小規模事業者持続化補助金の実績報告とは?手順・必要書類・注意点を解説

小規模事業者持続化補助金は実績報告後に補助金が受け取れる


小規模事業者の生産性アップや持続的発展を図るために経営計画に基づく販路開拓や業務効率化への取り組みを支援する制度が、小規模事業者持続化補助金です。
申請して採択されれば補助金を受け取れると考える人は多いはずです。しかし、実際には実績報告をした後に補助金を受け取れます。

そこで今回は、小規模事業者持続化補助金の実績報告について基本的な概要を伝えると共に、実績報告をする手順や必要な書類、必須書類の作成方法などを解説していきます。
注意点やポイントについても紹介していくので、小規模事業者持続化補助金の申請を考えている人や報告について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

小規模事業者持続化補助金の実績報告とは?


小規模事業者持続化補助金の申請を行い、採択され安心する人は多いでしょう。
補助金の受け取りが決定し、交付決定通知書を受け取った後には補助事業をスタートできますが、この時点ではまだ補助金を受け取ることはできません。
受け取る前に事業の進捗や支出などを管理し、記録を残す必要がありますが、この記録のことを実績報告と言います。

補助事業実績報告書に加え、経費の支出内訳書などが必要になり、期限までに提出しなければいけません。
もし、期限内に提出しなかった場合や完成度が著しく低いと補助金が受け取れないケースもあるため注意してください。

実績報告が必要な理由

補助金が正しく使用されて目的が達成されたのかを確認するために実績報告は行われます。
補助金を使用した事業が計画通りに行われ、期待された成果が得られた場合、今後の支援策の参考や改善にも役立つ仕組みです。

また、適正に利用されたのか確認するためにも報告書は必要です。
補助金は税金が財源なので、不正に使用されていないか、実際に必要な経費として正しく支出されたのかを確認する必要があります

その他にも条件や規則が守られているかを報告書を通じて確認し、違反があった場合には是正措置を取ることが可能です。
公平さと透明性も必要となるため、実績報告を通じて適切に補助金が使用されていることを広く示すことで、信頼性を保つのにも役立っています。

実績報告の提出期限

実績報告の提出には期限があるので注意してください。
提出期限は、補助事業を完了した日から起算して30日を経過した日もしくは補助事業実績報告書提出期限のいずれか早い日までとなっています。
最終の締め切りまでに提出がなければ交付決定の取り消しとなり、補助金を受け取れなくなる可能性があるため注意が必要です。

また、補助金の支払いは採択を受けてから約9カ月~10カ月後となります。

小規模事業者持続化補助金の実績報告の手順・流れ


ここからは、小規模事業者持続化補助金の実績報告をする流れを解説していきます。期限内にスムーズに申請するためにも役立ててください。

1.補助事業の完了

補助事業の申請の際に計画した設備の納品や広告掲載、サービスの提供など、全てが完了した状態が補助事業の完了です。
その後は、対象経費の全額を事業所のほうで支払います。
補助金は、基本的に事業完了後に支払われる後払い形式です。
小規模事業者持続化補助金に関しても原則、全額を事業所側で先払いする仕組みなので、費用をあらかじめ捻出しておく必要があります。

また、支払いは原則銀行振込です。10万円を超える支払いの場合、現金払いは不可となっているため注意してください。

2.証拠書類の準備

補助対象経費だと判断してもらうためにも、証拠書類の準備は欠かせない項目です。
経費ごとに必要な書類が細かく設定され、書類の順番も指定されているため、対象の経費をチェックして、見積書や請求書といった証拠書類を整理していきましょう。

もし、見積書や納品書が送られてこなかった場合は、事前に発行してもらうよう依頼しなければいけません。
電子データの場合も紙での資料と同様に、時系列順に保存しておきましょう。

3.実績報告書の作成・確認

事業の進捗状況をはじめ、成果を詳細に報告するための書類が実績報告書です。
事業の目的や実施内容、成果や今後の計画などを記す箇所があるため、具体的に記述してください。

また、事業の成果を視覚的に示すためにも、事業の進捗を示すデータや写真などを添付する必要があります。
提出期限は、前述したように補助事業が完了した日から30日以内、または指定された期限日のどちらか早い日までです。事業の合間を使って報告書の作成を徐々に進めていくことが大切です。

4.オンラインで提出

申請は、オンラインのみで受け付けています。電子申請システムを利用するのに「GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントを取得する必要があります。
このアカウントを取得するのに数週間程度時間がかかってしまうため、まだ取得していない人は早めに登録してアカウントを取得しておきましょう。

