【2025年最新】キャッシュレス決済導入に使える補助金9つと費用を徹底解説!

飲食開業手帳

個人事業主・中小企業のキャッシュレス化は補助金を使うのが正解


キャッシュレス決済の利用者は着実に増えており、事業者にとっても顧客の開拓や業務効率化に役立ちます。ただし、導入には費用がかかるのも事実です。

そこで補助金をうまく利用し、導入のハードルを下げましょう。今回はキャッシュレス決済導入に利用できる補助金について、2025年の情報を中心に紹介します。

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この記事の目次

【地域別】キャッシュレス決済導入補助金


個人事業主や中小企業の事業者がキャッシュレス決済を導入する際に、「キャッシュレス決済端末導入事業費補助金」などの名称で補助金を交付する自治体があります。

一定の要件を満たすと、キャッシュレス決済端末などの導入に要する経費を補助してもらえる制度です。すべての自治体が実施している制度ではなく、内容も自治体ごとに定められているため、実施の有無や内容を確認する必要があります。

キャッシュレス決済導入補助金を実施している主な自治体

2025年1月現在で、キャッシュレス決済を導入するための補助金事業を実施している自治体を紹介します。

自治体 申請期限
東京都北区 2025年3月17日
愛知県蒲郡市 2025年2月28日
大阪府茨木市 2025年3月14日
北海道厚真町 2025年1月31日
千葉県君津市 2025年2月28日
熊本県山鹿市 2025年1月31日
秋田県潟上市 当該年度の翌年の2月28日まで
福井県 2025年2月28日

キャッシュレス決済導入補助金の概要(東京都北区の場合)

ここでは、自治体のキャッシュレス決済導入補助金の一例として、東京都北区の補助金事業の内容を紹介します。

参考:東京都北区「キャッシュレス決済端末等導入支援事業」

東京都北区 キャッシュレス決済端末等導入支援事業補助金
対象者 中小企業、個人事業主
対象経費 ・キャッシュレス決済端末本体機器(買い替え・増設も可)

・新紙幣対応の決済端末(自動券売機、自動つり銭機)

・付属機器(パソコン、タブレット、レシートプリンターなど)

・固定利用費

補助上限額/補助率 ・キャッシュレス決済機器:1台10万円/10分の10

・新紙幣とキャッシュレス併用決済機器:1台50万円/3分の2

・新紙幣のみ対応決済機器:1台20万円/2分の1

対象期間 2024年4月1日から2025年3月17日
申請期限 2025年3月17日

【補助金の申請から受け取りまで】
補助金の申請から補助金を受け取るまでの流れは、以下のとおりです。

  • 決済機器を導入する(支払いや改修まで全て完了)
  • 必要な書類を全て提出して申請する
  • 書類審査が行われる
  • 交付決定通知書が送られてくる
  • 補助金が振り込まれる

【全国】キャッシュレス決済導入に使える補助金

ここからは全国から申請可能な、キャッシュレス決済導入に使える補助金を紹介します。地域を問わず申請できますが、制度ごとの要件を満たすことは必須です。

IT導入補助金


IT導入補助金は中小企業や小規模事業者(個人事業主)の業務効率化や売上アップのために、ITツールの導入費用を補助する制度です。

IT導入補助金は補助額、補助率、対象経費により、複数の枠・類型に分かれています。

キャッシュレス決済の導入では、以下の「インボイス枠(インボイス対応類型)」を利用できる可能性があります。

インボイス枠(インボイス対応類型)
対象者 中小企業・小規模事業者(個人事業主)
対象経費 インボイス制度に対応した決済ソフト等の費用
補助額 PC・タブレット等:10万円以下
レジ・発券機等:20万円以下
補助率 ~50万円以下:3/4(小規模事業者:4/5)
50~350万円:2/3
ハードウェア購入費:1/2

※出典:中小企業庁 中小企業対策関連予算 令和6年度補正予算・令和7年度当初予算関連 IT導入補助金2025

IT導入補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
【2025年最新版】IT導入補助金とは?わかりやすく解説

小規模事業者持続化補助金


小規模事業者持続化補助金は小規模事業者の販路開拓や、それに伴う業務効率化に要する経費を補助する補助金です。

2025年の小規模事業者持続化補助金には7つの枠組みがあり、キャッシュレス決済導入では通常枠が該当すると考えられます。

通常枠
対象者 中小企業、個人事業主
対象経費 機械装置費等
補助額 50万円まで
補助率 3分の2

出典:「持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
【2025年最新版】小規模事業者持続化補助金とは?概要や変更点などを解説

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金


ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、小規模事業者が今後対応しなくてはならない制度変更等への設備投資を補助するものです。

2025年版には2つの申請枠があり、いずれも機械装置やクラウドサービス利用料などが共通の補助経費となるため、キャッシュレス決済の導入にも利用できる可能性があります。

ただし、付加価値の向上や給与支給総額の成長率といった基本要件が問われるので、単なるキャッシュレス決済の機器の導入だけではない取り組みが必須です。

対象者 中小企業・個人事業主
対象経費 機械装置・ システム構築費など
対象金額 製品・サービス高付加価値化枠:750万円~3,500万円
グローバル枠:3,000万円~4,000万円
補助率 中小企業:2分の1
小規模、再生事業者:3分の2

出典:「令和6年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要

ものづくり補助金ついて、詳しくはこちらの記事を>>
【2025年最新】最大1億円!ものづくり補助金をわかりやすく解説!

