厚木珈琲 酒井涼旦郎|「まちの名前」を預かり地域貢献をする経営者と創業期を支えたアメックスのビジネス・カード

缶コーヒー工場から12年越しの夢へ。マイルで渡ったグアテマラで品評会の審査員に

合同会社厚木珈琲 代表・酒井涼旦郎氏

神奈川県厚木市。この街の名前をそのまま屋号に掲げるコーヒーブランドが、創業4年目にして市内3拠点まで広がっています。

手がけるのは、合同会社厚木珈琲の代表・酒井涼旦郎氏です。大手飲料メーカーの缶コーヒー焙煎工場で7年、クラウドファンディング大手で4年働いたのち、コロナ禍を機に2022年9月、地元・厚木で創業しました。グアテマラの農園と連携し、国際品評会「カップ・オブ・エクセレンス」の審査員も務めています。

法人口座の作り方も、レジ締めも知らなかったという「全方位で大変だった」創業期。それを支えた一枚が、いまも唯一の法人カードであり続けるアメックスのビジネス・カードです。資金繰りからグアテマラ渡航まで、創業のリアルとカード活用術を聞きました。

合同会社厚木珈琲 代表・酒井涼旦郎氏

酒井 涼旦郎(さかい・りょうたろう)
合同会社厚木珈琲 代表
高校卒業後、大手飲料メーカーの缶コーヒー焙煎工場で7年間焙煎に従事し、大手クラウドファンディング企業で4年間、飲食分野を担当。コロナ禍を機に2022年9月、地元・厚木で合同会社厚木珈琲を設立。「まちの名前を預かる」という思いのもと、市内3拠点を展開。グアテマラの自社農園と連携したコーヒーづくりに取り組み、国際品評会「カップ・オブ・エクセレンス」の審査員も務める。

缶コーヒーの焙煎工場で、人生で初めて「勉強」した

ーまず、起業までの経歴を教えてください。

酒井:高校卒業後、大手飲料メーカーの缶コーヒー焙煎工場に就職して、7年ほど焙煎をやっていました。ただ、最初の2年くらいはダメ社員だったんですよ。やる気もなくて、あまり仕事の楽しみを見つけられませんでした。高校時代もまったく勉強してこなかったので、成績は下から数えて2、3番目みたいな生徒でした。

それが2、3年目からコーヒーに興味を持ち始めて、「このままじゃまずい」と勉強を始めた。人生で初めて勉強した対象がコーヒーなんです。そこからは大会に出たり、トークイベントを自分で主催したり、どんどんのめり込んでいきました。

ーそこからなぜ、クラウドファンディングの会社へ。

酒井:僕は3人兄弟の長男なんですが、一番下の弟を事故で亡くしまして。兄弟って自分の分身みたいな存在じゃないですか。それがある日突然いなくなって、「自分も明日死ぬかもしれない」と考えるようになったんです。

だったら、コーヒーをもっと広げることに時間を使いたい。コーヒーの内側で働くより、外側からコーヒーにアクションするほうが広がりを持てるんじゃないか。クラウドファンディングという道具を使えば、挑戦する人たちがもっと世に出て、いい取り組みが生まれてくるんじゃないか、と考えて大手クラウドファンディングに転職して4年間、ずっと飲食分野を担当していました。

ー行動力がすごいですね。

酒井:もともと行動力があったわけじゃないんですよ。高校時代を振り返っても、何かやっていたかといえば何も。ただ、コーヒーを学び始めて、いろんなコーヒー屋さんを巡るようになったら、「同じコーヒー屋というくくりなのに、オーナーごとに考え方が全然違う」ということに、当たり前なんですけど、すごく感動した記憶があって。

そこからいろんな人の話を聞きに動くようになりました。会社員時代は、仕事終わりに会社の小さい焙煎機で自分で豆を焼いて、社内の先輩に「味見てください」と頼んで。それでは物足りなくなって、自分で焼いたコーヒーをコーヒー屋さんに持ち込んで「感想をもらえませんか」なんてこともよくやっていました。

