ダメな経営者に共通する特徴とは?脱却するためのポイントも解説!

創業手帳

ダメな経営者では会社を倒産させるリスクが高い


経営者の考え方や言葉などは、企業全体に大きな影響を与えます。
倒産しかけていた企業の経営者が変わることで、倒産のリスクから脱却して持ち直したというケースも少なくありません。
反対に、好調な業績を残している企業でも、経営者によっては会社を倒産させてしまう可能性もあります。

今回は、ダメな経営者に共通する特徴や、ダメな経営者が企業に与える影響を紹介します。
最後に、ダメな経営者から脱却するためのポイントなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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ダメな経営者に共通する特徴12選


ダメな経営者には共通する部分がみられる場合もあります。ここで、ダメな経営者に共通する特徴を12個紹介します。

1.感情的になりやすい

ダメな経営者にありがちな特徴として、感情的になりやすいことが挙げられます。感情的になりやすい人は、その日の気分によって行動を変えてしまうことが多くあります。
経営者が些細なことでも怒ってしまうような性格であれば、従業員は経営者を怒らせないように行動するようになり、コミュニケーションを取ることが難しくなるかもしれません。
場合によっては、取引先との関係性を構築する際に経営者の感情や主観が影響し、円滑な関係が構築できない可能性もあります。

2.思いつきで行動してしまう

経営者は、中長期的に会社をより良い方向に持って行くための方法を考えることが重要です。
しかし、ダメな経営者であれば中長期的に物事を考えられず、思いつきで行動してしまう場合があります。
思いつきでトレンドに乗ろうとして、事業が失敗してしまうことも多くあるかもしれません。
経営者が思いつきで行動してしまうと現場は混乱してしまい、従業員は「ついていけない」と離職するリスクも考えられます。

3.会社の経営状況をきちんと把握できていない

経営者であれば、会社がどのような状況にあるかを細部に至るまで把握しておかなければなりません。
自社の状況を把握できなければ、正確な経営判断を下すことは難しくなります。

また、ダメな経営者は、何となくでしか自社の経営状況について把握できておらず、判断を現場に任せる場合もあります。
単に決算資料を見直すだけでなく、常日頃から会社のキャッシュフローを確認し、自社の経営状況を把握することが大切です。

4.将来会社をどうしていきたいかが明確になっていない

会社で「ビジョン」や「ミッション」を掲げることで、従業員は同じ方向を向いて事業に取り組めるようになるため、取引先や顧客からの共感や支持を得やすくなります。
しかし、取ってつけたようなビジョンやミッションを掲げている場合は、会社全体で目指すべき目標は生まれないかもしれません
また、目標がないことで、従業員の仕事に対するモチベーションは上がりにくくなります。

5.抽象的な指示ばかり出してしまう

抽象的な指示ばかり出してしまうことも、ダメな経営者の特徴です。
経営者が会社の状況を把握できていないことや、現場がどのように動いているか理解できていないことが原因です。
「高い成果を出せ」と指示を出しても、従業員は具体的に何をするべきがわからず、結局成果を出せずに終わることが多くあります。
具体性のある指示を出したい場合には、まずは現況を深く理解することが大切です。

6.経営に関する法律の知識に乏しい

会社の経営には、法律に関する知識も必要です。会社組織や運営、商取引には商法や会社法が関係しており、取引き・契約は民法が関係します。
また、業種ごとに遵守しなければいけない法律もあります。経営者の中には、法律の知識が乏しい人が多くいるかもしれません。
法律について理解できていないと、経営や事業で法律違反を起こしてしまう可能性があります。

7.失敗を他人や環境のせいにする

自分の責任で失敗したにも関わらず、他人や環境のせいにする経営者もいます。経営や事業を自分事に捉えられていないことが原因です。
経営者は従業員に適切な指示を出し、自分の判断で会社の方向性を決めなければならず、責任も持つことが大切です。

8.自分の周りでイエスマンだけで固める

会社が大きくなれば、経営に関して多くの人が関わるようになり、様々な意見が出てくるものです。
場合によっては経営者の考えや意見を否定されてしまうことがあるかもしれません。そのため、ダメな経営者は自分の周りをイエスマンで固めがちです。
周りをイエスマンで固めてしまえば、経営判断を大きく見誤り、倒産を招いてしまう可能性があります。

9.俯瞰(ふかん)的な視点で捉えられない

会社を経営する上では、俯瞰的な視点で捉えることが重要です。俯瞰的な視点とは、多角的な情報をもとに物事を全体的に捉えることを指します。
経営者は部署や従業員個人を見ることも当然重要ですが、視野を広く持ち、総合的に見ることが大切です。
ダメな経営者だと俯瞰的な視点で捉えられないため、思わぬリスクが浮上して対策に追われてしまう可能性があります。

10.変化を嫌い、保守的になりやすい

時代は常に変化しており、人の考えや価値観は変化しています。会社をうまく経営していくためには、変化に対して柔軟に対応していかなければなりません。
しかし、ダメな経営者は変化を嫌い、保守的になってしまう傾向にあります。
保守的な考え方が悪いわけではありませんが、頑なに変化することを嫌う経営者は失敗に陥りやすいといえます。

11.会社を「自分のもの」と認識している

会社を「自分のもの」と認識しており、私物化してしまうのはダメな経営者の特徴です。プライベートや趣味で使用したお金を会社の経費にするなど、公私混同するケースです。
この場合、従業員からの信用が失われてしまうのはもちろん、銀行や税務署から厳しい追及を受けることがあります

