スタートアップのための契約書チェック 「ココだけ!」ポイント

創業手帳

先方から送られてきた契約書の「丸のみ」から卒業しよう!

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自社で契約書の作成まではしなくとも、取引相手から契約書への署名押印を求められることはあるでしょう。

その時、スタートアップベンチャーや中小企業では、弁護士に依頼するコストを抑えたいということで、社内で契約書の内容の確認を済ませようとしても、「どこをどうチェックすべきかわかならい」ということも多いのではないでしょうか?

契約書の種類により、チェックすべきポイントは異なりますが、これから述べる以下の点には最低限注意しましょう。 

お金の支払いに関する条項をおさえる

契約書で大事な条項といえば、まずは、お金の支払に関する条項である。

自社が支払う場合であっても、相手方が支払う場合であっても、以下の点については確認しておきたい。

  1. 自社又は相手方が何をした場合に、お金を請求出来るか明確になっているか
  2. 支払時期が具体的な日にちを特定出来る形で定められているか
  3. 支払方法、諸費用の負担者等が定まっているか

 
特に「1. 自社又は相手方が何をした場合に、お金を請求出来るか明確になっているか」について、自社側が何らかの業務を行う場合には、出来る限り特定しておかないと、当初想定しておらず、本来であれば追加料金をもらうべき業務まで行うはめになってしまいかねないので注意が必要である。
 

取引が終了する場面をイメージしておく

契約を結んだ際、実際に行う取引についてはイメージできていても、取引が終わる場面についてはイメージしにくいものである。しかし、取引が終わった後のことまで考えて契約しておかないと、争いが生じかねない。

例えば、オフィスの賃貸借契約を結ぶ場合、賃料を下げるために一生懸命交渉しながら、「オフィスを退去する際に行う原状回復の内容については確認していない」というような人は注意が必要である。

取引終了後のトラブルを回避するためにも、取引終了後にどのようなやりとりを行う必要があるかをイメージして、契約書の内容をチェックするとよい。

修正の方法について

「相手から受け取った契約書は、相手にとって有利な内容のようだが、何だかよくわからないし、交渉も面倒なのでそのまま受け入れてしまおう」というのが危険であることはいうまでもない。不利益を被る可能性がある上、相手方から提示された契約書を常にそのまま受け入れていると、相手方から「この会社は不利な契約でも応じる会社である」とみられかねない。

これを、避ける1つの方法として、相手方のみに認められている不平等な内容を、自社にも認める平等な内容に修正するという方法がある。

例えば、

「甲(相手方)は、・・・の場合、本契約を解除することができる」

というような内容がある場合、

「甲及び乙(自社)は、・・・の場合、本契約を解除することができる」

というような修正をする。

これをすれば、相手方だけに認められていた契約の解除が貴社にも認められることになる。

最後に

これまで述べてきた内容を念頭に置いて作業を行うだけで、契約書のチェックの質は格段に向上するだろう。

一方で、会社の将来に関わるような大事な契約書や金額の大きい取引に関する契約書等については、自社内での処理にこだわらず、やはり弁護士に依頼して、内容を確認してもらうことも視野に入れるべきだろう。

(監修:田中尚幸 弁護士)
(創業手帳編集部)

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