中小企業倒産防止共済とは。掛金や解約時の注意点などを解説します

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起業家・経営者は知らなきゃ損!中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の概要とメリット・デメリットまとめ

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の概要とメリット・デメリットまとめ

(※2014/1/23更新)

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)」は、取引先の倒産の影響で、ベンチャーや中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防止するための共済制度である。

創業期の起業家や中小企業経営者にとってはメリットが大きい制度であり、ぜひ検討したい制度である。今回はそんな「経営セーフティ共済中小企業倒産防止共済)」制度の概要と、そのメリットデメリット、掛金や解約時の注意点などをまとめた(2014年10月3日時点)。

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1. 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは?

「中小企業倒産防止共済」は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が、中小企業や創業期の規模の小さいベンチャー企業向けに提供している共済制度だ。「経営セーフティ共済」とも呼ばれ、掛金を納めることによって、「取引先の倒産」によって連鎖倒産、すなわちキャッシュフローが悪化し資金繰りに困るような事態になった場合、納めた掛金の最大10倍の資金を迅速に借り入れることができる

実際的には、中小企業倒産防止共済は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための「つなぎ融資」的な意味合いも強い制度である。

ベンチャー企業や中小企業は、たとえ自社の経営は健全であっても、取引先が突然倒産すればキャッシュフローが悪化して資金繰りに困る。そんな時、銀行などの金融機関から資金調達をしようとしても、銀行は融資に慎重になり、実際に資金を手にするまで時間を要することが少なくない。そのような場合に、中小企業倒産防止共済の共済金で一時的な運転資金を確保することができる。

(外部リンク)中小企業倒産防止共済|中小機構

中小企業倒産防止共済|中小機構

2. 中小企業倒産防止共済、加入のメリット

連鎖倒産の危機に借入れ可能

あなたの会社の取引先が倒産してしまったため売掛債権が回収できなくなってしまうと、あなたの会社自身の資金繰りまでも危なくなり、連鎖倒産の危機となる。

中小企業倒産防止共済に加入していれば、そんな時に「『実際の損害額』と『納付済掛金の10倍の金額』のいずれか小さい額」を貸してくれるので、万が一の時も資金調達ができる。

例えば、既に掛金を200万円納付済みで、3,000万円の売掛債権が回収できない場合は、2,000万円(3,000万円 > 200万円×10倍 = 2,000万円)の借入れが可能だ。

掛金が全額経費で節税できる

以前紹介した小規模企業共済の掛金と同様に、この中小企業倒産防止共済も掛金全額が納付した時の経費となるため、節税しながら万が一に備えることができる。

【関連記事】起業家・個人事業主 必見!知らなきゃ損する「小規模企業共済」入門

掛金を納付できるのは最大800万円まで

中小企業倒産防止共済の掛金については、毎月5千円~20万円の間(5千円単位)で掛金を自由に設定することができる。また、掛金は金額を変更することも可能で、800万円が上限だ。月20万円ずつ納付する場合は40ヵ月は掛け続けることができる。

解約しても掛金が戻ってくる

12カ月以上掛金を納付することが条件となるが、解約した場合には掛金が戻ってくるため、節税しながら外部に貯金できていることになる。つまり、経費節税分を貯金しているのと同じだ。

取引先が倒産していなくても借入れ可能

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一時貸付金について|経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)|中小機構

中小企業倒産防止共済は、取引先事業者が倒産していなくても、共済契約者の方が臨時に事業資金を必要とする場合に「一時貸付金」として納付期間に応じて最大で納付した掛金の95%相当額を借入れることができる。

12カ月以上掛金を納付していることが条件であり、その場合の期間は1年で利率は年0.9%となる。詳細は上記の中小機構のページを参考にして欲しい。

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3. 中小企業倒産防止共済加入のデメリットと注意点

無利息だが貸付けを受けると利息分の掛金が消える

取引先が倒産してしまったため売掛債権が回収できなくなった場合、「実際の損害額」と「納付済掛金の10倍の金額」のいずれか小さい額を貸してくれるのは前述したとおりだ。さらに、この貸付は無利息だ。

「無利息ならバンバン借りようぜ!」となるかもしれないが、そう旨い話はない。中小企業倒産防止共済を提供する中小企業基盤整備機構(中小機構)のHPに下記の通りの記載がある。