12.従業員にとっての「働きやすさ」を考えていない

ダメな経営者は自分のことばかり考えており、従業員の働きやすさを考えていない傾向にあります。

長時間労働への許容

昨今の働き方改革によって、労働時間の見直し・是正が多くの企業で行われてきました。
しかし、ダメな経営者は長時間労働を悪いことと思っておらず、許容する傾向にあります。
原因として、経営者がこれまで長時間労働に取り組んできたことが影響していることが挙げられます
あくまで現代の働き方に合わせて労働時間を見直さなければなりません。

従業員の休暇取得にいい顔をしない

就業規則に有給休暇の取得について記載はあるものの、実際に従業員が休暇を取得しようとすると良い顔をしない経営者もいます。
良い顔をしないのは、経営者が仕事に追われているのに休暇で楽しんでいる従業員が許せないのかもしれません。
このような経営者は、無意識であっても従業員を支配しようとする考えを持っています。
休暇取得に対して良い顔をしなければ、従業員は休暇を取得しにくい雰囲気になってしまいます。

価値観の押しつけ

現代は、多様性を認める動きが強い社会です。女性を管理職に指名したり、国籍や人種を問わずに採用したりする企業が増えています。
しかし、ダメな経営者は多様性を理解できず、自分の価値観を押しつけてしまう傾向にあります。
「女性は家庭に入るもの」「年下は年上に敬語を使わないといけない」「高学歴は仕事ができる」などの考え方が一例です。
価値観の押しつけは従業員の離職率を高めてしまいます。

ダメな経営者が企業に与える影響


ダメな経営者が企業経営に携われば、企業に様々な悪影響をもたらします。具体的にどのような影響があるのか解説していきます。

適切な経営判断ができない

ダメな経営者は企業がどのような状態にあるのか理解しておらず、間違った経営判断をしてしまうケースも少なくありません。
消費者が求めていないものに過剰な投資を行えば、業績の低迷につながってしまうこともあります。
経営判断の誤りは単に業績の低迷を招くだけでなく、優秀な人材から見限られてしまうリスクもあります。

会社を成長させることができない

ダメな経営者であっても、優秀な従業員により経営が成り立つ場合もあります。
ただし、いくら優秀な従業員が揃っていても、会社を成長させることは困難です。
特に、保守的な経営者は、会社を成長させることよりも存続することに意識を向けています。
会社が成長できなければ徐々に経営状況が悪化していき、最終的には倒産に追い込まれてしまう可能性があります。

取引先や投資家、従業員から信頼を失ってしまう

従業員から経営者に対する不信感が生じると、取引先や投資家からの信頼も失うことがあります。
将来的な不安・リスクから投資家が撤退した場合、株価が低迷したり出資を受けられなくなったりするなどの事態に陥ってしまうかもしれません。
また、取引先から信頼が失われれば、取引きの機会損失などにつながり、経済的なダメージを負ってしまう可能性も考えられます。
そうなれば従業員の会社に対する不信感は大きくなり、離職率の増加につながってしまいます。

ダメな経営者から脱却するためのポイント


ここからは、ダメな経営者から脱却するためのポイントを紹介します。

自分の性格や人間性を客観的に見てみる

まずは自分の性格や人間性を客観的に見ることから始めてください。経営は感情的に行うものではないものの、経営者の性格や人間性は会社の経営に大きな影響をもたらします。
まずは自分の性格や人間性を振返り、客観的に経営者に向いているのか判断してみてください。

客観的に自分を認識する方法として「ジョハリの窓」がおすすめです。
ジョハリの窓は、自己認識と他者認識のズレを把握できるフレームワークです。
他者認識を理解するために、友人や家族など信頼できる人に自分のことについて尋ねてみてください。

意思決定プロセスを見直す

ダメな経営者の中には思いつきから指示を出したり、決断できない人もいます。このような状況を改善するためには、意思決定のプロセスを見直すことが重要です。
意思決定プロセスを見直す方法として、重要な判断が必要になった時に期限を設け、無駄に引き延ばさないことが挙げられます。
また、意思決定を行う際は必ず根拠のあるデータに基づくことで、感覚や勘に頼らない経営判断を行えるようになります。

多角的な視点を持てるようにする

経営者は常に視野を広げ、物事の全体像を捉えることが大切です。そのためには、多角的な視点を持つことが重要です。
多角的な視点を持つためには、自分が起こした行動を振り返ってみてください。行動の振返りは、多角的な視点を持つための訓練になります。

積極的に情報収集を行う

ダメな経営者から脱却するためには、経営者自らが積極的に情報収集を行い、常に変革を行うことが重要です。
経営者が変わらなければ、会社に大きな変化を与えることはできません。
変革は「知と知の組み合わせ」が必要といわれていることから、まずは積極的に情報収集をしていく必要があります。

客観的な意見を汲み取れる仕組みをつくる

ダメな経営者は「自分が良ければそれでいい」と考え、独裁的な経営をしてしまうこともあります。
また、自分に意識がなくても、周囲の人間がそのように感じることが多いかもしれません。

自分のことしか考えられなかったり自分事として捉えられていなかったりする経営者は、客観的な意見を汲み取る仕組みをつくることが大切です。
例えば、匿名で投稿できる意見箱を設置したり、定期的に現場の声を聞くミーティングを実施したりすることがおすすめです。
このような仕組みをつくれば、経営者が自分を客観的に見られるようになるだけでなく、従業員とのコミュニケーションが活発になり、信頼関係の構築にもつながります。

まとめ・ダメな経営者を脱却し、会社をより発展させよう

ダメな経営者かどうかを自分で判断するのは難しいことではありますが、自分を変化させることに意識的に取り組むことで、会社の存続や発展につながる可能性が高まります。
まずは客観的に自分を見つめ直して、ダメな経営者に共通する特徴が多いようであれば自己変革を目指してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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