起業家が中途採用面接の受け応えでチェックすべき3つのポイント

創業手帳

人材採用で失敗しない候補者のコミュニケーション能力の計り方

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短くはない期間を社会人として生活していると遭遇するイベントがある。転職である。筆者も転職経験者であり、修羅場ではないにしろ様々な壁にぶち当たっては砕けずにブレークスルーしてきた。

最終面接まで漕ぎ着けた企業は、アメリカ系の外資系企業から日系のお堅い企業、果てはアーリーステージのベンチャー企業まで多岐にわたる。

創業間もない起業家にとっては、新卒を採用してじっくり育成するという時間もお金もないことがほとんどだろう。よって、起業の「想い」に賛同してくれるスタッフを「自らが面接官となって」中途採用するのが通例である。

筆者の前職で中途採用における面接官を担当していた経験(人事部ではなく現場担当として)を基に、候補者の能力、今回は特に「コミュニケーション能力」を計るために面接官としてチェックすべきポイントをまとめた。

「必要な量を、過不足なく」話せるか?

自分が面接の場にいると想定して欲しい。あなたは果たして、緊張せずに友達に昨日観た映画のレビューをするかのように初対面の面接官に話が出来るだろうか?

答えは概ねの方がNOであると考えられる。憚らず言えば「人は必ず緊張をする」生き物なのだから当然と言える。

緊張状態にある人間の言葉は、まず上(うわ)ずる。そして、内容が間延びするか、論点が散逸する傾向にある。

私が面接官をやっていて、まずはその人がシンプルに会話が出来るかということは採用の第一のフックになっていた。

採用面接において質問をされる項目は実に限定的であるため、まずは、あらかじめ用意しておいた回答を「過不足なく、端的に、簡潔に投げ返す」ことのできる人材かどうかをチェックしなければならない。

「YESなのかNOなのか、賛成なのか反対なのか」を明確に示すことができるか?

「結論から述べる」ということは社会人として当たり前のことであり、誰しもそうするべきだ。そこに付け加えて、その質問に対してYESなのかNOなのかといった、自分の立ち位置を明確にしているということは、その人が素早く物事を明確化させることができるということである。

たとえば、「あなたは営業とマーケティング、どちらが好きですか?」という質問をしたとする。すぐに答えを出すことが難しくとも、最初に出る言語は、

  1. 営業が好き
  2. マーケティングが好き
  3. どちらも好き

のいずれかであることが望ましい。

私は、ここで思考プロセスから話し始める人を、「なんとプレゼンテーション巧者か」とは思わない。それどころか、その話を聞くための準備を放棄し、今夜の夕食について思慮を巡らせることだろう。

「定量的(数的)に物事を捉え、アウトプットする」ことができるか?

最後にチェックしているのは、定量的(数的)に物事を捉え、しかも考えるだけではなく、それをシンプルかつ迅速にアウトプットできるか?という思考と行動の様式である。

理由は2つで、そのような人の話は、「話の根拠が理解しやすい」ということと、「話の全容の把握が容易」だからでである。

法人向け賃貸業者が借り手にビルの説明をするとき、階数がどれくらいか、広さはどれくらいか、賃料はいくらか、いつから借りられるかといったことを説明しないケースは存在しない。また、広さだけを伝えて賃料を伝えないことも考えられない。なぜならそれではその物件を採用するにあたっての情報が不足するからだ。

物事には必ず定量情報が存在する。それらを利用しないということは、いかなるプレゼンテーションであったとしてもネガティブなイメージを感じざるを得ない。

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