「導線調査」を制すものは、店舗経営を制す!売上に直結する商圏調査の基本

創業手帳

売れる店舗運営の法則は、導線調査に有り


(執筆:販路企画 田口勝)

(2016/04/15更新)

前回の記事「ビジネスのキホン!! あなたの「商圏」の理解、大丈夫?」では、商圏の基礎と特定の仕方をご紹介しました。
今回は商圏調査の中でも、売上に直結するため最も重要と言える「導線調査」について解説します。

1.導線調査とは何か?

a)導線調査とは

リアルの店舗では、店舗に来店されることで売上がたちます。

つまり、「人が動くことで売上がたつ」ということです。

目的地までの移動に交通機関を使う場合もあれば、車を使う場合もあるでしょうし、徒歩で行く場合もあるでしょう。その人が動くルートを導線と言います。

そのため、人が動くルートを調査する「導線調査」は売上に直結するとても重要な調査であるといえます。

導線を特定し、その導線上に店舗を配置すれば、当然、認知されやすいということなります。

店舗や看板を認知し、店舗の存在を知り、興味を持ち、実際にネットで調べる場合もあるでしょうし、そのまま立ち寄る場合もあるでしょう。

しかし、その最初のキッカケが『導線を通る中で』ということなのです。

b)飲食店においての重要性

飲食店においては、特に「導線」が重要となります。

データ上でもその重要性が出ています。

日本政策金融公庫の『外食に関する消費者意識と飲食店の実態調査 2013年12月18日』によると、お店を知る情報源は、

  • 1位:店舗の前を通りかかって:38.8%
  • 2位:家族・友人・知人のリアルでの口コミ:31.6%
  • 3位:看板・表示を見て:21.5%

という結果になっています。

1位の「店舗の前を通りかかって」と3位の「看板・表示を見て」を合わせると60%以上にもなります。

このデータをみると、日々生活する導線の中で店舗を認知している人がどれだけ多いかということが見て取れると思います。

そのため、導線調査がいかに重要であるかがわかると思います。

2.導線調査はどのように実施するのか?

ではどうやって導線調査をしていけば良いのでしょうか。

a)交通発生源とは

導線調査を行う際に、まず重要なことは、『交通発生源』というものを特定することです。

この『交通発生源』は、誰かが移動する際の始点と目的地のことです。

ある経営者が、「都心の事業所で働いている人が、会社帰りに立ち寄れる居酒屋」を開きたいとします。

そうすると、交通発生源の起点は「事業所」ということになります。

もっと詳しく言うと、「目的とする事業所群に向かう際の人が集中する交差点」等になると思います。

終点が駅の一番その事業所群に向かう際に活用する入口ということになります。

その起点から終点までどのように動くかの導線を調べることが導線調査です。

その導線で一番多くの方が通っている道が主導線であり、その他の導線が副導線となります。

当然、主導線の方が、一番売上が上がりやすいということになります。

これは実際に、交通発生源と呼ばれる位置から通行量を計測することや通っている人の後ろを確認し、導線を確認する現場調査が必要となります。

当然、交通発生源と呼ばれる例えば駅の入り口に近ければ近い店舗程、売れる可能性が高くなります。

更に導線調査は、顧客の質も確認します。導線に通っている人が自分のお店のターゲットとなるお客様を確認するということです。

これも現場調査で確認しなければならない重要なことです。

3.まとめ

本日は、導線調査について解説しました。

商圏調査はパソコンとにらめっこをしていてもほとんどわかりません。

一番大事なことは、現場へ足を運び、実際に現地の導線を調査するとともに、導線上の顧客を観察することです。

飲食店ではこの導線が違うことで死活問題になることも度々あります。

既に店舗を開店されている方も是非、自分のお店はどのような導線によって成り立っているのか確認し、店舗運営に反映されることをお勧め致します。

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(監修:販路企画 田口勝(たぐちまさる)
(編集:創業手帳編集部)

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