【保存版】会社設立後に必要になる「契約書」をまとめました
契約書の「最低限の基礎」を詳しく解説します!
皆さんは、契約書を書くにあたって、トラブルが生じる可能性を想定していますか?
ついつい後回しにしがちな法務ですが、事前にトラブルを想定し、予防策や解決策を準備することは、まだ基盤の弱い会社設立後こそ必要です。
会社設立後に最低限おさえておくべき法務の考え方と、契約書をまとめました。
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この記事の目次
そもそも契約書とは?なぜ必要?ないと困るの?
契約書とは、契約として法律上を守るべきことを書面にしたものを一般的に言います。
例えば、一般的によく使われるものは売買契約書、金銭消費貸借契約書、賃貸借契約書、業務委託契約書、請負契約書などでしょう。
契約に書面が必要かという必ずしもそうではありません。しかし、契約書は基本的には契約の内容を明確にするとともに、トラブルになった場合の有力な証拠となります。
※ただし、一部、法律上書面の形式をとらないと有効でない書面等もあります(保証契約など)。
事業を継続し発展させていく中ではやはり、書類を作成しないと、いつ、誰と誰が、何を、どのように約束をしたかということ自体がわからなくなるため、スムーズな商取引上は以下のことを抑えておいていただきたいと思います。
- 契約書作成の3つのポイント
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- 所定の契約書を備えておくこと
- 書面のタイトルが内容を示す形で作成すること
- 形式が分からない際には議事録、覚書等をつくること
以上のことが抑えられておけば、言った言わないという事態も防げますし、何かあったときに次の手をうちやすくなります。しかし、書面の重要性を認識するのは慣れるまでは少し難しいかもしれません。
一番身近な契約書:領収書
例えば、日常的によく見かける例では、作っておかないと困るものの代表格に領収書があります。
領収書は様々な場面で利用されるので、お金を払ったら毎回もらうようにしている方もいると思います。日常的になっていると、あまりありがたみがないような気もしますね。
それでは、そもそもなぜ領収書が必要なのでしょうか。
まず、領収書がないと、誰に誰がいついくらお金を払ったのかがわかりません。通常はあり得ませんが、飲食店でも、払った証拠がないと、たとえ自分が払ったとしても、払ったことの証明をしないといけないということにもなりかねません。
金額が小さなものであればまだよいですが、少し大きな額のものになると、一度支払ったものに二度も支払うことになるのは非常に大変です。実際、ファーストフード店やコンビニエンスストアの数百円の金額のものでも領収書はでますよね。
契約ごとのように、言った言わないではないですが、払った払っていないというトラブルを防止するためにも領収書が利用されています。
さらに、会計的なことで言えば領収書の場合は、支払いをしたものが経費として計上できるかできないかの基準になるということを含めて考えても、証拠書面として非常に有効なものとなります。
この領収書の例は非常に身近な例ですが、証明ができないことによって無用なトラブルになることもありますので、その予防のためにも書面、とりわけ契約書を作っておくというのが事業においても非常に重要です。
どうやって作るの?
まずは雛形などフリーダウンロードできるものであれば作ってみるのも良いかと思いますが、やはり専門家に相談をするのが良いかと思います。
但し下記のことは明確にしていないと契約書作成はできません。
- 専門家に相談するときに明確にすべき4つ
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- 当事者:誰と誰が契約をするのか
- 目的:何についての契約なのか(売買・賃貸・消費貸借・使用貸借・請負など)
- 期日:目的の事項をいつまでにやるのか
- 不履行の罰則:契約が完全に履行されない際にどのように損害回復をするか
では、相談しないとどうなるのでしょうか。
法律に精通していない方が自分なりに作成する場合には重要事項が抜けていたり抑えるべきところ押さえていないことがあり、不十分な書類が出来上がってしまうことがよくあります。そして、それが発覚するのは作成時ではなく、トラブルが起こった時なので、のちのち後悔することになります。
また、自社にとって有利な契約書を作成しておくことは経営の安定にもつながります。
事例:実際に起こったトラブル
例えば実際に起きた例をあげると、建物の引き渡し契約書に期限を記載していないことが原因で、のちに続く許認可などの申請が不可能になり営業自体が予定通りできなくなるということがありました。
このようなことはよくあることなので、契約書を適切に作成することは、少なくとも損害賠償などを確実にできる状態にしておくことも含め、最悪の状況に備えて経営のリスクを事前に少しでも軽減しておくことにつながります。
どんな時に必要になるの?
