地方企業でありながら『EcoSystem』で全国への販売網拡大に成功

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『EcoSystem』実践事例!鈴与シンワート×クレシア×リネイル

(2016/03/04更新)

スマートフォンのカメラを使った画期的なシステム『Smiss(エスミス)』。開発会社である株式会社リネイルと販売を請け負う株式会社クレシアは、共に地方企業でありながら『EcoSystem』の活用で全国への販売網を急速に拡げ、さらにデータセンターを持つ鈴与シンワート株式会社と提携し、課題であったクラウド版の提供を実現しました。

株式会社リネイルの矢島勲氏と株式会社クレシアの金子俊介氏、鈴与シンワート株式会社の畠山浩樹氏に話を伺い、『EcoSystem』の本質に迫ります。

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鈴与シンワート株式会社
1947年5月設立。1963年に東証二部上場。
鈴与グループ企業140社の中、情報サービス企業として、お客様中心のCSR活動を展開。

インタビュイー:
クラウドサービス事業部クラウドサービス部 上席課長 
畠山 浩樹

1995年、(株)システムナレッジ入社、1998年、鈴与シンワート(株)と合併。
物流関連システムの開発、社内インフラ構築、NTTデータ社のスタッフ部門のITコンサルおよび開発支援等に従事。
2010年のデータセンター事業開始後、クラウドサービス立上げのためSi系事業部からクラウドサービス担当部門に異動し、現在に至る。
斬新で安く、安心して使用していただけるサービスをどんどん生み出したいという想いで現職に従事。


株式会社リネイル
2007年6月設立。『Smiss』の開発会社。
群馬県に本社を置き、ICT技術(コンピュータ)を駆使したシステム&ネットワーク構築・運営を行なう。

インタビュイー:
代表取締役社長 
矢島 勲

群馬県内のIT企業で30年近く公共系の業務、特に税や人事給与業務に従事。
元々、技術系で「創る」ことが好きだったが、主に人事給与を担当する部の部長という立場になり、「創る」ことが出来なくなったため、2009年リネイルへ転職。
2012年代表取締役社長に就任。
自分自身でも製品開発を行なう。


株式会社クレシア
2014年2月設立。『Smiss』の販売会社。
広島県呉市に本社を置き、ITパッケージの販売を中心にソフトウェア開発、コンサルティングまで行なう。

インタビュイー:
代表取締役社長 
金子 俊介

昭和58年に広島県内のIT企業に就職、約30年間勤務。電力、民間、公共など、異動によりさまざまな業種の開発、営業、管理を経験。執行役員、取締役就任後は、特命事項対応、自社パッケージ開発など経営企画、戦略に従事。
2014年2月12日クレシアを設立(2014年1月31日退職)
社名のクレシアは、呉(クレ)から幸せ(シア)を届けることができる会社にしたいとの想いで命名。

特定業種向けソリューションの汎用化と全国展開

ーSmiss開発の背景とリネイルとクレシアの関係をお聞かせください。

リネイル:Smissはもともと警察関係から「機動性の高いスマートフォンを利用し、簡単操作で高画質な写真や動画を共有できるシステムが欲しい」という要望をいただき、2010~2011年に弊社が開発した製品です。

離れた場所にいても、現場の担当者にスマートフォンの通話で指示を出しながら、同じくスマートフォンで撮影された写真をライブ感覚で共有し、その場にいるかのように事件や事故発生時の現場状況を把握したいというニーズが発端です。

そういった経緯で開発したものの、警察関係を対象にしているだけでは営業展開が難しい。

そこでまずは地元群馬の企業を中心に展開を始めました。そんななかお力添えいただいたのがクレシアです。

クレシア:弊社は2014年に設立し、パッケージ販売や開発、コンサルティングなど、ITに関わることを多岐に渡って何でもやっています。広島にある会社ですが、リネイルの方とは前職からお付き合いがあったので創業当初から「地方同士ですが面白い事業をやっていきましょう」とパートナーシップを組ませてもらってます。

リネイルは技術力が高いので、営業力が売りの弊社と弱い部分を補完し合いながら連携を行っています。

独立を境に「開発はリネイル、営業はクレシアのスキームで全国展開をしよう」と提案し合意しました。

全国展開にあたっては機能を簡略化し、取り扱いやすい料金で提供できるパッケージ製品へと改良し、クレシアのブランドSmissとして2014年9月より本格的に営業を開始しました。

ー地方同士である2社ですが、Smissはどのように全国で販売展開されたのですか?

