POSレジ導入につかえる補助金・助成金4選!POSレジ導入検討中の方は必見です。
POSレジ導入には補助金・助成金を上手に活用しよう!
POSレジは、会計機能に加えて、リアルタイムでの売上情報の記録や在庫管理、データ分析といった機能を備えており、店舗の経営を改善したり、マーケティング戦略を考えたりするうえで有用です。POSレジの導入には一般的に20万〜50万円程度のお金がかかりますが、導入にかかる費用の負担は補助金や助成金を活用することで大きく抑えられます。
今回はPOSレジの導入に使える補助金や助成金を4種類紹介します。POSレジを低コストで店舗に入れたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
POSレジとは
POSレジとは、販売と同時に売上や在庫などの記録・集計ができるレジスターのことです。POS(Points of Sales)、日本語で「販売時点情報管理」と呼ばれるシステムを備えており、単に会計処理を行うだけでなく、リアルタイムでデータの収集・分析ができます。
POSレジを導入するメリットは、第一に業務を効率化できることです。例えば、従来のレジで行うべき1日の終わりに売上を集計したり、適宜在庫を数えたりといった作業が、POSレジでは必要ありません。販売時点で各種データが記録・更新されることから、売上管理や在庫管理をほとんど自動化できます。
またPOSレジには、収集した売上情報から一緒に購入された商品や曜日・時間帯ごとの売れ行き、客層・客数などを読み解く、データ分析の機能を備えたものが多いです。そのため、そうした分析結果を経営改善やマーケティング戦略の策定などに役立てられます。
さらに勤怠管理システムと連動できるPOSレジでは、スタッフの勤怠情報をリアルタイムで確認できるほか、勤怠情報と売上情報を見比べて人員配置の合理性や生産性を見直すことも可能です。以上のように、POSレジは有益なツールであるため、「ガチャレジ」と言われるような従来型のレジスターをお使いの場合は、これを機会にぜひPOSレジの導入を検討してみてください。
POSレジの種類
POSレジには、主に「ターミナル型POSレジ」「パソコン型POSレジ」「タブレット型/モバイルPOSレジ」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
- ターミナル型POSレジ:スーパーやコンビニにあるような専用のハードウェアがあるタイプ。バーコードなどの必要な装置を備えており、多彩なカスタマイズも可能。スペックや機能性が高いが費用も高額。
- パソコン型POSレジ:通常のパソコンにPOSシステムのソフトウェアをインストールしたもの。ターミナル型に比べて低コストで導入できる。しかし、バーコードスキャナやレシートプリントなど、周辺機器を別途買い揃える必要あり。
- タブレット型/モバイルPOSレジ:タブレットやスマートフォンにPOSシステムのアプリをインストールしたもの。パソコン型よりさらにコストがかからず、大きな設置スペースもいらないので、気軽に導入できる。扱いもほかのタイプに比べると簡単。こちらも周辺機器の購入は必要。
上記の通り、POSレジは種類ごとに、機能性や導入のしやすさ、費用などが異なります。また補助金・助成金によっては、どのタイプを導入するかで申請する科目や枠が変わる可能性もあるので、購入前に公募要領などで確認しておくのがおすすめです。
ちなみに後ほどご紹介するIT導入補助金では、「POSレジ」と「モバイルPOSレジ」の2区分になっており、ターミナル型は前者、パソコン型とタブレット型は後者に含まれます。
POSレジ導入にかかるコスト
POSレジの導入には、20万〜50万円程度の費用がかかることが多いです。POSレジには大きく分けて3つの種類があり、どれを選ぶかによって導入費用の相場が変わってきます。各種類の導入費用の目安については以下を参考にしてください。
種類 | 初期費用 |
---|---|
ターミナル型POSレジ | 50万〜100万円程度 |
パソコン型POSレジ | 0〜40万円程度 |
タブレット型/モバイルPOSレジ | 5万〜25万円程度 |
また初期費用に加えて、パソコン型POSレジとタブレット/モバイルPOSレジでは、数千円から数万円の月額費用がかかります。そのほか、保守費用として同じく数千円から数万円が必要になる場合があります。
このようにPOSレジの導入にかかるコストは決して小さいとはいえませんが、これから紹介する補助金や助成金を活用すれば、費用の負担を減らすことが可能です。
POSレジ導入につかえる補助金・助成金
以下では、POSレジ導入に使える4つの補助金・助成金を紹介します。それぞれで申請要件や受給額などが異なるので、活用しやすそうなものをぜひ探してみてください。
IT導入補助金
最初に紹介するのは「IT導入補助金」。中小企業や小規模事業者がPOSレジを含めたITツールを導入するのに使える補助金です。