今思えば相当迷惑なやつですけど(笑)、皆さん優しく教えてくれた。だから僕も、そういう人が来たら同じようにしてあげたいと思っています。先輩に返すというより、次の世代に返していく。そうやってつながっていくのかなと。

コーヒーは目的じゃない。「厚木」の名前を預かるということ

ー厚木珈琲を立ち上げたきっかけは。

酒井:コロナで在宅勤務になって、ずっと家にいるなかで、「僕は地域のことを何も知らないな」と気づいたんです。生まれも育ちも厚木なのに、厚木という地名の由来すら知らない。調べ始めたらすごく面白くて、友達とインスタで発信を始めました。

でも「知ってください、知ってください」だけでは伝わらないんですよね。じゃあどんな形なら届けられるだろうと考えたとき、僕にはコーヒーしかなかった。コーヒーを通じてなら、厚木の魅力を届けられるんじゃないか。だから、コーヒーをやりたかったというより、「この地域を何かの形で盛り上げたい」という思いが先にあった事業なんです。

厚木珈琲という屋号は、地域の名前を預かっているものだと思っています。遠方から来た方には、せっかくなら厚木でしか飲めないものを飲んでもらいたい。地域の方には、僕らの場所を楽しんでもらいたい。今後ブランドの形がどうなっていくとしても、その考え方は変わらないと思います。

「厚木」の名を掲げる店舗サイン

「厚木」の名を掲げる店舗サイン

ー現在は3拠点。どんな変遷だったのですか。

酒井:最初は厚木グラススタジオというガラス工房の中に間借りする形で始めて、2023年に川沿いの本店に移転しました。

その後、駅直結の商業施設内に物販店を出して。実はどの店舗も、あえて「座って飲めない」物販とテイクアウト中心の形にしていたんです。カフェとなると、1日に何人呼べるか、客単価や回転率を考えなければいけないし、人も雇わなければいけない。創業当初は知名度もない。

だからまず豆とドリップバッグ、ラテベースの物販に絞って事業を成り立たせ、その間にポップアップに出まくって知名度を上げて、それからカフェをやる、という順番でした。

コーヒー豆やドリップバッグが並ぶ店内の物販棚

コーヒー豆やドリップバッグが並ぶ店内の物販棚

ただ、お客様から「座ってゆっくり飲みたい」という声を本当にたくさんいただいていて。2年間くらいは応えられないまま歯がゆい思いをしていたのですが、卸先だったカフェが閉店することになり、引き継ぎの話をいただいた。壁もテーブルも自分たちで塗って、1か月で準備して、今年5月にオープンしたのがこのカフェです。

ーカフェを開いて良かったと感じる瞬間はありますか。

酒井:常連さんに、毎週来てくれる高校生がいるんです。話を聞くと「いつか自分で本屋さんをやってみたい」と。いきなり本屋を開くのは大変ですから、「まずは自分の視点で本を紹介する『選書』から始めてみたら?」と提案して、店内で選書コーナーが始まりました。

最近はその子が常連さんたちと知り合いになって、エッセイまで書き始めた。高校2年生ですよ。読ませてもらったら、自分の活動と向き合った渾身の一作で、本当にすごかった。

僕からすると、コーヒーを通じて人がつながって、この場所から何かが生まれていったらいい。「コーヒーおいしい」と言ってもらえるのももちろん嬉しいですが、ああいう瞬間に立ち会えるのが、一番の喜びですね。

店内に設けられた常連客による選書コーナー

店内に設けられた常連客による選書コーナー

法人口座も、レジ締めも知らなかった。「全方位で大変だった」創業期

ー創業当初、一番大変だったことは何ですか。

酒井:全方位で大変でした(笑)。まず、銀行の法人口座が作れなかった。作り方の情報がなくて、最初は自分の個人口座でやっていたんです。「これはダメだろう」とメガバンクに行ったら口座を作らせてもらえず、地元の先輩たちに「信用金庫がいいんじゃない」と教わって信金へ。

創業直後は信用がないので、審査担当の方が事務所(自宅)まで確認に来るんですよ。普段作業する部屋を見られて、ポストにはテプラで会社名を表示して。そんなことも知らないわけです。