アカウントを取得できたら、申請者自らが操作手引きなどに沿って手続きを進めていきます。

5.確定審査・入金

提出された書類を元にして事務局が審査を行います。
書類が全て揃っている、申請内容が適正であるといった内容を審査していき、認められれば金額が計算され、補助金額が確定します。
その後、申請者宛に補助金確定通知書が送付される仕組みです。

もし、書類に不備があれば補助金の入金が遅れたり、補助額が減額されたりするケースもあるため注意してください。
補助金確定通知書には、補助金精算払請求書が同封されているため、必要事項を記入して押印や通帳のコピーを合わせて事務局に提出します。

小規模事業者持続化補助金の実績報告に必要な書類一覧


実績報告をする際に必要な書類を表にまとめていきます。
申請をスムーズに行うため、提出忘れを防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。

◎様式等の提出書類

提出者 提出書類 内容
全員 実績報告書 事業の進捗状況や成果を報告するための書類
全員 支出内訳書 事業で使用した経費の内訳とその詳細を記す書類で項目ごとに金額や支払日などを記入する
全員 経費の証拠書類 見積書や発注書、請求書や成果物の写真など
全員 収益納付に係る報告書 補助金によって直接収益が生じる取り組みについての報告
該当者のみ 取得財産等管理明細表 取得財産等管理明細表の提出が必要な取り組みを実施した場合に作成

◎特別枠の提出書類

提出者 提出書類
賃金引上げ枠 実績報告書賃金引上げ特例・賃上げ加点に係る実施報告書
賃金台帳の写し
雇用条件が記載された書類の写し
卒業枠 労働者名簿の写し
インボイス特例 適格請求書発行事業者の登録通知書の写し

実績報告の必須書類の作成方法


次に、実績報告で必要になる書類の作成方法を解説していきます。電子申請での作成方法は以下の通りです。

実績報告書

①ログイン
マイページにログイン後、「公募・交付申請を参照する」をクリックすると、申請内容確認画面が開くので、実績報告の「申請する」をクリックします。
本社所在地や事業者名、メールアドレスなどが記載されているので、最新のものであるかチェックしてださい。

②日付の入力
実績報告日・事業開始日・事業終了日を入力します。

  • 実績報告日:交付の決定日から最初に発注した日までの間
  • 事業終了日:事業完了日から補助事業実施期限までの間
  • 実績報告日:終了日から30日以内もしくは実績報告書の最終提出期限のいずれか早いほう

③事業の具体的な取り組み内容から本補助事業がもたらす効果等の入力
事業内容については、単に「○○の実施」などと記載するだけではなく、販路拡大のために取り組んだ内容を具体的に記すことが大切です。
また、取り組みごとに入力し、申請時に計画していたものの、実施していない取り組みがあれば、理由を入力してください。

④改善点や意見の入力
「本補助事業の推進にあたっての改善点、意見等」の項目もあるため、必要であれば記入します。ただし、任意となるため必ず記入が必要な項目ではありません。

⑤ホームページのURL入力
補助事業において、ECサイトやホームページの作成または改修をした場合は、「補助事業内容に関するホームページURL」の項目でページのURLを入力してください。

支出内訳書

①「課税区分」および「消費税の適用に関する事項」の選択
課税区分は基本的に「税抜」を選びます。補助対象経費について確認し、画面下にある経費内訳追加をクリックします。

②経費内訳明細の記入
「費目」から「中小企業同士の取引」なでを入力してください。また、実際の支払い金額や発注・申込・契約日、支払日、支払先などは、必ず証拠書類から転記しましょう。

③「実際の支払金額のうち、補助対象経費として計上できる額」の記入
請求書に税抜金額が記入されている場合は、その額を入力してください。記載がなければ、税率で割り戻した額を入力します。

④証拠書類のアップロード
「証憑追加→ファイルを選択→該当する経費にチェック」の順にアップロードをしていきます。

収益納付に係る報告書

補助事業において直接収益が生じた場合には、補助金交付額を限度とし、収益金の一部もしくは全部に相当する額を国庫に返納することを収益納付と言います。
事業完了時までに直接生じた収益金があれば、申請することで交付時に交付すべき金額から相当分を減額して交付されます。

「収益納付に係る報告」の各項目で該当する項目があれば選択し、補助事業で売上や収益が出た場合には「あり」を選択しましょう。
「あり」を選択した際には、「補助事業に係る売上額」と「補助事業に係る収益額」をそれぞれ入力します。算定に必要な資料があればアップロードも行います。
「なし」の場合には、上記の金額で「0」を入力するだけです。「納付額」「交付を受ける補助金額(精算額)」は自動計算されるので、最後に確認してください。

