起業の仕方と資金調達方法の種類とは
起業の種類とは?事業内容や起業の始め方、資金調達まで自分に合う方法を選択して成功を目指す
起業の方法にはいろいろな種類があり、自分の生活スタイルや事業内容によって選ぶことが可能です。自分自身に合った起業内容やスタイルを選べば、スムーズな開業と成功を目指せるでしょう。
起業の仕方や事業内容、資金調達の方法まで、一つひとつの段階で豊富な選択肢があります。
選ぶ方法によっては、事業を順調に伸ばせるかもしれません。あるいは、ビジネスの内容に合わず、とん挫してしまう可能性もあります。起業を目指すなら広い視野をもって比較検討し、成功に結びつきやすい方法、無理なく継続できる方法を選びましょう。
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この記事の目次
起業とは?
起業とは字の通り事業を起こすことであり、会社の設立も起業にあたりますが、会社を持たずに個人事業主になるのも起業です。
さらには、会社勤めをしながら副業として起業することも可能です。すべての事業で「起業」という言葉を使えます。
起業方法の種類の選択肢は増加
起業の方法や種類の選択肢は、以前と比べて広がっています。会社を設立するもしないも関係なく、副業での起業も可能。
また、事業を行うために事務所が必要ない仕事もあり、インターネット上で完結し、営業活動もネットで行う事業もあります。
幅広い種類の起業方法があり、どんなタイプの人でも自分に合う起業方法や内容を選べる時代。
また、ビジネスモデルやサービスの提供方法は既存の方法に留まらず、新しい発想によって思いもよらない形のものが登場し続けています。
事業内容の選び方で多い5つの種類
起業する際には、事業内容の選び方も大切です。事業内容の選び方で多い5つの種類をチェックしてみましょう。
事業内容を絞り切れない人は、以下の点を踏まえて絞り込みしてみるのも良いかもしれません。
経験やスキル・実績を生かしたい
これまでの仕事の経験やスキル、実績をもとにして事業を起こすケースは少なくありません。経験があれば業務はスムーズに始められ、実績を示すことで信用も得られます。また、前職との関係を生かして顧客を獲得できるケースもあり、メリットの多い方法です。
資格や知識を生かしたい
ある分野での資格や知識を持っている人は、それをもとにした起業も可能。
資格は持っているだけで信用を得る材料になる可能性もあり、知識はそのものが商材になる場合もあります。
独立にせよ副業にせよ、最初は実績がないため、クライアントはどこを見て能力を判断して良いかわかりません。
しかし、資格を持っていれば、資格のレベルから知識や能力を推定でき、依頼のハードルが下がります。
また、知識をもとにコンサルティングや情報商材などのビジネスも展開できます。
地域・社会貢献として
地域社会への貢献を目指し、起業する人もいます。事業内容は、社会貢献活動や地域の諸問題を解決するものを選び、より良い地域・社会を目指した経営を行います。
事業内容によっては、NPO法人化も視野に入れられる起業です。
成長が期待できる
成長が期待できる分野でビジネスを始めたいと思うのは、多くの起業家が考えることでしょう。
成長性の高いジャンルを探して事業内容に選ぶと、市場とともに自分の事業を発展させやすくなります。
市場調査や競合分析を経て、成長性だけでなく参入リスクの高さも考慮するのが大切です。
良いアイデアが生まれた
事業の良いアイデアが生まれたことから、起業を検討する人もいます。
新しいジャンルやこれまでなかったサービスなど、ブルーオーシャンでの事業展開は、一人勝ちする可能性もあるかもしれません。
リソースの少ない、個人でも成功のチャンスがあります。上手に時流に乗るためにも、アイデアが生まれたら積極的に行動し、形にすることが必要です。
起業方法の種類
起業する人のタイプ別の起業方法の種類もいろいろあります。立場によって起業の仕方は違い、それぞれの特徴を生かしたスタイルでの起業が多くなります。
会社員
会社員のまま起業するケースも少なくありません。会社での本業の傍ら、副業を行い副収入を得るスタイルです。
安定性があり、収入や社会保険も充実しています。自身で起こした事業が上手くいかなくても本業があるため、リスクを最小限に抑えられます。
ただし、本業の会社が副業を認めていない場合には起業できません。
また、あくまでも会社員の傍らで行うため、そもそも副業に使える時間が少なく、休日を副業に充てると疲れによって無理が生じるかもしれません。
女性起業
女性起業は、女性が起業家として事業を起こすことを指します。小さな事業から大きな事業まで、幅広いジャンルで多くの女性起業家が活躍しています。
女性起業は、自分の身の回りのことや自分のできる範囲のことから始める内容が多いと言えるでしょう。
趣味の手作りの作品を販売するといった、小さなきっかけを元に事業を始めるケースも多いようです。
学生起業
学生起業は、大学生などが在学中に事業を始めるもので、世界的に有名な起業家、経営者の中にも学生起業を経験した人は少なくありません。
