【2024年最新版】確定申告の必要書類と添付書類など持ち物とは?分かりやすく解説
確定申告書のケースによって異なる?必要書類や準備する物まとめ
確定申告のシーズンですね。直前でバタバタして「あの書類持ってくるの忘れた…」なんてことにならないように、この記事をみて必要書類や持ち物をしっかりチェックしておきましょう。
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この記事の目次
2022年分から確定申告書「A様式」と修正申告書「第五表」が廃止
2022年分の確定申告から申告書の「A様式」が廃止され「B様式」に統合されました。また修正申告書の「第五表」も廃止され、「第一表」に修正申告欄が追加されています。
確定申告書「A様式」が「B様式」に統合
2022年分の確定申告から国税関係書類が簡素化されました。B様式の簡易版とされるA様式を廃止し、所得の種類を問わないB様式に統合したのです。
名称も変更され「令和〇年分の所得税及び復興特別所得税の申告書」となりました。
これまで確定申告書には「A様式」と「B様式」の2つの様式があり、A様式は一般的に「サラリーマン」や「年金受給者」などが「給与所得」だったり「公的年金」だったりという所得形態の場合にA様式を使用していました。
一方B様式は、基本的に所得の種類を問わず、誰でも利用できる申告書です。多いケースだと「個人事業主」「不動産」「株」などで収入を得ている方が使用していました。
B様式はA様式と比べて項目が多く、難しく感じるかもしれませんが、記入内容自体に大きな違いはありません。
修正申告書「第五表」の廃止
確定申告書の簡素化に伴い、修正申告書の「第五表」も廃止されました。修正申告書とは、申告した税金が本来納付すべき金額より少なかった場合に、追加で納付するための申告書です。
これまで修正申告をする際は「第一表」に加え「第五表」に修正前後の所得や税額などを記入して提出する必要がありました。
しかし2022年分からは第一表に追加された修正申告欄に、修正前後の所得や税額などを記入すればよいという形に簡素化されました。
個人事業主が確定申告する際の必要書類と持ち物
個人事業主の場合は、給与所得者と同じく必要な書類に加えて、青色申告・白色申告をするための書類も必要です。詳しくは、「法人/個人の青色申告と白色申告の違い、それぞれのメリット・デメリットとは」をご覧頂くとして、簡単に2つの申告の違いを説明します。
青色申告と白色申告の違い
青色申告と白色申告の違いは簡単で「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を受けていれば「青色」提出していなければ「白色」なのです。この青と白の違いは、「日々の取引を正確に記帳し、それに基づいて正しい申告をおこないます!」と税務署に宣言するのが青、しないのが白という違いだけです。
- 几帳面に帳簿つける=青色
- どんぶり勘定=白色
上記のように考えると、イメージしやすいでしょう。
確定申告の必要書類1|あれば「源泉徴収票」と「控除証明書」
さて、本題です。個人事業主も、該当する控除の対象があれば、社会保険料の控除や医療費控除や住宅ローン控除が受けられます。もちろん、副業の給与所得や年金を貰っている場合は、源泉徴収票も提出します。
確定申告の必要書類2|白色申告の場合
白色申告の場合、「確定申告書」と「収支内訳書」を提出する必要があります。収支報告書は、一般的なもの、不動産向けのもの、農業向けのものがあります。ほとんどの方は、一般用で良いでしょう。青色申告と比べて提出物が少ないのが利点ですが、そのぶん青色申告の恩恵も受けられなくなります。よっぽどのことが無い限り、青色申告をした方がメリットは大きいでしょう。
白色申告の持ち物まとめ
白色申告では、簡易帳簿の作成が可能です。確定申告に提出する書類と、保存すべき書類は以下のとおりです。
提出書類 | 保存する書類 |
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これらの書類は、以下の期間保管する必要があります。
法定帳簿 | 確定申告期限の翌日から7年間 |
任意帳簿 | 確定申告期限の翌日から5年間 |
決算に関する書類 | 確定申告期限の翌日から5年間 |
確定申告の必要書類3|青色申告の場合
青色申告の場合、「確定申告書」と「青色申告決算書」を提出する必要があります。青色申告の場合は少し面倒ですが、4枚構成の決算書を用意しなければなりません。また、青色申告決算書にも、一般的なもの、不動産向けのもの、農業向けのもの、それに加えて、現金主義用があります。
- 一般用:通常の事業活動を行なう事業者
- 現金主義用:売掛金や買掛金を使用せず、現金のみで収支が成立している事業者
- 農業所得用:農産物による所得を得ている事業者
- 不動産所得用:賃貸料や礼金収入がある事業者
青色申告の持ち物まとめ
管轄の税務署に青色申告承諾書を提出し、青色申告の承認を得ることで、最大65万円または10万円の特別控除を受けることができます。
最大65万円の控除を受けるには、以下の表にある、提出する書類と保存する書類の条件を満たす必要があります。
10万円控除では、提出する書類の賃借対照表と保存する書類の総勘定帳・仕訳帳が不要ですが、経費帳の保存が必要です。
・提出する書類
最大65万円の控除 | 10万円の控除 |
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(分離課税用、事業所得に加え譲渡所得がある場合) |
・保存する書類
最大65万円の控除 | 10万円の控除 |
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e-Taxを使用していない、又は対象となる保存帳簿を電子帳簿保存法が定める「優良な電子帳簿」として保存していない場合は、55万円の控除額となります。