レジ締めの概念すらなかったですからね。毎日レジを締めるものだと知らなくて、お釣りに困らない金額だけ残して銀行に入れる、みたいなことをやっていた。途中から手伝ってくれたアルバイトの子に「レジ締めしないんですか?」と言われて初めて知りました。

Googleマップの登録方法、シールやカップはどこで買うのか、何もかも分からない。最初のポップアップなんて、今見ると本当にショボショボで。いろんな人に聞いて、調べて、できることを全部やって、少しずつ良くしていった感じです。

「全方位で大変だった」と創業期を振り返る酒井氏

「全方位で大変だった」と創業期を振り返る酒井氏

ー会社設立そのものはスムーズでしたか。

酒井:設立は税理士さんにお願いしたので難しいことはなかったです。ただ「決算月をいつにしますか」と聞かれても、当初は「何を言ってるんだこの人」状態で(笑)。9月に設立したので1年後の8月決算にしましょう、みたいなことすら分からない。

採用も、最初から高校の後輩を社員として入れて、僕は外に出て営業をしていたのですが、人を雇うと社会保険の手続きが要るとか、毎月の給料以外に意外とお金がかかるとか、全部後から知るんです。新しいことをやるたびに「これもあるのか」と。日々新しい問題が生まれて、それに対処する。最初は、何ができていないのかすら分からない状態でした。

最初の法人カードは、審査に通ったアメックスだった

ー法人カードを作ろうと思ったきっかけは。

酒井:支払いが現金だったり、自分の個人クレジットカードだったりしたので、「これは会社のカードを作らなきゃいけないな」と。豆の袋やシールなどの資材、消耗品、ガソリンなど、創業期はオンラインで買うものがたくさんあるじゃないですか。

それで、プライベートで使っていたカード会社の法人カードに申し込んだんですが、作れなかったんですよ。創業したばかりで信用がないんですね。

どうしようと思って起業している先輩に聞いたら、「俺はアメックスを使ってるから、アメックスがいいんじゃない」と。それですぐ公式サイトから申し込んだら、審査が通った。本当に助かりました。最初に作った法人カードがアメックスで、実は今でも、法人カードはアメックス1枚だけです。それで全部やっています。

一杯ずつハンドドリップで抽出する

一杯ずつハンドドリップで抽出する

ー現在は、どのように使われているのですか。

酒井:カードで払えるものは、基本的に全部カードに集約しています。現金で払うことはほとんどないですね。カードと信用金庫の口座を会計ソフトに紐付けているので、経理処理が楽ですし、税理士さんの処理も楽になる。明細はCSVでダウンロードしてすぐ処理できるので、経費管理の面でもクイックです。

翌月の引き落としまでに、キャッシュを作る——創業期の資金繰り

ー資金繰りで苦労した経験はありますか。

酒井:最初は事業計画を作っていなかったので、「いくら売り上げればいいんだっけ?」という状態で。「あれ、2~3か月後にお金なくない?」「銀行残高がやばい」みたいなことが普通にありました。損益分岐点という考え方すらなかったので、1か月にいくら売り上げなければいけないのかも分からない。知識のなさによる資金ショートの危機ですね。

先輩に聞きに行ったり、神奈川県の起業家支援プログラムのメンターさんに相談したりして、「まず早く回収できるものから取り組む」「目の前で売上を上げられることに集中する」と教わって、できることを全部やって乗り越えました。今も会社が残っているということは、乗り越えられたんでしょうね(笑)。

ーその創業期に、カードの支払いタイミングで助かった経験は。

酒井:最初は特にキャッシュがないじゃないですか。そういうとき、仕入れでカードを使える場面はすべてカードにして、翌月の引き落としまでの間にお金を作る。「急げ急げ」でしたけど(笑)、あの支払いまでの猶予には本当に助けられました。

