採択率の高い補助金はどれ?種類別に一覧で比較!

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補助金は資金調達手段のひとつだが採択制である


採択制とは、申請や応募があったものの中から審査を経て基準を満たしたものだけが採用される制度を指します。
補助金と聞くと申請した企業すべてが受けられると考える人もいますが、実際は採択制です。
そのため、補助金の趣旨に合っているか審査をされてから、要件に合致している企業のみに支給されます。
人気の高い補助金は申請しても採択されない可能性があるので注意が必要です。

今回は、採択率が比較的高い補助金の傾向や種類、選び方などを解説していきます。
補助金を活用しようと考えている企業や補助金をスムーズに申請したい企業担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

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採択率が比較的高い補助金の傾向


補助金は、採択件数や金額が前もって決まっている制度が多いです。そのため、前述したように申請すればどの企業も受給できるわけではありません。
例えば、採択予定数が10社の補助金に30社の申請があれば、20社は審査に落ちてしまいます。
多くの場合、採択件数に対して申請件数が上回るため、提出する書類で妥当性や必要性をアピールすることができなければ採択されません。

審査で活用される書類の内容は、制度によって異なります。しかし、共通の審査基準があり、基準を満たさすことで審査を通過できます。
共通する審査基準は以下の通りです。

  • 申請の要件を満たしている
  • 目的に沿った事業計画がされている
  • 書類に不備がない

要件を満たしていない限り、補助金の審査には通りません。
審査基準となる要件は、補助金の公式サイトの公募要項に記載されているため、申請する前に基準を満たしているか必ず確認してから手続きを行ってください。
書類に関しても、制度ごとに必要なものが異なるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。

また、採択率が比較的高い補助金には傾向や特徴があるため、前もって把握しておくと役立ちます。傾向としては以下の3点です。

  • 申請要件が明確で対象者が限定されている
  • 規模事業者・個人事業主向けに設計されている
  • 加点項目が多く対策しやすい

下記では、傾向に当てはまる補助金の具体例を挙げていきます。自社に合う補助金制度があるのか確認するためにも参考にしてください。

申請要件が明確で対象者が限定されている

申請要件が明確で対象者が限定されている補助金は、対象業種や従業員規模、目的が制度上はっきりと決まっているため、「要件を満たしているか」審査する側も判断しやすいです。
申請する側も要件からズレた申請をしにくいため、採択される可能性が高まります。
傾向に当てはまりやすい補助金は、以下です。

  • IT導入補助金
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 事業承継・M&A補助金(特定の類型)

小規模事業者・個人事業主向けに設計されている

小規模事業者・個人事業主向けに設計されている補助金の代表例としては、以下が該当します。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金(通常枠・インボイス枠など)
  • 事業承継・M&A補助金(個人事業主が対象となる類型)

なぜ採択されやすい傾向にあるか、その理由としては制度目的が「小さな事業の底上げ」「経営の継続支援」に特化している点が挙げられます。
申請書に高度な財務資料や成長戦略を求められにくく、審査基準が小規模事業者前提で設計されているため、要件に当てはまっている事業者は採択されやすい傾向です。
個人事業主・従業員数の少ない事業者ほど相性が良い補助金群です。

加点項目が多く対策しやすい

補助金の公募要項には審査項目だけではなく、加点項目も記載されています。
そのため、事業計画を立てる際には加点項目を意識することで、採択される可能性を高めることが可能です。
加点項目が多い補助金の代表例は以下のになります。

  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金
  • 中小企業省力化投資補助金

上記の補助金は、「運に左右されにくい補助金」といわれているタイプです。
公募要領に賃上げやIT・DX、省力化、生産性向上といった評価観点・加点項目が明示されている特徴があります。
明示されていれば、事前に「この要素を入れれば評価されやすい」といった点が把握できるため、戦略的に事業計画を立てることが可能です。