給与所得者の会社員・年金受給者が確定申告する際の必要書類と持ち物
前述の通り、一般的な「給与所得者」「年金受給者」は、確定申告が必要ありません。注意が必要なのは、年度途中に勤務先を退職しそのまま就職していない場合や、新たな就職先に前職の源泉徴収票が提出されていない場合です。この場合は、確定申告が必要です。
また、年金受給者の中でも受給額が規定以上になった場合、確定申告が必要です。他には、医療控除、住宅ローン控除などが適用される場合は還付を受けるために、確定申告をしましょう。
会社員が確定申告を行う場合、以下の書類が必要です。
- 確定申告書
- マイナンバーカードなど本人確認書類
- 源泉徴収票(所得額がわかるもの、源泉徴収票の添付は不要)
- 銀行口座がわかるもの(返金を受けるためのもの)
- 各種控除証明書や領収書(医療費控除、寄附金控除等)
年金受給者が確定申告を行う場合、以下の書類が必要です。各種控除申請する場合と、公的年金以外の収入がある場合で必要な書類が異なります。
各種控除申請する場合 |
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公的年金以外の収入がある場合 |
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確定申告の必要書類1|給与所得や公的年金等の「源泉徴収票」
給与を貰っている人は、勤務先から源泉徴収票が発行されます。源泉徴収票とは、「年収」「支払った税金額」が記載してある書類です。源泉徴収票は、サラリーマン・年金受給者どちらも必要な書類です。
年度途中で退職していて、新たな就職先にまだ源泉徴収票を渡していないサラリーマンは、前職の分の源泉徴収票も必要となります。年金受給者に関しては、年金の源泉徴収票が必要です。
確定申告の必要書類2|保険料の「控除証明書」
控除とはある金額から一定の金額を差し引くことを言います。収入から所得を割り出す際に、経費を計上しますが、そこから直接差し引けるのが控除です。納税額を少なく抑えるためにも、きちんと必要書類をチェックしましょう。
社会保険料控除証明書
- 国民年金保険料
- 国民年金基金保険料
生命保険料控除関係書類
- 生命保険料控除の証明書
地震保険料控除関係書類
- 地震保険料控除の証明書
医療費などを除く一般的な保険料控除は上記です。また、小規模企業共済を掛けている場合は、小規模企業共済等掛金の控除が受けられます。
確定申告する際のその他の場合の必要書類と持ち物
最後に、医療費や住宅ローン控除を受ける場合などについて、必要書類をご紹介します。
医療費控除を受ける場合
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- 医療費と診療費の明細書
- 診療にかかった交通費明細書
住宅ローン控除を受ける場合
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 源泉徴収票
- 銀行ローンの年末残高等証明書
- 住民票の写し
※必要に応じて、売買契約書の写しや登記事項証明書の原本が必要となります
年の途中で退職した場合
- 確定申告書(第一表/第二表)
- 源泉徴収票
- 社会保険料控除等の控除証明書
株式等の譲渡所得等について申告する場合
- 確定申告書(第一表/第二表)
- 確定申告書第三表(分離課税用)
- 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
※運用成績が20万以下での場合申告する義務はありません
雑損失の繰越控除を受ける場合
- 確定申告書(第一表/第二表)
- 確定申告書第四表(損失申告用)
確定申告の必要書類の保管期間
必要書類を記入するにあたって、予め保管しておく書類があります。一通りあるかどうか確認しておきましょう。
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
- 現金出納帳
- 売掛金元帳
- 買掛金元帳
- 固定資産台帳
- 売上帳
- 仕入帳
また、保存期間5年の書類は以下です。保存期間後は、破棄して構いません。
- 棚卸表
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 請求書
- 納品書
- 注文書
- 送り状
- 契約書
- 領収書
確定申告で提出する帳簿や保存する書類は、以下のように保存期間が定められています。
帳簿(仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳など) | 確定申告期限の翌日から7年間 |
書類(損益計算書・貸借対照表・棚卸表・領収証・小切手控・預金通帳・借用証などの現金預金取引等関係書類) | 確定申告期限の翌日から7年間 |
その他(請求書・見積書・契約書・納品書・送り状など) | 確定申告期限の翌日から5年間 |
確定申告に必要な書類は早めに準備しよう
確定申告を行う際には、多くの書類を準備する必要があります。
1つでも書類が漏れてしまうと、確定申告の手続きに影響が出ることがあるため、必要な書類を事前にしっかりと確認し、早めに準備することが重要です。
特定の書類が不足していても確定申告自体は可能な場合もありますが、青色申告の場合、必要な書類が不足していると、特別控除額が少ない白色申告の条件に該当することになりかねません。
青色申告を行う際には、必要な書類がすべて揃っているかどうかを確認することが特に重要です。
書類の不足によって無駄な税金を支払う事態を避けるためにも、事前の準備と確認を徹底しましょう。
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(執筆:創業手帳編集部)