エアコン代高騰で企業対策が必須!やるべき方法について解説

エアコン代の企業対策とは?節電と経費管理のポイント


2027年4月以降、エアコンの低価格モデルの製造・販売が原則不可能になるというエアコン問題を受け、企業では2026年内のエアコンの買い替えや更新計画の見直しが必要とされています。
エアコン問題は、経済産業省の省エネ基準改定によるもので、エアコン本体価格の上昇が懸念されています。

当記事では、エアコン問題が企業に与える影響や、すぐに実践できるエアコン代を抑える対策、買い替え判断の目安などについて解説しましょう。
2026年内の駆け込みを検討している人や、エアコン代を抑える方法が知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

2027年4月施行の「新省エネ基準」が企業に与える影響


経済産業省が定める省エネ法に基づいて、2027年4月にエアコンの省エネ目標基準(トップランナー基準)の大幅な引き上げが予定されています。
新省エネ基準が適用されることで、企業には多くの影響が出ると予想されています。

経済産業省が発表したトップランナー基準の改定内容

経済産業省は、省エネ法に基づく省エネ目標基準(トップランナー基準)の定期的な見直しを行っています。
今回の改定では、通年エネルギー消費効率(APF)の基準値を13.8%~最大34.8%(現行比)の引き上げが予定されています。
通年エネルギー消費効率は、エアコンの機種や能力によって異なるため、今後は家電量販店で主力となっている格安モデル(省エネ基準未達機種)のほとんどが製造・販売ができなくなる見通しです。

2027年4月以降は、新基準を満たす製品の製造、出荷のみとなるため、市場に出回る製品が高効率圧縮機や大型熱交換器を搭載している高機能モデルが主流になります。
家庭用エアコンだけでなく、壁掛形以外やマルチタイプの業務用エアコンについても、2029年度を目安に基準強化される方針です。

「2027年問題」で低価格な業務用エアコンが消滅する?

現在流通しているエアコンのスタンダードモデルのうち、約7割は新基準に到達していないと言われています。
そのため、2027年度以降は基準値を満たしていない低価格モデルは消滅が懸念されています。
低価格な業務用エアコンは、熱交換器や最新のインバーター制御、高効率なコンプレッサー搭載などがないものがほとんどで、省エネ基準を満たしていないモデルが多いです。
そのため、基準を満たすには製造コストが大幅に上昇するでしょう。

2027年度以降は、本体価格の相場が従来よりも数万円~十数万円単位に引き上げられる可能性が高いです。
コストを優先してエアコンの機種を選定してきた企業にとっては、初期投資額の増大が大きなリスクとなってしまいます。

2026年中の駆け込み検討が推奨される理由

2027年度以降の適用に伴い、2026年中の駆け込み購入が推奨されています。その理由として、旧基準モデルの争奪戦や工事の停滞の回避が挙げられます。
新たな省エネ基準が適用される直前になると、コスト増大を回避したい企業による駆け込み需要の上昇が予想され、工事業者のスケジュール調整も難しくなる可能性が高いです。

駆け込み需要が集中することによって、安価な在庫モデルが品薄になり、結果的に高額な最新機種から選定せざるを得ない状況になってしまうかもしれません。
特に10年以上同じエアコンを使用している企業は、新省エネ基準が適用される直前や故障してからではなく、価格が安定していて在庫が豊富なうちに対応する必要があります。

そもそも、省エネ基準強化の背景として挙げられるのが、地球温暖化です。
日本では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、日本の全消費電力の約4分の1を占めているエアコンの効率化を国策として強化する狙いがあります。
省エネ傾向の変化により、性能が向上したエアコンへとアップデートしていくことが大切です。

今すぐ実践!エアコン代を抑える企業対策


エアコン代を抑える企業対策としては、以下の3つが有効です。

  • 温度設定の見直しと省エネモードの活用
  • フィルター清掃・定期メンテナンス
  • 空調エリアの最適化・サーキュレーター併用

それぞれ解説していきます。

温度設定と省エネモードの正しい活用法

エアコン代を抑える対策として有効なのが、温度設定の見直しや省エネモードの活用です。
環境省では、冷房時は28℃・暖房時は20℃を目安に温度を設定することを推奨しています。

エアコンは、1℃あたり10%程度のコスト削減が期待できます。
そのため、冷房では26℃~28℃、暖房では18℃~20℃というように、無理のない範囲で見直しすることが大切です。

