飲食店開業の失敗事例に学ぶ、「絶対やってはいけないこと」とは?

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ズバリ「お金のメドがつくまえ前に不動産を決めてしまう」 その理由を徹底解説!

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(執筆:「飲食店開業融資専門税理士」ITA大野税理士事務所 大野晃)

(更新日:2015/12/2)

私のところに飲食店開業のことで相談にいらっしゃる方で、困ってしまうことがあります。相談の大抵は資金のことなのですが、相談にいらっしゃるときにお店の不動産が決まってしまっているということです。

簡単に言えば、売り上げや利益がどの程度見込めるかという計画がないのに、家賃の支払いが発生してしまっているということです。これは非常に恐ろしい状況です。「だから融資の相談に来ているんだ!」と声を荒げる方もいらっしゃるのですが、融資が許可されない、融資金額が、相談者が思っていた以上に少ないということもありうるのです。

なぜ不動産を先に決めてしまうのか

「不動産というのは同じものはありません」。これは不動産屋があなたに言う殺し文句です。「もしかしたら、明日、他の人が来て即決するかもしれません。そうなってからでは遅いですよ」と言うかもしれません。

確かに、不動産屋にそう言われると慌ててしまいます。特に、描いていた不動産に出会って心がトキメイテしまったら、なおさらです。

しかし、それは不動産屋がさっさと決めて仲介手数料が欲しいからなのです。余計な手間をかけたくないからなのです。

もちろん、不動産屋の言う通り不動産に同じものはありません。他の人が決めてしまうかもしれません。しかし、運転資金の計画が立っていないのに、不動産を決めるのはばくち以外の何者でもありません。契約をしてしまえば、そこから家賃が発生します。内装工事の段取りなども決まっていないので、開業までにまだまだ時間がかかってしまいます。その間も家賃は発生し続けてしまいます。

そして、その家賃でお店が経営できるかも全くの未知数です。場合によっては、いくら頑張っても黒字にならないような高い家賃の可能性だってあるのです。

失敗しない飲食店開業

飲食店開業でまず行うのは不動産の確定ではなく、事業計画書の作成です。

この連載の他の項で事業計画書の書き方は言っていますが、これにより売り上げ規模や顧客ターゲット層を明確にすることで、無理な計画になっていないかを確認できます。(【参考記事】)

また、自己資金と投資金額、運転資金などの項目から、必要な融資金額を割り出すことができます。融資金額は限度があるので、必要な融資金額が大き過ぎる場合は、自己資金を増やすか、不動産の取得などを含めた投資金額を減らすことを考えないといけません。

諸々の経営的な金額が決まって、初めて不動産に使える金額が分かり、その予算内で不動産を決めることになるのです。

すでに不動産が決まっていた段階で、私のところに相談にいらっしゃった場合、取れる手は少なくなります。内装工事などの金額を減らすか、設備を購入からリースに変更するか、自己資金を増やすか、売り上げ計画を上げることを考えないといけなくなります。

しかし、その中でも現実問題として取れる手だては内装工事の金額を減らすか、設備をリース契約にするぐらいです。自己資金を増やすのには時間がかかりますし、売り上げ計画は単価や客層の見直しなど根本的な変更となり、実行は不可能です。

どの手も取れない場合、最悪は違約金を払っても不動産を解約することも想定しなければならないのです。自己資金は目減りし、さらに厳しい状況で飲食店開業を一からスタートすることになります。

先に事業計画を作成すれば成功する理由

事業計画書を先に作成すると、開業までに柔軟な手を取ることができます。

例えば、現在の事業計画と想定できる融資金額では難しい場合、「開業を延期し自己資金を増やす」「不動産の投資金額を減らし、売り上げ計画の見直しをする」「内装や設備の投資金額を落とす」「高付加価値の料理やお酒を提供できるスキルを手に入れる」といった手が取れます。

なによりも、開店を延期させても問題ない(違約金などが発生しない)ということが柔軟性を高めてくれます。

飲食店を開業するのに「計画」がないことは、地図を持たずに航海に出るということと同じだということです。これから飲食店開業を志す皆さんは、計画書の計画を忘れずにいの一番に行ってください。それが、皆様の失敗を防ぐ加重用な方法の一つになります。

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(監修:ITA大野税理士事務所 大野晃 飲食店開業融資専門税理士)
(編集:創業手帳編集部)

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