ツールは口ほどに物を言う!お客様の”買いたい”を引き出す「アプローチブック」とは

創業手帳

一言も話さなくても伝わるアプローチブックを作る

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(2017/2/5更新)

◆デキる営業マン養成講座アーカイブ

第一回:自然と顧客が寄ってくる”営業レター”とは
第二回:塩漬けリスト開拓に効果絶大なある方法とは
第三回:足を動かさずに”攻め”の営業をする方法
第四回:クロージングの確度を最大限まで上げるには
第五回:商談にもPDCAを!営業スキルを底上げする「トーク設計図」とは
第六回:一瞬で勝負が決まる!お客様の警戒心を解く「共感トーク」とは
第七回:営業はお客様に語らせたら勝ち!”好き”を引き出し”インパクト”で攻める営業トークとは
第八回:質問が”尋問”になってない?営業に必須のヒアリングリストとは

「クロージングまで後一歩だったのに…」
このような経験をした方は多いのではないでしょうか。原因の1つが、営業マンとお客様との”理解の格差”です。この格差を埋めるのに、トークだけでは物足りません。あなたもアプローチブックでお客様の「買いたい!」を引き出しませんか?

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お客様の『買いたい』を引き出す「アプローチブック」とは

今までステップ1~3とトークについてお話ししてきました。今回は営業マンにとってさらに心強いツールをご紹介します。そのツールとはズバリ『アプローチブック』です。
アプローチブックとはお客様に商品の事が伝わるように自分で工夫して作るツールの事です。

ステップ4の目的は今までお客様からヒアリングしてきたことに対して、答えるステップになります。答えると言うより、アプローチブックを活用して、お客様に気づいてもらうというイメージになります。

営業マンにはどうしてもトークだけでニーズを訴えがちになります。しかしトークだけではお客様の気持ちを盛り上げるのは難しくなります。

だからこそアプローチブックを活用しニーズに気づいてもらい、お客様の『買いたい』を引き出すのです。

ステップ1 お客様の警戒心を解く

ステップ2 商品と営業マンに興味を持ってもらう

ステップ3 お客様にヒアリングする

ステップ4 ニーズに気づいてもらう

ステップ5 次回アポ、クロージング

ステップ4「ニーズに気づいてもらう」ためのポイント

ステップ4の目的は今までヒアリングした要望に答え、「お客様にニーズに気づいてもらうこと」です。トークで説明するのではなくアプローチブックで分かりやすく伝えることが大切になってきます。

またアプローチブックが主役で自分は脇役、というように考えると断然気持ちも楽になります。トークはアプローチブックを見ていただきながら一言添えるというイメージを持って下さい。

トークに頼るな、ツールを使え

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もしトークのみで商品説明したらどうでしょうか?

トークだけでは伝わらないために、お客様は真剣に聞いてくれなくなってしまいます。その点アプローチブックがあれば、お客様は興味を示してくれる可能性は高なります。

また話が途切れて沈黙が続いたとき、気まずい雰囲気になる事もあります。そんな時お客様との間に視覚で分かるツールがおいてあると多少沈黙が続いたとしても、気まずい感じがしません。資料を見ているという行為が第一になるので沈黙の状態が続いても不自然ではなくなるのです。

沈黙から会話を再開するときも『次はこちらを見ていただけますか?』と言って次のページに進めばいいだけでいいのです。

一言も話さなくても伝わるアプローチブックを作る

ここで営業マンがアプローチブックを最大活用するポイントをご説明します。

それは、そのポイントとは基本的に一切説明をしなくてもお客様が理解できるように作り込んでおくということです。

こちらから説明しなくてもお客様がアプローチブックを見ただけで理解してもらえるように説明書きを加えておくのです。

例えば本屋さんやコンビニで商品の説明が書いてあるポップを見たことはないでしょうか?「これほどまでに感動した本はありません」「今一番売れています」というポップを見て思わず買ってしまった経験があるのではないかと思います。

これと同じようなことをアプローチブックにするのです。

方法はお客様に伝えたい事をポストイットに一言書いて貼るだけです。そして「こちらをごらんいただけますか?」と言ってお客様に渡します。下手に説明するより何倍も上手く行きます。

アプローチブックの作り方 手順

資料をコピーする
↓ 
コメントを考える

ポストイットに記入する

貼り付ける

ファイルに入れる

完成

『アプローチブック』を活用しないと・・

image2

《後一歩だったのに・・・》
あなたにはこのような経験が無いでしょうか?

私はあと一歩というところでお客様に逃げられてしまうことがよくありました。
例えばお客様に資金計画の提案をさせていただこうと必死に説明しますが、お客様には「また今度にします」と逃げられてしまいます。どうしてこうなってしまうのか?

