許認可申請にかかる費用はいくら?業種別の相場や代行依頼の報酬などを解説
特定の事業・業務で許認可申請が必要な場合もある

事業を始めるにあたって、特定の事業・業務だと許認可を取得しなければ営業できないケースがあり、申請が必要になってきます。
それぞれの事業内容に合わせて各都道府県や市町村、警察署、保健所などに申請しなければなりませんが、その際に費用がかかることやどれくらい必要なのかなど、疑問を感じている人もいるでしょう。
この記事では、許認可申請にかかる費用、内訳、業種別の費用や申請について解説します。許認可申請を検討している人は参考にしてください。
この記事の目次
許認可申請にかかる費用は総額でいくら?

許認可申請を行う場合、許認可の種類によって費用が異なりますが、さらに自分で行う場合と行政書士に依頼する場合でも差が生じます。
ここでは、これらを比較した費用について解説します。
自分で申請する場合は数千円〜数十万円程度
許認可申請は、許認可の種類によって金額が異なります。自分で申請する場合、基本的には収入印紙代や申請費など手数料の支払いのみです。
業種によって申請費が異なりますが、数千円〜数十万円程度で済みます。
行政書士に依頼する場合は数万円〜数十万円程度が目安
行政書士に依頼した場合、収入印紙代や申請費など必要な手数料の支払いに加えて、依頼内容の難易度に合わせた行政書士報酬が加算される仕組みです。
行政書士報酬も加えると、費用は総額で数万円〜数十万円程度が目安となります。
費用は許認可の種類・申請先・依頼範囲によって変わる
許認可の費用は、種類・申請先・依頼範囲によって異なります。建設業を例に説明すると、新規で都道府県知事許可もしくは国土交通大臣許可の2つが取得可能です。
1つの都道府県内のみに営業所を設ける場合は都道府県知事許可で申請し、手数料は9万円です。
2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は、国土交通大臣許可の申請となり、手数料も登録免許税を含んで15万円になります。
許認可申請にかかる費用の内訳

許認可申請には、大きく分類して「法的費用」と「行政書士報酬」の費用がかかります。
初めて許認可申請を行う場合、自分で手続きを行うことも可能ですが、時間が膨大にかかったり不備によって何度も再提出を行ったりしやすく、これがきっかけで申請を諦めてしまう人も少なくありません。
ここでは「法的費用」と「行政書士報酬」について解説し、それぞれの費用についてわかりやすく解説しているので参考にしてください。
法定費用
法定費用とは、法令によって定められている公的な費用です。
行政機関に支払う証紙代、手数料などが該当しますが、これらの費用は全国共通で同じ場合もあれば、都道府県や市区町村で異なる場合もあります。
いくつか例を挙げて費用について解説します。
| 許認可の種類 | 法定費用の内訳 |
| 建設業許可(新規の場合) | 都道府県知事許可:9万円 国土交通大臣許可:15万円 |
| 飲食店営業許可 | 16,000円~19,000円程度 (自治体によって異なる) |
| 旅館業許可 | 2~4万円 (自治体によって異なる) |
| 古物商許可 | 19,000円 |
| 酒類販売業免許 | 申請手数料:0円 登録免許税:3~9万円 (販売形態によって異なる) |
| 産業廃棄物収集運搬業許可 | 81,000円 |
必要書類の発行手数料
許認可申請を取得する際には、他にもいくつかの必要書類を準備しなければなりません。
建設許可、産業廃棄物収集運搬業、古物商許可では、身分証明書、住民票、登記されていないことを証明する種類が必要です。
これらの種類は、手数料を負担して取得しなければならず、役員ごとに取得して提出します。窓口で請求する書類の手数料は以下のとおりです。
| 書類名 | 手数料(1部) | 必要な枚数 |
| 身分証明書 | 400円 | 役員1名につき1部 |
| 登記されていない証明書 | 300円 | 役員1名につき1部 |
| 登記事項全部証明書 | 600円 | 1部 |
| 納税証明書 (法人事業税):知事許可 |
400円 | 1部 |
| 納税証明書 (法人税):大臣許可 |
400円 | 1部 |
行政書士への代行報酬
許認可申請は個人でも申請できますが、行政書士に代行依頼も可能です。行政書士に依頼した場合、上記で解説した法定費用や発行手数料の他に代行報酬が必要になります。
行政書士に依頼すれば、書類の作成や整備、チェック、申請まで行ってくれるので最短での取得も期待できますし、何度も提出し直すという面倒もありません。
なお、許認可申請代行は行政書士の独占業務なので、プロフェッショナルに依頼できるメリットも期待できます。
ただし、行政書士への代行報酬は許認可申請の内容によって金額が異なることを把握しておきましょう。
許認可申請の費用相場【業種別】

