副業でEC起業を始めよう!メリット・準備・注意点を徹底解説

ECサイトの起業・運営は副業でも始められる!


ネットの普及やECサービスが充実したことで、ECサイトを活用した起業は副業でも始めやすくなっています。
実店舗を構える必要がないため初期費用を抑えやすく、本業と両立しながら収益化を目指せる点が魅力です。
一方で、「何を販売すればいいかわからない」「在庫管理や集客は難しいのでは?」と不安を感じる人もいるでしょう。

本記事では、副業でEC起業をするメリットや向いている人の特徴、費用の目安、注意点などを紹介します。副業でEC起業に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

副業でEC起業をするメリット


多種多様な副業の中でEC起業を選択すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。まずは、副業でEC起業を始めるメリットを紹介します。

初期費用を抑えてチャレンジできる

小売業で起業しようと考えた場合、実店舗や倉庫などが必要となるため、多額の初期費用がかかることになります。
しかし、EC起業であれば実店舗を取得しなくても良いため、初期費用を抑えた状態でチャレンジすることが可能です。

また、取り扱う商材によっては小ロットから販売でき、商品によるスペースの圧迫を抑えられたり、テスト販売を実施できたりします。
無料のプラットフォーム(STORES、BASEなど)を活用すれば、初期費用をかけずにネットショップを開設することも可能です。

時間や場所に縛られにくい

副業は基本的に本業をメインとして、スキマ時間に仕事をすることになります。そのため、時間や場所に制限のある業種だと、副業を始めること自体難しくなってしまいます。
EC起業は空いた時間を使って作業を進められることから、スキマ時間を有効活用したい人にも適した副業です。
さらに、ECサイトは24時間365日注文を受け付けており、本業をしている時間や寝ている時間なども販売機会は失われません。

また、実店舗だとその周辺地域までしか販売を行うことはできませんが、ECサイトなら国内はもちろん、海外の人に向けて販売することも可能です。
こうした時間や場所に縛られにくいのは、EC起業の大きなメリットと言えるでしょう。

自分の得意な分野・趣味などを活かしやすい

副業に対して「自分が得意なこと、趣味を活かしたもので取り組みたい」と考える人も少なくありません。
EC起業の場合、取り扱う商品は自分で自由に決められるため、ネット上での取引が禁止されているもの以外であれば、自分の得意なことや趣味などを活かした副業になりやすいです。

例えば、キャンプが趣味の人はアウトドア用品を中心に取り扱うネットショップを開業したり、ハンドメイドが得意な人は自作した作品を販売するネットショップを開業したりできます。

将来的に本業化も目指せる

低リスクで始められるため、副業でEC起業を選択する人も多いですが、将来的に本業化させることも可能です。
例えば始めたばかりの頃は商品数を絞り、売上げや顧客からの反応を見つつ徐々に規模を拡大していきます。

軌道に乗ってきたら広告やツールなども活用し、さらにECサイトの規模を大きくしていくことも可能です。
いきなりEC起業だけで生計を立てるのは難しいものの、このように少しずつ規模を拡大していけば、リスクを抑えつつ本業化も目指せるでしょう。

副業EC起業に向いている人の特徴


副業でEC起業を始めるのに特別な資格は不要のため、誰でも始めやすい部類に入りますが、人によって向き・不向きはあります。
以下の項目に当てはまる人は、特に副業のEC起業と相性が良いと言えるため、自分が当てはまっているかぜひチェックしてみてください。

  • 好きなものや得意なジャンルがある:ハンドメイド・ファッション・美容など、特定分野への知識や熱量は商品選定や発信力に直結します
  • コツコツ作業が苦にならない:商品登録・在庫管理・顧客対応など、地道な作業が継続的に発生します
  • スキマ時間を有効活用したい:ECは24時間稼働するため、本業の合間や休日に少しずつ運営を進められます
  • 将来的に独立・起業を視野に入れている:副業ECはビジネスの基礎を低リスクで学べる場としても最適です

逆に、短期間で大きな収益を求めている人や、作業時間をほとんど確保できない人だと難しい面もあります。まずは「小さく試す」という意識で始めてみましょう。

EC起業の代表的な販売手法・プラットフォーム


EC起業といっても販売手法やプラットフォームなどで違いがあります。ここでは、代表的な販売手法やプラットフォームを紹介します。

ECサイト運営

EC起業の代表的な販売手法に、ECサイト運営が挙げられます。ECサイト運営では、自分でサイトを構築し、運営していきます。
取り扱う商品はもちろん、サイトのデザインや機能性、販促キャンペーンや広告、顧客対応・サポート体制まで、自分ですべて設計できるのが魅力です。
また、販売手数料も発生しないため、高い利益率を確保しやすくなります。

ただし、下記で紹介するモール型ECとは異なり、サイトを立ち上げても勝手に人が集まるわけではありません。
SNSやWeb広告、SEO対策などを駆使し、ユーザーを集めるための施策を継続的に行う必要があります。
また、ECサイトを構築するには初期投資も必要であり、サイトの保守・運用も行わなくてはいけません。