創業直後って、みんなそうじゃないですか。引き落とし日までにいかにキャッシュを作るか。カードがあって何度助かったことか、という感じです。

マイルでグアテマラへ。12年越しの夢だった「品評会の審査員」に

ーアメックスのポイントは、どう活用されていますか。

酒井:僕らはマイルに交換しています。仕事でグアテマラに行くので、めちゃくちゃ助かっています。うちはグアテマラの農園と一緒にコーヒーを作っていて、毎年現地に行くんです。渡航費は大きいですから、日々の決済で貯まるポイントをマイルにして、そこに充てる。

飛行機もマイルでプレミアムエコノミーに変えられるので、長時間フライトが体力的にすごく楽になりました。移動中に仕事をすることを考えると、快適に移動できるのは大きいです。海外でも、宿泊も現地のコーヒー屋さんも、アメックスが使えるところは全部アメックスで払っています。

ー先月もグアテマラに行かれたそうですね。

酒井:はい、今回は「カップ・オブ・エクセレンス」という、その国のナンバーワンコーヒーを決める国際品評会の審査員として行ってきました。実は12年前、コーヒーにハマり始めた頃に先輩に飲ませてもらった一杯が衝撃的で。まだ味を何も表現できない時期でしたけど、「口の中にショートケーキがある」と思ったんです。それがカップ・オブ・エクセレンスのコーヒーだった。

「いつか審査員になりたい」と、そのとき思ったんです。それが先月、初めて叶いました。昔はお金もないし、キャッシュの余裕もない。マイルを使ってコストを抑えながら渡航して、12年越しの夢の場面に参加できた。あれは本当に、マイルがあったからこそです。

自社農園「ATSUGI COFFEE FARM」のコーヒー

自社農園「ATSUGI COFFEE FARM」のコーヒー

ーマイル以外に活用している、あるいは注目しているサービスはありますか。

酒井:まだ使えていないんですが、ホテルに宿泊できる特典※はこれから使っていこうと思っています。お会いしたい方が遠方にいるので、それに合わせて使いたいなと、常に頭の中にあります。

あとは、けっこうアメックスのホームページを見るんですよ。「こんなことできるんだ」というサービスがいっぱいある。コンシェルジュサービスとか、上のランクのカードならラウンジが使えるとか。オファーのDMも届くじゃないですか。

グレードを上げたいんですけど、「会社がもう少し成長したらかな」と(笑)。会社の成長とカードのグレードアップがセットで頭にある感じです。

ー法人カードを持って、経営者としてのマインドに変化はありましたか。

酒井:法人カードを持つなんて考えたこともなかったので、「自分の会社のカードができた」ということ自体に感動がありました。商品のパッケージが初めてできたときと同じで、一つひとつが感動の連続なんです。

あとアメックスのカードって、メタル製※でかっこいいじゃないですか。プラスチックじゃない。細かいところですけど、ああいう配慮はテンションが上がりますよね。自分が経営者タイプかと言われたらそんなことはないと思っているんですけど、自分で立ち上げた以上はやっていかなきゃいけない。その意味で、小さなご褒美感というか、モチベーションを上げてくれる存在です。

※カード付帯特典およびサービス内容はカードの種別により異なります。アメリカン・エキスプレスのビジネス・カード各種詳細をご確認ください。

10人の壁と「売上も残高も見せる」透明性の経営

ー現在のチーム体制は。

酒井:社員2人とアルバイト7人、僕を入れてちょうど10人です。まさに「10人の壁」と言われる組織の課題に向き合っているところですね。初期からいる社員とは阿吽の呼吸で通じるけれど、カフェができて新しく入ったメンバーは、厚木珈琲がどう成長してきたのか、なぜこうしているのかという背景をまだ知らない。

だから最近は定期的に社内勉強会をやっています。実は2年前、グアテマラの農家さんたちの物語を届けたくて、映像クリエイターの後輩と一緒に現地へ行き、1時間のドキュメンタリー映画を作ったんです。当時はお客様や取引先に見てもらうために作ったんですが、今は新しいメンバーと一緒に観て、生産者さんの背景をみんなで共有する社内教育にすごく効いています。

従業員が10人以上になると就業規則も必要になるので、社労士さんに入ってもらうかどうか、コストと自分の時間のバランスを日々考えています。ChatGPTに頼れるところは頼りつつ。でも、最初は一人でやっていたことを考えると「ここまで来たのか」と。面倒くさいけど、嬉しい悩みじゃないですか。