また、最新の業務用エアコンには省エネモードが搭載されています。
省エネモードが搭載されたエアコンは、インバーター制御機能を搭載していたり、レトロフィット用圧縮機と省エネ冷媒制御を入れ替え搭載していたりするものがあり、快適な空調でコストカットが実現できるものも多いです。
デマンド制御機能が搭載されていれば、基本料金を抑えることも可能です。

フィルター清掃と定期メンテナンスによる電力削減効果

定期的なフィルター清掃とプロによるメンテナンスも、エアコンの電力を削減する有効な方法のひとつです。
フィルターにホコリやゴミが蓄積してしまうと、空気を吸い込む際により多くの電力を消費するようになり、設定温度の維持も難しくなります。

空調の循環効率も低下する影響から設定温度を下げて対応してしまえば、年間で約5%~10%も過剰な電気代がかかる可能性があります。
フィルター清掃は、2週間に一度の目安で行うようにしましょう。

また、エアコンは室内機と室外機の熱交換器にもホコリやゴミが蓄積しやすいです。
定期的にプロによる内部洗浄でメンテナンスすることで、コンプレッサーの負荷も軽減でき、エアコンの寿命を長くしてくれます。

空調エリアの最適化とサーキュレーターの併用

サーキュレーターや扇風機、シーリングファンなどを併用して、空調効率を高めるのも有効な手段です。
企業で使用する業務用エアコンは、家庭用エアコンよりもパワーが強く、広いスペースで使用する際には温度にムラが出る場合があります。

空気は、暖かいと上に、冷たいと下に溜まる性質があり、人がいる場所の温度が適正にならないケースも多いです。
サーキュレーターや扇風機などで空気を循環させれば、広いスペースでも温度差がなくなり、快適な体感温度を維持しやすくなります。

また、倉庫や会議室など、使用頻度が低いスペースでは、ビニールカーテンや間仕切りをして空調エリアを最適化するのも方法のひとつです。
大きなスペースであればあるほど、空気の循環や空調エリアの最適化による経費削減効果が得られます。

コスト削減の決定打!買い替え判断の目安と基準


続いて、エアコンの買い替えを判断する目安や基準について解説します。
エアコンの買い替えを判断するポイントは、使用年数や不具合の有無、規模に合ったスペック選択などが挙げられます。

買い替えのタイミングは10年以上

エアコンの設計上の標準仕様期間は10年に定められており、それ以降の使用は製造が終了していて修理をしても部品が入手できないケースが多いです。
エアコンは故障してから買い替えを検討する人も多いですが、使用年数が10年を超えている場合、経年劣化から発火してしまうリスクもあります。
異音や水漏れ、異臭など、異変を感じなくても計画的に買い替えを検討することが望ましいです。

現在のエアコンを10年以上使用している場合、最新の省エネエアコンへの買い替えで電気代が削減されることも多く、それだけで元が取れるケースも少なくありません。
古いエアコンはランニングコストが高くなる傾向があり、最新のモデルと同じ使い方をした場合、初期費用の差額を電気代の節約で回収できる可能性が高いです。

エアコンの故障や不具合が多い場合も買い替え検討

エアコンの寿命のサインとしては、キュルキュル・ブーンといった異音や水漏れ、冷暖房の効きの悪さなどが挙げられます。
異音がする場合は、コンプレッサーやファンの劣化の可能性があり、水漏れはドレンホースの詰まりや冷媒回路の結露などが原因の可能性があります。
冷暖房の効きが悪い場合は、冷媒ガス不足やコンプレッサーの劣化などが原因です。

他にも、電気代が急上昇したり異臭がしたりするなど、寿命を迎えたエアコンは不具合や見られることが多いです。
故障や不具合が生じた場合は、早めの買い替えをおすすめします。

企業規模や業種に応じたスペック選択のポイント

新しいエアコンに買い替える場合、旧型のエアコンと比べても省エネ性能に優れている機種が多いですが、企業規模や業種に応じて適切なスペックを選ぶことが重要です。
適切な能力のエアコンを選択すれば、過剰な電気代がかかる心配がなくなります。

エアコンを選ぶ際には、まず設置するスペースの広さや使用頻度を確認しなければなりません。
部屋の構造が鉄筋コンクリートなのか、木造なのかによっても必要な畳数は変わってきます。
床面積はもちろん、在室人数も考慮して用途に応じた能力の機種を選ぶことが大切です。

賢く対策する!設備投資計画と補助金の活用


エアコンの買い替えを検討しているなら、自社の財務状況に合わせて投資計画を考えなければなりません。
業務用のエアコンは、初期投資だけでなく10年~15年にわたり、企業の固定費として大きな影響を与えます。
ここでは、リース・レンタルの活用や補助金を活用する方法を紹介します。

