税理士を選ぶなら「クラウド会計に強いこと」を重視するべき2つの理由

創業手帳

クラウド会計対応税理士は意外と少ない?

(2017/09/28更新)

創業期の経営や経理において、必須になってくるのが「税理士」の存在です。
この記事を読んでいる創業者のなかでも、今まさに税理士を探しているという方も多いのではないでしょうか?

税理士選びのポイントはたくさんあるのですが、今回着目するのは、ズバリ「クラウド会計に強いかどうか」という点です。

そもそもクラウド会計の何が良いのか、そして、税理士を選ぶときにクラウド会計対応かどうかを重視する理由とは何なのでしょうか。早速みていきましょう。

クラウド会計とは?

従来の会計システムは、経理用のパソコンに会計ソフトをインストールする、というものでした。そのため、会計処理を行えるのは、データが入っている経理用のパソコンだけでした。

それに対してクラウド会計とは、会計データをネットワーク上に保存し、処理もネットワーク上で行う仕組みのことをいいます。つまり、経理用のパソコンに限らず、IDとパスワードを入力すれば、どのパソコンでも会計処理をすることができるのです。

クラウド会計のメリット・デメリット

クラウド会計ソフトを導入するメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット1. データ消失のリスク軽減

クラウド会計は、会計データがネットワーク上にあります。もちろん、各種会計サービスはセキュリティ対策を施していますので、ここにデータを預けている限り、データ消失のリスクを減らすことができます。

「会計ソフトを入れているパソコンが壊れて、会計データも消えてしまった・・・。」ということにはなりません。

メリット2. 日々の記帳業務の時間を大幅削減

起業家本人の「時間」はとても貴重な資産です。本業に多くの時間を費やすためにも、経理業務は最大限効率化できるようにしたいものです。

クラウド会計ソフトは、取引データを自動で取り込むことができるので、日々の帳簿記帳の手間が大幅に削減されます。

自動で取り込む際は科目入力なども自動で行ってくれるので、経理知識が乏しくても会計処理ができます。

メリット3. OSやバージョンの違いに悩まない

データのやり取りをするときに、OSやバージョンの違いなどで、受け渡しに苦戦した方も多いのではないでしょうか?従来のインストール型会計ソフトでも、OSの違いやバージョンの互換性がネックとなり業務を遅らせる要因となっていました。

それに対して、クラウド会計であれば、最初からその点を考慮してソフトが設計されているので、OSやバージョンの違いによる互換性を気にする必要がありません。

クラウド会計のデメリットは?

クラウド会計ソフトを導入する際に考えられるデメリットは、以下のようなものです。

  • 従来のインストール型会計ソフトに比べると、料金が割高である
  • インターネットが必須なので、ネットの回線速度に大きく依存することになる

実際の使用感などは、無料体験版で試せるものも多いので、一度使ってみるのも良いでしょう。

これからの時代、特に創業間もない段階であれば、個人的にはクラウド会計を導入した方がメリットの方が大きいと考えます。

クラウド会計に強い税理士を選ぶ2つの理由

クラウド会計のメリットを加速させるには、クラウド会計に強い税理士が必要です。
その理由は、大きく分けて2つあります。

会計処理がスムーズに、かつスピードアップできる

税理士に経理データを送信する場合、従来は紙に印刷して送付するか、データをメールに添付していました。この場合は経理パソコンを操作する人が、税理士に「データを送付する」というアクションを取らないと税理士はデータを見ることができません。

一方、クラウド会計の場合は、データがインターネット上にあるので、わざわざデータとして送らなくても、担当税理士が会計データにすぐアクセスすることができます。

そのため、クラウド会計の良さを活かすには、税理士自身がクラウド会計に精通していることが必須でしょう。
「そんなこと税理士なんだから当たり前では?」と思う方もいるかもしれませんが、実はそうでもないのです。税理士の平均年齢は60歳を超えるといわれ、クラウド会計には対応していない、昔ながらの税理士さんも少なくありません。

会計処理の手間を少なくし、ストレスを軽減させるには、やはりクラウド会計に強い税理士を選ぶべきかと思います。

短縮した時間を活用し、経営の財務戦略を立てることができる

前述しましたが、クラウド会計最大のメリットは「会計処理の短縮」です。

従来の会計処理だと、データの往復に時間がかかりました。
また日々の帳簿の作成の時点でも経理知識が乏しい担当者であれば時間と労力のかかる作業でした。
これまで帳簿の作成から税理士にお願いしていたのであれば、クラウド会計を導入することで、その時間とコストを削減することができます。

要するに、経営者にも税理士にも時間のゆとりができるわけです。

「じゃあ、クラウド会計を導入したら税理士がいらないの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

従来のような帳簿の記帳代行業務をやってもらわないで済む代わりに、税理士には経営の財務戦略アドバイスをお願いすれば良いでしょう。

クラウド会計に強い税理士であれば、日々の会計処理のみならず、先を見据えた経営アドバイスにも力を入れているはずです。

資金繰りや融資の相談など、財務に関することすべて頼れる税務コンサルタントとして税理士を頼るのも良いですね。

まとめ

ただでさえ諸々の手続きで忙しいのが創業期です。
クラウド会計を上手に使いこなして、本業に専念する時間を作り出しましょう。

そして、税務パートナーとして選ぶなら、「クラウド会計に強い税理士」かどうかをひとつの指針としてみてはいかがでしょうか?

創業手帳アドバイザーの創業講座【顧問税理士編】
顧問税理士の相場、税理士に依頼できる仕事まとめ

(監修:大山俊郎税理士事務所 税理士 大山俊郎)
(編集:創業手帳編集部)

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