学生の起業では、自分たち学生の課題や悩み、興味のある内容に沿った事業内容が多くなります。
学生時代は資金が不足し、信用もないため調達にも苦労することが多いもの。
しかし、大学の施設や先輩、教授など、活用できるものも多いため、アイデア次第で成功に繋がるケースもあります。
シニア起業
定年間際から定年後のシニア世代も起業のタイミングです。早期退職制度などで企業から離れたサラリーマンが、第二の人生に起業することもあります。
知識や実績、経験をもとに事業を始めるには十分な会社員時代を送っており、それらを生かした事業が向いているかもしれません。
また、これまで趣味で極めてきた分野がある場合、会社員時代とは違う趣味の分野でチャレンジするのも良いでしょう。
ただし、長く会社勤めをしてきた場合、従業員としての働き方ではなく、経営者としての働き方やマインドに切り替えるのが難しいこともあるようです。
地方起業
会社員のリモート化も進んでいますが、起業する際もインターネットを活用し、近年では起業する際に場所に捉われることはなくなりました。地方で起業する良さは、助成金や補助金などが充実している点です。
各地方自治体には、都心部から地方へ移住し、新天地で起業するなど、特定の条件下で利用できる制度もあります。
起業形態で多い3つの種類
起業形態は、選ぶ種類によって働き方や収入が大きく変わる重要なポイントです。起業形態は、主に3種類あります。
また、ひとつの起業形態から順を追ってステップアップし、規模を広げていくのも良いでしょう。
個人事業主として起業
個人事業主としての起業は、独立してメインの事業として働く方法です。
至ってシンプルで、収入が事業収入メインのため、事業が失敗した時のリスクは避けられません。
事業を始める際には、開業届を提出し、必要があれば青色申告承認申請書も提出します。屋号も付けられ、法務局への登記までは必要ありません。
法人設立して起業
法人設立をして起業する方法は、ある程度の高い収益を期待できる場合、法人格としての信用が欲しい時に向いています。
個人事業主が納めるのは所得税ですが、法人格になると法人税を納めることになります。
税率とシステムの違いによって、利益の少ないうちは個人事業主の方が節税効果が高く、利益が多くなると法人の方が有利でしょう。
法人の設立は、個人事業主よりも手続きが煩雑で、社会保険や労働保険も完備する必要があります。
副業で起業・プチ起業
副業での起業やプチ起業は、自分のペースで小さな規模から始められる起業方法のひとつ。本格的な独立や法人の設立前の準備や練習、様子見にも向いています。
副業収入は事業収入に認められないこともあるため、確定申告では青色申告ではなく白色申告が多くなるようです。
本業あっての副業なので、本業に支障のない範囲で、本業や家事・育児との兼ね合いを考えて、無理なく行うのが大切です。
資金がなくてもできる
3種類の起業方法は、規模の差はありますが、まとまった資金がなくてもできる方法です。
もっともお金がかかるのは法人の設立ですが、資本金は1円から設立でき、手続きも手数料が必要なだけです。
事業内容によってはパソコン1台あればでき、現状にあるもので始めれば特に初期投資も必要ありません。
起業内容の種類
起業内容の種類は豊富ですが、ジャンル別に4つに区分できます。それぞれの種類の特徴を知り、どの分野で活躍できるか考えてみましょう。
スキル・知識提供
自分の持っているスキルや知識を提供して対価を得るビジネスは、元手も設備も最低限でできる種類です。
初期投資や在庫を持つ必要もないため、リスクも抑えられます。
ライターやデザイン作成、イラスト作成、ファイナンシャルプランナーなどがあります。また、○○教室といったレッスン系も、スキルに合わせて仕事にできるかもしません。
インターネットでノウハウ教材をデータ販売する方法もあります。
物販系
物販系は、仕入れと販売で差額を利益とするオーソドックスな事業です。店舗を持って行うだけでなく、ネットショップもあります。
自分で制作を行う場合もありますし、リサイクル品などを扱うケースもあります。ただし、リサイクルショップの場合には、古物商の免許が必要です。
コンサルタント業
コンサルタント業は、専門知識を元に企業や個人に対してアドバイスをする仕事です。スキル・知識系と同じく、在庫を持つ必要がありません。
起業やマーケティングなど、ビジネス系のコンサルもありますが、ダイエットや恋愛など、個人的な内容のコンサル業もあります。
フランチャイズ
フランチャイズビジネスは、ブランドやチェーン展開を持つ企業と契約し、屋号やシステム、マニュアルを用いて物販やサービスを営む方法です。
コンビニのような店舗を持つフランチャイズもありますが、店舗を持たずにできるサービスもあります。
フランチャイズでは、加盟料の支払いやチェーン店として守るべきルールが多く、自由が利かないデメリットもあるかもしれません。
しかし、経営のノウハウを教えてもらえるメリットも多いものです。
資金調達法の種類
