒアリングを重ねることで希望や将来のキャリア形成のアドバイスをする。人材エージェントを通すからこそ媒体に求人を掲載するだけでは集まらない「人材」とのきっかけがきっと生まれると信じています。

ー今の日本の雇用の問題点はどこでしょうか?

日本人の生産性は世界22位という低い位置にいます。これが示すところは「働き方」の問題ではなく、「働かせ方」の問題、つまりマネジメントが下手なんです。スキル・経験を持っている人材を活用しきれない。意見を採用することもできず意思決定もできない。新しいビジネスに対して経営者層の嗅覚がない。

私はこれまで人材紹介を通じて、転職というきっかけを無数に生んできましたが、とても優秀で、意欲もあった人が短期間でダメになるのを少なからず見てきています。

読者の皆さんは起業しておられ、これから人材をどんどん採用する立場にある方が多いと思います。当たり前のことですが採用は手段であって目的ではありません。転職候補者に何を解決してもらうかを明確にし、ポジションによってはその権限を与え見守る。そうすれば転職候補者はとても力を発揮してくれると思います。

ー起業家が活用するとしたら、どのように使った方がいいでしょうか?

事業拡大の際にぜひご利用ください。450社の人材紹介会社は、日本中の人材データベースにアクセスし、転職候補者と面談しています。加えて、独自の人材も抱えていますので、きっと事業を加速させる人材と巡り合うことが出来るはずです。

また、職業紹介業の許可基準緩和が2017年5月に発表されました。厚労省は中小企業の参入を促す立場を取っています。人材紹介部門という新規事業を立ち上げるご予定があるなら是非私たちグルーヴスにお声がけください。

ー本サービスのリリースで大変だったこと、手応えがあったことはなんでしょうか?

Crowd Agentは2005年に開始しました。世界でも同じモデルがない、唯一のサービスであったため、顧客にご理解いただくことや、システム開発に関しては非常に苦労しました。人材紹介の業界を支えるインフラを目指し、丁寧にPDCAを繰り返しながら機能の拡充を図ったわけですが、参考とするモデルが無いため非常に苦労しました。

今回のリリースで、人材エージェント同士で求人情報を共有できるシステムに変化し、インフラとしてまた一つ階段を登りました。サービスをリリースしたばかりではありますが、以前からご利用いただいている人材エージェントの皆様からは高い期待を頂いています。

また、最近では全国の地方銀行様や系列VC様から本モデルに対しての資金調達を行っております。多くの地方銀行様から本サービスモデルに対し「出資」と言うかたちで賛同を頂いていますので手応えを感じています。

ーご自身が創業、起業時に大変だったこと、嬉しかったことは何でしょうか?

実は、今思うと起業時に大変なことは一切なく、とても恵まれたスタートを切れたんだと思います。やはり1人ではなく、共同創業者である大畑と2名で設立したことが大きかったと思います。設立2年目には売上も外部資金に頼ることなく1億程度まで伸びましたし、成長産業である人材領域を選択したのはとても幸運だったと思います。

そんな中でも特に嬉しかったのは、やはり初めて法人企業から売上があがったときのことですね。当時は今のようなシステムもなく私たち自身が人材エージェントとして事業を展開していました。ご縁が有り中途採用を支援したのですが、これが非常に難易度の高い条件でした。ひたすら面談を繰り返し、アプローチし、どんな人物が一番お客様にとって良いかを考え抜き……。結論、若手のポジションにとてもマッチした方をご紹介出来たわけですが、初めての入金はやはり格別でした。

でも、実は私自身も驚いたんですが、一番嬉しかったのは企業にも転職者にも感謝され、喜んでもらったことなんですよ。ベタかもしれないですが、その時にグルーヴスの事業に自信が持てましたし、誇りを持てた瞬間でした。本当に素晴らしいビジネスだと今でも思っています。

ー最後に、起業家へメッセージをお願いします!

これは個人的な意見ではありますが、まずは、10年経っても色褪せない法人格としての「ミッション存在意義」を確立することがとても重要だと思っています。

当然事業内容もとても重要ですが、「なぜこの法人がこの世に生まれたのか」に関して明確にすることで、様々な判断が合理的にできてくると思います。

次にテクノロジーの活用だと思います。いま私たち人類は、テクノロジーの進化レベルにおいては「奇跡的なタイミングに生きている」のだと思います。それらの技術革新を、人類にとって価値あるものになるように活用していけば、事業が色褪せることはないと思います。私たち起業家がそうして進化を続けることで、まだまだ世界はより良い場所になると信じています。

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