クレシア:最初は防災関連の企業にターゲットを絞り、東日本大震災の被災地でもある東北の会社へ紹介して歩きました。

そこで「非常に便利だ」と評価頂くと同時に、防災以外にもっと幅広い利用シーンがあるということをお客様から教えられました。

特に、電力やガス、水道、鉄道、道路といった社会インフラを扱ってたり保守サービスを提供している会社だと、まずは現場に行ってわからないことがあれば会社に問い合わせすることになります。

電話では伝えにくい現場の状況も、Smissでライブ中継すれば現場の状況が手に取るようにわかるので非常に重宝されます。

営業をするなかで想定を超える活用シーンがどんどん広がり、全国展開への足がかりになりました。

リネイル:弊社では販売パートナーをはじめとしたネットワークの拡大を目指し、2014年の末に日本ヒューレット・パッカードに誘われて『IT EcoSystem Forum』に初めて登壇させていただきました。

今まで弊社とクレシアで20カ所を超えるくらい登壇させていただいてるのですが、北海道から沖縄まで、自分たちではなかなかたどり着けないようなエンドユーザーとお付き合いのあるパートナーと繋がることができるので、販路が格段に拡がりましたね。

『IT EcoSystem Forum』の出会いで3社に広がる可能性

ー鈴与シンワートがSmissをクラウド提供するようになるまでの経緯をお聞かせください。

鈴与シンワート:弊社はSI事業やデータセンター事業を展開しております。日本ヒューレット・パッカードとは以前からお付き合いがあり『IT EcoSystem Forum』にお誘いいただきました。

最初は製品関係のお話かと思って行ったのですが、実際は全くそうではなかったので、驚きつつも「これは面白い」と思いながら聴いていました。

というのも、データセンターはいま価格競争が激しくなってきていて、事業を成立させることがなかなか難しいんです。

ですから、何かしらの付加価値や世の中にないサービスをどんどん提供して、弊社のデータセンターの価値を今まで以上に上げていかなくてはいけない。

そんな風に考えていたところ、タイミングよくSmissのお話を聴くことができました。

デモを見て、スマートフォンなのに非常にクリアな画像で遅延することもなくとてもクオリティが高い製品だったので、これはうちのデータセンターで提供するクラウドサービスとして提供したいと思いました。

その時は懇親会に出られなかったこともあり、後日、日本ヒューレット・パッカードに「是非あの会社と話をしたい」とお願いし、ご紹介いただきました。

クレシア:翌週には鈴与シンワートにお伺いし、システムの全体をご説明させていただきました。

大変高い評価をいただいて、「是非協業しましょう」という形になりました。クラウド版の検討はしていたのですが、私たちはなにぶん小さな会社なので、提供できる環境を持ち合わせていませんでしたし、割合としても自社導入の要望が多く、先延ばしになっていました。

そんななかお声がけいただき、クラウドの具体的な引き合いがあれば鈴与シンワートにお任せできるという後ろ盾ができたので、営業の間口が広がり非常に助かりましたね。

ーサービスインされたばかりですが、すでに具体的な商談が進んでいると伺いました。

クレシア:日本ヒューレット・パッカードから「自動車販売の会社から中古車の情報を本社で一括管理したいという要望があるのでSmissが使えるんじゃないか」とご連絡をいただきました。

『EcoSystem』とはまた別の部隊のテレセールスから発生した案件だそうですが、お客様から要望を聞いたときにSmissならマッチすると推してくださったそうです。

さっそくお客様先へ伺ったところ、自社サーバーへの導入よりもクラウド利用の方が合うという話になり、現状では鈴与シンワートのクラウドサービスでSmissをご利用いただく流れになっています。

実際にSmissを見ていただき「欲しかったのはこういうシステムだ」と評価をいただいたのですが、自社サーバーでの導入となるとどうしても初期費用がかかるので、そこがネックとなり足踏み状態だったんです。

そんな最中に鈴与シンワートでクラウド版を提供して頂ける話が具体化してきたので、止まっていた案件が動き始め、本当に助かっています。

世の中に埋もれている製品とネットワークを発掘できるチャンス

ーEcoSystemに賛同して感じたメリットについてお聞かせください。

リネイル:開発会社の立場としては、やはり私たちの商品を販売していただくパートナーを見つけることができる点だと思います。

これまで20回以上『IT EcoSystem Forum』で発表させていただいて、本当に北海道から沖縄まで全国的な販売パートナーのネットワークが構築できました。

クレシア:加えて『IT EcoSystem Forum』のあとには必ず興味を持っていただいた会社から連絡があるので、もう1度直接会って勉強会を開いてるんですが、その時に今度は逆にパートナーの面白いソリューションをご紹介いただけるんです。

そうすると営業の際に提案出来るソリューションにパートナーの商材も加えることができます。

人脈はもちろん、今まで知らなかった製品を知ることで、営業密度をぐんと上げることにも繋がりました。

鈴与シンワート:お話を聴かせていただく参加者の立場からすると、Webで検索しても出てこないようなソリューションを見つけられることが本当に大きなメリットだと思います。

Smissはまさにそれで、弊社では以前からスマートフォンカメラのソリューションを探していたのですが、なかなか見つけ出せずにいたので、こんな製品もあるのかと感動しました。

そういったものを発見して広めていただけるのが、この『EcoSystem』の素晴らしいところですね。これからも定期的に『IT EcoSystem Forum』に参加して、新たなきっかけを掴みたいと思います。

(取材協力:鈴与シンワート株式会社
(取材協力:株式会社リネイル
(取材協力:株式会社クレシア
(編集:創業手帳編集部)

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