実績報告をする際の注意点・ポイント


実績報告をする際には注意すべき点も複数あります。以下のポイントに注意をして進めてみてください。

報告期限を必ず守る

実績報告書には提出期限があります。期限を過ぎて提出をすれば、補助金の支払いが大幅に遅れる可能性があるだけではなく、補助金が受け取れないケースもあります。
スケジュール管理を徹底して、余裕を持って進めることが大切です。

報告書・証拠書類に不備がないようチェックする

期限までに間に合うように書類を用意しても、内容が不備だらけであれば意味がありません。
特に成果物の写真が必要な場合、設備処分前の写真や工事前の写真は、撮影を忘れてしまうと、後から撮り直すことができません。
処分前や工事前には、忘れずに写真を撮るようにしてください。また、ビフォーアフターがわかるように、同じ位置と角度で撮影することも大切です。

計画書と内容を一致させる

報告書の内容は、申請をする際の計画と一致していることも重要です。計画と異なる使い方や結果が出た際には、その理由を明確に記してください。
また、計画変更が必要な場合には、事前に事務局への相談が推奨されています。変更しなければいけないことが判明した時点ですぐに相談してみてください。

実績報告に使った書類は5年間保管する

実績報告の際に使用した書類は、5年間の保管が義務付けられています。
補助金が支給された後に、実地検査が行われるケースもあり、その際に不備があれば補助金の返還を求められるため注意が必要です。
補助金が振り込まれたからといって安心はせず、使用した書類は必ず保管するよう徹底してください。

経費の支払い方法・タイミングに気を付ける

補助対象経費の支払いタイミングは、補助事業実施期間中に完了する必要があります。
実施期間は、公募回ごとに設定されているので、あらかじめ確認しておきましょう。また、実績報告の期限とはズレがあるため注意が必要です。

クレジットカードで支払いをする場合は、口座から経費額が引き落とされるタイミングにも注意してください。
期限内に引き落としがされなければ意味がないため、購入するタイミングにも注意が必要です。
また、分割で支払う場合も補助事業実施期間中に支払いが完了しなければ対象外になってしまいます。

採択を受けていない他の事業者との共同事業は按分が必要

補助事業者が交付決定を受けていない他の事業者と一緒に補助事業に取り組むこと自体には何ら問題はありません。
しかし、交付決定を受けていない他の事業者が負担する経費や、本来他の事業者が負担すべき経費分は、按分して補助対象経費から除外する必要があるので注意してください。

補助事業の内容を変更する際は事前に申請が必要

補助事業の内容を変更する際には、事前に申請をしなければいけません。変更の申請をしないまま事業内容を変えてしまうと、補助金が受け取れなくなる危険性もあります。
事前に事務局へ相談をし、変更がある旨を伝えてから変更するようにしてください。

実績報告後に必要な手続き


補助金が入金されたら、すべての手続きが完了というわけではありません。小規模事業者持続化補助金では、補助金の受取後にも事務局への報告義務があります。
見落としがちなポイントですが、この報告を怠ると次回以降の補助金申請に影響が出る場合もあるため、必ず対応しておきましょう。

事業効果報告とは

「事業効果報告」とは、正式には「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書」と呼ばれる書類で、補助金の支払いを受けたすべての事業者に提出が義務づけられています。
補助事業の実施期間終了日の翌月から1年間における事業効果の状況(売上の変化など)を、補助金事務局に報告するものです。

また、「賃金引上げ枠」や「卒業枠」など特定の申請枠で採択を受けた事業者は、事業効果に加えて、賃上げの状況や雇用の状況についても報告が求められます。
その際は、賃金台帳や労働者名簿の写しなど証拠書類の添付も必要です。

なお、この事業効果報告は、次回以降の小規模事業者持続化補助金を申請する際の要件にもなっています。
過去に採択を受けて補助事業を実施した事業者は、次の申請までに報告書を提出しておく必要があるため、期限が近づいたら速やかに対応しましょう。

まとめ・実績報告を正しく行い補助金を確実に受け取ろう

小規模事業者持続化補助金を活用したい場合には、実績報告が必要です。証明できる書類を用意し、きちんと報告をしなければ補助金が受け取れなくなる可能性があるため注意してください。
申請の際には、紹介した内容を参考に準備を進めてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)