採択率が比較的高い補助金一覧


それぞれの補助金について、採択率や特徴を紹介していきます。どういった補助金があるのか把握するためにも、役立ててください。

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の採択率や特徴

中小企業等を対象に、業務効率化やDX化のために必要なITサービスやソフトウェアなどの導入費用を補助する制度が、IT導入補助金です。
対象となるITツールは、公式ホームページに記載されているもののみです。以下の5種類の枠が用意されています。

  • 通常枠
  • インボイス枠(インボイス対応類型)
  • インボイス枠(電子取引類型)
  • セキュリティ対策推進枠
  • 複数社連携デジタル化・AI導入枠

また、申請する企業はデジタル化・AI導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者との間でパートナーシップを組んで申請する必要があります。(複数者連携デジタル化・AI導入枠を除く)
旧名称のIT導入補助金2025の採択率は以下の通りです。

申請者数 交付決定数 採択率
1次締切分 9,435 5,231 55.4%
2次締切分 11,289 5,128 45.4%
3次締切分 12,201 4,551 37.3%
4次締切分 9,440 3,837 40.6%
5次締切分 9,746 4,312 44.2%
6次締切分 10,195 4,334 42.5%
7次締切分 8,676 3,780 43.6%

2023年や2024年においては、採択率70%台だったため、大きく低下していることがわかります。
審査基準が厳格化されたことや申請件数の増加が採択率低下の主な要因として挙げられます。申請に通るためにも、特徴を理解して十分な対策を講じることが大切です。

ものづくり補助金

中小企業や小規模事業者などが、賃上げや働き方改革などの制度変更に対応するため、革新的なサービスや新商品の開発、生産プロセスの改善、生産性向上につながる設備投資などをした場合に国が支援をする制度がものづくり補助金です。
正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。製品・サービス高付加価値化枠とグローバル枠の2種類があります。

付加価値額の増加や賃金の増加、事業所内最低賃金水準、従業員の仕事・子育て両立支援といった基本要件が設定されています。
グローバル枠では、海外への直接投資に関する事業や海外市場開拓に関する事業、インバウンド対応に関する事業など、国内の生産性を高める内容や実現可能性調査の実施など、追加要件を満たすことが必要です。
直近となる21次締切における採択率は以下の通りです。

申請者数 交付決定数 採択率
製品・サービス高付加価値化枠 1,767 615 34.8%
グローバル枠 105 23 21.9%

小規模持続化補助金

働き方改革や賃金の引上げ、インボイスの導入など、小規模事業者が直面している制度変更に対応するため、販路拡大や生産性向上などの取組みを行う小規模事業者を対象に経費の一部を補助する制度が小規模持続化補助金です。
持続的な経営に向けて、経営計画を立てる必要があります。
業種によっては、従業員数が一定以上となると対象から外れるため注意が必要です。対象となる業種と従業員数は以下の通りです。

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

2024年(第16回公募)と2025年(第17回公募)における一般型・通常枠の採択率は以下の通りになります。

申請者数 交付決定数 採択率
2024年(第16回公募) 7,371 2,741 37.2%
2025年(第17回公募) 23,365 11,928 51.0%

中小企業省力化投資補助金

中小企業や小規模事業者などの人手不足対策や生産性向上を目的に省力化設備の導入を支援するのが中小企業省力化投資補助金です。
カタログ注文型と一般型の2種類があり、カタログ注文型はカタログに記載されている省力化効果のある製品を扱うことが対象となる要因です。

一般型は、個別現場の設備や事業内容に合わせて設備を導入したり、システムを構築したりすることが要件となります。
また、審査基準として省力化指数や付加価値増加率、投資効率、オーダーメイド性などが設けられています。第1回~第3回までの採択率は以下の通りです。