初期費用を抑えるリース・レンタル活用の検討

業務用エアコンは、リースやレンタルを活用することも可能です。
リース・レンタルを活用すれば、エアコン本体や付帯設備といった初期費用を大幅に抑えられるため、資金を抑えたい場合や短期間の使用の場合に有効です。

契約期間は数日~数カ月が多いですが、中には数年まで可能なところもあります。
故障や修理費用をメーカーが保証してくれる安心保証付きのプランもあるので、メンテナンスや故障対応などの突発的な経緯の削減にもつながります。
最新モデルのエアコンなら、電気代の削減分がリース・レンタル料を上回り、実質自己負担0になるケースもあるため、賢く利用できる点もメリットです。

国や自治体の省エネ補助金・助成金の探し方

国が実施している補助金や助成金を活用するのも、設備投資を抑える方法のひとつです。
空調の購入に活用できる補助金には、以下のものがあります。

  • 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(省エネ補助金)
  • 中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業
  • 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(SHIFT事業)」など

いずれも省エネ性能の高い空調や設備を導入する際に補助金が受け取れる制度です。
中でも省エネ補助金は、条件を満たせば空調の交換にかかる費用の1/3~1/2程度が補助される場合があります。

また、「J-Net21(中小企業ビジネス支援サイト)」では全国規模で補助金や助成金を探すことが可能です。
自治体から出ている補助金もあるので、申請の条件や制度を確認してみてください。

2027年以降のエアコン代と基準変更に関するよくある質問


最後に、2027年以降のエアコン代や基準変更に関するよくある質問をまとめました。気になる部分、疑問に感じたことがある人は、ぜひチェックしてみてください。

Q1.現在使用中のエアコンは2027年以降も使えますか?

現在使用しているエアコンが2027年以降に使用できなくなる心配はありません。
2027年4月以降に適用される新省エネ基準は、メーカー側に課されるものであり、消費者が使用するエアコンには制限がないため、そのまま使い続けることができます。
現在のエアコンが製造終了していた場合も、製造から9年~10年は修理用部品を保有しているため、期間内であれば修理対応も可能です。

Q2.基準を満たしていない旧モデルは販売禁止になりますか?

新省エネ基準(トップランナー基準)を満たしていないエアコンについては、製造・販売が原則禁止です。
ただし、新省エネ基準はメーカーが年度ごとに出荷する製品全体の基準値を満たす必要があるため、出荷台数を踏まえた平均値が評価されます。
そのため、省エネ性能が高いエアコンと省エネ性能が低いエアコンが販売されるケースもあります。

Q3.旧基準のエアコンが故障した場合、修理部品はなくなりますか?

メーカーでは、製造終了から約10年間は修理部品が保有されるため、期間内であれば旧モデル・新モデルに関わらず修理対応が可能です。
しかし、新基準への移行に伴い冷媒ガスが変更される見通しで、2027年度以降は旧基準のエアコンの部品が生産されなくなります。
場合によっては、期間内でも冷媒ガスの不足から修理ができなくなる可能性もあります。

Q4.2027年以降、業務用エアコンの価格はどの程度上がりますか?

メーカーによって価格は異なりますが、省エネ性能が向上する影響でエアコン本来価格は10%~30%程度上昇する見通しとなっています。
本体価格の相場は、従来よりも数万円~十数万円単位で引き上げられる可能性が高いです。
また、2027年4月の出荷停止直前には、駆け込み需要による在庫不足や値上げも予想されるため、計画的な買い替えが推奨されます。

まとめ・エアコン代は企業対策次第で節約できる

2027年4月の新省エネ基準適用に向け、エアコンの買い替えを検討している人は、駆け込み需要が増す前の2026年内に計画を立てることをおすすめします。
省エネ性能が高いエアコンの買い替えは、初期費用の負担が大きくなりますが、ランニングコストや長寿命という点がメリットです。
省エネ性能の高さから、大幅な電気代の削減も期待できるため、削減分で初期費用を回収できる場合もあります。

創業手帳(冊子版)では、企業の固定費を削減する方法や、設備投資における重要なポイントなどについても解説しています。ランニングコストや設備費用を抑えたい人は、ぜひ創業手帳をご利用ください。

関連記事
個人事業主が水道光熱費を経費にするには?勘定科目や仕分けについて解説!
自宅兼事務所の経費はどこまで落とせる?家事按分の基本と計算方法を解説

(編集:創業手帳編集部)