オフィス内装デザインに必要なのは 「デザイン的観点」と「機能的観点」

創業手帳

移転後のオフィスをどのように構築するか

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(2016/10/25更新)

第3回までは新オフィスの条件を考え、移転先ビルを決め、契約するところまで話が進んだ。ビル選びの要件をもう一度見てみると、ソフト面の課題が残っていることに気づく。そしてそれらの課題は内装デザインで解決できることも多い。そこで第4回目となる今回は、移転後のオフィスをどのように構築するかについて考えてみよう。
4回にわたる今回のインタビューの締めもオフィス仲介大手の三幸エステート株式会社営業部 遠藤佑輔さんにお願いをした。

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オフィスを投資と考える

 将来の人員拡張に伴う面積の拡大。それに向けた移転のスケジュールや条件の割り出しと優先順位の付け方。契約や家賃についての話が続いたが、これらはハード面での話であった。契約して、いざ移転となると、その先は移転先のオフィスをどのように構築するか。いわゆるソフト面での話となる。

 近年、コミュニケーションの活性化、経営ビジョンの資格化、リクルーティングへの影響、企業ブランディングの構築、などを理由にオフィスを構築する企業が増えてきている。いかにオフィスをコストとして考えるのではなく、投資として捉えている企業が増えてきたか。そしてこれらの課題解決にはオフィスの内装デザインが大きく関係している。

オフィスコンセプトで重要なのは「デザイン的観点」と「機能的観点」

 オフィスレイアウトを作成するには内装業者やデザイナーと打ち合わせを行ない、移転先の部屋形状にあわせてより綿密な計画を立てる必要がある。その際に、自社のレイアウトやデザインをどのようにするのか。その意思を明確に伝えなければいけない。「働き方変革」の考え方や最新トレンド、知識を持っているのは、内装デザインを専門に行っている会社のため、早い段階から相談することをお勧めする。
 
 パートナーとなる会社が決まったら、オフィスコンセプトを決めていく作業に入る。
 そのためには自社の経営理念をどのように表現するのか、コーポレートカラーをどのように使うのか、といった「デザイン的観点」に加えて営業マンの在席率や応接室の利用度、働き方など、「機能的観点」から考える必要がある。

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 コンセプトが決まれば具体的にレイアウトに落としこむ。新ビルの面積や形状に合わせて、最低でも2~3パターンは用意しておくべきだ。候補ビルを絞り込む際に作成したサンプルレイアウトを上手く活用しよう。それをベースに具体的なレイアウトを固めていくのが効率的なやり方だ。
 また、建築基準法や消防法など、法規に関わることもあるので、現地調査のみならず、ビル側の調査も万全にしておかなくてはならない。

内装業者との打ち合わせ

 この段階になると、内装業者と打ち合わせをすることが多くなる。オフィスの規模にもよるが、中小規模のオフィス移転であれば、物件が決まりかけたタイミングでレイアウトや内装デザインの計画を立て始めるパターンが多い。オフィスさえ決まれば、あとはどのようにデザインをするか。自分たちがデザインでやりたいことを内装業者との打合せでしっかりと伝えなければならない。

 内装工事や引越し費用は思っている以上にコストが掛かる。また、第二回のときにも説明したが、原状回復工事も同様。あれもこれもと希望をすべて入れていくと、かなりコストが増えてしまう。将来的に再度移転することを考えると、原状回復工事で元に戻すコストも考えておくべきだ。
 
 したがって、全体のコストコントロールは非常に重要で、単純なコストカットだけではなく、本当に必要かどうか、また同様の効果をもっと安価でできないか、など検討しておきたい。

 また、工事内容によっては、施工業者がオーナー側で指定されている場合もあるので注意が必要だ。ビル選定時に仲介業者に確認しておこう。

 最後に、工事期間や費用は余裕を持たせることもポイントになる。稼働中のビルへの移転となると、工事が深夜や休日に限定されて行われるケースもあり、工事期間が長引いてしまうと入居予定日が間に合わないといったような大きなトラブルにつながりかねない。
 スケジュール遅れの最大の理由は社内調整の不備ともいわれる。移転PJを円滑に進めていくためには、PJの進め方や意思決定をすばやくできる体制づくりが極めて重要になる。

レイアウトにまつわるあれこれ
     日本における代表的なオフィスレイアウトは、社員が向かい合って座り、上司は全員を見渡せる位置に席を設ける、いわゆる「島型対向オフィス」が主流だった。しかし、昨今は、座席を決めない「フリーアドレス」や特定の部署だけ座席を決める「準フリーアドレス」といったレイアウトが増えてきている。デスクを全体的に斜めに配置することで見渡しをよくする、普段声をかけあえなかった部署と接点を持つことを目的に動線を敢えて変化させるなど、目的によってさまざまなレイアウトが考えられるようになってきた。
     今後は面積の改善だけでなく、コミュニケーション不足を補う手段としてオフィス移転を検討する企業も多いことだろう。

おわりに

 いかがだっただろうか。4回にわたりお送りしてきた【成功するオフィス移転】。
 移転する目的・スケジュールを明確にし、イメージ通りの新オフィスを構築することができるような流れを紹介してきた。
 オフィス移転において、働きやすい環境がうまれ、業務効率が向上する。さらにオフィスをきっかけに経営課題が解決する。そんなことが「移転成功」を意味することだろう。
 この企画が、ご覧になった皆様にとって良いバイブルとなることを願って連載を終了する。

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(監修:三幸エステート営業部 遠藤佑輔(えんどう ゆうすけ) )
(編集:創業手帳編集部)

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