モール型ECでの出店

モール型ECとは、1つのプラットフォーム上で複数の事業者が商品を販売する仕組みを指します。
モール型ECにも「テナント型」と「マーケットプレイス型」に分けることが可能です。

テナント型 マーケットプレイス型
特徴 プラットフォームの中に業者別にショップページを開設する 個別のショップページは持たず、商品単位で出品する
メリット ショップページで自社らしさを表現しやすい 出品手続きがシンプル、初期費用を抑えられる
デメリット モールのルール・フォーマットに従う必要がある デザインなどで差別化できない
代表例 楽天市場、Yahoo!ショッピングなど Amazonマーケットプレイス

無在庫販売・ドロップシッピング

無在庫販売とは、在庫を持たない状態で商品を販売する方法です。完全受注生産販売やオーダーメイド販売なども、注文が入ってから生産するため無在庫販売に該当します。
在庫を持たないため初期費用が抑えられることはもちろん、大型家具や高価な商品など、個人だと扱いにくい商品も扱えるのがメリットです。

ドロップシッピングも無在庫販売の一種となりますが、主にECサイトで商品が購入されてからメーカーや卸売業者に直接商品が発送される方法になります。
無在庫販売と同様に仕入れ費用の負担や過剰在庫のリスクがないというメリットはあるものの、ECモールによってはドロップシッピングを含む無在庫販売を禁止しているケースもあるため、事前に確認することが大切です。

ハンドメイド販売

ハンドメイド販売は、自分で作ったオリジナルの商品を、ネットショップなどを介して販売する方法です。
アクセサリーや財布、バッグ、生活雑貨など、多種多様なハンドメイド作品を販売できます。

ハンドメイド販売をするプラットフォームとしては、自分で構築したECサイト以外に、minneやCreema、iichiなどのハンドメイド作品を専門に扱うマーケット、ネットオークション、フリマアプリなどが挙げられます。
ただし、ハンドメイド販売を行う際には、著作権や素材の商用利用などに注意してください。

デジタルコンテンツ販売

デジタルコンテンツ販売は、音楽や映像作品、電子書籍、ソフトウェアなどを販売する方法です。
デジタルコンテンツは無形商材となるため在庫管理が不要であり、物流・保管にかかるコストがありません。

販売方法としては、自分のECサイトを構築する方法と、AmazonなどのECモールを活用する方法があります。
一度コンテンツを制作して販売を開始すれば、途中で在庫を補充する手間もなく、半自動的に販売を続けられます。
ただし、デジタルコンテンツは複製・再配布がしやすいことから、著作権管理やライセンス制限などが必要不可欠です。

副業EC起業にかかる費用の目安


副業でEC起業を始める場合、どれくらいの初期費用・月額費用がかかるのか気になる人も多いでしょう。
初期費用や月額費用は販売手法やプラットフォームによって異なります。ここで、副業でEC起業を始めた場合にかかる費用の目安を紹介します。

販売手法・プラットフォーム 初期費用 月額費用
Shopify(独自ECサイト) 無料 Basic:4,850円
BASE(独自ECサイト) 無料 無料(販売手数料制、スタンダードプラン:3.6%+40円+サービス利用料3%)
Amazon(マーケットプレイス型) 無料 4,900円(税抜)(+販売手数料)
楽天市場(モール型) 6万円 がんばれ!プラン:25,000円(+システムサービス利用料+楽天ペイ利用料)
メルカリShops 無料 無料(販売手数料制、決済手数料込みで10%)
minne(ハンドメイド) 無料 無料~(販売手数料制、無料プランで10.659%)

初期費用を抑えたい場合は、月額固定費がかからない販売手数料制のプラットフォームからスタートするのがおすすめです。
売上げが安定してきたタイミングで、さらに機能性がアップした有料プランへの移行を検討してみてください。

副業のEC起業を始めるための準備


副業のEC起業を始めるにあたって、具体的にどのような準備を行えば良いのでしょうか。ここで、準備内容やポイントを解説していきます。

市場・トレンドのリサーチ

まずは取り扱う商品を大まかに決めてから、市場・トレンドをリサーチしていきます。
市場調査では、主に商品の価格を設定する際やプロモーション施策、販売チャネルの選定など、有効なマーケティング戦略を立てるために必要な調査です。
また、市場調査を行う中で競合となる業者がどのように運営しているのかを把握し、自分が運営するショップとの差別化要因を探ります。

トレンドのリサーチでは、SNSや口コミ、関連キーワードの検索ボリュームや検索ワードの変化などから、話題になりそうな商品・カテゴリなどを確認していきます。

許可の取得が必要か確認

副業でEC起業をする前に、許可の取得が必要か確認することも大切です。
基本的にEC起業を始めるにあたって必要な許可はありませんが、取り扱う商品によっては許可の取得や届出の提出が必要になる場合もあります。

