税務署から連絡がきたらどうする?電話・手紙・税務調査などケース別の対応方法を解説

税務署から連絡がきても、まずは内容を確認して落ち着いて対応しよう

税務署から連絡がきたらどうする?
日常生活で税務署から連絡を受けるケースはそう多くありません。だからこそ、税務署から電話や封筒が届いた時には大多数の人が動揺してしまうでしょう。
しかし、税務署からの連絡があったからといって税務調査の予告だったり、脱税を疑われていたりするとは限りません。
まずは連絡内容を確認し、落ち着いて対応することが重要です。

この記事では、税務署から連絡がくる主な理由やケース別の対応方法、やってはいけないことなどをわかりやすく解説します。

税務署から連絡がくる主な理由

税務署からの連絡には複数のパターンがあります。それぞれの理由を理解しておくことで落ち着いて対応できるはずです。ここでは代表的なパターンを紹介しています。

申告内容について確認したいことがある

税務署からの問い合わせには、申告書に記載した内容についての確認を目的とした軽微な連絡もあります。
連絡が来ただけで、過剰に反応する必要性はありません。

内容によっては電話口でその場に回答できるものもあるため、落ち着いて質問内容を聞き取るようにしてください。
記載漏れや数字の入力誤りなど、単純な誤記についての確認を求められるケースが多いので、担当者の説明に沿って回答すれば問題ありません。

提出書類に不備がある

添付書類の不足や記載ミスがあった場合、税務署から修正や追加提出を求められることがあります。どのように対処すればいいのか説明を受けるので早めに対応しましょう。

封筒での通知であれば不備の内容や必要な書類は通知に具体的に記載されています。まず記載事項を確認した上で、求められた対応をしてください。
期限内に対応しないと督促や再連絡につながる可能性があるので、指定された期日までに必ず手続きを済ませておくようにします。

納税・還付に関する連絡

税務署からの連絡には、納付漏れの案内や還付金の手続きに関する内容が含まれることもあります。よくわからないからと放置せずに何の案内であるか確認してください。

口座振替や納付書による支払いなど、納税方法に関する案内が届くこともあり、内容を確認して支払いなどは期限内に済ませます。
還付が発生する場合は振込先口座の確認を求められることがあるので、正確な情報を速やかに提供しましょう。

税務調査の日程調整

税務調査を行う場合、国税通則法第74条の9により、税務署は原則として事前に日時や場所を通知しなければいけません。
通知には調査を開始する日時、場所、対象税目、対象期間などの事項が含まれているので、事前に確認しておいてください。
電話で通知を受けた時には、通常は担当部署・担当職員名・対象税目・対象期間などが伝えられます。

急に連絡を受けると動揺するかもしれませんが、落ち着いてメモを取り、スケジュールを調整します。
不安がある場合には、その場で回答せずに一度内容を確認してから折り返しましょう。

事前通知が原則ではありますが、証拠隠滅のおそれがあるなど一定の要件に該当する場合は、国税通則法第74条の10に基づいて通知なしの調査が行われることもあります。

【ケース別】税務署から連絡がきた時の対応方法

税務署から連絡がきた時の対応方法4つ
税務署からの連絡方法は電話のほか、郵送、来署要請など様々です。いつ連絡があっても対応できるように、それぞれに適した対処を把握しておいてください。

電話がかかってきた場合

電話を受けた場合には、まず相手の所属部署や担当者名、用件を確認し、内容を正確にメモしておくことが基本的な対応です。
内容によってはその場で判断が難しい場合もあるため、無理に即答せず折り返しで対応しても差し支えありません
誠意ある対応としてすぐに応えようとするかもしれませんが、慌てる必要はないので、資料を確認してから確実に対応します。

あいまいな回答や不確かな発言はトラブルを招くので避けるようにしてください。
担当税理士がいる場合は、電話の内容を共有し対応方針を相談した上で回答すると、より冷静に対応できます。

封筒・通知書が届いた場合

通知書が届いたら、まず最後まで目を通し、記載されている内容と期限を正確に把握することが最初にすべき対応です。
内容を軽視して放置してしまうと、うっかり期限を過ぎて不利益な扱いを受ける可能性があります。期限を把握して余裕を持って確実な対応をとるようにしてください。