業務改善助成金


業務改善助成金は最低賃金の引き上げと生産性向上のための設備投資を行った場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。

機器設備の導入にPOSレジシステム導入が挙げられており、キャッシュレス決済に対応している専用端末の導入も助成の対象になると考えられます。

対象者 中小企業、個人事業主
対象経費 機器・設備の導入
対象金額 30万円~600万円(最低賃金引き上げ内容によって異なる)
補助率 10分の9・5分の4・4分の3(最低賃金によって異なる)

出典:「令和6年度業務改善助成金のご案内

業務改善助成金について、詳しくはこちらの記事を>>
令和6年度 業務改善助成金とは?支給金額や対象経費、申請期限などを紹介

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業

観光DX推進事業は、観光業に携わる事業者のDXを後押しする制度です。キャッシュレス決済などを含むDXの活用により、販路や消費の拡大を図れます。

コロナで落ち込んだ観光需要の急速な回復への対応、およびさらなる発展に活用の期待が高まる事業です。

2025年度分は5億円を超える予算が要求されています。以下は同年度分の事業スキームの一部です。

対象者 DMO、民間事業者等
対象経費 キャッシュレス決済の対応を含むデジタルツールの補助等
対象金額 1,500万円
補助率 2分の1

出典:観光庁「令和7年度観光庁関係 予算概算要求概要

地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業

地域による観光地や観光産業を強化するための支援事業です。2025年度の予算要求にもあがっており、継続の可能性があります。

これまでの支援枠にあった「面的DX化」にて、キャッシュレス化の取り組みが対象例としてあげられていました。

ポイントは面的なキャッシュレス化で、周辺施設との連携による地域全体としての取り組みが求められます。そのため複数の民間事業者が集まった上で、代表主体を決めてから申請が必要です。

面的DX化
対象者 地域における相当程度の数の民間事業者等(宿泊施設、観光施設等)
対象経費 機器やシステムの導入費等
対象金額 5,000万円
補助率 2分の1

出典:観光庁「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業(第四版)

地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業

インバウンド安全・安心対策推進事業は、インバウンド需要に伴う外国人観光客の災害リスクを低減するための事業です。

機器の導入を支援することで、キャッシュレス決済による速やかな医療機関の受診対応などを実現し、観光客に安心と安全の提供を目指します。

対象となるキャッシュレス決済の導入目的は限定的ですが、病院や診療所を管理する事業者等であれば検討しましょう。2025年度の予算要求にも盛り込まれている事業です。

医療機関の訪日外国人患者受入機能の強化
対象者 民間事業者等
対象経費 キャッシュレス決済の導入等
補助率 2分の1

出典:観光庁「令和7年度観光庁関係 予算概算要求概要

キャッシュレス決済の導入にかかる費用

実際のところ、キャッシュレス決済導入にはどの程度費用がかかるでしょうか。ここでは、キャッシュレス決済に関連する費用と、その相場を紹介します。

キャッシュレス決済端末の購入費用

キャッシュレス決済を導入する際には、決済端末の購入費用が必要です。かかる費用はキャッシュレス決済の種類によって異なりますが、~5万円が目安となります。

既存のタブレットにインストールして使えるシステムもあるなど、選び方次第では端末にかける費用を大きく軽減可能です。たとえばQRコードを顧客がアプリで読み取る「ユーザースキャン方式」なら、端末費用はかかりません。

サービス提供会社によっては端末のレンタルや割引を行うケースもあるので、見込める効果や予算に応じて検討しましょう。

決済手数料

キャッシュレス決済を導入すると、決済会社ごとに決済手数料が発生します。決済手数料は、売上金額に対して2%〜5%が相場です。売上から手数料を差し引いた金額が後日、指定口座に入金されます。

