「OpenAI o1」(ChatGPT o1)とは?読み方は?使い方や料金など紹介

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「OpenAI o1」(ChatGPT o1)は無料でも使える?「GPT-4o」との違いや回数制限も紹介

24年9月12日、ChatGPTの新モデルがまた発表されました。正確に言えば、ChatGPTではなく、「OpenAI o1(オーワン)」と呼ばれるモデルですが、現状ではChatGPTの画面から利用できる最新の生成AIです。本記事では、「o1」とはどんな生成AIモデルなのか、どのような使い方が考えられるのかなどについて、まとめてご紹介します。

ChatGPTをはじめとした、生成AIについて創業手帳が独自で検証した結果などをまとめた「ChatGPT生成AIガイド」では、「OpenAI o1」についても掲載中。また有識者による生成AI活用術も、今後ビジネスに生成AIを活用しようと検討している方はぜひご参考ください。無料でお読みいただけます。



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この記事の目次

「OpenAI o1」(ChatGPT o1)とは?読み方は?

2024年9月12日に、OpenAIはChatGPTの新モデル「o1」を発表しました。

「o1」には「o1-preview」と、それより高速で80%安価な「o1-mini」の2つのモデルがあります。

月額20ドルの有料プラン「ChatGPT Plus」ユーザーが利用できるものです。

「o1」は以下のような性能を持っています。

・数学とプログラミングが得意
・国際数学オリンピック予選試験で83%のスコアを獲得
・コーディングコンテスト「Codeforces」で上位11%に到達
・物理学、化学、生物学の難しいタスクで博士課程の学生と同等のパフォーマンスを発揮
・複雑な推論も得意

ちなみに、読み方は「o1(オーワン)」です。

「OpenAI o1」(ChatGPT o1)と「GPT-4o」との違いは?

これまで最新モデルであった「GPT-4o」と比較すると、数学や論理的な思考において優れていますが、知識が必要な問題や文系的な文章作成能力においては「GPT-4o」の性能の方が高い、と利用したユーザーから声が上がってきています。

もちろん、今後「o1」が文系的な文章作成能力を高めていくこともあると思いますが、ChatGPTのモデルにおいても、今後はますます使い分けを意識することが重要になってくるようです。

ビジネスにおいては、プログラミング分野については「o1」、カスタマーサポートや普段からの文章作成には「GPT-4o」、という意識で使い分けるのがおすすめです。

「OpenAI o1」(ChatGPT o1)に利用回数制限はある?

9月22日時点では、「o1-preview」と「o1-mini」のそれぞれで利用回数制限があります。

「o1-preview」は週50回、「o1-mini」は1日50回しかメッセージを入出力できません。

「OpenAI o1」(ChatGPT o1)の使い方

「o1」はChatGPTの有料プランである「ChatGPT Plus」ユーザーしか使えません。1ヶ月20ドルの「Plus」プランにまずは申し込みましょう。

有料プランに登録すると、ブラウザのTop画面の左上で「o1-preview」と「o1-mini」それぞれを選択できるようになります。

「o1-preview」は、より高度な数学を解けるモデルであるということで、高度な数学の問題を解いてもらいました。以下がその画面です。

一方、「o1-mini」はより高速に回答できるモデルです。実際に、「日本の明治維新はなぜ起きた?」と問いかけると、わずか2〜3秒で約1,200文字にも及ぶ回答を返してくれました。

「OpenAI o1」(ChatGPT o1)のビジネスでの有効な使い方・アイデア

「o1」では、「o1」はビジネスでどのように活用できるのでしょうか。以下でご紹介します。

「o1-mini」の回答速度の速さを活かした活用法

「o1-mini」の回答速度の速さを活かした活用法をご紹介します。

リアルタイムカスタマーサポート

顧客からの問い合わせに即座に回答することで、待ち時間を大幅に削減し、顧客満足度を向上させます。チャットボットやバーチャルアシスタントとして導入し、24時間365日の迅速な対応を実現できます。