概要
IT導入補助金には、「通常枠(A・B類型)」と2021年度補正予算で追加れた「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」の2種類があります。このうち、POSレジの導入に使えるのはデジタル化基盤導入枠です。
デジタル化基盤導入枠は、中小企業・小規模事業者などが導入する会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの経費の一部を補助し、企業間取引のデジタル化を推進することを目的に存在しています。ハードウェア購入費も補助の対象で、POSレジの場合はソフトウェアの購入費とは別に最大20万円の補助を受けることが可能です。
受給額
POSレジの導入に使えるデジタル化基盤導入枠の受給額は、以下の通りです。
類型名 | デジタル化基盤導入類型 | |||
---|---|---|---|---|
補助額 | ITツール | PC・タブレット等 | レジ・券売機 | |
5万~350万 | ||||
5万円~50万円以下 | 50万円超~350万円 | ~10万円 | ~20万円 | |
機能要件 | 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 | 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上 | 左記ITツールの使用に資するもの | |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 | 1/2以内 | |
対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、ハードウェア購入費、導入関連費 |
出典:IT導入補助金2022 公募要領
なお、申請には「ソフトウェアの購入が必須である」「ハードウェアはソフトウェアの使用に資するものでなければならない」など、各種条件があります。そうした詳細については、こちらの記事をご覧ください。
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」では、業務効率化(生産性向上)のための取組も補助対象事業となっており、POS レジソフトウェアを購入して売上管理業務を効率化する場合にも補助を受けられます。
概要
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取組みを支援することを目的として、それらにかかる経費の一部を補助する事業です。POSレジを導入する場合は、業務効率化(生産性向上)のための「IT利活用」として申請することができます。
実際、公募要領にも、補助対象となり得る事例として「新たにPOSレジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する」と明記されています。
なお、2022年6月以降に申請を行う場合は、第9回・第10回・第11回などに向けて準備を進めましょう。それぞれの申請受付締切(予定)は、以下の通りです。
申請受付締切 | 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 | |
---|---|---|
第9回 | 2022年9月20日(火) | 原則2022年9月12日(月) |
第10回 | 2022年12月上旬 | 原則2022年12月上旬 |
第11回 | 2023年2月下旬 | 原則2023年2月中旬 |
※上記は予定であり、変更の可能性があります
申請に必要な事業支援計画書(様式4)の発行には時間を要する可能性があるので、余裕を持って手続きすることをおすすめします。
受給額
小規模事業者持続化補助金には6つの類型があり、それぞれで補助率や補助上限が以下のように定められています。
類型 | 通常枠 | 賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 | インボイス枠 |
---|---|---|---|---|---|---|
補助率 | 2/3 | 2/3 (赤字事業者につ いては3/4) |
2/3 | 2/3 | 2/3 | 2/3 |
補助上限 | 50万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 100万円 |
出典:令和元年度補正予算・令和3年度補正予算小規模事業者持続化補助金 公募要領
POSレジの導入にこの補助金を活用する場合は、いずれかの枠で申請し、それぞれの補助率・補助上限の範囲内で補助を受けることになります。各枠の内容や申請要件の詳細など、詳しくはこちらの記事をご確認ください。
業務改善助成金
業務改善助成金では、事業場内の賃金引き上げと設備投資をセットで行うことで、設備投資に要した費用の一部が助成されます。
