銀行が中小企業に出資の動き!日本経済新聞を解説

資金調達手帳

「中小に成長資金 幅広く」(日本経済新聞2015年4月14日朝刊1面)とは?

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(2015/04/14更新)

金融機関が中小企業に対して出資を引き受ける流れが出てきました。
4月14日の日経新聞朝刊1面をご覧になったでしょうか。

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「中小に成長資金 幅広く
りそな、優先株で出資 千葉銀、特許評価し融資 」

今回は、それぞれの銀行の動きに関して解説していきます。

「りそな、優先株で出資」とは?

4月14日の日経新聞によると、りそな銀行は東京都内で工業用ポンプを卸売りする中小企業が発行した優先株を1億円で買い取り、複数の地域金融機関と約10億円の協調融資も実施した、とあります。

ここでいう優先株とは、配当や会社が解散時の残余財産の分配など、一般的に株式市場で売買される「普通株式」より投資家の権利の内容が優先的になっている株式のことです。

発行する会社にとっては優先株式分の株主総会の開催などコストはかかりますが、負債となる借入と違い資本金となるため企業の財務基盤が強化され、引き受ける方としても普通株に比べて高い配当が期待できます。

メリット デメリット
発行企業 普通株式に比べて資金調達を得やすくなる 発行の手間や株主総会の手間などがかかる
引受企業 優先的に配当を得られる 議決権行使に制限が付される場合がある

成長が期待できる中小企業の優先株式を引き受ける事例が現れたことで、経営者としては資金調達の多様性が増え有難いでしょう。

「千葉銀、特許評価し融資」とは?

また、千葉銀行は昨年から中小企業の持つ特許を評価し、原則無担保で融資する仕組みをつくりました。特許の経済価値が一定以上あれば審査のうえで融資し、今年3月末時点で5社に計1億円弱を融資したとあります。

中小企業の経営者にとって借入の際の担保には頭を悩ませているかと思いますが、自社の特許を評価してもらい経済価値を認めてもらうことで、借入が無担保で実行できることは有難いことでしょう。

特許内容に自信がある会社は、特許を審査してもらうことで、融資が無担保で受けられる可能性があります。

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常陽銀行・西日本シティ銀行・東京都民銀行は日本政策投資銀行と、劣後ローンで融資

さらに同紙によると、茨城県の常陽銀行や福岡県の西日本シティ銀行、東京都民銀行などは日本政策投資銀行と組み、企業へ劣後ローンなどを融資するファンドを設けました。

劣後ローンは会計上負債ではありますが、金融機関からは自己資本規制比率上の自己資本の一部とみなされるため中小企業の資本を厚くする効果があります。

融資を受ける際に自己資本比率が気になる経営者は多いと思いますが、劣後ローンであれば資本とみなされるため検討の余地があるでしょう。

劣後ローンの主な特徴

  • 負債だが資本とみなされる
  • 返済は通常の借入より後で良い
  • 金利は通常の借入より高い

 

このように金融機関が中小企業に対して優先株式や特許の審査、劣後ローンによる資金調達など多様性が生じていることは、経営者にとって経営の追い風となるであろう。

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(監修:江黒公認会計士事務所 江黒崇史 公認会計士 )
(編集:創業手帳編集部)

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