商談にもPDCAを!営業スキルを底上げする「トーク設計図」とは|デキる営業マン養成講座
「トーク設計図」でお客様の心をつかむには
(2016/09/30更新)
◆デキる営業マン養成講座アーカイブ
第一回:自然と顧客が寄ってくる”営業レター”とは
第二回:塩漬けリスト開拓に効果絶大なある方法とは
第三回:足を動かさずに”攻め”の営業をする方法
第四回:クロージングの確度を最大限まで上げるには
第五回:商談にもPDCAを!営業スキルを底上げする「トーク設計図」とは
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この記事の目次
口下手営業マンを救うトーク設計図とは?
営業マンと言うと明るくて元気、そしてアドリブでどんどん会話ができる人を想像するでしょう。
もちろんそういった人もいますが、口下手でお客様とうまく会話ができない人も多くいます。
口下手でも人見知りの方でもトーク設計図を活用することにより、お客様の心をつかみ売れる営業マンになれます。
トーク設計図とは前もって話す事を準備したものを言います。
一字一句その通り話すというものではなく、ポイントで話すトークを考えておくというものです。
後で詳しく説明しますが、トーク設計図はいくつかのステップに分かれています。
お客様の心理にあわせたトークをすることでお客様とスムースに話が出来るようになります。
トーク設計図との出会い
ある住宅メーカーで営業をしていた私は長年にわたり、訪問恐怖症と接客恐怖症の2大恐怖症に悩んでいました。
訪問恐怖症に関しては訪問を止め手紙でアプローチすることで克服しました。
前回までの連載【営業レター】を参考にして下さい。
しかし口下手という欠点は克服できずにいました。
お客様との会話が続かない私は、今まで反応が良かった会話を記録して紙に書き、それを見ながら接客していました。
前もって話すネタがあると安心します。
アドリブで会話をするより何倍もうまく行くようになったのです。
それがトーク設計図の原型です。
その後、改良を繰り返しトーク設計図として完成させたのです。
設計図の全体像とは?
さて、まずはトーク設計図の全体像について説明します。
トーク設計図は大きく分けて【5つのステップ】から構成されています。
トーク設計図の5のステップは、すべてのステップに意味がありそれぞれ重要な役割を果たしています。
このステップの流れは私が試行錯誤を繰り返し苦労の上にたどり着いた順番です。
このステップはお客様の心理状況の変化によって5つのステップに分かれています。
この順番を知ってしまえば、お客様との接客をスムーズに進めることが可能になるでしょう。
5つのステップと言っても一つ一つは難しいものはありません。
それではまずトーク設計図の5つのステップについて図を見て下さい。
ステップ1 お客様の警戒心を解く
↓
ステップ2 商品と営業マンに興味を持ってもらう
↓
ステップ3 お客様にヒアリングする
↓
ステップ4 ニーズに気づいてもらう
↓
ステップ5 次回アポ、クロージング
全体像を見ていただいたところで、大切なことをお話します。
トーク設計図には5つのステップがありますが、一番重要なステップはズバリ、ステップ1のお客様の警戒心を解くステップです。
ステップ1は家で例えるとコンクリート基礎のようなものと考えられます。
コンクリート基礎が出来ていないのに柱や壁を建てることはできませんよね。
それと同じように、ステップ1を飛ばしてステップ2、ステップ3と進むことはできないのです。
ステップ1のお客様の警戒心を解くことがすべてのステップにおいてキーポイントになるということだけは最後まで忘れないで下さい。
ではトーク設計図のポイントを説明します。
さあ活用しよう!トーク設計図のポイント
ポイント1~トーク設計図は持ち歩く~
1つ目のポイントは接客するときはトーク設計図を常に携帯するということです。
『このくらいトークならば暗記できるから大丈夫だろう』
と言うのが落とし穴になります。
やっていただければわかると思いますが、経験の浅い人や口下手の人の場合慣れないうちは自分の思った以上にうまくしゃべれないものです。
また慣れたら慣れたで大事なトークをはしょってしまったりして、知らず知らずのうちにトークが変わったり順番が違ったりしてしまうこともあります。
またトーク設計図を携帯しないことの問題点は他にもあります。
トーク設計図を持たずに接客していたのでは上達するスピードがきわめて遅くなるということです。
たとえいい接客が出来たとしても、感覚でやっているとすぐに記憶から消えてしまいます。
持ち歩いていれば、よかったトークはすぐにメモする事も出来ます。
けれどマンツーマンでお客様の話をする場合は見ながらではちょっと不自然になりますよね。その場合は直前で見直し、面談に臨めばいいでしょう。
ポイント2~専門用語、難しい説明をカットする~
2つ目のポイントは専門用語や難しい説明をカットするということです。
特に気をつけなくてはならないのは、その業界でしか使わない言葉です。
普段使い慣れているのでついつい話してしまうこともあります。
意味が分からない話を聞いたお客様はあなたへの興味をなくすことになるのです。
《お客様にわかりやすい説明をすることが重要ということはよくわるが、どうやってチェックすればいいの?》
と疑問に思う方もいるでしょう。
簡単で確実なチェック方法があります。
それは、その言葉を友達か家族に話してみればいいのです。
友人か家族が理解できないと言うのであればお客様はまず理解できません。
実際のお客様で接客する前に必ずチェックして下さい。
ポイント3~失敗がデータになる~
3つ目のポイントは失敗接客もトーク設計図の大切なデータの一つになるということです
失敗した接客にはすべてキチンとした原因があります。
言い方が悪かったのか?