許認可申請の費用相場について業種別に表にまとめました。自分が取り組みたいと考える事業はあるかチェックしてみてください。
| 業種 | 費用 |
| 建設業 | 許可手数料:9万円 登録手数料:15万円 |
| 飲食業 | 手数料:16,000円~19,000円程度(自治体による) |
| 古物商・中古品販売 | 許可手数料:19,000円 |
| 人材派遣業・職業紹介業 | 登録免許税:9万円 許可手数料:12万円 |
| 運送業 | 試験・適性診断・講習費用:3~6万円程度 登録免許税:12万円 |
上記に挙げた手数料や登録免許税、収入印紙などの他に、各証明書の発行手数料も必要となります。
また、飲食業の手数料に関しては、各自治体によって若干費用が異なっているので、事前に確認しておきましょう。
許認可申請は自分でできる?行政書士に依頼すべき?

許認可申請は自分で手続きを行うこともできますが、実際には何度も書類の再提出や不備によって時間がかかってしまうこともあります。
行政書士への依頼によってスムーズな手続きが可能となりますが、費用がかかってしまうため、依頼すべきか迷う人もいるかもしれません。
ここでは、自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合のメリットとデメリットについて解説します。
自分で申請するメリット・デメリット
事業をスタートさせる際に許認可申請が必要ですが、自分で申請する際には費用を抑えつつ、知識や仕組みを理解しながら申請ができます。
将来、再度同じ手続きを行う予定がある場合は自分のペースで進めて申請できるので、行政の仕組みなども理解できるのがメリットです。
しかし、何も知識や経験がない状態からのスタートとなるので、書類の準備などに大幅な時間がかかり、不備などで差し戻されることもあるかもしれません。
また、窓口によって対応が異なるケースも予想できるので、思うように進まない申請にもどかしくなりがちです。
行政書士に依頼するメリット・デメリット
許認可申請を行政書士に依頼する場合、要点を把握しているので書類作成もスムーズに行えます。
差し戻されるリスクも軽減できるので、短時間で申請が完了し、ストレスになりにくいです。
特に開業前は物件探しや仕入れ、人材を雇用する場合は採用活動など、やることが非常に多く、そんな中で書類を作成しようとすると焦ってミスをしてしまうことも少なくありません。
行政書士に依頼して許認可申請を任せれば、その分開業準備や経営に集中できるでしょう。
行政書士に依頼するデメリットは、申請内容によって数万円~数十万円の報酬金を支払う必要がある点です。
自分で申請手続きを行えば手数料だけで済みますが、行政書士に依頼すると申請の手間は省ける分、コストが発生します。
また、行政書士によっては申請書類作成のサポートを行ってくれる場合もあれば、ただ書類を提出するだけというケースもあるため、注意が必要です。
行政書士に依頼する際は、事前にどこまで許認可申請をサポートしてもらえるのか確認してください。
許認可申請の費用が高くなるケース

許認可申請は、書類の内容や手続きによって費用が変わり、結果的に高額になるケースもあります。どのような場合に費用が高くなるかを解説します。
必要書類や確認事項が多い場合
必要書類や確認事項が多い場合、費用が高額になる傾向があります。
コンプライアンスの強化によって、必要な書類ごとに厳格な決まりが設けられているため、これらの工程数が多くなれば自然と費用も高くなります。
複数の許認可を同時に申請する場合
許認可申請を行う際に、いくつかの許認可を同時に行えばその分費用もプラスになります。
一度に行えば安くなるというわけではなく、それぞれの手続きについての報酬が決まっているため、複数分の料金が増す仕組みです。
図面作成や事前相談が必要な場合
許認可申請で図面作成などが必要な場合も費用が高くなります。申請の種類や物件の大きさなどで変わってきますが。一般的な図面でも1万円~5万円程度の費用が必要です。
これに加えて、行政書士へ申請手続きを依頼すればさらに数十万円の費用がかかります。
他にも事前相談なども、時間や回数によって費用が変わるので事前に相談が必要なのか、どれくらいの時間で相談が終わるかなどを考えておくと安心です。
許認可は申請時だけでなく更新時にも費用がかかる

