HubSpotとは?主な機能や導入するメリット、導入時の注意点などを解説

世界135カ国以上・27万社以上で活用されているツール


マーケティングや営業、カスタマーサポートなど部門ごとに異なるシステムを使っていると、データ共有が簡単にできなかったりします。
こうした問題を解決するために、あらゆる部門のデータをシームレスにつないだ「HubSpot」というツールが注目されています。
HubSpotは世界135カ国以上、27万社以上で活用されているツールです。スタートアップから大企業まで、幅広い企業で活用されています。

本記事では、HubSpotの基本的な特徴から主な機能、導入するメリット、導入時の注意点などを解説していきます。
自社に適したCRM(顧客関係管理)・マーケティングツールを探している人は、ぜひ参考にしてください。

HubSpotとは│無料で使える部分が多いCRMツール


HubSpotとは、2005年にアメリカで開発された統合型のカスタマープラットフォームです。
HubSpotの開発会社はマーケティング会社でもあることから、インバウンドマーケティングに役立つソフトウェアとして世界的に活用されています。
1つのプラットフォームからさまざまなツールを連携して活用できるため、部署ごとの効率性がアップするだけでなく、部署間での連携もスムーズになります。

顧客管理・マーケティング・営業支援などあらゆる機能を統合

HubSpotの大きな特徴として、顧客管理やマーケティング、営業支援など、事業運営に役立つ機能を1つのプラットフォームに統合している点が挙げられます。
これらのツールは1つずつ導入することは可能ですが、データにバラつきが見られたり、複数のツールを使い分けたりする必要があります。
しかし、HubSpotを導入すれば、わざわざ複数のツールを使い分けることなく、データを一元管理することが可能です。

HubSpotにおけるインバウンドマーケティングの考え方

インバウンドマーケティングとは、SNS・ブログなどを通じて顧客に役立つ情報を発信し、信頼関係を構築していくマーケティング活動を指します。
この手法は、HubSpot社の共同創業者であるブライアン・ハリガン氏らが提唱したものです。

HubSpotでは、顧客が成功をつかむことで自社の成功にもつながると考えています。
実践方法としては、Attract(惹きつける)、Engage(信頼関係の構築)、Delight(満足度)というプロセスを一貫して支援できる仕組みを備えています。
単なるツールの提供だけに留まらず、顧客中心にマーケティング思想を実践するためのプラットフォームであることがHubSpotの特徴です。

HubSpotの主な機能


HubSpotは、無料で使えるCRMに加え、インバウンドマーケティングに役立つツールから構成されています。ここでは、HubSpotの主な機能について解説します。

HubSpot CRM

HubSpot CRMは、無料で提供されているCRMツールです。

  • 見込み顧客の氏名や会社名
  • 部署
  • メールアドレス
  • Webサイトへの訪問やフォーム送信
  • メール開封などの履歴情報
  • 取引内容
  • 商談の進捗情報 など

上記の情報をまとめて管理できます。

HubSpot CRMを基盤に、下記で紹介するツールを組み合わせて部署を問わず一元管理できるツールを構築します。
また、HubSpot CRMは1,500種類以上の外部サービスとのAPI連携が可能であり、既存システムも活用しつつHubSpot CRMを取り入れることも可能です。

Marketing Hub

Marketing Hubは、マーケティング活動の自動化・最適化を図ることを目的に、さまざまな機能・ツールを集約させたものです。
Marketing Hubにおける主な機能は、以下のとおりです。

  • ブログ
  • LP作成
  • 広告の最適化
  • メルマガ配信
  • SNSアカウントの管理
  • SEO管理
  • CTA管理
  • マーケティングオートメーション
  • リードのトラッキング・管理 など

ブログ・LPの制作から広告制作、SEO対策など、見込み顧客を獲得するためのコンテンツが集約されています。
インバウンドマーケティングにおいて、顧客に有益な情報を発信し、オンライン上で見つけてもらう機会をつくることが重要です。
Marketing Hubは情報発信の質を高め、見込み顧客の獲得をサポートしてくれます。

Sales Hub

Sales Hubは、営業活動における施策の自動化・効率化を図るためのツールです。
ターゲット層に向けて適切なタイミングでアプローチをかけることにより、効率化を実現します。
Sales Hubの主な機能は以下のとおりです。

  • 営業進捗管理
  • 予実管理
  • チャット機能
  • Eメールトラッキング
  • ミーティング設定
  • 見積もり作成
  • ABM(アカウントベースドマーケティング)
  • セールスアナリティクス など

営業活動のプロセスに欠かせない情報と機能を集約させたことで、業務の停滞を回避できます。

CMS Hub

CMS Hubは、インバウンドマーケティングにおける「Attract」の段階で、有益なコンテンツを効率的に作成・管理・運用するためのツールです。
CMS Hubの主な機能は以下のとおりです。