人を雇うとき:雇用契約書
創業して自分自身だけで仕事をして行くという場合であれば問題はありませんが、人を雇うことになったときには雇用契約書を作っておくべきです。
労働関係各種の法律においては労働契約書等は重要なものとして作成するべきとして、監督署等から指導されます。
労働条件の明示などがされていない場合、何かの許認可を取ろうという時に許認可がされない原因にもなりえますので気をつけていただきたいと思います。
また、助成金補助金などを申請しようという場合にも、雇用契約書がないと申請が認められないことにもなりますので備えておくべきでしょう。
お金を借りるとき:金銭消費貸借契約書
いわゆる借用書に該当するもので、いつ・誰が・誰に・どのような理由で・いくら貸したかを契約書として残しておきましょう。
金銭消費貸借契約書を作成していないと、貸した相手方が支払いをしなくなった場合に、貸したことの証明を自分がしなければならなくなり、お金も時間もかかってしまいます。
返済期日や利息遅延損害についても定めておくべきでしょう。
外注するとき:業務委託契約書
自分の事業をやるときに、部分的に専門的な他の会社などに依頼をすることがあると思います。
その際は、その業務について業務を委託するという旨の契約書を作成しておくと、何らかのリスクがあった場合に責任の所在が明確になります。
安心して自分の事業を進めることができます。
第三者に重要な情報を漏らしてほしくないとき:秘密保持契約書
情報自体に価値があるという事業においては必須のものになります。
特に新規事業立ち上げや新商品開発に関わる部署や部門、特許または商標等に関わる事業であれば、必ずこの秘密保持に関しての契約を結ぶことをスタートとするべきであると考えます。
また、業種業態によっては秘密保持をするのは当然だと言う考えもあります。
例えば、士業であれば職務上守秘義務がありますので、当然秘密保持をする義務が生じています。しかし、一般的に会社に秘密保持を当然と要求することは少し難しいでしょう。
従って、もし、秘密保持に関して明示されていないものであれば、そんなことは聞いていないから、と言う理由で安易に機密情報を漏らされてしまうリスクは高まります。そうならないように、事前に取り決めておきましょう。
オフィスを借りるとき:オフィス賃貸契約書
オフィスの賃貸借については、住居として使う場合とは異なる事項に気をつける必要があるでしょう。
これも、誰が誰から、いつから借りるのか、期間はいつまでなのか、賃料はいくらなのか、払えない場合のペナルティはどうするのか、解約をするときにはどのような基準を使うのか、これらについて決めていければ良いかと思います。
年契約で支払いを約束してもらいたいとき:売買契約書
商取引においては、継続的な取引が多いため、基本的な取引条件を盛り込んだ契約書を作成し、それを元に取引をすることも多いです。
その際には支払いに関して、締め日と支払日などの期日を決めておくことで毎月の支払いを確定するような方法を示しておくのが良いでしょう。
業務提携を行うとき:業務提携契約書
業務提携契約とは、お互いのメリットになるように、互いの強みを双方向に活用できるようするものをいいます。
簡単なものでは情報共有や事務所共有、技術共有などがありますし、深いところでの提携となると資本提携という形も業務提携契約の一つになると言えるでしょう。
業務提携は双方的なものですが、一方的なもので近いものでは業務委託契約があります。業務委託はアウトソーシングと言われるように、業務の一部委託、委任などのことを指すことが多いです。
この場合も重要なことは、契約書は、タイトルで中身が決まるのではなく、中身でどんな契約なのかが判断されますので自分がしたいことについて悩まれるようでしたら、専門家にご相談されることをお勧めします。
業務を請け負う・請け負ってもらうとき:請負契約書
事業を円滑に進めるにあたり、非常に重要なものが請負契約になります。
元請、下請などの表現もありますが、請負契約は、契約の完了をすることが目的になります。よくあるものは建設業かと思いますが、あることの完成完了で請負としての仕事が終わります。
一方、見かけ上似ているように思われるものに委任契約があります。
請負契約は仕事の完成完了が目的になりますが、委任の場合には完成完了ではなく一定の行為をすることが目的になります。
ですから、簡単に言い換えれば、結果についての契約なのか、過程(行為自体)についての契約なのかという違いですので責任の重さも違います。
形があり完成を必要とする仕事なら請負、完了を求める仕事なら委任という形で考えて契約締結をしたら良いでしょう。
継続的取引が発生したとき:取引基本契約書
特定の企業と数量商品等が多岐にわたる取引が確定した時、取引の基本方針となる契約書を取り交わしておくことがその後の取引を円滑にします。
型式等はその取引内容によって大きく変わるかと思いますか、取引の基本方針を確定しておくことで具体的な取引において、簡易な書類を交わすことのみで継続的な取引をすることができます。
(監修:徳川綜合法務事務所 行政書士 石川裕也)
(編集:創業手帳編集部)
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