インバウンド向けスモールビジネス・副業を始めるには?おすすめのビジネスや事例もご紹介

創業手帳

外国人観光客激増中の今、インバウンド向けスモールビジネス・副業で起業しよう!

インバウンド観光客向けビジネスが盛り上がってきています。JNTO(日本政府観光局)発表の2023年5月訪日外客数推計値は189万8,900人で、コロナ前2019年における同月比68.5%にまで達しました。コロナ禍から着実に数字は回復してきている状況です。

そんな中、多くのビジネスパーソンがインバウンド領域のビジネスを作ろうと考えているのではないでしょうか。そこで本記事では、インバウンド向けのスモールビジネス・副業のアイデア例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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インバウンドとは

「インバウンド」とは、一般的には「内向き」を意味します。

またビジネスとマーケティングの分野では、コンテンツマーケティングやソーシャルメディアマーケティングなどのデジタルマーケティングの手法や、顧客から企業への問い合わせを指すこともあります。

しかし本記事では、外国からの観光客という意味において、「インバウンド」という言葉を使います。

インバウンド向けのビジネスはスモールビジネスや副業とも相性が良いので、インバウンドが回復してきている昨今、今から何かビジネスを始めるならおすすめの事業領域です。

インバウンド向けスモールビジネスや副業を始めるおすすめビジネス!

インバウンド向けのスモールビジネス・副業で稼ぐためにおすすめのビジネスをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

レストラン・カフェなど飲食ビジネス

インバウンドはレストランやカフェにとって効果的な戦略となり得ます。その目的は外国人観光客を惹きつけ、快適に過ごしてもらい、再訪や口コミを通じた新規顧客獲得につなげることです。

地元の食材を使った料理や地元文化の体験を提供することで、訪問者にユニークな体験を提供しましょう。また、その情報をWebサイトやSNSで共有することも大切です。

最近ではYouTubeやInstagramなどで日本情報を発信している外国人インフルエンサーも多く、そうした人たちの目に留まれば爆発的にヒットするきっかけになる可能性もあります。また逆に、インフルエンサーたちが注目するような観点を盛り込めれば、逆算してヒットも狙えるでしょう。

また、日本のレストランにはメニューやウェブサイトを複数の言語(特に来店客が多い国の言語)で提供しているレストランがまだまだ少ないので、その対応をするだけで他の店舗よりも抜きん出ることができるでしょう。

民泊やゲストハウスなどの宿泊ビジネス

民泊ビジネスは近年、観光業界で増加の一途をたどっています。民泊新法の誕生により、旅館業法の営業許可を取らずとも、一般の賃貸住居で民泊ビジネスが始められるようになったことも要因としては大きいのでしょう。

アイデア次第で地方の安い物件であっても顧客を獲得できるため、スモールビジネスや副業として始めやすい業種であると言えるでしょう。地方では非常に安く販売されている物件もあり、安く始められるビジネスでもあります。

インバウンド向けの民泊ビジネスを展開する際には、予約サイトや自社ウェブサイト、案内書、利用規約などを複数言語(特に来客の多い国の言語)で提供することが重要です。また、基本的なコミュニケーションが取れるスタッフや通訳サービスも必要でしょう。

民泊はホテルと違い、より地元の文化や生活スタイルを体験できる機会を提供できます。地元の観光情報や飲食店の紹介、体験型ツアーやイベントへの参加を促すことが有効です。また、客室や設備の写真は清潔かつ魅力的に、そして正確に撮影することも重要です。

宿泊者からの良好なレビューが獲得できれば、新規客も来てくれやすくなるでしょう。

また、ゲストハウスも比較的始めやすい観光系のスモールビジネスです。民泊同様、レビューの印象が重要になります。

ゲストハウスの運営については、以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせてお読みください。

ゲストハウスの開業方法から資金調達まで。ゲストハウスの経営ポイントをご紹介

観光農園ビジネス

観光農園とは、イチゴ狩りやブドウ狩りのように、農園の中の果物・野菜などを顧客が収穫できるタイプのビジネスです。創業手帳でも以前、「ブルーベリーファームおかざき 畔柳 茂樹|年に60日稼働するだけで年収2,000万円。楽して儲かる夢の「農起業」の始め方」という記事で紹介しています。

観光農園は今、タイ人観光客など、アジア系の観光客から人気を集めており、軌道に乗せるまで時間はかかる上、初期コストもそれなりにかかるものの、成功すれば手堅いビジネスとしておすすめのインバウンド向けスモールビジネスです。副業で観光農園を経営されている方も増えてきているようです。

観光業・ツアービジネス

インバウンド観光客向けのツアー事業も、インバウンド客の増加にあわせてこれから盛り上がってくるでしょう。許認可などは必要になるものの、そこまで初期資本が要らず始められるおすすめのスモールビジネス・副業のうちの一つです。

他のツアーと差別化を図るため、地元ならではの体験や、普通の観光客ではなかなか経験できないような特別な体験を提供できれば、リピーター顧客も獲得できるでしょう。地元の企業や団体と連携し、ユニークな体験の提供やツアーのプロモーションを行うのもおすすめです。