それともタイミングが悪かったのか?
そもそもそのトーク自体が間違っているのか?
そのように原因を探ることが大切です。
失敗もトーク設計図の精度を上げるための一つのデータになると考えることでお客様のせいはしなくなります。
《断るお客様がおかしい》
↓
《トークが間違っている》
この思考の転換だけでもかなり違ってきます。
ポイント4~『お客様はまず断る』を前提に考える~
4つ目のポイントは「お客様は何を言われてもとりあえず断る」ということを前提にトークを考える事です。
あなた自身がお客様だったとします。
突然出会った営業マンに何か言われたらとりあえず断るのではないでしょうか。
お客様も同様に《何か言われても断るぞ》と無意識的に思っています。
そこへどんなにいい投げかけをしても、まともに聞いてくれません。
断られる事を前提でトークを考えて下さい。
そう考えてトークを設計すると、接客がガラッと変わってきます。
以上が4つのポイントとなります。
トーク設計図の全体像とポイントについてはご理解いただけたでしょうか?
『トーク設計図』とマニュアルとの違い
トーク設計図について、このような疑問を持つ方がいるかもしれません。
《トーク設計図と今までのマニュアルと何が違うのか?》
確かに一見変わらない様に聞こえるでしょう。
しかし今回説明するトーク設計図とマニュアルとでは全く性質が異なります。
トーク設計図と今までのマニュアルとの違いを図に表したので見て下さい。
一般的なマニュアル | トーク設計図 |
営業センスがないとできない
応用がききくにい 作れない お客様を説得する 身に付くまで時間がかかる |
口下手でもできる
臨機応変に対応できる 簡単に作れる お客様から話してくれる すぐ使える |
以上がトーク設計図とマニュアルとの違いになります。
今までのマニュアルとの一番の違いは経験の浅い営業マンや口下手営業マンにもすぐに使えるということです。
その理由は今までのマニュアルは天才営業マンが作ったものに対して、トーク設計図
は口下手である私が作ったものだからです。
特別な才能などなくても十分に使えるので、安心して取り組んで下さい。
それでは次にトーク設計図のメリットについてお話します。
トーク設計図はココがすごい!3つのメリット
メリット①平均レベルの接客をすることが出来る
やる気がでない……でもこれさえあれば
やる気満々の状態でいつも接客することは、普通の営業マンにはできたものではありません。
そんな時、トーク設計図があったらどうでしょう?
どんなに落ち込んでいても、体調が多少悪くてもトーク設計図を見ながら決められたトークをポイントポイントで話すことができます。
そうすることによって、平均レベルの接客をすることが出来るようになります。
メリット②沈黙がなくなる
ぜんぜん話してくれないお客様だ……でもこれさえあれば
お客様の中には全く話してくれない方もいらっしゃいます。
私は何を言っても、返事がないお客様は特に苦手としていました。
口下手営業マンの私にとって話をしてくれないお客様は非常にやりにくかったのです。
そんな話をしてくれないお客様と接客するときトーク設計図があったらどうでしょうか?
全く話をしないお客様に対してもトーク設計図を見ながら、ポイントポイントで話しかけることが可能になります。
何かをきっかけに話をしてくれるようになることもあるのです。
また沈黙のままお互い気まずい思いをすることが少なくなります。
メリット③話したいことをスムーズに話せる
アドリブがきかない……でもこれさえあれば
『話が続かない・・・どうしよう』
接客していて話が長時間途切れることがあります。
沈黙が続き、お客様と気まずい雰囲気になってしまいます。
口下手営業マンの私にとって常に話が途切れないようにつなぐことはできませんでした。
アドリブで話を広げていくことは、口下手営業マンには難しいことです。
会話が途切れた後にとんでもないことを話してしまうこともあるかもしれません。
そんな時トーク設計図があったらどうでしょうか?
トーク設計図にはどの順番で話しかけていけばいいのかを見ながら進められます。
ある程度順番が決まっていれば、突然失礼なことを聞くようなことはなくなるのです。
アドリブがきかなくてもお客様とスムーズに話ができるようになります。
以上がトーク設計図の3つのメリットです。
今までは気分や感覚で接客していたため、接客に波が出てしまっていたでしょう。
90点の日もあれば20点の日もある。
そうではないでしょうか?
今後トーク設計図を活用してもらうことにより、常に70~80点の接客が可能になります。
メリットの次はトーク設計図の全体像を知って頂きます。
全体像を知っていただくことでトーク設計図のことをよりご理解してもらえるようになるでしょう。
さて次回かからトーク設計図についてさらに細かくお話していきます。
ぜひ楽しみにして下さい。
(監修:営業サポート・コンサルティング(株)代表取締役職 菊原智明(きくはら・ともあき) )
(編集:創業手帳編集部)