インターネットの通信費用

キャッシュレス決済を運用していくには、インターネットの通信環境が必要です。月あたり3,000円〜5,000円の費用を見ておきましょう。

すでに利用している場合は新しい費用はかかりません。

キャッシュレス決済の導入に補助金を使うときの注意点


キャッシュレス決済の導入には返済不要の補助金を利用したいところですが、注意すべき点もいくつかあります。

補助金は最新情報を確認する

キャッシュレス決済導入の補助金を利用したい場合、最新情報をチェックする必要があります。

過去に実施された補助金事業が、再度実施されるとはかぎりません。実施されるとしても対象者や金額などの条件や内容が変更される可能性もあります。

期限を待たずして予算がなくなり次第終了する案件もあるため、早めに申請したほうが得策です。公式サイトを確認する、もしくは実施機関に問い合わせをしましょう。

補助金の対象条件を確認する

キャッシュレス決済の導入に利用できそうな補助金がある場合、対象条件をしっかり確認しましょう。

「キャッシュレス決済の導入費用」といった明確なものもあれば、「設備投資を補助する」など対象が幅広いものもあります。

一見して対象外のようでも、特定の要件を満たせば対象になるケースもあるでしょう。補助金を漏れなく利用するためにも、対象条件や範囲の確認は重要です。

採択のために提出書類は慎重に作成する

補助金の申請に必要な書類は慎重に作成しましょう。補助金は申請すれば必ず受けられるものではなく、審査に通る必要があります。提出した事業計画書などが採択されて初めて補助金を受けられるのです。

キャッシュレス決済を導入しても期待した効果が見込めないと判断されると、不採択になる可能性が高まります。客観的に見て説得力のある事業計画を立てるなど、書類作成には入念な準備が不可欠です。

補助金申請から支給までに時間がかかる

補助金は申請後すぐに受け取れるわけではなく、一般的に後払いです。

キャッシュレス決済であれば決済事業者と契約し、機器などを購入してから補助金を申請します。購入にかかった費用を証明する書類なども必要です。

また、申請から実際の入金まで1年程度かかることもあります。即効性のある方法ではないため、すぐにでも資金が必要な場合は注意しましょう。

補助金の不正受給は返還を求められる

補助金の申請内容に虚偽があるなどの不正が発覚すると、受給後に返還を求められます。補助金の財源は税金であり、目的達成のために使われなければならないためです。

補助金を受給してからも実績報告書の提出を求められたり、監査が行われたりするケースもあります。キャッシュレス決済の導入と無関係の費用を含めるなど、不正な申請は避けてください。

不正がなくても、受給後の状況の変化で要件を満たさなくなった場合は、返還の対象となる可能性があります。

キャッシュレス決済を導入するメリット


キャッシュレス決済の導入には、さまざまなメリットがあります。

顧客獲得の機会が増える

キャッシュレス決済の導入により、顧客獲得の機会の増加が期待できます。

経済産業省によると、キャッシュレス決済は年々普及が拡大し、2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%となりました。キャッシュレス決済ができない店舗の場合、顧客獲得の機会損失につながるおそれもあるでしょう。

自社の商品やサービスに自信があっても、現金払いしかできないために選んでもらえないかもしれません。キャッシュレス決済の導入は、顧客との接点を増やすきっかけになります。

客単価のアップが見込める

キャッシュレス決済を導入すると、客単価アップの効果が見込めます。

現金のみだと持ち合わせの予算までしか使えませんが、キャッシュレス決済であれば限度額まで範囲が広がります。買う予定がなかった商品を顧客が気に入った場合に、追加で買ってくれる可能性が高くなるのです。

客単価が上がれば収益の向上につながり、手数料以上にプラスの効果が得られることも考えられます。

インバウンド需要を取り込める

キャッシュレス決済の導入により、インバウンド需要の取り込みが期待できます。

一般社団法人キャッシュレス推進協議会が2023年に実施した調査結果によると、オーストラリア、イギリス、アメリカなどの世界の主要国ではキャッシュレス決済比率が50%を超えています。

キャッシュレス決済を導入しておけば、円安によって日本で観光や買い物を楽しむ外国人の高額利用にもつながるでしょう。

業務効率化につながる

キャッシュレス決済は、特に小規模な事業者の業務効率化に役立ちます。会計時には現金の授受がないため時間もかからず、つり銭の受け渡しでミスする心配もありません。スムーズな会計は顧客満足につながるでしょう。

レジ締め作業や現金の管理にかかる手間の削減にも効果的です。会計システムと連動できる決済システムなら、自動集計などにより事務処理の負担も軽減します。

売上データを分析できる

キャッシュレス決済の決済データを分析に活かせば、経営改善につなげられます。

キャッシュレス決済では顧客の属性情報が含まれることがあり、購入商品や時間帯などと結びつけた分析が可能です。客層やシーズンに合わせて特定商品の仕入れを行うなど、具体的な戦略が立てやすくなります。

衛生面・防犯面で安心できる

キャッシュレス決済では会計時に物理的な接触がないため、衛生面で安心できます。コロナ禍で接触を気にする人も増えたので、顧客満足につながるでしょう。

また、現金の取り扱いが減り、店舗に多額の現金を保管しないため、防犯性も向上します。

まとめ・キャッシュレス決済の導入には補助金を活用すべし

国はキャッシュレス化を推進しており、今後もキャッシュレス決済導入に利用できる補助金が提供されると考えられます。相談窓口のある補助金もあるので、わからないことは問い合わせてみましょう。

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