ー経営情報は、メンバーにどこまで共有していますか。

酒井:社員2人には、売上も口座の残高も開示しています。会社の経営を自分ごと化してほしいし、売上が上がれば給料が上がる、というところまでセットで理解してほしい。なぜこういう判断をするのかも、できる限り伝えます。

キャリア面談では、「これは会社の意見」「これは友人としての僕の意見」と分けて話すようにしています。会社としては目先の利益を追求する動きをお願いする。でも友人としては、3年5年10年を見据えて「今のフェーズなら、うちの会社じゃないほうがいいのかもしれない」ということまで伝えます。

無理にこの場所にいることになれば、ミスマッチで不満が溜まっていくだけですから。相手の人生のことまで考えて話したほうが、みんな気持ちいいじゃないですか。

社長は、意外と孤独じゃない

ー創業当時の自分にアドバイスするとしたら。

酒井:起業する前は「社長は孤独だ」という言葉をよく聞いていたんですけど、意外と孤独じゃないな、と伝えたいですね。本当にいろんな方が助けてくれるんです。神奈川県の起業家支援プログラムには創業時から助けていただきましたし、地元の先輩たちもそうです。

ちょうど僕が厚木珈琲を立ち上げたタイミングで、友人たちも美容室や車屋を立ち上げていて、同じタイミングで同じ悩みが生まれてくる。仕事終わりにみんなでご飯に行って「どうしたらいいと思う?」と話して、同じ痛みを分かち合いながら、気づけばみんな少しずつメンバーが増えている。頼れる相談相手を見つけられると全然違います。周りにいなさそうと思っても、今は支援の仕組みがいっぱいありますから。

ー「もっと早く整えておけばよかった」と思うことは。

酒井:事業計画と資金繰り表、そしてPL・BSですね。みんなが当たり前に「作りましょう」と言うことじゃないですか。創業期は全部自分でやらなきゃいけないので、なかなか時間を割けないんですけど、みんなが大事と言っていることは、やっぱり大事なんですよ。

最初から整えておけば、後がずっと楽になるし、事業の成長も危機も予測できて、事前に対策が打てる。僕は資金繰り表を作ったから「3か月後にキャッシュがやばい」と気づけたんですよね。

数字と向き合うのって、ついつい目をそらしたくなるんですけどね。当時は通帳を見たくなかったですから(笑)。でも経営者としては逃げられない。何度か危機に直面して、「把握できればアクションできる」と分かってからは、気持ちが楽になりました。

ー創業期は、精神的にも大変でしたか。

酒井:当初は休めなかったですね。物理的にというより、心情的に「休んでいていいのか、俺」と。家族でディズニーランドに行ったのに、全然楽しめなかったんですよ。

休んだことで会社がダメになったら一生悔やむだろうな、と思って、やらなくてもいい仕事までやってしまう。手を動かしていないと安心できない感じですね。それが、メンバーが増えて仕事をお願いできるようになるにつれて、心が軽くなっていきました。

世の中的には「人件費が一番のコスト」と言いますけど、果たして「そこまでカットすべきコスト」なのかなと思います。自分で事を起こした側からすると、喜びや悲しみを共有できる人がいるだけで、かかった人件費以上の価値がある。だから、給料を上げられるタイミングが来たら上げてあげたいし、メンバー一人ひとりの人生のビジョンにも、会社として近づけてあげたいと思っています。

ー最後に、これから起業する方へメッセージをお願いします。

酒井:繰り返しになりますが、起業は意外と孤独じゃないです。社会に受け皿がたくさんあって、助けてくれる方がいっぱいいる。「こんなこと聞いていいのかな」と思わずに、勇気を出して聞いてみることが大事です。起業家である以上、そこを怖がっていてはなかなか達成できない。

いっぱい挑戦して、いっぱい失敗するくらいのスタンスのほうがいい。これは自分に向けても言っていることですけどね。安心して挑戦してほしいなと思います。

(編集:創業手帳編集部)