許認可申請は申請が済めば費用がかからないだけでなく、更新の際に手数料がかかるものもあります。更新時に費用がかかる許認可申請は以下のとおりです。
| 許認可申請 | 更新費 |
| 建設業 | 申請手数料:5万円 |
| 飲食業 | 自治体による |
| 古物商・中古品販売 | なし |
| 人材派遣業・職業紹介業 | 許可手数料:55,000円(1事業所につき) |
| 運送業 | 更新手数料:法定手数料:法改正のため金額未定 |
古物商・中古品販売に関しては、一度古物商許可証を取得すれば更新は必要ありません。
許認可申請の費用を抑えるポイント

許認可申請の際には、時間に加えて費用もかかってしまいます。少しでも費用を抑えたい場合は、以下のポイントに注目してください。
必要書類を事前に確認しておく
許認可申請の際には、どのような書類が必要になるかを事前に確認しておくと費用を抑えられます。
例えば住民票、登記簿謄本、納税証明書などは自分で申請して集めることができます。
専門的な知識が求められるもの以外は、できるだけ必要書類を事前に確認して用意しておくのがおすすめです。
行政書士に依頼する範囲を明確にする
行政書士は、業務数や内容によって費用がかかる仕組みです。
そのため、事前に行政書士に依頼する範囲を決めておいて自分でわかる部分は用意しておくと費用を抑えることができます。
書類の申請のみ、作成のみに分けるなど、依頼する範囲を明確にすると費用も変わってきます。
見積もりでは法定費用と報酬を分けて確認する
行政書士の報酬は自由化されているので、依頼する事務所で変わります。
見積りをもらう段階では、法定費用と報酬を分けて記載してもらうと、複数の行政書士へ依頼した際に比較しやすいです。
許認可申請の費用に関するよくある質問

ここからは、許認可申請の費用に関する質問について解説していきます。
許認可申請を自分で行えば無料になる?
許認可申請を自分で行えば無料になると考えるかもしれませんが、実際には法定費用、書類の発行手数料などがかかるため、これらの費用は無料になりません。
ただし、行政書士に支払う代行報酬はかからないので、費用を抑えることができます。
コストを考えるなら自分で行ったほうが良いですが、書類に不備があると再提出が必要だったり、許認可の取得の遅れにつながることもあるため、慎重に検討することが大切です。
行政書士報酬の相場はいくら?
行政書士の報酬は、各行政書士事務所によって異なります。一般的には数万円~数十万円程度が相場です。
また、手続きの難しさによっても費用が異なるので、仕組みを理解しておくと比較しやすいです。
複数の行政書士事務所を比較すると、その地域の相場が見えてくるので、サポート内容なども含めて比較してみてください。
法人と個人事業主で費用は変わる?
法人と個人事業主で費用が変わるかどうかは、許認可の種類によって異なりますが、例えば、建設業の場合だと法人と個人事業主で費用の差はありません。
ただし、行政書士に依頼する場合は、法人のほうが確認事項や提出書類が多い場合もあるため、個人事業主より代行報酬が高くなる可能性もあります。
許認可の種類によって取り扱いは異なることから、具体的な費用は個別に確認することが大切です。
無許可で事業を始めるとどんなリスクがある?
「手続きの費用をできるだけかけたくない」「書類作成が面倒」という理由で、無許可で事業を始めてしまった場合、以下のリスクが起こり得ます。
-
- 営業停止命令・事業停止処分を受けてしまう
- 罰金刑や懲役刑など刑事罰の対象となる
- 許可取得後にも不利な扱いを受ける可能性がある
- 取引先・顧客からの信用を失ってしまう
- 契約解除や損害賠償請求につながる場合がある
許認可が必要な業種で、許可を取得する前に営業を開始した場合法令違反となってしまうことから、事前に必要な許認可を確認し、適切な手続きを行うことが重要です。
まとめ・許認可申請の費用は取得後の運用コストまで考えて準備しよう
許認可申請は申請に必要な費用や手続きが必要ですが、事前に計画して準備すれば順調な事業スタートができます。
ただし、許認可は取得してからも更新手続きが必要なものもあり、運用コストもかかってくるため注意が必要です。
取得後の運用コストもあらかじめ想定した上で許認可申請を行えば、更新が必要なタイミングで慌てずに済むでしょう。
(編集:創業手帳編集部)
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