ライブイベントでの情報提供

会議やウェビナー、ライブストリーミングなどのイベント中に、参加者からの質問に即座に回答するシステムを構築できます。これにより、インタラクティブ性が高まり、参加者のエンゲージメントが向上します。

トレーディングシステムの強化

金融市場の変動に瞬時に対応するトレーディングシステムを開発できます。「o1-mini」が市場データをリアルタイムで分析し、取引の推奨や警告を即座に提供することで、投資判断のスピードと精度を向上させます。

リアルタイム翻訳サービス

国際ビジネスにおいて、異なる言語間のコミュニケーションを即座に翻訳するサービスを提供できます。ビジネス会議や文書のリアルタイム翻訳により、言語の壁を取り除きます。

製造ラインの品質管理

生産ラインのセンサーデータをリアルタイムで分析し、品質異常を即座に検出するシステムを構築できます。これにより、不良品の発生を最小限に抑え、生産効率を向上させます。

パーソナライズドマーケティング

ユーザーの行動データをリアルタイムで分析し、個々のユーザーに最適化されたコンテンツや広告を即座に提供するシステムを開発できます。これにより、マーケティングの効果を大幅に向上させることが可能です。

「o1-mini」の処理費用の安さを活かした活用法

「o1-mini」の処理費用の安さを活かした活用法をご紹介します。

大規模データ分析

膨大な顧客データや取引履歴を低コストで分析し、購買パターンやトレンドを特定できます。これにより、的確なマーケティング戦略の立案や商品開発に活用できます。例えば、小売業では季節ごとの需要予測や個々の顧客に合わせた商品レコメンデーションが可能になります。

コンテンツ生成の自動化

ニュース記事、製品説明、マーケティングコピーなど、大量のテキストコンテンツを自動生成できます。メディア企業やeコマース事業者は、幅広いトピックや商品カテゴリーに対して、迅速かつ低コストでコンテンツを作成・更新できます。

大規模カスタマーサポート

多数の顧客問い合わせに対して、自動応答システムを構築できます。FAQ生成、チケット分類、初期対応の自動化など、カスタマーサポートの効率を大幅に向上させつつ、コストを抑制できます。

ソーシャルメディア分析

大量のソーシャルメディアポストを分析し、ブランド評判や消費者感情をリアルタイムでモニタリングできます。マーケティング部門は、キャンペーンの効果測定や潜在的な危機管理に活用できます。

多言語コンテンツ展開

ウェブサイトやマーケティング資料を多数の言語に低コストで翻訳できます。グローバル展開を目指す企業は、各市場に合わせたローカライズを効率的に行えます。

大規模文書処理

法務部門や人事部門で、大量の契約書や応募書類を自動で分析・分類できます。重要な条項の抽出や、候補者のスキルマッチングなどを効率的に行えます。

センサーデータの分析

IoTデバイスから送られてくる大量のセンサーデータを低コストで処理・分析できます。製造業では設備の予防保守や品質管理の最適化、農業では作物の生育状況モニタリングなどに活用できます。

大規模A/Bテスト

ウェブサイトやアプリのUIデザイン、マーケティングメッセージなど、多数のバリエーションを同時にテストし、最適なものを特定できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスの継続的な改善が可能になります。

自動レポート生成

日次、週次、月次など、定期的に必要となる大量のレポートを自動生成できます。財務、営業、マーケティングなど、様々な部門で、データ分析と報告書作成の効率化が図れます。

大規模テキストマイニング

学術論文、特許文書、市場調査レポートなど、大量の専門文書から重要な情報や傾向を抽出できます。R&D部門や戦略立案部門で、最新の技術動向や市場トレンドの把握に活用できます。

「o1-preview」の数学的思考力を活かした活用法

「o1-preview」の数学的思考力を活かした活用法をご紹介します。

データ分析と予測モデリング

「o1-preview」の数学的能力は、複雑なデータ分析と予測モデリングに非常に有効です。例えば、販売データや市場動向を分析し、将来の需要を予測するモデルを構築できます。これにより、在庫管理の最適化や戦略的な価格設定が可能になり、収益の最大化につながります。また、顧客の行動パターンを分析し、個々の顧客に対するパーソナライズされたマーケティング戦略の立案にも活用できます。

