【独占取材】本日上場!評価額5000億円の美カメラアプリ「Meitu」日本代表・木村氏インタビュー

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Meitu日本責任者、木村アリサ祐美氏インタビュー

BeautyPlusなど、日本で1700万人・世界11億ユーザー以上の美容アプリを開発している「Meitu」をご存じでしょうか。Meituは、中国やアメリカに展開しており、日本でも事業を急拡大しています。

Meituは、評価額5000億円に達する今注目のユニコーン企業でもあり、香港で12月15日に上場し、アリババ以来、香港市場における最大規模のIPOとなっています。

日本の責任者である、木村アリサ祐美さんは、米国・中国・日本のバックグラウンドを持ち、関西学院大学・在学前の18歳から起業しています。18歳で家出をしてそのまま起業。M&Aを経て、Meituの日本責任者に就任という異色の経歴。今回はそんな木村氏に、Meituの概要を取材しました。

15515920_362648107423080_1136264730_o(Meitu日本代表者の木村アリサ祐美氏)
――Meituとはどんな会社ですか?

中国がスタートですが、アメリカでも大きく展開をしています。中華圏でユーザーが一番多いですが、今は世界各国でも人気度が上がってきています。弊社はアメリカに運営HQを置き、シリコンバレースタイルで企業文化を作っています。

――Meituのアプリって言いますと、日本人に一番親みのあるアプリとはどれですか?

BeautyPlus ですね、若い女子の3人に1人は知ってます。

――BeautyPlusとはどんなサービスですか?

中華圏で4億人に愛用されているアプリBeautyCamの海外バージョンです。フォトショップのように画像加工ができますが、素人でも簡単にスマホでレタッチ・修正できるアプリです。
写真、動画撮影の時に、人工知能で自動的に美肌、小顔調整、色調補正ができ、更に落書き機能、漫画風になる機能や、身長を伸ばすなどの機能を自由に選ぶこともできます。

――動画も自動的に小顔と美肌になれるんですね!普通は動画ならごまかせないと思ったんですが。

 
そうですよ。なので、今様々なオーディションでうちの動画機能が使われています。オーディション側にとってもPhotoshopによる加工などの人件費が削減できますので。

meituの画面(Meituのアプリ画面)
――MeituにはBeautyPlus以外にメジャーなアプリなどはありますか?

はい。MeipaiとMakeupPlusですね。MeipaiはYoutubeのようなユーザー配信型のアプリですが、ユーザー同士が賞金を払いあえるので、世界的に注目されています。MakeupPlusは、人工知能やクラウドコンピューティングといった技術を使って、メイクや髪の毛の色をリアルタイムに変えたりすることができます。

特にその日本版は、日本人の顔作りに似合うメイクを写真を用いて、リアルタイムでトライできるようにしているので、コスメブランドの新作の宣伝にもぴったりです。女性からしたら、普通は自分に似合うメイクをストアでいっぱい試さないと買えないので、メイクをいっぱい試した日は、肌がすごい痛むのです。このアプリではその問題を解決できて、ユーザーの購買意欲をあげることもできます。

――どういったユーザーが多いですか?

98%が女性です。10代から30代までの若い女性に圧倒的な支持を得ています。日本では1700万人以上のユーザーがいます。世界では11億人以上(※1)のユーザがいます。
※1:Meituの全アプリ合計

――日本での展開状況はどうでしょう?

BeautyPlus は2、3年前にリリースされたんですが、日本オフィスは今年6月に私がアメリカから帰国して、立ち上げました。現在総勢9名のチームにまで成長させてきました。 今もUI、UXのデザイナーと営業職を募集中です。

meitu3(髪の毛の色の変えられる)
――木村さんのご経歴についてお聞かせください。

育ちはアメリカ・中国・日本で、それぞれの文化を受け継ぎました。

関西学院大学に入る前の2005年に高校を卒業した後、家族を養う為に起業したのです。そこで不動産と通訳翻訳、ツアーガイド、キャンペーンガール紹介の仕事を経験しました。これらは上海での日本人、アメリカ人向けのサービスでした。サービスごとに異なるメンバーを擁していましたが、多いサービスでは10人程度のフリーランサーを組織化して活動していました。

その後、日本の関西学院大学の法学部に入り2013年に卒業しました。在学中に、名雲さん(現Fenox日本代表)がCOOをしていたM&Aの会社に入社しました。

――おおっ!18歳で起業したのですね。最初の起業はいかがでしたか?