申請者数 交付決定数 採択率
第1回 1,809 1,240 68.5%
第2回 1,160 707 60.9%
第3回 2,775 1,854 66.8%

事業承継・M&A補助金

事業承継を契機に新しい取組みを実施する中小企業や事業再編や事業統合にともなう経営資源の引き継ぎを実施する中小企業を支援する制度が事業承継・M&A補助金です。

  • 事業承継促進枠
  • 専門家活用枠
  • PMI推進枠
  • 廃業・再チャレンジ枠

上記4つの支援枠があり、それぞれ対象者や補助上限額などが異なります。
12次公募(2025年10月27日発表)と13次公募(2026年1月15日発表)の枠ごとの採択率は以下の通りです。

12次公募(2025年10月27日発表)

申請者数 交付決定数 採択率
専門家活用枠 436 266 61.0%
事業承継促進枠 250 152 60.8%
PMI推進枠 55 34 61.8%
廃業・再チャレンジ枠 1 1 100%

13次公募(2026年1月15日発表)

申請者数 交付決定数 採択率
専門家活用枠 182 111 61.0%
事業承継促進枠 267 163 61.0%
PMI推進枠 32 19 59.4%

事業規模別|採択率が高い補助金の選び方


補助金制度は、事業者の規模に応じて対象となる制度設計が分かれています。
そのため、個人事業主や小規模事業者、中小企業でそれぞれに適した支援が実施されています。

例えば、小規模事業者継続補助金は従業員の少ない会社や個人事業主に特化した補助金です。
従業員が要件より多い場合は、補助を受けることができません。
対象外となる制度に申請をしても審査には通らないため、補助金選びでは自社の規模に応じた制度を選ぶ必要があります。

個人事業主・小規模事業者・中小企業では、採択されやすい補助金の種類や狙い方が異なります。
事業規模に応じた補助金選びが重要です。

  • 個人事業主・フリーランスは小規模事業者向け補助金を中心に検討
  • 小規模事業者は汎用性の高い制度を優先
  • 中小企業は投資規模に合った補助金を選択

補助金の採択率を高めるためのポイント


補助金の採択率を高めるためのポイントのひとつとして、「補助金の目的と合致しているか」が挙げられます。
申請する補助金の目的に沿った取組みを実施しなければ、制度の趣旨とは合致しないため不採択となってしまいます。
制度によって販路開拓や生産性向上など、補助金の目的はそれぞれ異なります。申請する前に目的と合致しているか必ず確認することが大切です。

また、「加点・評価項目を意識しているか」も重要なポイントです。加点項目は、前述したように補助金制度の公式ホームページに記載されています。

  • 事業計画を立てる
  • 賃上げを実施する
  • 認定を受けている

これらの項目が加点の具体例となるため、申請したい補助金の加点項目に該当するか事業計画書を立てる前に確認してください。

採択率を高めるためのポイントとして、「実現可能性が重視される」という点も忘れてはいけません。
申請をする際に提出する事業計画書には、実現可能な事業計画を立てる必要があります。
売上向上を目的としている場合、「売上前年比○%」や「1年後に年間売上○○円達成」などと記しますが、数字を扱う際には市場の調査結果といった数値の根拠となるデータを用いることも重要です。

審査をする担当者は、申請者の会社や事業内容については詳しく知りません。
数値のみが記されていても、「本当に実現できるのか」判断することは難しいため、成功できる確率が高いと判断できる市場ニーズを確認できれば、評価が高まることが予想できます。
事業を実現できる根拠や対策についても根拠と共に具体的に記すことで、信憑性のある計画となり、評価もアップするでしょう。

採択率の高い補助金を選ぶだけでなく、申請内容を工夫することで採択される可能性を高めることができます。

  • 補助金の目的と事業内容を一致させる
  • 加点項目を事前に確認する
  • 実現可能性の高い事業計画を作成する

まとめ・目的に合わせて採択率の高い補助金を選ぼう

補助金は必ず受給できるとは限りません。補助金の種類によって要件があり、当てはまっていなければ例え採択率の高い補助金でも審査を通過できない点に注意が必要です。
そのため、補助金を活用したい場合には自社の規模に合った制度や制度ごとの特徴を理解し、目的に合う補助金選びが重要なポイントとなります。
今回紹介した内容を参考に、補助金申請に役立ててみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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