起業を考えるにあたっては、資金調達方法の種類にも目を向けましょう。資金調達にもいくつかの種類があり、それぞれの方法ごとに良し悪しがあります。
貯金
自分の貯金を元手にして事業を始めるのは、最もリスクが少なく、自己責任で起業できる方法です。
他の資金調達方法を利用する場合でも、ある程度の自己資金は貯めておき、併用するケースも多くあります。
会社員時代の貯蓄や投資で増やした自己資金を使えば、融資額を減らし、過剰な返済リスクを負わずに済むかもしれません。
融資
金融機関や信販会社からの融資は、返済義務のある資金調達方法です。借り入れ期間に応じて、利息も発生します。
融資での資金調達は、信用情報に応じてまとまった額の資金を手に入れられ、自己資金のない人でもすぐに事業を始められる点がメリットと言えるでしょう。
ただし、現実的には事業をこれから始める段階では実績もなく、融資審査に通らないこともあります。
その場合には、比較的柔軟な審査が期待できる公的機関の融資も検討すると良いかもしれません。
補助金・助成金
起業家を支援するための補助金や助成金の制度を利用するのも、資金調達方法のひとつです。
国や地方自治体などが行っており、条件は厳しく手続きも煩雑ですが、返済の必要のない資金を支給してもらえます。
ただし、金額には上限があり、大規模な資金調達には向かないかもしれません。また、一部には返済が必要な融資を行う制度もあります。
クラウドファンディング
マッチングサイトなどを利用して、支援者を募り、出資してもらう資金調達方法です。
補助金の支給のように返済義務のない資金ですが、様々な方法で支援者へ見返り(リターン)を渡すケースが多いです。
例えば、開業した後に無料でサービスを受ける権利を与える、ノベルティのようなものを提供するなど、それぞれの事業に応じた見返りの準備が必要とされています。
また、クラウドファンディングには、返済義務のある融資タイプもあります。
親兄弟から借りる
事業資金は、金融機関や第三者からではなく親兄弟、親類縁者から借りることも多いもの。親しい間柄だからこそ、個人の信頼だけで融資してくれる場合もあります。
ただし、親しい関係でも契約書を交わし、返済する姿勢が大切です。返済でトラブルになると、その他の親族にも迷惑をかけることになりかねません。
起業準備と必要な手続きの種類
起業の種類が決まったら、起業準備を行います。事業の内容や種類に合わせて、必要な準備や手続きを行い、良いスタートを切れるようにすることが大切です。
起業準備を経て、起業家としての意識を高めましょう。
セミナー参加
どんな形であれ、起業を検討する際には、起業家のためのセミナーに参加して、体験談や起業のヒントを聞いておくことをおすすめします。資金調達や融資のセミナー、集客のノウハウを教えるセミナーもあります。
競合調査
事業の内容を検討する際に、競合調査は欠かせません。
ライバルのサービス内容や価格、ターゲット層を調べて、太刀打ちできるか、この業界に参入して事業を成功させられるか調べます。
商品やサービスだけでなく、経営方針や事業規模まで知り、自社の方針や方向性との違い、課題を見い出します。
事業計画・資金繰計画作成
起業するためには、事業計画や資金繰計画の作成も必要です。文書にすることで、不足している情報が明らかになり、客観的な視点で事業を見られます。
もちろん、融資を受ける際には、これらの書類を審査の際に使います。
資金調達
自己資金で不足している場合には、資金調達の方法を選び、審査申し込みやマッチングサイトへの登録、クラウドファンディングへの参加が必要です。
資金調達の方法の中には、審査に落ちる、十分な資金が集まらないといったリスクもあるかもしれません。
確実な方法でない場合には、次の手立ても考えておくことが大切です。
必要な許認可の取得
事業によっては許認可や資格の取得、事業の登録などが必要です。
取得や登録にかかる期間を想定して、余裕をもって準備を行い、事業スタートとともに仕事を受けられるようにしておきましょう。
必要な資材・道具などを揃える
起業前までには、事業に使う資材や道具、設備の準備も必要です。オフィスや店舗を構える場合には、賃貸契約や内装工事などもしておく必要があります。
これらの準備も、開業日に間に合うように終えておいてください。
登記申請・開業届提出
個人事業主の場合には開業届、法人の設立を行うなら定款作成や登記など、必要な手続きを行います。
副業の場合にはこれらの必要はありませんが、今後のことを考えるなら開業届は出したほうが良いかもしれません。
法人の設立には手続きが多くなるため、自分で行う自信がない場合には、専門家への依頼や書類作成ツールを検討するのも手段のひとつです。
まとめ
起業を目指すなら、準備からスタートまで、段階ごとに方法と種類を慎重に選ぶのが大切です。
豊富な選択肢から自分の生活や事業内容に最適な種類を選んで、よりスムーズに起業準備を進めましょう。
起業の仕方でベストな種類を選択するためには、情報収集も必要です。
起業の種類や手順ごとに押さえるポイントを理解した上で、しっかりと時間をかけて準備を行うのが成功への近道です。
(編集:創業手帳編集部)