法人設立届出書とは?入手方法や記入方法、添付書類などを徹底解説!
会社設立後には提出が必要な書類がある

会社を設立した後は、法人登記を済ませるだけで手続きが完了するわけではありません。
税務署や自治体などに様々な届出書を提出する必要があり、その代表的な書類として「法人設立届出書」があります。
しかし、「どこで入手すればいいのかわからない」「記入方法に不安がある」「添付書類は何が必要なのか知りたい」と悩む人も多いでしょう。
法人設立届出書は、提出期限や添付書類を誤ると後々の手続きに影響する可能性があるため、正しく準備することが大切です。
この記事では、法人設立届出書の入手方法や項目別の記載方法、必要な添付書類などをわかりやすく解説します。
これから会社設立後の手続きを進める人は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
会社設立後に提出する法人設立届出書とは

法人設立届出書とは、会社を設立したことやどのような会社を設立したのか、その概要などを知らせるための書類です。
法人設立届出書は法人税法で定められていることから、会社設立後に必ず提出しなくてはならない書類となります。
提出が義務付けられているのは株式会社だけでなく、有限会社や合同会社、一般社団法人、協同組合なども含まれます。
一方で、一般財団法人・一般社団法人でなおかつ非営利型法人の場合は提出しなくても問題ありません。
法人設立届出書の入手・提出について

法人設立届出書はどこで入手でき、記載したらどこへ提出すれば良いのでしょうか。ここで、入手方法や提出先、提出期限について解説します。
入手方法
法人設立届出書は書類の様式が決まっており、まずは書類を入手する必要があります。入手方法は、以下の2つが挙げられます。
-
- 税務署の窓口で直接書類を入手する方法
- 国税庁のWebサイトからダウンロードする方法
本社所在地を管轄する税務署の窓口に行けば、直接法人設立届出書を受け取ることが可能です。
ただし、他の手続きや会社設立や事業の準備などで忙しく、なかなか税務署まで足を運べないこともあるでしょう。
また、税務署は開庁日が決まっており、基本的には月曜日から金曜日までの平日で、土日・祝日は開いていません。
税務署まで行くのが難しい場合には、国税庁のWebサイトからPDFファイルをダウンロードすることも可能です。
なお、書類を入手しなくても、e-Taxから電子申告で提出する方法もあります。
e-Taxを開始するには、まず利用者識別番号を取得する必要がありますが、法人税の確定申告などでも利用できるため、会社設立後から活用しておくのも良いでしょう。
提出先
法人設立届出書の提出先には、以下の3つが挙げられます。
-
- 本社所在地を管轄する税務署
- 本社所在地がある都道府県の税事務所
- 本社所在地がある市町村役場
提出が必要となるのは、本社所在地を管轄する税務署となりますが、場合によっては都道府県税務署の法人事業税課もしくは法人住民税課などから提出を求められることもあります。
また、地域ごとに提出義務は異なるものの、本社所在地がある市町村役場の法人住民税担当部署にも提出が求められる場合があります。
事前に税務署以外にも提出が必要か確認してから法人設立届出書を作成するのがおすすめです。
提出期限
法人設立届出書の提出期限は、税務署だと法人を設立した日(設立登記をした日)から2カ月以内です。
ただし、都道府県税事務所や市町村役場の提出期限は各地域によって異なります。
例えば、東京都だと法人設立・設置届出書の申告期限は、「事業開始日から15日以内」としています。
大阪府の法人設立等申告書の申告期限は、法人設立日または事務所設置日から2カ月以内です。
このように、都道府県や市区町村によって法人設立届出書の提出は異なるため、事前の確認が必要です。
法人設立届出書の項目別記載方法