取り扱う商品 許可・届出 申請・提出場所
中古品 古物商許可 警察署
食品 食品衛生法に基づく営業許可 保健所
健康食品・サプリメント 食品衛生法に基づく営業許可
薬機法に基づく許可(種類による)
保健所(種類による)
酒類 通信販売酒類小売業免許
(ネットショップで2つ以上の都道府県に販売する場合)
税務署
医薬品 薬局開設許可、特定販売届出 保健所
医療機器・コンタクトレンズ 「高度管理医療機器」などの販売業許可 保健所
化粧品 化粧品製造販売許可 保健所

「特定商取引法に基づく表記」の作成

ネットショップを開設する際に、「特定商取引法に基づく表記」も作成しておく必要があります。
特定商取引法に基づく表記とは、指定の取引類型を対象としてユーザーと販売者の間でトラブルが生じないように、あらかじめ設定したルールなどの表記です。
特定商取引法に基づく表記があることで、ユーザーは決済方法や返品交換に対応しているかなどを確認でき、安心して買い物を楽しめるようになります。

そもそも特定商取引法に基づく表記はネットショップに義務付けられています。
規約違反と認められてしまうと、経済産業省から業務改善指示や業務停止命令が出てしまったり、懲役刑や罰金刑が科せられたりする可能性もあるため、必ず作成するようにしましょう。

開業届の提出

副業で始めるなら開業届を出す必要はありませんが、起業する場合は開業届が必要です。
開業届を提出すると、楽天市場に出店できるようになります。
AmazonやYahoo!ショッピングは本人確認書類を提出すれば出店できますが、楽天市場では開業届を提出しなくてはなりません。

また、開業届を出すことによって節税効果が期待できる「青色申告特別控除」を受けられるようになり、最大65万円が所得から差し引かれます。
他にも小規模企業共済制度に加入できたり、屋号名で事業用の口座を作れたりするなど、様々なメリットがあるためEC起業するなら開業届の提出も検討してみましょう。

副業のEC起業で注意すべきポイント


副業でEC起業をする場合、低リスクで始めやすい反面、事前に確認しておくべきポイントもあります。長く安定して続けるためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。

会社の副業規定を事前に確認する

副業でEC起業を始める前に、まずは勤務先の副業規定を確認することが重要です。近年は働き方やライフスタイルの多様化により、副業を解禁する企業も増えています。
しかし、業種や職種によっては副業を禁止していたり、事前に申請が必要だったりするケースもあります。
会社の規定に違反した場合、会社とのトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。

すぐに利益を出せるとは限らない

ECサイトは実店舗よりも低コストで始められますが、開設しただけで売上げが発生するわけではありません。
商品選定やサイト構築、集客施策などに時間がかかるため、利益が出るまで数カ月以上かかることもあるでしょう。

また、広告費や仕入れ費用、販売手数料などのコストが発生するため、売上げがあっても利益が残らないケースもあります。
副業ECを始める際は、短期間で大きな利益を期待するのではなく、中長期的な視点で事業を育てていく意識が大切です。

集客・マーケティング施策が必要

ECサイトで継続的に売上げを伸ばすためには、集客やマーケティングへの取り組みが欠かせません。
どれだけ魅力的な商品を扱っていても、サイトに訪問者が集まらなければ購入にはつながらないためです。

具体的には、SEO対策による検索流入の獲得、SNS運用による認知拡大、Web広告の活用、メールマーケティングなどが挙げられます。
副業の場合は作業時間が限られるため、自分に合った集客方法を選び、継続的に改善していくことが重要です。

在庫管理・発送作業で負担がかかる

物販型のEC事業では、商品の保管や在庫管理、梱包・発送といった業務が発生します。
注文数が増えるほど作業量も増えるため、本業との両立が難しくなることも考えられます。

特に副業では、平日の作業時間が限られるため、発送対応の遅れや在庫切れが発生しやすいです。
事前に作業時間を確保したり、発送代行サービスや物流代行サービスを活用したりするなど、効率的な運営体制を整えることが大切です。

所得が20万円以上になったら確定申告を行う

開業届を提出したか・していないかに関わらず、副業による所得が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。
所得とは売上げそのものではなく、売上げから仕入れ費用や広告費、通信費などの必要経費を差し引いた金額です。

確定申告を怠ると、追徴課税や延滞税が発生する可能性があります。そのため、日頃から売上げや経費を記録し、帳簿を整理しておくことが重要です。
副業を継続的な事業として成長させるためにも、税務管理を適切に行いましょう。

まとめ・副業のEC起業は「小さく始めて継続すること」が成功のポイント

EC起業は初期費用を抑えつつ、自分の得意分野や趣味なども活かせるため、注目度の高い副業の1つです。
自分だけのECサイトを構築することもできますし、なるべく手間をかけずに始めたい場合はECモール・プラットフォームを活用するのもおすすめです。
いきなり規模を大きくしすぎると失敗した時のリスクが大きくなってしまうため、まずは小さく始めて継続することを意識してみましょう。

創業手帳(冊子版)は、副業の始め方やEC運営にポイントなど、副業・起業時に役立つ情報を多数掲載しています。ぜひお役立てください。

(編集:創業手帳編集部)