【第二回】「行政も競争!」最も若く市長になった熊谷・千葉市長インタビュー
「行政も競争!」リーダー熊谷俊人・千葉市長の独占インタビュー(2/2)
(2015/10/22更新)
NTTコミュニケーションズから政界に転身し、31歳にして史上最年少首長として当選した千葉市の熊谷俊人市長。市長在職2期目だが、いまだに37歳という若さです。 千葉市は東京から少し離れている分、独自の経済圏・人材を持っており、創業の「穴場」だという。熊谷市長に創業支援のビジョンを独占インタビューで伺いました。
早稲田大学政治経済学部を卒業後、インターネットが社会を変えていくと考えNTTコミュニケーションズに入社。大前研一氏が主催する一新塾を経て、2007年に千葉市議選に出馬、トップ当選を果たす。2009年に千葉市長選挙に出馬し、31歳、全国最年少記録で市長に当選した。現在は2期目で、創業支援の他、インターネットやスマホも駆使した新しい政治のスタイルを展開している。
都市としての競争力
熊谷:そうです。今まで企業に来てもらうために営業をやるという発想はなかったわけです。
今は連携協定を交わした銀行とかと組んで、企業の進出を計画しているようなところの情報を貰えれば、すぐにアポを取って我々自身が営業に行きます。
銀行やオフィス関係者と連合を組んで営業に、場合によっては私自身も直接役員とお話をするために、実際に東京やいろいろなところに行きます。
それだけではなくて、もし進出を決めたら、進出するにあたってのいろんな制度などの部分に関してのコンサルも我々はしています。
シンガポールじゃないですが、徹底的にそこは面倒も見て、アフターフォローも含めてやっています。
やはり営業していくなかで、千葉市というのはどこで勝負ができて、どこを強みとして成長させるべきか、逆に言えば、どこが弱いのかというのも分かりますよね。
我々は、単に来てもらっただけではなく、来た後、もしくはすでに千葉市にある企業でも、新たな投資をする場合には対象となる支援制度を持っています。
どちらかと言うと中小企業を意識した、成長を志向する所に対する支援制度を充実させています。
千葉市での創業の魅力
熊谷:我々は首都圏ですから、特定産業というよりも、バランスよく支援していくのが一つの戦略ですよね。例えばインキュベーションのセンターを3つ持っていて、それぞれ特徴があります。
千葉大学があり、医学、薬学においては全国屈指のレベルですから。
この医学、薬学関係のスピンオフしたベンチャー企業のための、ラボ機能を持った特別なインキュベーションルームである千葉大亥鼻イノベーションプラザを、我々は中小企業基盤整備機構、千葉大と一緒に、設置しています。
一般的な創業を支援するためのビジネス支援センターもある。
そして数年前から始めているのが、コワーキングスペースみたいな、プレベンチャーというか、アイデアベース、もしくは一人くらいからスタートしているような所を支援するものです。そういう3つのインキュベーション支援センターを持っています。
そういうものがあり、それからさっきも言ったように、一定程度育ったところに対しても、企業立地の補助制度を持っている。
さらにはその全部に対し共通して、金融支援もやっていますから、そういう将来の人たちがベンチャーでなにかやる場合の、創業支援の特別な金融支援制度というのを持っています。利率も比較的いいです。
熊谷:千葉は「奥の院」だから見えにくい。だから実力相応にはあまり見られない。千葉の人もおとなしいからあまり県外に対して強くPRできていなかったというのがポイントだと思います。
創業している方というのは基本的に、ニッチな部分とか、スポットが当たっていないところを見つけ出して掘り起こしていくというケースが多いと思うんですね。
そういう意味ではまさに、千葉は狙い目です。
私がなぜ千葉出身じゃないのに千葉市長やっているかというと、明らかにここが、ポテンシャルが高いにもかかわらず埋もれているから。
ここは伸び代がすさまじく高い場所なんで、結果的に地価も安いです。1個1個の数字で追いかけていくと、イメージじゃなく、ここはすごくいい場所ですよ。
熊谷:まさに創業の穴場です。人材、幕張、空港、住環境、支援策、独自の商圏と非常に魅力があると思います。
これから我々は穴場じゃないようにしていきますが、現時点では穴場と言えると思いますよ。
(取材協力:千葉市長 熊谷俊人)
(編集:創業手帳編集部)