法人設立届出書には様々な項目があり、どこに・どのように記入すればいいか迷ってしまう人も多いかもしれません。そこで、法人設立届出書の項目別に記載方法を紹介します。
日付
書類の左上に、日付を記入する欄があります。ここには法人設立届出書を提出する日の年月日を和暦で記載してください。
税務署名・整理番号
日付の下に左側に記入欄があり、右側に「税務署長殿」と記載された項目があります。ここに、提出先となる管轄の税務署名を記入してください。
管轄の税務署がどこかわからない場合は、国税庁のWebサイトを活用するのがおすすめです。
国税庁では、郵便番号・住所を入力して税務署を調べる方法と、地図から税務署を調べる方法を利用できます。
書類の右上にある「※整理番号」は、税務署側が記入する項目なので空欄の状態で提出してください。
所在地
「本店又は主たる事務所の所在地」には、法人設立で登記申請書に記入した本店の住所を記入します。
登記簿謄本を確認しつつ、間違いがないように住所を転記してください。
また、この項目には電話番号を記入する部分もありますが、固定電話がない場合は携帯電話の番号を記入しても問題ありません。
納税地
「納税地」は、上記で記入した「本店又は主たる事務所の所在地」と同じ住所で問題ありません。記入する際も「同上」で済ませられます。
ただし、実際に事業を手がける場所が本店所在地と異なっていた場合や、設立時から複数の事業をそれぞれの場所で手がけている場合は、事前に税務署や税理士などに確認しておくと安心です。
法人名・法人番号
法人名には登記申請書に記入した法人名を書きます。略称などは使わず、正式名称で記入してください。
その下の法人番号には、国税庁から付与された13ケタの番号を記入します。法人番号がわからない場合は「国税庁法人番号公表サイト」から検索することが可能です。
ただし、国税庁法人番号公表サイトに法人番号が登録されるのは、設立登記完了日の16時、または国税庁の翌営業日11時になります。
つまり、それより前に検索しても法人番号は出てこないので注意してください。
なお、法人設立届出書を提出する日までに法人番号の指定を受けていない場合には、空欄のまま提出しても問題ありません。
代表者氏名・代表者住所
代表者氏名には、会社の代表者の氏名とフリガナを記入します。また、代表者住所には、代表者が住む住所地と電話番号を記入してください。
こちらの電話番号も、固定電話・携帯電話を問わず記入することができます。
設立年月日・事業年度
設立年月日には、法務局へ設立登記申請書を提出し、受理された日を記入します。登記事項証明書を確認し、「会社成立の年月日」を転記してください。
また、事業年度は税務上の計算期間を指しており、定款で定めた会計年度を記入します。
例えば、決算日を3月31日に設定した場合、記入する際には「(自)4月1日(至)3月31日」となります。
設立時の資本金または出資額
資本金は出資を受けた会社から見た資金、出資金は資金を出資する側から見た資金を指します。
ここには、登記事項証明書に記載された「資本金の額」と同じ金額を転記してください。
なお、資本金は1円以上から設定できますが、合同会社や合名会社だと労働を出資としてみなす「労務出資」が行えるため、資本金が0円のケースもあります。
資本金が0円だったとしても、法人設立届出書には「0円」と記載しなくてはなりません。
消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始日
「消費税の新設法人」とは、資本金が1,000万円以上となり消費税の課税事業者になっている新設の法人を指します。
資本金1,000万円以上で消費税の新設法人に該当する際には、「設立年月日」と同じ日付を記入してください。なお、資本金1,000万円以下の法人は空欄のまま提出します。
事業目的
法人設立届出書に記入する事業目的は2種類に分かれています。
-
- 定款等に記載しているもの
- 現に営んでいるまたは営む予定のもの
定款や登記事項証明書などに記載している事業目的をそのまま記入すれば良いですが、長文で記入している場合は主な事業目的を記入します。
事業目的をすべて記入できなかったとしても、定款の写しも添付書類として提出するため問題ありません。
また、将来的に展開する予定の事業の目的も併せて記入します。
支店・出張所・工場等
会社設立時点で本店だけでなく、支店や出張所、工場などがある場合、その名称と所在地を記入する必要があります。
特に支店・出張所・工場などがなければ空欄で問題ありません。なお、登記をしていない支店・出張所・工場なども含まれるため、すべて記入するようにしてください。
設立形態
設立形態は以下5つの項目から選択し、該当する番号を○で囲みます。
1.個人企業を法人組織とした法人(管轄の税務署、整理番号を記載)
2.合併により設立した法人
3.新設分割により設立した法人(分割型・分社型・その他のいずれかにチェックを入れる)
4.現物出資により設立した法人
5.その他
また、2~4に該当する場合は、適格区分かそうでないかに○を付ける項目もあります。1または5に該当する人は空欄で構いません。
事業を開始する年月日
事業の開始(見込み)年月日は、基本的に設立年月日と同じ日付を記入します。
個人事業から開始し、その後法人を設立した場合には、法人の設立年月日を記入してください。
また、事業を開始していない場合にも事業をスタートさせる予定日を記入します。
「給与支払事務所等の開設届出書」の提出有無
給与支払事務所等の開設届出書とは、従業員の雇用時に事業主が税務署に提出しなくてはならない書類です。
たとえ社長1人だけで経営する会社であっても、自分に対して役員報酬を支払う際には提出が必要となります。
法人設立届出書と一緒に給与支払事務所等の開設届出書も提出する際には、「有」に○を付けてください。
ただし、従業員を雇用せず給与を支払う予定がなく、当面は役員報酬も0円に設定する際には「無」に○を付けましょう。
関与税理士
関与税理士とは、法人設立届出書を提出する時点で顧問契約を締結する税理士が決まっている際に記入する項目です。
契約を締結する税理士の氏名と、その税理士が所属する事務所の所在地・電話番号を記入します。
顧問税理士が特にいない場合や、税理士に相談したことはあるものの顧問契約を締結していない場合、記入する必要はありません。
添付書類等
添付書類の項目には「1 定款の写し」と「2 その他」が記載されているため、添付する書類に該当するものに○を付けます。
基本的には定款の写しが添付書類になりますが、税務署から株主名簿や法人設立時点の貸借対照表、現物出資がある場合は出資者の氏名と出資金額などがわかる書類が求められる場合もあります。
税理士による署名
法人設立届出書を代表者本人ではなく税理士に依頼して作成してもらった場合、税理士による署名が必要です。
税理士には依頼せず、自分で作成した際には空欄のまま提出してください。
法人設立届出書の添付書類

