ベンチャーキャピタル役員が語る女性起業家の成功条件

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夢や野望は大きく、声を大にして言い続けることが成功の鍵

(2016/03/17更新)

ベンチャーキャピタリストとして9年間で30社以上へ投資に関わり、3000人以上の起業家と会ってきた佐藤氏。業界では数少ない女性ベンチャーキャピタリストだが、そんな佐藤氏に、女性起業家が成長企業を創るポイントを直撃した。

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佐藤真希子(さとうまきこ)
2000年にサイバーエージェントに新卒1期生で入社。インターネット広告代理事業の女性初のマネージャーとなり事業拡大に貢献。子会社にて新規事業の立ち上げを経験した後、2006年よりサイバーエージェント・ベンチャーズにてネット系ベンチャー企業への投資に従事。上場した会社はメディアフラッグ、フォトクリエイトの2社。その他にも女性キャリア支援事業を行う株式会社LiBや、スポットコンサルティングを行うビザスク等、多数の有名スタートアップへの投資実績を持つ。2016年2月に株式会社iSGSインベストメントワークスの取締役マネージメント・ディレクターに就任し現在に至る。夫の重松氏は2014年に株式会社スペースマーケットを創業。3人の子供を持つ。

夫も起業。自分も子供3人抱えてファンドを立ち上げる!

ー佐藤さんのキャリアをお聞かせください。

佐藤:サイバーエージェントに新卒一期生で入社し、やりたいことに挑戦できる環境で思いっきり働くことができました。

2006年より希望して異動したベンチャーキャピタル部門(CAV・サイバーエージェントベンチャーズ)では、ベンチャーキャピタリストとして、自分自身の事業経験や業界人脈を活かし、非常に充実した日々を過ごしておりました。

中でもここ3年は、今まであまり意識してこなかったのですが、女性ベンチャーキャピタリストが非常に少ないこともあり、女性であり母でもあるからこそ理解できる事業もあるのではないかと気がつき、注力してきました。

2014年に投資した株式会社LiB(リブ)では仕事もプライベートも大切にしたいキャリア女性のための会員制天職サービス「LiBz CAREER」を提供しています。

元トレンダーズの取締役だった松本社長より事業の構想を伺った段階で、この事業は自分が支援するべきだとその場で確信し、投資を行いました。

この経験をキッカケに、より自分の意思に基づいて投資を決定する側へ挑戦したいという気持ちが強くなり、CAVを退社しました。

ー参画されたベンチャーキャピタルではどのような役割を担っていくのですか?

佐藤:iSGSインベストメントワークスはアットコスメなどを運営するアイスタイル(東証一部上場)の子会社ですが、アイス——ルとの事業シナジーを求める投資ではなく、事業の成長性等を見て判断して投資を行う独立したベンチャーキャピタルです。

メンバーはアイスタイルの創業時から東証一部までを実現したCFOの菅原と、元DeNAで球団買収や子会社の経営経験もある五嶋と私の3名です。

3名とも事業経験が長く、投資経験も10年以上ですので、会社を経営する上での大抵の課題に対してアドバイスができるという意味で最強の起業家応援団だと自負しています。

現在は、ベンチャーキャピタルの役員として、投資決定だけでなく、ファンドの組成や、業界自体の活性化を含め、非常に充実した日々を過ごしております。

ー今後の展望は?

佐藤:iSGSのファンドではオールジャンル、全てのステージのベンチャー企業への投資を行っております。

これからのベンチャーはネットだけで完結する事業より、リアル(アナログ)な部分にITを絡めて仕組み化していくかが鍵だと思っています。

そういう意味ではiot事業をはじめ、様々な業種において新たな事業を創造し、新しい価値や文化を創っていきたいと思っています。

女性起業家が成長する会社を創る3つのポイント

ー女性起業家は小さく始める方も多いです。女性起業家が成功するための秘訣を教えてください。

佐藤:女性が成長企業を作り上げるには3つのポイントがあると考えています。

ポイント1:
どのくらいの期間でどのくらいの規模まで事業を拡大させていきたいかイメージを持つ

たくさんの女性起業家とお会いするのですが、まずは小さく初めて徐々に大きくしていければ。といったお話しを伺うことが多いように思います。

しかし、会社も住宅と同じで、最初にこういう家を作るんだとゴールをイメージして1から作っていく場合と、ゴールイメージがないまま、増築を繰り返して出来た家とでは、最終的な出来上がりやユーザー動線が全く違う家ができると思うのです。