  • SEO推奨(アドバイス)
  • 統合型CRM
  • ドラッグ&ドロップエディター
  • ローカル環境でのWeb開発
  • コードアラート
  • セキュリティ監視と脅威検出
  • Webサイトのパフォーマンス監視
  • 標準のSSL など

専門的な知識を持っていなくてもWebページ・サイトを制作・更新できるツールで、管理画面には自動でSEO対策のヒントも表示されます。

Service Hub

Service Hubは、顧客満足度の向上を目的に、顧客対応をサポートするツールです。
顧客とのチャットやEメールなどの履歴が蓄積され、そのデータをCRMに連携させることができます。
Service Hubの主な機能は以下のとおりです。

  • カスタマーポータル
  • チャットボット
  • ナレッジベース
  • カスタマーサービスの自動化
  • アンケート調査(顧客からのフィードバック)
  • クローズされたチケットのレポート作成 など

Service Hubの導入によって、一元的なCRMプラットフォーム上ですべての顧客データを管理できるようになります。
また、顧客が抱えている悩みやニーズをナレッジベースなどで解決できるよう支援することで、顧客満足度の向上が期待できます。

HubSpotを導入するメリット


HubSpotを実際に導入した場合、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここで、HubSpotを導入するメリットを紹介します。

オールインワンでスムーズな連携が取れる

HubSpotのメリットとして、マーケティングや営業活動、カスタマーサポート、CMSなどの機能を、1つのプラットフォームに統合できる点が挙げられます。
それぞれの機能に特化したツールを活用する場合、個別に導入・連携させる必要がありますが、HubSpotならその手間は不要です。

また、部門ごとに分断されがちな情報を共有しやすく、リード獲得から受注、アフターフォローまで、一貫した顧客体験を提供することも可能です。
例えば、マーケティングチームが獲得した見込み顧客の情報を営業チームが共有し、商談の進捗状況をマーケティングチームもリアルタイムで把握できます。

直感的な操作で使いやすい

HubSpotのツールは、専門的な知識を持っていなくても扱いやすい設計になっている点もメリットです。
例えばドラッグ&ドロップでWebページ制作やフォーム設定ができ、複雑な設定も必要ありません。

シンプルなUI・UX設計となっているため、どこに何があるのかもわかりやすくなっています。
初めてCRMツールを導入する企業でも、比較的スムーズに運用を開始できるでしょう。

自動化機能で業務効率アップ

HubSpotにはワークフロー機能が搭載されており、特定の条件に応じてメール送信やプロパティの更新、タスク作成などを自動で実行できます。
日常的に起きる定型業務をワークフロー機能で自動化すれば、担当者は別の業務に時間を割くことが可能です。
例えば、フォーム送信後のサンクスメールやイベント直前のリマインド通知などが挙げられます。

マーケティング業務だけでなく、営業活動でもタスク管理やフォロー通知の自動化によって、対応漏れの防止や生産性向上が期待できます。

無料版でもさまざまな機能が使える

HubSpot CRMは無料で提供されているCRMツールです。
無料ツールだとあまり機能が使えないのではないかと考える人もいますが、HubSpotだと基本的なCRM機能に加え、以下の機能はすべて無料で利用できます。

  • レポート作成ダッシュボード
  • 取引のトラッキング
  • 企業インサイト
  • 顧客情報管理
  • Eメールのトラッキング・通知
  • リードトラッキング
  • ミーティングのスケジュール設定
  • Webチャット環境の構築

顧客管理は最大1,000件まで登録でき、利用期間にも制限がないため、スモールスタートで導入効果を検証したい人にもおすすめです。

HubSpotの導入に向いている企業


多岐にわたるCRMツールがある中で、HubSpotの導入がおすすめの企業を紹介します。

低コストでCRMツールを導入したい企業

HubSpotの導入におすすめなのは、低コストでCRMツールを導入したい企業です。
HubSpot CRMは無料プランが用意されており、期限も設けられていないため、そのまま使い続けることが可能です。
無料プランでも顧客情報の管理や問い合わせ対応などをはじめ、さまざまな機能が使えます。
後から機能やツールを拡張していけるので、まずはお試し感覚で導入し、慣れてきたら有料版に切り替えて使える機能を増やしていきましょう。

部門間で情報を一元管理したい企業

マーケティング部門や営業部門、カスタマーサポート部門などでツールが分断されていると、顧客情報の共有がスムーズにいかず、機会損失につながる場合があります。
HubSpotを活用すれば、顧客データを1つのプラットフォーム上で管理できるため、部門間で情報を一元管理したい企業におすすめです。
顧客接点の履歴を時系列で確認できることから、対応の質を向上させることも期待できます。

インバウンドマーケティングやSEO対策を強化させたい企業

HubSpotには、ブログ作成機能やフォーム設定、LP作成機能など、インバウンドマーケティングを実践するための機能が揃っています。
有益なコンテンツを通じて見込み顧客を獲得・育成し、商談につなげる一連の流れを仕組み化できるのです。
そのため、インバウンドマーケティングやSEO対策を強化させたい企業に向いています。

