【2024年1月より義務化】電帳法改正「理解できていない」が4割超え。
なかなか浸透が進まない電子帳簿保存法への取り組み。その実態は?!
いよいよ2024年1月より電子帳簿保存法の改正内容部分がどの事業者においても施行となります。
電子帳簿保存法は2021年度に改正が行われ、それにより電子化の要件が大幅に緩和されたのですが、電子取引における電子データ保存義務化も進められることになりました。ただし、電子データの保存義務については2023年12月31日まで猶予期間が設けらていました。
しかし2024年1月となった今、電子取引における電子データ保存はどの事業者においても実施しなければいけないこととなりました。
そこで起業家・経営者向けメディアである創業手帳では、会員を対象に12/20から12/24までの5日間、電子帳簿保存法改正内容の把握状況と対応実施状況についの独自アンケートを実施し、338件の回答(方法:メール、実名回答)を得ました。
実際に現場では電子帳簿保存法の改正内容をどの程度把握し、対応をされているのかを検証していきます。
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
電子帳簿保存法および改正内容について、理解できていないが4割超え
まず始めに、電子帳簿保存法および改正内容についてどのくらいの理解度があるのかを聞いてみたところ、「理解している」が全体の3%で「なんとなく理解している」が56%となり、59%がまずまずの理解をしている状況だという事がわかります。
しかし一方で、41%の人が「理解できていない」と答えている現状も。すでに施行がスタートとなっている状況下において、半数近くの人が理解をしていない状況なのは、今後の取り組みにおいても大きな問題となるでしょう。
2024年1月1日より義務化されたデータ授受による電子保存は?
冒頭にも説明させて頂きましたが、電子帳簿保存法の改正については段階を得て順次進めていくような形式が取られています。
2024年1月に義務化された「電子取引における電子データ保存」については、どのくらいの割合で取り組みが行われているのでしょうか。
アンケートに回答いただいた中での割合としては、「保存できている」が35%「保存できていない」が31%、「よくわからない」が34%という結果になりました。
この結果から、まずは今回義務化した「電子取引における電子データ保存」について、もっと啓蒙活動をおこない対応している事業者を増やさなければ、次なるステップはより浸透しづらいのではなないでしょうか。
自身がPCなどで作成した書類や帳簿等は、比較的電子保存ができている
一方で、まだ義務化にはなっていない「自身がPCなどで作成した帳簿や書類の電子保存」について、どのくらいの割合で対応がされているのかを聞いてみたところ、56%が「既に対応している」という回答に。「いいえ」と答えた回答は20%程度となりました。
2022年の改正前までは帳簿や書類を電子的に保存するためには、複数の保存要件を満たす必要がありましたが、緩和されたことによる影響もあるでしょう。
スキャナ保存については2割程度
一番ハードルが高い「紙で発行・受領した帳簿や書類についてのスキャナ保存」については、「実施している」という回答が21%になっています。
今は任意項目ということなので、事務負担が高いこの作業においては、まだ実施に踏み切っていない事業者が多いのではないでしょうか。
そもそも請求書などの保存は紙での保存が義務化されており、電子の請求書を正式な書類として受け付けていない企業が未だに一定数あることも影響していそうです。
これらの事より、電子帳簿保存法および改正内容についての把握と対応については、未だ浸透しきってはいないような状況だと言えるでしょう。
電子帳簿保存法への対応は負荷が高いと思われてしまいがちですが、運用をきちんと整備することで、経費削減や経理業務の時短にもつながることになるでしょう。
2024年は、できる限り早めの電子化対応を進め、業務効率化を検討してみてはいかがでしょうか。
電子帳簿保存法改正 対応ステップシート 無料配布中!
創業手帳では、上記のアンケート結果からもわかるように、電子帳簿保存法改正についてどのような事を対応したらよいかわからないという事業者の方に、対応していくべきことを優先順位付けし、いつまでに何を対応すべきなのかをわかりやすく解説した「電子帳簿保存法改正 対応ステップシート」を無料でお配りしています。
2024年1月からすべての事業者が電帳法改正に伴う事項を対応しなければいけなくはなりますが、すべての事柄に対応する必要はありません。
優先的に対応しなくてはならないこと、比較的容易に対応できることから順にタスクを整理して考えられるシート形式にまとめています。
電子帳簿保存法改正に伴う対応は、比較的「面倒くさい」と感じている事業者の方は多いはず。
しかし、一度きちんと運用を見直すことで、今後の業務改善にも繋がってくるのです。
是非このシートを活用していただき、どのポイントまでを対応するかご検討ください。