必要書類の提出や返送が求められている場合は、指定された方法と期限を守り、正確に手続きを行います。
例えば、相続税や譲渡所得に関する照会では、資産状況などを確認する書類や返信用封筒が同封されるケースがあります。
こうした場合には回答項目を漏れなく記載し、期限内に返送してください。

税務署へ来署するよう求められた場合

来署を求められた場合は、まず持参すべき書類を事前に確認し、必要なものをそろえておくようにします。
不明点がある場合は、事前に税務署へ電話などで問い合わせて疑問を解消した上で来署すれば、冷静に対処しやすくなります。

来署当日は、担当者からの質問に対してわかる範囲で正確に答えてください。不明な点はその場で断定するよりも、持ち帰って確認するようにおすすめします。

税務調査の連絡だった場合

税務調査の連絡を受けたら、調査の日程を調整します。調査当日に備えて帳簿や領収書などの資料を整理して計画的に準備を進めてください。

税理士に早めに相談することで、調査の進め方や必要な書類について的確なアドバイスを受けながら準備を進められます。
資料の整理が不十分な場合、調査当日に説明が難航して、想定以上に説明に時間がかかったり、追加資料を求められたりする可能性があります。
税務署が求める対応をするためには、税理士に立ち会ってもらうことも検討しましょう。

税務署から連絡がきたらやってはいけないこと

税務署から連絡されて焦るのは不自然ではありません。しかし、焦って誤った対応をとると状況を悪化させることもあります。ここでは、避けるべき代表的な行動を整理します。

連絡を無視する

税務署からの連絡を無視し続けると、督促状の送付や再連絡が繰り返され、対応がかえって面倒になってしまうことがあります。
対応が遅れることで、税務署から再度の連絡や督促を受ける可能性があるので早めに対処してください。

内容を確認した上で、期限内に折り返しの連絡や必要な対応をとることが基本的な心構えです。必要以上に不安を感じてトラブルを招くことがないようにしましょう。

事実と異なる説明をする

事実と異なる説明をすると、後の調査でつじつまが合わなくなり、かえって不利な状況を招くおそれがあります。
わからないことは曖昧に答えず、いったん持ち帰って確認した上で正確に回答する姿勢が大切です。

誤った説明が後で発覚すれば税務署からの心証はよくありません。その後の対応が一層厳しいものになる可能性が高まってしまうので注意してください。

帳簿や領収書を処分する

帳簿や領収書は法律で保存が義務付けられています。税務署から連絡を受けた後に処分することは避けてください。

国税庁の規定では、法人の帳簿書類は確定申告書の提出期限の翌日から原則として7年間保存する義務があります。(欠損金が生じた事業年度など、10年間の保存が必要となる場合もあり)
個人事業主も青色申告・白色申告問わず、主要な法定帳簿や書類は原則として7年間の保存が必要です。

資料を処分すると、調査時に正確な所得計算ができません。結果として、推計による不利な課税を受けるおそれがあるため注意が必要です。

税務調査だった場合に準備しておきたいもの

税務調査をスムーズに進めるためには、あらかじめ資料や相談先を準備しておくようにおすすめします。ここでは税務調査で準備しておきたいものをまとめました。

帳簿・会計ソフトのデータ

税務調査では、日々の記帳内容や会計ソフトのデータが正確に整理されているかどうかが重要な確認ポイントです。
記帳漏れや金額の不一致がないか、調査が始まる前に会計ソフトの画面を一通り見直しておくと落ち着いて対応できます。

会計データを速やかに提示できる状態にしておけば、調査官とのやり取りが円滑になり調査がスムーズに進みやすくなります。
必要な対象期間の総勘定元帳と会計資料一式はすぐに出せるようにしてください。

請求書・領収書・通帳

取引きの実態を証明するためには、請求書や領収書、通帳などの原本や写しを日付順に整理しておきましょう。
通帳の入出金記録が帳簿の内容と正確に一致しているかどうか事前によく確認しておくようにおすすめします。

経費の裏付けとなる領収書は、金額や日付が帳簿の記載と食い違わないようにあらかじめ照合してください。
会計ソフトであれば仕訳と領収書の画像データを紐づけできるので調査への対応がしやすくなります。

契約書・見積書などの証憑書類

売上や経費の根拠となる契約書・見積書などの証憑書類は、取引内容が分かる状態で整理しておきます。
証憑書類が不足していると、取引きの実在性を証明できず調査官から疑義を持たれる可能性が高まります。