MAツールを導入できていない企業

これまでMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入しておらず、リード管理やメール配信をすべて手作業で行っていた企業には、HubSpotが有効です。
HubSpotを導入することでメール配信の自動化やスコアリング、ワークフロー機能などが使えるようになります。
これらの機能をうまく活用することで、見込み顧客を効率的に育成することも可能です。

また、HubSpotはマーケティングオートメーションに必要な機能を一通り備えています。
しかし、すべてを一度に導入する必要はなく、目的に応じて必要な機能から順番に取り入れていくことも、用途に合わせて段階的に導入することもできます。

HubSpotを導入する際に確認・注意すべきこと


HubSpotを導入する前に、いくつか確認しておきたいポイントがあります。ここで、事前に確認・注意すべきことを紹介します。

現場に定着するまで一定の期間が必要

HubSpotは複数のツールを1つのプラットフォームに統合しているため、機能性は非常に高いです。
しかし、多機能であるが故に、社内に定着するまで一定の期間が必要となります。
特に、これまで顧客情報を個別に管理していた企業だと、運用ルールの整備から入力の徹底まで、業務フローの見直しが必要です。

HubSpotだけでなくツール全般に言えることですが、初めてツールを導入する場合は準備や担当者の教育に十分な期間を設けることが重要です。
導入したばかりの頃は成果を求めすぎず、教育やマニュアル整備を含め、段階的に運用していきましょう。

無料プランだけだとできることに限界がある

HubSpotは基本的なCRM機能を無料で利用できますが、本格的なMA機能や高度な分析機能などを使うためには、有料プランへの移行が必要です。
例えばMarketing Hubのメール配信機能は、無料版だと一斉配信のみ利用できますが、有料のProfessionalプランだと、一斉配信に加えてシナリオメールやABテストが利用できるようになります。

自社が実現したい施策が無料の範囲内で対応できるかを事前に確認した上で、将来的な拡張も見据えながらプランを検討することが大切です。

高度な拡張・カスタマイズで割高になる可能性がある

上記でも紹介したように、HubSpotは無料版でもある程度の機能は揃っているものの、高度なカスタマイズや機能の拡張を行おうとすると、有料プランにアップグレードする必要があります。
有料プランはできることが増える分、月額費用も増加していくため注意が必要です。

また、外部ツールとの連携や高度なカスタマイズを行う際に、専門家への依頼が発生するケースもあります。
導入前に必要な機能を整理し、費用対効果を見極めた上で段階的に拡張させるのが望ましいです。

日本語対応が不十分なところもある

HubSpotは世界的に活用されているツールであり、日本語にも対応しています。
しかし、一部の機能や最新アップデート情報が英語になっていたり、日本語の翻訳が不自然だったりするケースもあります。
英語に不慣れな場合、運用面でハードルの高さを感じてしまうため、注意が必要です。導入前にサポート体制や情報提供の言語対応などを確認しておくと良いでしょう。

HubSpotを導入するには認定パートナーを活用しよう


自社だけでHubSpotを直接導入・運用することも可能ですが、リソースが限られている場合は認定パートナーに依頼し、導入を目指すのがおすすめです。
認定パートナーは、HubSpot社と連携を取りながら、ツール導入や活用をサポートしてくれる業者を指します。
Solutions Partner以上なら公式からレクチャーを受けており、またパートナー検定にも合格しているため、HubSpotに関する専門的な知識が身についています。

認定パートナーを活用すれば、導入をサポートしてくれるだけでなく、操作方法や活用方法についてアドバイスも受けられるので安心です。
自社に合った認定パートナーを選ぶ際には、事前に自社のニーズや目的を洗い出した上で、パートナーの専門領域や強み、実績などを確認してみてください。
また、公式サイトの導入事例や口コミサイトなどで、信頼性の高さを確認してみるのもおすすめです。

まとめ・メリットや注意点を把握した上でHubSpotの導入を検討しよう

HubSpotは、企業活動に欠かせないさまざまな顧客接点をまとめて扱えるプラットフォームとして、多くの企業で活用されています。
低コストで始められる点や自動化機能が充実している点など、導入するメリットは大きいです。
ただし、定着までに一定の期間が必要だったり、無料版だとできることが限られたりすることから、導入前に必要な機能と運用イメージを明確にしつつ、予算と照らし合わせながら検討することが大切です。

創業手帳(冊子版)は、HubSpotを含め事業に役立つツールの紹介も行っています。機能性に優れたツールから、低コストで運用できるツールまで、さまざまなツールを紹介しているので、ぜひご活用ください。

関連記事
CRMツールを比較する際のポイントとは?おすすめの商品10選もご紹介
CRM活用術 金子圭一朗 |私が「ZOHO」の活用をおすすめする理由

(編集:創業手帳編集部)