はじめての「年末調整のしかた」ガイド(基礎知識編)

資金調達手帳

マイナンバーを預からない方がいいってどういうこと? 答えは本編で!

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(執筆:”マンガ税理士”こと上村大輔税理士)

(2015/10/29更新)

年末が近づいてきました。年末といえば、「年末調整」。

サラリーマンや公務員などの給与所得者に対して所得税の過不足を調整する「サラリーマン版確定申告」、はたまた「年末のプチ・ボーナス」とも言われる仕組みです。

しかし、起業・創業した今、もう少ししっかりと理解しておく必要があります。マイナンバー制度もスタートする今、年末調整についてもう一度しっかり考えてみましょう。

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1.年の瀬の風物詩「年末調整」とは

年末調整(ねんまつちょうせい)制度。サラリーマン版確定申告とも言われたりしますが、毎月の給料から概算で天引きされていた所得税を、年末にしっかりと調整(精算)しましょう、という制度です。

毎月の給与天引きの際には少し多めに所得税をとっているケースが多いので、結果的にこの年末調整により所得税が「還付(かんぷ)」されることが多く、通常12月の給料に上乗せして精算されることから、年末のプチ・ボーナス的な感覚をお持ちの方もいるかもしれません(実際は多くとられていたものが戻るだけですが……)。

今回は、会社の給与担当者側の立場で、はじめての年末調整を迎えるにあたっての基礎知識を整理してみました。

2.個人事業主でも年末調整するの?

答えはYES&NO!

年末調整というと会社(法人)がやる業務というイメージを持つ方が多いですが、個人事業主でも給料を支払っている場合(源泉徴収義務者になっている場合)には年末調整をする必要があります。

たとえば配偶者などを青色専従者などにして給料を払っている場合も含みますのでご留意を。

3.全体の流れ

年末調整の業務は、毎年11月から翌年1月にかけて行われます。その大まかな流れは下記の通り。すごく忙しい期間です……。体調管理はしっかりと。なお、一人会社の場合は社長(自分自身)への給料についてだけ、年末調整を行う形になりますね。

  • 11月初旬以降…従業員の皆さんに資料提出のお願い
  • 12月中…提出してもらった書類を確認
  • 12月中…12月の給料計算の際に、年末調整
  • 1月10日まで(納期の特例を受けている場合は20日)
    …源泉所得税の納付

  • 1月末まで
    ……法定調書合計表+添付書類(源泉徴収票、支払調書など)を税務署へ提出
    ……給与支払報告書を従業員が居住している市区町村へ提出

4.年末調整の対象となる人、ならない人

従業員に給料を支払っていても、すべてが年末調整の対象になるわけではないので、まずは対象となる人とならない人をおさえておきましょう。

(1)年末調整の対象となる人

  • 1年を通じて勤務している人
  • 年の途中で入社し、年末まで勤務している人 など

(2)年末調整の対象とならない人

  • 対象となる人のうち、年間給与収入が2,000万円を超える人
  • 年の途中で退職した人(死亡退職、12月支給の給与を受けた後の退職を除く)
  • 2箇所以上から給与をもらっている人で、他のところで年末調整をする人
  • 非居住者
  • 日雇いの労働者 など

【参考】国税庁HP 年末調整のしくみ(外部リンク)

5.今年の年末調整とマイナンバー

平成28年から始まるマイナンバー制度、いよいよマイナンバーの通知も始まってきています。このマイナンバー制度により、年末調整業務はかなり影響が出ます。ただし本格的には来年から。

詳しくは次回記事でご説明予定ですが、今年の年末調整では、

  • 「平成27年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」
  • 「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」

という2種類の書類を従業員の方から回収することになります。

それで2は平成28年分ということもあり、国税庁から出ている様式を見ると個人番号(マイナンバー)欄がきっちり設けられています。

【参考】国税庁HP 平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(外部リンク)

ただし、この書類を回収するのが今年(平成27年)中であれば、番号の記載はしなくてもよいという措置が取られています。

ということは記載をしても差支えないのですが、マイナンバーは厳重な保管が要求される特定個人情報なので、管理体制がしっかり整備できるまでの間は、むやみに回収しない方が無難かと思われます。

そして今年の年末調整業務については、この部分を「記載なし」で進めれば、マイナンバーが関わってくることはありません。

【参考】国税庁HP 国税分野におけるFAQ(外部リンク)

6.まとめ

以上、今回は年末調整の基礎編として、制度の概要や対象となる人、マイナンバー制度との絡みなどをご紹介してまいりました。

次回は実践編。年末調整で調整する項目やチェックの仕方、作成する書類などをご案内いたします!

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(監修:かみむら会計事務所 上村 大輔(かみむらだいすけ)税理士
(編集:創業手帳編集部)

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