理由の1つとして営業マンとお客様との理解の格差にあるからです。

「資金計画」という言葉は営業サイドとしてはよく知っていることなので、サラッと説明してしまいます。しかしお客様は具体的にイメージできません。聞きなれない言葉はあっという間に記憶から消えます。これではいくらお願いしても聞いてはくれないのです。

アプローチブックを作ることの効果

アプローチブックを作ることが大切と言うお話をすると決まって「アプローチブックじゃなくてもカタログで十分なのでは?」という人がいます。アプローチブックを作るのには多少時間がかかります。それでもなおアプローチブックを時間をかけてでも作ることをお勧めします。

その理由は自分で作ればイヤでもその商品について覚えるからです。商品の理解度が増すと商品のことを好きになっていきます。また商品のことが好きになればお客様に対しても自信を持って勧めることができるようになるのです。

売れる営業マンは例外なく、自分の扱っている商品に惚れ込んでいます。それがお客様に伝わるから売れるのです。アプローチブックを作るのには時間がかかりますが、それが売れる営業マンになるための近道になります。ぜひ取り組んでください。

アプローチブックの使い方 手順

アプローチブック活用 つかみトーク

アプローチブック活用 他人の例トーク

アプローチブック活用 二択トーク

チェックポイント

ステップ5へ

アプローチブックを活用したトーク1『つかみトーク』

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それではアプローチブックを活用したトークについてご説明します。

アプローチブックにおいて一番重要な事はつかみです。まずはお客様の心をつかむ事が大切です。

ではどうしたらお客様の心をつかめるのでしょうか?

ここで少し過去に契約になったときのお客様のことを思い出して下さい。過去に契約になったお客様に対して【丸秘情報】や【お客様の特になる情報】をコッソリ教えて事はないでしょうか?

『○○の商品が安く手に入るルートを知っています』
『こちらに関しては別会社のお得な商品を教えます』
と提案していることが何かあるはずです。

例えばお客様と商談していて、資金が厳しくなり何か裏技のようなものを駆使して何としたという経験があるのではないかと思います。『そういった経験は全く無い』という方は先輩に聞いてみるといいでしょう。

そして、その【丸秘情報】や【お客様の特になる情報】からスタートするのです。

マル秘情報は一番はじめにする

どうしてマル秘情報から入るといいのでしょうか?

【丸秘情報】や【お客様の特になる情報】を聞いたお客様は《この営業さんと付き合わないと損をするかも知れない》と思います。そう思ってもらえれば、次からする説明にも積極的に聞いてくれるようになるからです。

一番初めに【つかみトーク】をすることが重要です。

もし仮に初めではなく二番目に【つかみトーク】を言ったとします。
話はじめがつまらないと、その後いくらいい話をしたとしても効果はガックリ落ちてしまいます。

一番初めに話す内容で《この営業マンからはメリットを感じない》と思われてしまうと、その後いくらいいことを言っても伝わらなくなります。さんざんお客様が求めていない説明をしたあげく、丸得情報を教えてあげたところでなんの効果は低くなるのです。

中には「いきなり、マル秘情報を言うのって不自然じゃないか?」と思う人もいるかもしれません。そんな時は「詳しいご説明をする前に、大切なことをお話してもいいですか?」とマエフリしておけば問題ありません。

アプローチブックを活用したトーク2 『他人の例トーク』

お客様のこころをつかんだ次は『他人の例トーク』へと進みます。先月お話したステップ3でお客様の要望をヒアリングしたとします。そして先程お話した『つかみトーク』でお客様のこころをつかみました。

だからといって「お客様にはこちらの商品がピッタリですよ」と決め付けて説明されればお客様は反発します。そうではなく「このような商品を選ばれるお客様もいます」といって他のお客様の話として『アプローチブック』を見せながら紹介するのです。その方がお客様は興味を持ちます。

お客様というのは、他人がどんなものを選んだかは興味があるのです。このトークであれば、もしお客様の希望と全く違っていたとしても問題ありません。「こういったタイプはお好みではないのですね」といって違うパターンのものを見てもらえばいいだけです。

お客様の要望にあっていればお客様からいろいろと話をしてくれます。
『他人の例トーク』はこちらから説明しなくていいので、非常に楽な方法です。

アプローチブックを活用したトーク3 二択トーク

続いては『二択トーク』へと進みます。

お客様はお客様自身、要望をハッキリと持っているわけではありません。《何となくこんな感じで・・・》というような漠然したイメージを持っている場合が多いのです。
そこへ「どのようなタイプがご希望でしょうか?」と質問してもお客様は答えられません。

アプローチブックで写真を見せながら「クラシックのインテリアとアジア風のインテリアでしたらどちらが好みですか?」と二択で聞く方がいいのです。『二択トーク』は『他人の例トーク』と同じようにお客様が勝手に話してくれるトークです。

チェックポイント

『他人の例トーク』と『二択トーク』を何度か繰り返していただければ、お客様は
自分の要望に気づいたりします。お客様方から「こういった商品が欲しかったのです」と言ってくれる事もあるでしょう。

さて最後はステップ4のチェックポイントです。

ステップ4のチェックポイントは『パーソナルな質問』がお客様から出たかどうかで判断します。パーソナルな質問とは『うちの場合はどうなるのですか?』『もう少し広くしたいのですが、できますか?』と言うようなお客様個人の質問のことを言います。

今までは『これいくら?』『色は何種類あるの?』などの抽象的な質問に対し、興味を持ったお客様は『パーソナルな質問』になっていくのです。そうなれば最後のステップ5、次回アポ、クロージングへと進めます。

さて次回は『次回アポ、クロージング』についてお話します。
次回が最後となります。
最後までどうぞよろしくお願いします。

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(監修:営業サポート・コンサルティング(株)
代表取締役職 菊原智明(きくはら・ともあき)
(編集:創業手帳編集部)

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