創業・起業して間もない場合、「資金を預けるべきか」を判断する信用情報が少ないため、起業に使える資金調達方法は限られています。
そのため、事業計画書を作成して審査を受ける必要があり、審査に通るかは「事業計画書の内容」で決まると言っても過言ではありません。
今回は、創業・起業に使える資金調達方法を11種類に分けて、それぞれの概要について解説します。
なお、資金調達方法が少ないからこそ、確実にチャンスを掴めるよう専門家に相談することをおすすめします。資金調達に強い税理士などの専門家は、事業計画書の作成はもちろん、ビジネスモデルや経営戦略など多角的なアドバイスをくれるので、上手に活用して良いスタートを切りましょう。
「冊子版創業手帳」では、実際に税理士と協力することで事業を成長させた起業家のインタビューを掲載しています。税理士は、税務・経理を依頼することで起業家が取り組むべき仕事の時間が確保できるだけでなく、財務面からみた経営戦略のアドバイスもしてくれます。
この記事の目次
【補助金・助成金】
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資金調達方法1.創業補助金
創業補助金は、正式名称を「創業・第二創業促進補助金」といい、創業者のための補助金です。最大200万円の補助を受けられますが、要件が複雑であり、募集期間が短く、認定支援機関の支援を受けるため、早めの準備が必要です。
資金調達方法2.小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、卸売業・小売業・サービス業なら従業員5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業・その他であれば従業員20人以下で上限50万円の補助を受けられます。また、来年度の予算が拡充され、採択率が高くなることが予想されることから、狙い目とも言われています。
補助金・助成金の申請には様々な注意事項があります。専門家の意見をもらわずに起業家のみで申請すると思わぬところでミスが生まれてしまい、申請が通らないこともあるのです。
創業手帳では、実際に助成金を申請した経験をもとに「補助金ガイド」を作成し無料で発行しています。補助金・助成金の概要や申請の注意点について、専門家のアドバイスをもとに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【融資】
はじめての融資をご検討中の方に、申請の流れやタイミング、審査の通過率UPのポイントなどをご紹介した「融資ガイド」を無料でお配りしています。
こちらもあわせてお読みください。
資金調達方法3.信用金庫
信用金庫は、主な取引先を中小企業や個人とする、地域社会の繁栄を目的とした金融機関です。そのため、株主の利益を優先する銀行と比べてハードルが下がります。
資金調達方法4.日本政策金融公庫の公庫融資
日本政策金融公庫は、政府が100%出資している政策金融機関です。民間の銀行から資金調達を受けにくい中小企業や、これから起業する方への融資を行っています。
様々な制度がありますが、もっともハードルが低いのは、新創業融資制度です。申込みから融資実行までに1ヶ月と早い上、無担保無保証・連帯保証人不要で、最大3,000万円の融資を受けられます。
その他、創業者が活用できる代表的な制度に、新規開業資金,女性、若者/シニア起業家支援資金,中小企業経営力強化資金があります。創業ホットラインに電話して相談すれば、活用できる制度を洗い出して教えてくれます。
資金調達方法5.信用保証協会の融資
信用保証協会は、中小企業・小規模事業者が金融機関から資金調達をする際に、保証人となって融資を受けやすくなるように支援する公的機関で、全国各地で地域に密着して業務を行っています。
中でも、制度融資は、創業前でも申込できる上、無担保無保証で金利は1%未満という好条件です。ご自身の事業所がある市や区などが窓口となり、面談には予約が必要ですが、中小企業診断士が相談に乗ってくれます。
その他、創業者が利用できる制度には、創業関連保証・創業等関連保証、再挑戦支援保証などがあります。
資金調達方法6.個人借入
個人借入とは、創業者自らが個人の信用を基に借入をすることです。
基本的に、消費者金融からの借入はやめましょう。金利が高いだけでなく、キャッシングの履歴は個人信用情報に残り、返済などが滞った場合に融資が受けにくくなる可能性があります。
次に、親族や友人からの借入も避けるに越したことはないでしょう。起業は予測できない事態に直面するものなので、万が一、返済ができないと人間関係まで失いかねません。やむを得ない場合は、きちんと返済計画を立て、金銭消費貸借契約書などを交わしておくことをおすすめします。
【出資】
出資について詳しく知りたい方は、こちらの「出資ガイド」もあわせてお読みください。
出資を受けるメリットや投資家選びのコツなどを詳しく解説しています。
資金調達方法7.自己資金
自己資金は、自身の持っているお金です。大事なのは他の資金との割合ですが、株の保有率に伴う経営権はもちろん、補助金・助成金の中には自己資金要件があるものもありますので、多いに越したことはないでしょう。しかし、事業精算をした場合には自分の資産を失うことになります。
資金調達方法8.ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタル(VC)とは、高成長が見込まれる未上場企業に、資金を株式として投資することでハイリターンを狙う投資会社(投資ファンド)です。
ベンチャーキャピタル(VC)が、経済的な利益を追求する一方、エンジェルと呼ばれる個人投資家は、成功した起業家や経営者などの富裕層が多いため、ビジョンや事業的な魅力に惚れ込んで投資する傾向があると言われています。
【その他の資金調達の方法】
資金調達方法とは言えませんが、起業時に検討すべき「お金周りの制度」をご紹介します。
資金調達方法9.共済
経営者向けの共済は、毎月掛金を払うことで、万が一の際の借入を可能にする制度です。起業時に”もしもの時”のことを考える方は少ないと思いますが、経営者となる以上きちんとリスクを最小限に抑えることは必要です。とりわけ、小規模企業共済、中小企業倒産防止共済は、起業時に加入しておきましょう。
資金調達方法10.ビジネスコンテスト
ビジネスコンテストとは、ビジネスモデルやプラン、アイディアのコンペティションです。現在、政府や民間など多様な機関が主催しており、優秀賞に選ばれると賞金が出ることもあります。また、副賞として様々な支援が受けられるほか、ブランディングや腕試しにも活用できます。
資金調達方法11.クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、実現させたい目標や夢のプロジェクトを公開して、インターネットを通じて支援者から資金を募る仕組みです。
プロジェクトの活動や目的に共感した人(個人・法人)が支援者となり、クラウドファンディングサイトを通じて「資金支援」という形で応援してくれます。
創業手帳は、資金調達についてもっと詳しく知りたい方のために、資金調達に関する情報やノウハウを1冊にまとめた無料の冊子「資金調達手帳」を発行しています。ベンチャー・キャピタリストなどの専門家からも意見を伺い、実践的な内容も紹介しています。
また、起業家や経営者の方がよく活用されている補助金・助成金のみに絞って解説した「補助金ガイド」を無料でお配りしております。資金調達方法の1や2であげている補助金以外にも、事業内容により使える補助金・助成金がいくつかありますので是非こちらも合わせてお読みください。
そして、補助金・助成金については地方自治体ごとに異なる支援を行っているものもあります。地方自治体による支援制度はなかなか情報がつかみにくく、情報をつかんだときには既に申請期限が終わっていた…なんてことも。そうならないためにも、ご登録頂いた都道府県の補助金・助成金情報が定期的にメールでお届けする「補助金AI」を創業手帳ではリリース。こちらも無料でお使いいただけるサービスですので、是非あわせてご利用ください。