また、上述したように、最近日本にやって来るインバウンド客の多くは、日本にいる外国人インフルエンサーのSNSを見ているため、SNSなどで話題になるような意外性のある企画・アイデアに基づいたツアー設計ができれば、人気が出るかもしれません。

お風呂・サウナなどの娯楽ビジネス

お風呂やサウナは、その独特の文化と健康への利点から、訪日外国人観光客にとって魅力的な体験となるでしょう。

日本のお風呂文化は外国人にとって新鮮で興味深いものです。そこで、例えば四季に合わせた香りや、地元の特産品を使ったアメニティを提供するなど、地元文化体験を強く押し出すことで、インバウンド観光客にも人気が出るでしょう。

外国人観光客は旅行の情報収集にインターネットを利用するため、WebサイトやSNSを活用してマーケティング対策をすることも重要です。

近くの観光スポットや地元のレストランなどの情報を提供することで、お風呂やサウナの訪問を一日のプランに組み込みやすくすることも考えてみましょう。

マッサージやアロマセラピーなどのリラクゼーション体験も一緒に提供できれば、日本流のおもてなしにインバウンド観光客も満足してまたリピーターになってくれるかもしれません。

インバウンド向けスモールビジネスの成功事例

インバウンド向けスモールビジネスの成功事例をご紹介します。

北海道にある人口わずか2,000人の小さな町、枝幸町の近くに「うたのぼりグリーンパークホテル」と呼ばれるホテルがあります。

このホテルはタイ人観光客向けインバウンドに特化しており、タイ語対応はもちろんのこと、タイ人が日本観光に求めるおもてなしを次々と提供していきました。マグロ解体ショーや盆踊り、流しそうめんや餅つきなど、日本の伝統的なイベントをホテルで体験できるようにした結果、毎年約2,000人もののタイ人観光客が訪れるようになったそうです。

千葉県成田市の果樹園「熱田農園」でも、シンガポール人やフィリピン人などのアジア系観光客が毎年イチゴ狩りに来るそうです。日本のいちごが甘くて美味しいことや、その体験の面白さなどから、ちょうど良いリラクゼーション・観光体験になっているのでしょう。

このように、インバウンドのスモールビジネスにはチャンスがまだまだ潜んでいます。

インバウンド向けスモールビジネスを始めよう

歴史的な円安水準もあって、インバウンド向けスモールビジネスは盛り上がりを見せています。日銀の植田総裁もしばらく異次元緩和継続の姿勢を見せていることから、この波はしばらく止まることはないでしょう。この波に乗ってインバウンド向けスモールビジネスで起業してみてはいかがでしょうか。

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大久保写真創業手帳の創業者・大久保のコメント

創業手帳の代表の大久保です。
毎日多くの起業家と接している経験からアドバイスしますね。

コロナ解禁と円安でインバウンド需要が回復してきました。
凄まじい勢いで需要が回復しています。

宿泊場所がない、あるいはインバウンドの受け入れ産業では高い時給を出しても人材が集まらないという声が増えてきています。
こういった市場が伸びているタイミングは起業するチャンスです。

今後、インバウンド産業が考えるべきことで一つヒントになるお話をします。
それは、日本の感覚にとらわれず、いかに単価の高い経験を提供するか、ということです。

先程のように需要が急増して時給を上げても人が集まりにくいという状況があり、利益率の高い業態にしていくための鍵がこの業界の単価になります。

海外に行くとわかりますが、日本の飲食などはレベルが高い割に値段が安いです。

さらに、日本の経済水準があまり成長していない中、一昔前のイメージと違い、海外の途上国も所得水準が上がってきており、さらに為替の影響で日本は圧倒的に「安い国」になってきています。

そのため国内向けの感覚で、安い値段を維持しようとしても実はそれは、日本という遠い所まで長い時間をかけて来たお客様が求めていることではないかもしれません。

例えば北海道のニセコに行った際は外国人が多かったですが、単価の高い宿泊施設は外国人観光客で埋まっていました。
逆に日本人は安い宿泊施設に留まる傾向がありましたが面白いことに値段が高い施設の方が稼働率が高いようでした。

安ければ売れるという普通の感覚でいうと逆ですよね。
そこにインバウンドビジネスの重要なヒントがあります。

わざわざ海外から来ている外国人にとってはそれよりも日本人の尺度で見ると高単価でも一生に一度の最高の体験をしたいと考えている人も多いのです。

インバウンドの魅力は、成長する市場と、世界を市場としているため数が多いということもそうですが、昔に比べると外国人の財布が大きくなっている(海外の経済成長+為替)ため一生に一度のような体験を提供できれば高い単価を取りやすいということがあります。

例えば高単価というと大きい投資の必要な大企業の話と思いがちですが、そうではありません。
起業家こそ、尖ったサービスを生み出しやすいと思います。

日本はユニークな文化や体験、上質な商品の宝庫で、よく見ると日本人や提供者自身が気づいていない価値があるものです。
ぜひ、海外の方には自社の良いところを磨いて発信していきましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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