会社も最初の段階でどのくらいの期間で、どれくらいの規模感にしたいかによって、事業戦略だけでなくチームの創り方も必要な資金も大きくかわってきます。

よく起業家の目線以上には、会社は大きくならないと言われますが10年間の投資経験の中で本当にその通りだと思うことは多いですね。

ポイント2:
野望や夢を口に出し、色々な人に話をすることで仲間や応援団を増やす

男女の能力には差はないと思っている私ではありますが、女性起業家が損をしているなと思う時は「夢や野望を口にだす」ことをしない事です。

理由は様々だと思いますが、実現できなかった時に嘘つきになってしまうのではないか、自分のアイディアを人に取られてしまうのではないか、人に否定されるのが怖い、人を巻き込んでしまって迷惑をかけてしまうのではないか等の理由が多いように思います。

しかし、創業したての資金も実績もない中で、唯一起業家ができることはたった1つ、「夢や野望を語ること」なのです。

その夢や野望に惹きつけられた優秀なメンバーが同じ船にのってくれることによって、夢や野望を現実にしていくのがベンチャーです。

なので、夢や野望は大いに口にだすべきです。

また、世界中で起業している人がいる中で、極端に言うと新しいアイディアというのは、さほど価値を持たないと思っています。

それより、その事業を誰とどう実現するかの方がよっぽど大事であり、どう戦うかが大事なのです。

そういう意味ではアイディア段階では、ほぼ何も勝負するステージにも登っていないというのが私の意見ですね。

実現しようとしている事業については、様々な起業家やVCによるアドバイスを貰い、業界ヒアリングなどを徹底的に行った上で戦略を決め、実行していくことが大事だと思います。

そういう意味では「ビザスク」のようなスポットコンサルディングサービスを活用し業界経験者にヒアリングする等は非常に良いと思っています。

ポイント3:
経営もダイバーシティ。自分とスキルの違う人と組もう

女性起業家の場合、1人で事業を始める、もしくはお友達と事業をスタートする方が多いように思います。

もちろん1人だったり、お友達と起業するのが悪いわけではありません。

しかし、資本が少ない中でいかに少ない人数で事業を立ち上げるかを考えたら、少数精鋭なメンバーを集めるのは当然ですし、自分とは違うスキルセットを持つ人と組んで得意領域を補完しあう関係の方がよいのは明らかです。

その後も、優秀な仲間を採用しようとした際には、事業はもちろん、どんなチームなのかが重要になることを考えると、最初の船に誰を乗せるかは非常に大切なポイントです。

夢は大きく語り続ける

ー最後に、女性起業家にメッセージをお願いします。

佐藤:女性はもともと真面目な方が多いため、経営や財務、法律など全を自分自身で把握しないといけないと考えている方も多いと思いますが、会社は様々なスキルを持ったメンバーによって成り立っています。

経営者にとって一番大事な仕事は優秀な仲間を集めることと経営の決断をすることです。

意外かもしれませんが、事業を拡大されている女性起業家を見ると、ちょっと抜けているぐらいのほうがチームや事業が上手いっているような気がします。

起業家として夢を叶えるために一歩踏み出したのであれば、夢を大きく語り続け、大いに人を巻き込んでいきましょう。きっと夢は叶います。頑張ってください!

(取材協力:株式会社iSGSインベストメントワークス 佐藤真希子)
(編集:創業手帳編集部)

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