言葉もなかなか通じにくく、知らない上海で、家族からの支援も全くない中で、友達に教えられながら仕事をし始めました。最初の2ヶ月目にだまされて預金が全滅しそうなったこともありましたが、友達の助けをもらいながら 事業を続け、半年ぐらいでキャッシュフローがプラスになり、事業として回り始めました。

そこから家族に送金できるようになり、大学に入るお金もできたので、日本に戻り、3ヶ月間猛勉強し、大学に合格したんです。

――M&Aの仕事をされていたんですね。いかがでしたか?

大学在学中に関わったM&A案件は、日本の技術をアジアに移転するという仕事をしていました。一種のM&Aですね。日本と中国の会社とのやり取りをしていました。企業や部門レベル、事業資産、技術ライセンスの移転などいくつかの異なるパターンがあり、色々な形態のM&Aを経験できました。

その後にしたM&A は、名雲さんとの会社、Spinnaker Partners で 、ITやテクノロジー分野をメインとしたM&Aの実行や、戦略策定、提携支援などを手がけました。

――M&Aで気を付けるべき点は?

色々なところで気を付けないといけないのですが、一番気になったのは、M&Aする前に、技術やアイディアだけ取られてしまうことなどがあるので、交渉過程で注意が必要ということですね。特に発展途上国の場合、概して日本企業は警戒感が薄いので、それらの国の商習慣や事情などにも通じた弁護士や、コンサルタントを雇って、臨むことが大切です。

――アドバイザリー会社のパートナーをされているんですね。

はい。大学在学中で名雲さんと色々動き始めて、卒業したその月にパートナーになり、ベンチャーキャピタル事業や、戦略コンサルティング系の仕事をし始めたんです。それから1年後に渡米し、アメリカでのを新規事業開拓などをしていたのですが、今年の春から、縁があって、 Meituの日本拠点立ち上げをメインにすることになりました。

――転機になったきっかけを教えてください。

私の将来の目標は、テック系の会社を立ち上げることと、女性の社会進出を支援するグループを立ち上げることです。そのためには、投資側や、コンサルティングの経験以外にも、実際にアプリ会社の運営、商品のデザインなどもわかった方がいいと思ったのです。

そのような背景から、今年の春に、幅広い視野を持とうと色々な人と話し始めたのです。ちょうどその時に、2つのオファーを受けました。一つが、当時、ベンチャーのメンタリングでお世話になっていたスタンフォード大学の教授から、起業志望の学生へのメンタリングの仕事をしないかという誘いでした。そしてもう一つが、Meituでした。

アメリカで有名な教授と仕事ができるのは、まだ学士の私にとってはなかなかないチャンスだとも思いましたが、私の目標を考えた時に、Meituに関わることの方が、アプリ、会社運営、商品デザイン、そして女性という視点での経験が得られると考えました。また、このようなユニコーン企業に関わり、その日本での事業立ち上げに責任のある形で取り組めるということは望んでできることでもない貴重な経験とも思いましたので、Meituを選びました。最初は日本の責任者ではなく、事業開発のシニアマネージャーの職位だったのですが、入社3ヶ月後に昇進し、Meituの日本運営を任されたのです。

Meituを日本で展開していくのは楽しみです。

日本の起業家、創業支援の方に一言メッセージをお願いいたします。

Meituがここまで成功してきた背景には、平均年齢が24歳と若くて(最近は海外事業部のせいで26歳ぐらいになってきていますが)、既成概念にとらわれないということもあると思います。
シリコンバレーや中国で、若い起業家が次々に生まれています。Facebookといった代表的な企業のCEOも、みんな在学中に起業していました。

日本の起業家は、年齢や性別、経験の無さから「できない」という他人の常識にとらわれることが多いと思うのですが、それに負けずに果敢にチャレンジしてほしいと思います。また、人材採用をするときも、「経験者じゃなければいけない」という考え方を捨てた方がいい時もあります。ルーティンワークからではイノベーションは生まれません。

(取材協力:木村アリサ祐美「Meitu」/編集:創業手帳編集部)

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