050番号でコスト削減!手軽に使えるIP電話を取得しよう

創業手帳

起業のタイミングやTPOに合わせて050番号を導入してみよう


企業への連絡方法は多様化しました。メールやホームページ、公式LINEといった手段で顧客とつながる企業もたくさんあります。
連絡先はニーズに合うものを選択するものですが、必ず用意しなければいけないのが電話番号です。

一般的な電話番号は、取得した時に工事費用や初期費用が発生します。しかし、起業や副業を考えている人にとっては、できるだけコストは削減したいものです。
そのような人におすすめしたい、050番号を紹介します。

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050番号はインターネットを利用したIP電話


電話番号は、始まりの3桁の数字でどのような番号なのかわかります。
電話番号が050で始まっているのは、インターネットの回線を利用した電話番号です。
インターネットを利用した電話は、中小企業やベンチャー企業でも広く使われています。

起業すると、今までは必要なかった機器や設備も必要になります。コストを抑えるためにも、050番号の利用を検討してみてください。
ここからは、050番号について紹介します。

050番号はIP電話回線に使われている

050から始まる電話番号から電話を受けて、どのような番号なのかと疑問を持った人もいるかもしれません。
050番号は、総務省の規定する“電気通信番号規則にも記載されている信用があるサービスです。

インターネット回線を利用している電話で、IP電話と呼ばれることもあります。
スマートフォンや固定電話、パソコンでも利用が可能で、個人だけでなく企業や役所でも使われています。

050番号とひかり電話やインターネット電話の違い

インターネットを利用した電話といえば、ひかり電話やインターネット電話をイメージする人も多いかもしれません。
ひかり電話は、光ファイバー網を使って通信しているため通話品質が高い点が特徴です。
通話料金はIP電話よりも割高になるため、留意してください。
ひかり電話を利用するには、光回線を同時契約します。固定電話の番号を引き継ぐことも可能です。

一方、インターネット電話は公衆回線を使って通話する電話で、電話番号がありません。
電話番号を発行できないためビジネスには向かないとされています。新規に番号を取得したい、電話番号単体で契約したいといった場合には、050番号が適しています。

IP電話は、050番号からスタートするものだけでなく、06や03から始まる電話番号を作ることもできます。
しかし、06や03から始まる電話番号を使用するには、接続品質と総合品質、安定品質、ネットワーク品質の4項目が総務省が定める基準に達していなければいけません。

アナログ電話と同等程度の品質が求められるため、ひかり電話が用いられるケースが多いでしょう。

050番号を使うメリット


電話番号を取得する方法はいろいろあります。その中で、050番号を選ぶメリットはどこにあるのでしょう。
050番号を使うメリットを紹介します。

①格安の月額料金で利用できる

IP電話は、電話回線ではなくインターネット回線を使います。インターネット回線は電話回線よりも維持コストが安いため、通信事業者もコストを抑えられます

通信事業者に負担が少ないことで、月額料金も低くできるのです。
インターネット回線とIP電話を同時に申し込むことでお得になるサービスもあるので、検討してみてください。

②通話料金が安い

起業時は、資金面で悩む人もたくさんいます。050番号であれば、インターネット回線を使うため通話料金が安くなります。

全国どこに電話をかけたとしても通話料金は変わらないため、固定電話よりも安価に利用可能です
さらに、050番号は国内だけでなく国外にも利用できるサービスもあります。
国外での通話料金が割安の050番号もあるので、利用時にプランを確認してみてください。

③電話番号の取得が早い

050番号は、スピーディーに番号を発行できるので、起業してすぐに電話番号を用意しなければいけない時にも便利です。
固定電話を開通するには、回線を確認して工事を申し込まなければいけません。
工事のスケジュール調整も必要なので、利用までには数日必要です。

一方、050番号はインターネット回線を使うので、既存の回線を利用できる上、工事費用も抑えられます。
アプリを利用すれば最短で即日、IP電話サービスでも最短で3日程度で利用できます。