金融モデリングとリスク分析

金融セクターでは、「o1-preview」の数学的能力を活用して、複雑な金融商品の価格設定やリスク評価を行うことができます。例えば、デリバティブの価格モデルの構築や、投資ポートフォリオのリスク分析、さらには市場の変動予測などに利用できます。これにより、より精密な投資戦略の立案や、リスク管理の強化が可能になります。

セキュリティと不正検知

「o1-preview」の能力は、セキュリティ強化や不正検知にも活用できます。複雑なパターン認識アルゴリズムを用いて、異常な取引や行動を検出するシステムを開発できます。これは、金融機関における不正取引の検出や、ネットワークセキュリティにおける侵入検知などに応用可能です。

自動化ソリューションの開発

「o1-preview」を使用して、業務プロセスを自動化するカスタムソフトウェアを迅速に開発できます。例えば、データ入力、レポート生成、在庫管理などの反復的なタスクを自動化するスクリプトやプログラムを作成できます。これにより、人的エラーを減らし、生産性を大幅に向上させることができます。

プログラミング能力を活かした活用法

プログラミング能力を活かした活用法をご紹介します。

ウェブ開発とアプリケーション構築

「o1-preview」は、ウェブサイトやモバイルアプリケーションの開発を加速させます。要件に基づいて基本的なコード構造を生成し、開発者はそれをカスタマイズして拡張できます。これにより、新製品やサービスの市場投入時間を短縮し、競争力を高めることができます。

データ分析ツールの開発

ビジネスインテリジェンス向けのカスタムデータ分析ツールを「o1-preview」で開発できます。大量のデータを処理し、有意義な洞察を抽出するアルゴリズムを設計し、視覚化ツールを作成することで、データ駆動型の意思決定を支援します。

APIインテグレーション

異なるソフトウェアシステム間の統合を「o1-preview」で効率化できます。API接続のためのコードを生成し、データの相互運用性を向上させることで、社内システムの連携や外部サービスとの統合を円滑に進められます。

テスト自動化

ソフトウェアの品質保証プロセスを強化するために、「o1-preview」を使用して自動テストスクリプトを生成できます。単体テスト、統合テスト、エンドツーエンドテストなど、様々なレベルのテストコードを作成し、開発サイクルを加速させます。

レガシーシステムの現代化

古いシステムを最新の技術に移行する際、「o1-preview」を活用してコードの変換や最適化を行えます。これにより、レガシーシステムの保守性を向上させ、新しい機能の追加を容易にします。

カスタマイズされたAIモデルの開発

「o1-preview」のプログラミング能力を活用して、ビジネス特有のニーズに合わせたAIモデルを開発できます。例えば、顧客行動予測、需要予測、異常検知など、特定のビジネス課題に対応したモデルを構築できます。

チャットボットとバーチャルアシスタント

カスタマーサポートや社内ヘルプデスク用のインテリジェントなチャットボットを「o1-preview」で開発できます。自然言語処理と機械学習アルゴリズムを組み合わせて、顧客や従業員のクエリに効果的に応答するシステムを構築します。

IoTデバイス制御

Internet of Things (IoT)デバイスを制御するソフトウェアの開発に「o1-preview」を活用できます。センサーデータの収集、分析、デバイスの遠隔制御などの機能を持つプログラムを作成し、スマートファクトリーや建物管理システムなどに応用できます。

パフォーマンス最適化

既存のソフトウェアシステムのパフォーマンスを向上させるために、「o1-preview」を使ってコードの最適化や並列処理の実装を行えます。これにより、システムの応答性が向上し、ユーザー体験が改善されます。

「OpenAI o1」(ChatGPT o1)を活用しましょう

以上、「OpenAI o1」についてご紹介しました。ぜひあなたも、早速活用し始めてみてください。




無料でご覧いただける「ChatGPT生成AIガイド」もぜひご活用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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