契約書や見積書は売上・経費の発生根拠となるため、関連する帳簿の記載内容と併せて確認しておいてください。

税理士への相談

税務調査への対応に不安がある場合は、税務署から連絡があった時点で税理士へ相談することでより的確な準備を計画的に進められます。
税理士は税務調査への立ち会いが可能であり、調査官とのやり取りを専門的な立場から的確にサポートしてくれる立場です。

事前に税理士へ相談しておくことで、必要書類の準備漏れや対応上の誤りを未然に防ぎやすくなり安心感も高まります。
調査を円滑に進めるためにも普段から税理士とはこまめに連携するようにしてください。

税務署をかたる不審な連絡・詐欺に注意

こんな連絡には要注意!
国税庁や税務署をかたる詐欺は、メールやSMSだけでなく電話によるものも報告されています。
もしも、メールやSMSで届く納付や差押えの予告にURLが記載されていても、国税庁はそのような案内を送信していないとされています。
また、電話でも、税務署がATMの操作や指定口座への振込みを求めることは一切ありません。こうした不審な案内は詐欺の典型的な手口です。

不審な電話を受けた場合は、相手の所属・氏名・電話番号を確認した上で一旦電話を切り、最寄りの税務署へかけ直して確認してください。
また、税務署の職員が訪問する際は、身分証明書や質問検査章の携帯・提示が義務付けられています。少しでも不安がある場合には、提示を求めましょう。

参考:国税庁がSMSやメールで税金の納付を求めることはありません!-国税庁やe-Taxをかたる不審なSMSやメールに注意
参考:不審なメールや電話にご注意ください|国税庁

税務署からの連絡に関するよくある質問

税務署からの連絡を初めて受けた時は不安に感じるかもしれません。ここでは、税務署からの連絡に関するよくある質問をまとめました。

税務署から電話がくるのは珍しいこと?

税務署からの電話は決して珍しいことではありません
多くの場合は、申告内容の確認や書類の確認など軽微な連絡で、特に確定申告の時期には問い合わせが増える傾向があります。

相手が話している内容をよく確認すれば必要以上に心配することはありません。
電話口では担当者の所属や名前を必ず確認し、内容を記録しておくと後の対応がよりスムーズに進められます。

税務署からの電話は無視してもいい?

税務署からの電話を無視することは避けてください。出先であるなどその場で対応が難しい場合でも折り返しで必ず連絡することが望ましい対応です。

税務署からの連絡を無視し続けると督促や再連絡が繰り返し重なり、かえって手間や不安が増す結果になりかねません。
どうしても対応が難しい場合は、その旨を正直に伝えた上で、後日改めて折り返す約束を交わしておきましょう。

税務調査は突然やってくる?

税務調査と聞くと、突然立ち入りを受けて証憑や会計書類を確認されるようなイメージがあるかもしれません。
しかし、税務調査は、国税通則法により原則として事前通知を行うことが義務付けられており、突然の訪問は例外的なケースです。

ただし証拠隠滅のおそれがあるなど一定の要件に該当する場合は、事前通知のない「無予告調査」が行われることがあります。
現金商売など特定の業種では、事前通知のない無予告調査が実施される可能性がやや高いとされているので注意してください。

税理士がいなくても対応できる?

簡単な確認や書類の不備程度の連絡であれば、税理士がいなくても自分で十分に対応できるケースは多いでしょう。
一方、税務調査や複雑な指摘を受けた場合は、専門知識をもつ税理士へ早めに相談するほうがより安心して対応できます。

税理士は税務署の対応に慣れていて、質問での対応や事前対策などを提供してくれることがあります。
判断に迷う内容が含まれる場合には、無理に自己判断せず、税理士など専門家の意見を仰ぐようにしてください。

まとめ|税務署から連絡がきても、内容を確認して適切に対応すれば過度に心配する必要はない

税務署からの連絡は、税務調査や脱税の指摘を必ずしも意味するとは限りません。多くは確認や事務的な連絡で、すぐに対応できます。
税務署からの連絡を受けたら内容と期限を正確に把握し、必要な書類をそろえて期限内に対応することが基本姿勢です。
税務調査や判断に迷う内容が含まれる場合は、早めに税理士へ相談して、必要な対策を講じてください。

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(編集:創業手帳編集部)