共済金の貸付けは無利子です。ただし、貸付けを受けた場合、共済金の貸付額の10分の1に相当する額が払い込んだ掛金から控除されます。控除された額に相当する掛金の権利は消滅します。

(中小機構HPより引用)

「貸付を受けた場合、共済金の貸付額の10分の1に相当する額が払い込んだ掛金から控除」、つまり1,000万円借りた場合は100万円、8,000万円借りた場合は800万円の掛金が消えてしまうので、貸付時に10%利息を取られているのと同じことなのである。

ちなみに1,000万円の場合、年利4%で5年借りると約100万円の利息となり、8,000万円の場合、年利2.75%で7年借りると約800万円の利息となる。実際はこの利息を払ってお金を借りていることになるので、もし制度の利用を検討する場合は、考慮に入れるべきだろう。

納付期間が40カ月以下だと元本割れする

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解約手当金について|経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)|中小機構

中小企業倒産防止共済を解約した場合、今までに納付した掛金の返戻を受けることができる。注意すべきは、40カ月以上納付をしていれば100%戻ってくるが、40カ月未満だと元本割れになってしまうということだ。特に12カ月未満だと0%(掛け捨て)となってしまうので注意が必要である。

掛金納付月数に応じて辺戻金がいくらになるかの詳細は、中小機構の上記のHPでチェックできるので、しっかり確認しておきたい。

解約返戻金を受け取ったら全額が利益で課税される

中小企業倒産防止共済は、納付する掛金が経費となるのは前述の通りだが、逆に解約して返戻金を受け取った場合には全額が利益となる。すなわち、掛けるときは節税になるが、解約して返戻金を受けとるときに節税した分の税金を納めなければいけない。

解約手当金

(中略)

税法上、支給を受けた時点での益金(法人)、または事業所得の雑収入(個人事業)に算入されれます。

(経営セーフティ共済パンフレット(平成23年10月施行版)より引用)

税金繰延図解中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の解約返戻金の課税:納付する掛金は経費で節税できるが、解約して受け取った返戻金は利益となり課税される。上の例では毎年200万円ずつ掛金を納付している4期分は節税になるが、5期目に解約すると受け取った800万円が5期目の利益として課税される。

4. 中小企業倒産防止共済の加入要件

小規模企業共済」はその名の通り小規模な事業者向けのものだったため、会社が大きくなると加入できなくなってしまうが、「倒産防止共済(経営セーフティ共済)」の加入条件は、小規模企業共済よりもかなり緩い。

会社または個人の事業者の加入要件

倒産防止共済に加入できるのは、「資本金の額または出資の総額」「常時使用する従業員数」のいずれかに該当する会社または個人の中小企業者である。

業種 資本金の額 または 出資の総額 常時使用する従業員数
製造業、建設業、運輸業その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く) 3億円以下 900人以下
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下

組合の加入要件

組合の場合、企業組合、協業組合共同生産、共同販売等の共同事業を行っている事業協同組合、事業協同小組合、商工組合などが加入できる。

上記に該当しない法人や組合(医療法人、農事組合法人、NPO法人、森林組合、農業協同組合、外国法人など)は加入できないので注意が必要だ。

売掛金債権等が生じないビジネスの注意点

倒産防止共済は、取引先の倒産等により売掛金債権等が回収困難になった場合に備える貸付制度だ。ということは、飲食店や不動産賃貸業など、一般消費者を取引先とする場合は、売掛金債権等が生じないため、この共済に加入できないのではないか?と疑問に思われるかもしれない。

売掛金債権等が生じない事業の場合、共済金の貸付(債権額の10倍まで貸してくれる)は受けることができない。しかし、倒産防止共済への加入そのものは可能であるため、飲食店等であったとしても掛金を納付して節税効果の恩恵は受けることができる。

5. 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)のまとめ

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)のまとめ
中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)は、万が一のセーフティネットとしては非常に効果的で、中小企業や起業間もない創業ベンチャーにとって、上手く使えば節税面・資金調達面でとても便利な制度と言えるだろう。その反面、条件によっては資金調達が高利率になったりするなど注意点も多い。

条件によってはむしろメリットがデメリットになりかねないテクニカルな部分もあるので、加入を検討する場合は、税理士などの専門家のアドバイスを受けつつ、慎重に検討するとよいだろう。

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(監修:渋谷税理士法人 中村剛士
(創業手帳編集部)

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