雛形でチェックする金銭消費貸借契約書作成のポイント

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雛形で学ぶ!金銭消費貸借契約書入門

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(2015/08/17更新)

行政書士が受ける予防法務に関する相談の中で圧倒的に多い、金銭消費貸借契約書

相談者は、起業をしたいという方、週末起業をしたいという方、中小企業で法務・人事を担当されている方や顧問先の経営者などで、下記のような内容が一般的です。

  • 一般に貸す側、借りる側どちらが作るものか、どれくらいの効力があるのか。
  • 利息の相場はいくらくらいなのか。(元金の大きさによって変わるのかなど)
  • 法定上限の割合による遅延損害金とはいくらくらいなのか。
  • 一回でも、一日でも返済が遅れてしまったら全額を一括で払わなければならないのか。
  • 連帯保証人とは何か。借主が蒸発したら本当に全額返済しなければならないのか。どんな人になってもらうべきか。

また、特に立場の違いによって、以下のような質問が多いようです。

貸す側
  • どうしたら確実に返済してもらえるのか。
  • 保証人をつけてほしい。
  • ペナルティはどこまで厳しくしていいのか。
借りる側
  • もし返せなかった時はどうなるのか。
  • その時にはあまり厳しい罰はきついのはいやだがどうしたらよいか。

今回は契約書のタイトル(借用書、示談書、債務承認書など)に関わらず、金銭を貸し渡しその支払いを確認するための文書を金銭消費貸借契約書として、行政書士の石川先生に解説していただきます。

以下、実際に雛形として使用しているサンプルを見ながら、確認していきましょう。

※下記リンクから金銭消費貸借契約書の雛形をダウンロードしてください。

欠かせない3項目

まず、重要なことは契約当事者と契約の目的を明確にしておくことです。
次に、金銭消費貸借契約の場合下記三点を明記する必要があります。(参考契約書1~3条参照)

  • 金銭の現実的な受け渡しの事実
  • 貸付金額
  • 返済約束

上記三点がないと、そもそも金銭消費貸借、お金の貸し借りをしたということそれに、それを返すということが分からなければ証拠としての意味がありませんので、作成した意味もありません。この三点は必ず明記しましょう!

付き合いが長い方同士や仕事上の付き合いがある方同士という場合には書面自体がないことも非常に多いですが、書面はあるにしても重要な「貸付け」「借受け」等の表現がないことにより結局裁判になって負けてしまうということもあります。

利息を決める

次に、利息を明確にしておくことです。(参考契約書3、4条参照)

金利を決めていない場合には、状況にもよりますが民事法定利息の5%(民404条)、商事法定利息の6%(商法514条)のどちらかになることになります。

ちなみに、たまに聞かれることなので、利息の上限について。

状況により変わりますので深くは言及しませんが、利息制限法において利息の上限は15%損害金の上限は21.90%となります。

それ以内の利率であれば基本的に問題はありません。

+αのポイント

ここからはあってもなくてもよいことなのですが念のため解説します。

下記2点は、意外と知らない方が多い、かつ、知っておくと後悔しないことです。(参考契約書6、7条参照)

  • 保証人の定め
  • 公正証書の作成の認諾

1.保証人について

保証と連帯保証の2種類がありますが、基本的には連帯保証の方がよいでしょうから今回の雛形には連帯保証としてあります。

ちなみに、保証人と連帯保証人の違いを簡単にご説明します。

保証人に対して、主債務者(借りた人)が請求しても支払わないという場合等のみに請求ができません(催告の抗弁、検索の抗弁)。一方、連帯保証人に対しては主債務者が払わないからということではなく、いきなり貸金の支払いを請求することができます。

いずれにしても貸す側にとってはメリットがあることですので保証人をつけるなら連帯保証人をつけた方がよいでしょう。

2.公正証書作成について

公正証書は裁判の判決と同等の効力をもつものなので、本来的には金銭消費貸借契約書も、公正証書で作っていただいた方がよいです。

裁判が必要な場合に、訴訟額が小さい場合などはただの手間になって費用倒れしてしまうことも多いので、最悪の場合に備えて強制執行ができる公正証書として作っておいてもよいでしょう。

まとめ

今回は、一般的な考え方に関して解説しましたが、当事者同士の関係性や立場によって内容は変わります。

また、金利の設定や確実に法律に沿った有効な契約書にするためには、専門家に相談するのがよいかと思います。

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(監修:徳川綜合法務事務所 行政書士 石川裕也
(編集:創業手帳編集部)

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