また、多くの050番号はスマートフォンやパソコンの種類を問わず利用できるので、プライベート用のスマートフォンをそのままビジネス用に使うことが可能です。
専用の固定電話や社用スマートフォンを買いそろえる必要がないため、大幅にコストが削減できます。

プライベート用とビジネス用のスマートフォンを複数持っていると、慣れていないスマートフォンが扱いにくかったり、どれを使えばいいのか混乱してしまったりすることもあります。
保有しているスマートフォンにそのまま050番号を導入できれば、操作に慣れるための時間や手間もかかりません。

④番号を引き継げる

起業してオフィスを構えたものの、事業の拡張や都合によってオフィス移転になることもあります。
03や06といった市外局番の番号は、オフィスを移転してNTTの基地局が変われば電話番号も変わります。
050番号であれば、オフィスが移転したとしても電話番号をそのまま引き継いで利用可能です。

会社のホームページや名刺に記載している電話番号は、変更する場合に取引先や顧客に連絡する必要があります。
しかし、番号を引き継げれば、オフィス移転になっても連絡して説明する必要がありません。取引先や顧客側の混乱を防ぐことにもなります。

ただし、050番号であっても他社サービスの乗り換えた時には番号が変わります。
050はサービスを提供する事業者が管理していて、事業者識別番号が含まれているからです。
サービスを乗り換えると電話番号が変わってしまうので、申し込みの時にはどの事業者で050電話を利用するか慎重に決定してください。

050番号を使うデメリット


通話料金の安さや利便性に魅力を感じて050番号を利用する企業はたくさんありますが、デメリットもあります。
ここから、050番号を使うデメリットを紹介していきます。

①緊急通報を発信できない

050番号は通常の通話はできますが、110や119といった緊急通報は発信できません。
050番号には地域情報が含まれていないため、110、119のように最寄りの警察署や消防署に取り次ぐ番号は発信できないのです。また、特殊番号にもかけられません。

例えば、0120のフリーダイヤルにもかけられなかったり、有料通話になったりすることがあります。

普段はIP電話で問題はないかもしれませんが、不安な場合には通常の携帯電話を用意しておくか、最寄りの警察署、消防署の番号を控えてわかりやすい場所に掲示しておくようにしてください。

②通話品質が劣る

050番号は、通常の電話と比較して通話品質に劣る可能性があります。
電話の音質で取引先や顧客に不信感を抱かせたり、聞き違いによってトラブルを招いたりするリスクも想定しなければいけません。

通話品質は、提供している会社やインターネット回線の状況によって違います。不安がある場合には本格的に導入する前に、通話品質もチェックしておきましょう。

③停電時に利用できない

050番号の思わぬ盲点と言えるのが、停電時には利用できない点です。
電話回線は、回線側から電話機側に電圧が供給されているため、停電になっても問題なく利用できます。

しかし、インターネット回線は電圧が供給されていないので停電では使えなくなってしまいます。

④認知度が低い

通常の電話番号と比較して、050番号はまだ一般に認知が進んでいません。市外局番から始まる電話番号は、番号から場所がわかりやすく安心感があります。
一方で、090番号、080番号のように見慣れた番号でもない050番号は、電話を受けた側が不安に感じることがあります。

企業同士の電話であれば、電話番号が見慣れたものでなくともあまり問題はないかもしれません。
しかし、企業から顧客に電話をかけるケースでは、050番号だと怪しいと警戒されてしまうことも考えられます。
悪質な電話番号であると勘違いされて電話に出てもらえないと、事業にも不利になってしまいます。

050番号の電話を取得するには


以前は050番号を使うには、050番号の電話サービスの専用機器が必要でした。しかし、今では専用機器がなくても誰でも簡単に利用できます。

050番号の電話を取得する方法を3種類紹介します。

050電話サービスを申し込む

050電話、IP電話サービスはいろいろな会社で提供されており、提供している会社によってサービスが違います。
インターネット回線を申し込みした時に同時に申し込めるものもあるので、同じタイミングで検討してみてください。