概要
業務改善助成金は、生産性の向上および「事業場内で最も低い賃金」の引き上げを図る中小企業や小規模事業者に向けた助成金です。事業場内最低賃金を所定の金額以上引き上げたうえで設備投資を行えば、設備投資の費用の一部が助成されます。
この業務改善助成金は、POSレジ導入の際にも活用可能です。実際、厚生労働省が公表している本助成金の活用事例には、会計・精算処理を効率化するために管理システムを導入した例が載っています。
なお、2022年度業務改善助成金の申請期限は、2023年1月31日です。予算がいっぱいになれば、期間内に終了する可能性もあるので、活用する場合は賃金引き上げも含めて余裕を持って準備を進めましょう。
受給額
業務改善助成金の受給額は、下記のように賃金引き上げの程度によって異なります。
コース区分 | 引上げ額 | 引き上げる労働者数 | 助成上限額 | 助成対象事業場 | 助成率 |
---|---|---|---|---|---|
30円コース | 30円以上 | 1人 | 30万円 | 以下の2つの要件を 満たす事業場 ・事業場内最低賃金と |
【事業場内最低賃金 900円未満】 4/5 生産性要件を 満たした場合は 9/10 【事業場内最低賃金 |
2~3人 | 50万円 | ||||
4~6人 | 70万円 | ||||
7人以上 | 100万円 | ||||
10人以上 | 120万円 | ||||
45円コース | 45円以上 | 1人 | 45万円 | ||
2~3人 | 70万円 | ||||
4~6人 | 100万円 | ||||
7人以上 | 150万円 | ||||
10人以上 | 180万円 | ||||
60円コース | 60円以上 | 1人 | 60万円 | ||
2~3人 | 90万円 | ||||
4~6人 | 150万円 | ||||
7人以上 | 230万円 | ||||
10人以上 | 300万円 | ||||
90円コース | 90円以上 | 1人 | 90万円 | ||
2~3人 | 150万円 | ||||
4~6人 | 270万円 | ||||
7人以上 | 450万円 | ||||
10人以上 | 600万円 |
出典:厚生労働省「令和4年度 業務改善助成金(通常コース)のご案内」
この通り、4つのコースがあり、それぞれ引き上げ額や引き上げる労働者人数が多くなればなるほど、助成上限額も上がっていきます。
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースでは、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進の達成状況に応じて、POSレジ導入を含む環境整備にかかった費用の一部が助成されます。
概要
「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースは、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進を実現しようとする中小企業を支援するための助成制度です。労働時間や年次有給休暇に関する所定の成果目標を達成することで、取り組みにかかった経費の一部が支給されます。
助成対象となる取り組みには、「労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新」も含まれ、POSレジ導入による業務効率化も対象となり得ます。
受給額
以下のように、「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースでは成果目標ごとに助成の上限額が決まっています。
成果目標 | 上限額 |
---|---|
成果目標① | 50万〜150万円 |
成果目標② | 50万円 |
成果目標③④ | それぞれ25万円 |
賃金引き上げの達成時 | 15万円〜240万円 |
成果目標の詳細や申請要件、スケジュールなどについては、こちらの記事をご確認ください。
まとめ
POSレジを導入する際は、以下4つの補助金・助成金の活用を検討してみてください。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 業務改善助成金
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
これらの補助・助成を受ければ、低コストでPOSレジを導入し、売上管理や在庫管理を効率化することができます。またPOSレジによるデータ分析の結果を、経営改善やマーケティングに役立てることも可能です。
なお、補助金・助成金は予定より早く締め切られることもあるため、活用したい場合はお早めに準備を進めましょう。
(編集:創業手帳編集部)
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