法人設立届出書を提出する際には添付書類も必要となります。ただし、税務署・都道府県税事務所・市町村役場で必要な添付書類は異なるため、事前に確認することが大切です。
例えば、税務署に法人設立届出書を提出する際には、定款の写しが必要となります。以前は登記簿謄本も必要でしたが、2017年4月以降は不要となりました。
定款の写しを準備できない場合には、規則・規約が記載された書類の写しでも問題ありません。
都道府県税事務所や市町村役場の場合、定款の写しだけでなく、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)のコピーの提出が求められます。
ただし、合併・分割によって新設された法人の場合は、その他にも提出が必要な書類が出てくるので、何を添付すればいいかわからない場合には、税理士や都道府県税事務所・市区町村役場の窓口に相談してみてください。
法人設立届出書を提出する際のポイント

法人設立届出書を記入・提出する際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
記入ミスに注意する
法人設立届出書を作成する上で、記入ミスには特に注意が必要です。例えば、資本金や事業年度の部分を間違えてしまうと、税務申告にも影響する可能性があります。
提出する前にはミスがないか必ず確認してから提出するようにしてください。
また、書類に不備があると再提出が必要となるため、正確に法人設立届出書を作成したい場合には税理士に依頼するのもおすすめです。
税理士に書類の準備や作成を任せることで、手間を削減しつつ、書類の不備が生じるリスクを抑えられます。
控えは必ず残しておく
法人設立届出書を提出する前に、コピーを作成しておきましょう。コピーを税務署や都道府県税事務所などに持って行くと、受理印を押してもらうことが可能です。
受理印のある控えは、金融機関で口座開設をしたり、融資を受けたりする際に提出を求められる場合があるため、大切に保管してください。
なお、郵送で法人設立届出書を提出する際には、控えを受け取るための返信用封筒を同封することで、受理印のある控えが送られてきます。
返信用封筒に切手を貼り忘れないように注意してください。
まとめ・スムーズな申請を目指すためにも内容を理解しよう
法人設立届出書は、会社を設立した後に提出が義務付けられている書類です。国税・地方税を納めるのに必要な書類となるため、不備がないように作成する必要があります。
また、税務書への提出期限は2カ月以内となりますが、都道府県税事務所や市町村役場では提出期限が異なり、2カ月よりも前に提出しなくてはならない地域もあるため、事前に確認することが大切です。
会社設立後に法人設立届出書をスムーズに提出するためにも、前もって内容を理解し、準備を進めておきましょう。
創業手帳(冊子版)では、会社設立前後に必要な手続きや書類などについて、詳しく解説する記事も掲載しています。これから会社設立を目指す人や会社を設立したばかりの人も、ぜひ創業手帳をお役立てください。
(編集:創業手帳編集部)
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