資金繰り表の作り方|キャッシュフロー改善で、黒字倒産しない会社に

資金調達手帳

資金繰り表の作り方を学んで、今すぐキャッシュフローを管理しよう。

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(2016/11/15更新)

「勘定合って銭足らず」という言葉があるように、損益計算書上は利益がでているのに、資金繰りが上手くいかず倒産してしまう会社があるのです。いわゆる「黒字倒産」です。今回は、黒字倒産をしないための「資金繰り表」の作り方と、作っただけで終わらせないためのチェック項目をご紹介します。

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資金繰り表とは|資金繰り表は、何故必要なの?

資金繰り表とは、会社における一定期間の現金収入と現金支出の全てを分類したり集計したりする目的があり、現金収支の動きを把握したり、現金過不足の実態など追うための表です。

資金繰り表を何故作る必要があるのか。それは、資金繰り表を毎日作成していくことで、「黒字倒産」といった最悪のケースを防いたり、予防したりできるからです。資金不足になることが予め予測できれば、借入を行ったり、支払いを延期するなどの対策が出来ます。

売上が出ているのに残高がない!資金がショートしている例

さて、資金繰り表とは何かを理解したところで、実際に資金がショートしているケースの簡単な具体例をみていきましょう。

 売上げ    500万(内訳:現金売上200万、掛売上300万)
 仕入れ    250万(内訳:現金仕入150万、掛仕入100万)
 その他経費  150万(すべて現金支払)
—————————————————————————————
 利益     100万

損益計算書状では「100万の利益」が出ています。

しかし、実際のお金の流れは

 現金売上   200万
 現金仕入   150万
 その他の経費 150万
—————————————————————————————
 収支    -100万

「マイナス100万」と、資金が不足しています。

資金がなくなれば、どんなによい事業でも続けていくことはできません。このようなことにならないように、資金繰り表を作成してお金の流れを把握しましょう。

資金繰り表で何がわかるの?

資金繰り表を作成することで、会社の一定期間のお金の流れを把握することができます。資金繰り表は「実績の資金繰り表」だけでなく、「計画の資金繰り表」も合わせて作成します。実績(過去)の資金繰り表では、これまでのお金の流れがわかり、計画の資金繰り表では、これからのお金の流れ(キャッシュフロー)がわかります。

実際に「実績の資金繰り表」を作ってみよう

一般的な「資金繰り表」のフォーマットを用いて、作成のポイントについて解説します。
※下記リンクから資金繰り表の雛形をダウンロードしてください。

資金繰り表を作るにあたり以下の資料を用意しておくと良いでしょう。

  • 月次推移試算表
  • 現金出納帳
  • 預金出納帳もしくは預金通帳
  • 手形帳
  • 借入金返済明細

【資金繰り表】
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(1)前月繰り越し①
ここには、前月から繰り越された、現預金残高の合計額を記入します。

(2)営業収支④(②-③)
ここには営業活動に直接関係するお金の出入りを記入します。

営業収入②・・・現金での売上げ、売掛金の回収、手形の取立・割引など、営業活動で入ってきたお金を記入します
    
営業支出③・・・現金での仕入、買掛金の支払、手形の決済、人件費の支払、その他経費の支払、税金の支払など、営業活動で支払ったお金を記入します。

(3)財務収支
ここには営業活動と直接関係のないお金の出入りを記入します。基本的に資金調達と
その返済になります。
    
財務収入⑤・・・金融機関からの借入、株式の発行、固定資産の売却収入など営業活動と直接関係のないお金の入りを記入します。

財務支出⑥・・・借入金の返済、配当金の支払、固定資産の購入など営業活動とは直接関係のないお金の出を記入します。

(4)経常収支⑦(④+⑤-⑥)
営業活動からの収支に財務収支を差引したものであり、今月の収支を表しています。

(5)翌月繰越⑧(①+⑦)
前月の繰越現預金残高と、今月の収支を足したものが、翌月に繰り越されていきます。

翌月に繰越される現預金残高と必ず一致します。
  

「計画の資金繰り表」作成のポイント

計画の資金繰り表も同じ表を用います。数字は、実績を踏まえ今後の経営計画をもとに作成していきます。

もし、「7.翌月繰越⑧」の欄がマイナスになるようであれば、資金の追加調達を検討する必要があるでしょう。

また、売上計画を見直す作業をしたり、コスト削減できるものはないか再度検討した方がよいでしょう。

資金繰り表から社長が検討すべきこと

〈実績の資金繰り表から検討すべきこと〉

経営が順調でお金に余裕がみられる場合

設備投資、将来に向けて投資、借入金の返済などを検討する

資金不足の兆候がみられる場合

収益の改善、売掛金の回収、手形の回収、金融機関からの借入などを検討する
 
売掛金や手形の回収が長期化している場合は要注意です。最悪の場合、大きな取引先が倒産すると連鎖倒産してしまうという可能性もあります。

まずは、決済までの期間を短くしてもらえるよう働きかけましょう。

また、帝国データバンクや東京商工リサーチといった信用調査機関を利用して取引先の経営状態をチェックし、危ない兆候がある場合には、取引規模の縮小や早期回収を進めるなどの対応を講じましょう。
 
金融機関からの借入については、経営状態が本格的に悪化する前に相談しないと、悪くなってからでは融資を受けることは難しくなりますので、早めに動きましょう。

また、日頃から、金融機関と良い関係を築いておきましょう。

決算説明、新事業の試み、新製品の開発などは金融機関にも知らせて、積極的に経営していることをアピールしましょう。 

〈計画の資金繰り表から検討すべきこと〉

計画の資金繰りが厳しくなりそうな場合

計画の資金繰り表に基づき、今後のお金の過不足について予測する厳しい予想がつく場合は、専門家に相談するなど早めの対策を講じる

計画の数値予測が甘く実績との乖離が大きい場合

実績と計画の比較をし、差が生じた原因を分析する

さいごに

「計画の資金繰り表」は、できれば次の年度が始まる前月まで(3月決算法人の場合は2月)に作成しておくのが理想です。

新年度が始まる前に作成することで、追加の資金調達や経営計画の見直しなど、早めの対応が可能になります。

実際に資金ショートをしてからでは遅いのです。

また、上記の「資金繰り表」は月ごとのものですが、資金繰りが厳しい会社や、支払が集中する日がある会社の場合は、日ごとのものを作成し、資金のショートが起こらないようにしましょう。

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(監修:ゆう税理士事務所 税理士 小林優子
(編集:創業手帳編集部)

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