IP050電話アプリを導入する

050電話アプリは、名前からもわかるようにアプリをダウンロードして利用するサービスです。
ダウンロードしてアカウントを作成するだけなので、手続きも手軽です。また、月額使用料が数百円と安価なのもメリットです。

さらに、アプリであっても、固定電話や海外にも電話できます。

電話アプリであれば、新しい電話機器を用意しなくても050番号を付与して個人のスマートフォンを会社の電話として利用可能な点も魅力です。
清算を公私分計できるので、ビジネスで使った分だけ会社振り分け請求できます。

クラウドPBXを導入する

クラウドPBXは、PBXと呼ばれる電話交換機をクラウド上に設置して通話を提供するサービスです。
電話交換機は、環境を構築して外線や内線といった機能を使えるようにする機械です。

昔はPBX主装置を設置して使っていましたが、クラウドPBXでは主装置をインターネットのクラウド上に設置します。
クラウドPBXであれば機器の購入や工事も必要ありません。

異なる場所の電話機でもクラウドPBXを通じてつなげることが可能で、オフィスで使う外線、内線もつなげられます。
そのため、複数拠点があってもひとつのクラウドPBXで内線をかけられます。

クラウドPBXは市外局番を取得できるサービスもありますが、050番号でも利用可能です。
通話以外のビジネスに役立つツールがあるので、企業で本格的に電話をビジネス利用する場合にはクラウドPBXも検討してみてください。

ビジネス向けの050番号を選ぶポイント


050番号は通話品質や停電時に利用できないといった課題はありますが、ビジネス用途として十分な機能を備えています。
また、050番号を提供する事業会社もたくさんあるので、プランや機能、通話品質を比較して選んでください。
ここでは、ビジネス向けの050番号を決める時のポイントをまとめました。

価格にこだわりすぎない

企業において、経費削減は真剣に取り組むべき課題です。050番号を使って、できるだけコストを削減したいと考える事業者も多いかもしれません。
しかし、050番号を選ぶ時に価格にこだわりすぎるのはおすすめできません。

050番号をほかの業者よりも安く提供している場合、その安さにも理由があると考えましょう。
コストダウンの結果、通話音声や機能といった重要な部分が求める品質を満たしていない可能性もあります。

電話番号は一度決定してしまえば、変更する時の手間が大きくなってしまいます。
選ぶ時には、価格だけでなくサービスの品質が価格に見合っているかどうかを判断基準にしてください。
可能であれば、実際に通話して音声品質を試してみるようにしましょう。

プロバイダーに合わせる

050番号は、インターネット回線を使用しているため、プロバイダーも関係しています。もちろん、プロバイダーと切り分けて考えて別々に契約することも可能です。
しかし、同じ業者にしていたほうが費用面でお得になることがあります。

すでにプロバイダーと契約している場合には、契約中のプロバイダーを確認してからほかの事業者も検討してください。

ほかの回線も検討する

ビジネスフォンとして050番号は広く使われていますが、それ以外の回線もあります。
使い方、求める機能によってはアナログ回線のほか、ISDN回線のほうが適しているかもしれません。

アナログ回線は、通話が安定していて障害に強い点がメリットです。一方、ISDN回線は市外局番をそのまま利用でき、音質も良い点が魅力です。

050番号にこだわりすぎると、会社にとって本当に必要な機能が何なのかを見失ってしまうことがあります。
自社でどのような用途で電話を使うかを考えて、ほかの回線も検討してください。

まとめ

ビジネス用の電話番号を探している人にとって、050番号は強い味方です。
ビジネスの窓口や自社サイトとの問い合わせ先として、050番号の活用を検討してみましょう。

050番号は費用が安く導入できるので、気軽に始められます。サービスを提供している事業者も増えており、事業者によって機能やサービス、通話料金が違います。
まずは、どのようなプランがあるのかチェックしてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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